電撃性紫斑病

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電撃性紫斑病(英:Purpura fulminans)は、名称の通り紫斑を特徴とする[1]救急疾患。日本語で電撃性紫斑病といえば、専ら急性感染性電撃性紫斑病(AIPF)を指す。これには迅速な診断、治療が必要だが、成人の症例が稀[注釈 1]で、初期では症状が顕れ出ないことがあり[2]、迅速な外科的治療が難しいことで知られる。予後が悪いため、足に異様な紫斑が出た場合、水分補給と救急車を呼ぶことが推奨される。

摘要

1844年に初めてAIPFとして報告された[2][3]。

毛細血管の血液凝固に特徴付けられる血栓症であり[2]、網状紫斑[4]と皮膚の壊死を引き起こす[2]。

初期の治療には水分補給、輸液、デブリドマンが要る[2]。

急性症状は発熱、多発性内出血、低血圧[2]で、進行すると播種性血管内凝固症候群、循環虚脱、多臓器不全を伴う[2][4]。

1症例である横田久世氏は積極的にメディア出演している[5][6]。

診断

[2]のEvaluationを参照。

診断の真珠(pearls)

  • 電撃性紫斑病が疑われた場合、原則、急性感染型を想定する[2]。
  • 身体所見に見合わない痛みは壊死性筋膜炎の兆候である可能性がある[2]。
  • 外科専門医は、治療の早い段階から関与すべきである[2]。

症状の似ている病気

治療

[2]Treatment / Managementを参照。非専門家が可能なのは水分補給のみ。

病態

全ての症型で過剰な凝固亢進が表れる[2]。

皮膚所見(写真)

通常脚から始まる。痛みと硬結を伴う紅斑に始まり、暗赤色〜黒色の出血性壊死が放射状に広がる[2][1]。小水疱や水疱が形成される事もある[1][2]。進行すると2次感染が起こる虞がある[2]。壊死が深部まで進む可能性もある[2]。

特定の疾患ではなく、何らかの全身性疾患の兆候として表れる[2]。

新生児型

遺伝性プロテインC欠乏症が多く、稀にプロテインS欠乏症の症状である[2]。 大抵、生後5日以内に皮膚や臓器に大量の静脈/動脈血栓症が起こる[2]。

先天性プロテインC欠乏症の場合、 失明を伴う症例が多く[1]、 消化管出血や腎出血を合併する場合もある[1]。

原因はプロテインC、プロテインS、及びアンチトロンビンの先天性欠乏と関連している[2]。日本でも1983年から屡々死亡例が確認されており[1]、難病指定されている[7]。

特発型(AIPF,急性感染性電撃性紫斑病[8])

感染症の7〜10日後急速に進行する(劇症型)[2]。 最も稀[2]。PuMedでは水痘や猩紅熱等の皮膚感染症が殆どを占めるが、日本では肺炎連鎖球菌が多い[8]。

発熱性疾患(感冒様)に続いて発症する自己免疫疾患で[2]、プロテインSの相対的欠乏が原因と考えられている[2]。

急性感染型 Idiopathic,post-infectious or acquired[4]

通常、エンドトキシン産生グラム陰性菌による敗血症に表れる[2]。 初期には点状出血が表れるか、何も表れない[2]。進行すると出血性水疱が形成され、紫斑病の典型である硬い痂皮が形成される[2]。

症例は最も多く、重篤な敗血症例に顕れる[2]。壊死性筋膜炎の特定の病原体に好発する場合もあり、前者と頻度はほぼ等しい[2]。

疫学

1-3歳と16-18歳に2峰性を示す[4]。

急性感染性電撃性紫斑病は、髄膜炎菌性敗血症を発症した患者の10~20%に見られる[2]。病原体は細菌では髄膜炎菌と肺炎連鎖球菌、ウイルスの場合水痘・帯状疱疹ウイルスが多かった[2]。 日本では髄膜炎菌の侵淫度が低い為ほぼ肺炎球菌が原因となっている[8]。身体的または機能的に脾臓を摘出している患者に多い事が判っている[2]が、必ずしも鑑別に有用ではない[8]。

また非常に稀で、報告された症例は数百例のみ[2]。日本では新生児を除き50例程[8]。

致死率は43%という報告がある[3]。

外部リンク

脚注

注釈

  1. ↑ 日本では肺炎球菌が主な原因で50例ほど。

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 「電撃性紫斑病 血栓止血誌 12(2):154~160,2001」https://www.jsth.org/publications/pdf/jstage/12_2.154.2001.pdf
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 Perera, Thomas B.; Murphy-Lavoie, Heather M. (2026), Purpura Fulminans, StatPearls Publishing, PMID 30422460 2026年5月19日閲覧。
  3. 1 2 久保 健児,千代 孝夫 (2009年). “電撃性紫斑病(purpura fulminans) ̶正しい病態の把握と皮 膚所見による迅速な診断が重要である”. 日集中医誌 2009年第16巻1号 p.13-15: 13,14. ISSN 1882-966X.
  4. 1 2 3 4 “Purpura Fulminans” (英語). DermNet® (2025年4月23日). 2026年5月19日閲覧。
  5. ↑ “義足となった主婦、娘2人とホノルルマラソンに挑む…目指すは完走「諦めない姿を見せたい」”. 読売新聞 (2022年11月29日). 2026年5月19日閲覧。
  6. ↑ 街録ch〜あなたの人生、教えて下さい〜『両足・両指 腐敗で切断/40歳母を襲う突然の難病…「⚫︎なせて欲しかった」』2022年10月10日。https://youtu.be/u-I8gHEDuRE?si=IAUIPbSFfZtScSi8
  7. ↑ “特発性血栓症(遺伝性血栓性素因によるものに限る。)(指定難病327) – 難病情報センター”. www.nanbyou.or.jp. 2026年5月19日閲覧。
  8. 1 2 3 4 5 「電撃性紫斑病の臨床的検討 ―本邦における原因菌の特徴を含めて―」 日本赤十字社和歌山医療センター救急・集中治療部 久保 健児 千代 孝夫 岡本 洋史 松島 暁 平成21年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kansenshogakuzasshi/83/6/83_639/_pdf

未参照文献