まぼろし探偵
『まぼろし探偵』(まぼろしたんてい)は、1957年(昭和32年)に『少年画報』(少年画報社)に連載された桑田次郎(桑田二郎)原作の漫画作品、およびそれを元としたラジオドラマ、特撮テレビ番組、映画作品のタイトル。
概要
『まぼろし探偵』は当初『少年探偵王』のタイトルで連載された[1]。赤い帽子、黒マスク(目の周りを覆うのみ)、黄色いマフラーをトレードマークとする少年探偵が主人公。事件が起きるとさっそうとオートバイに乗って現れる。その正体は誰も知らないが、日の丸新聞の少年新聞記者[注 1]である富士進。父親は警視庁警部であり、事件に関する情報は自然と耳に入ってくる。いざという時はまぼろし探偵に姿を変え、悪漢相手に二丁拳銃で立ち向かい、難事件を解決していく。
1959年(昭和34年)からラジオとテレビでドラマ化され、3本の映画が製作されている。
ドラマや映画で主題歌が歌われ、少年ヒーローを想像して子どもたちの間でまぼろし探偵ごっこが流行った。
テレビドラマ版では拳銃の代わりに電波ピストルを使い、オートバイの代わりに空陸両用自動車「まぼろし号」に乗っている。
漫画版
1957年3月号から『少年画報』に連載が始まり1961年(昭和36年)12月号で一度終了したが、1964年(昭和36年)11月号から1965年(昭和40年)4月号まで再連載された。
しかし年月の経過により絵柄の雰囲気は微妙に違っていてマフラーもスカーフ調にオートバイもフルカウル形になっている。
- 掲載目次
- 第1話 四・六の秘密 (1957年3月号)★第3話まで「少年探偵王」で掲載
- 第2話 二つの顔 (1957年4月号-1957年6月号)
- 第3話 呪いの家 (1957年7月号-1957年10月号)
- 第4話 怪人対快人 (1957年10月号-1958年3月号)
- 第5話 炎の怪人 (1958年4月号-1958年5月号)
- 第6話 スペードの使い (1958年6月号-1958年11月号)
- 第7話 クラーク東郷 (1958年12月号-1959年7月号)
- 第8話 紅こうもり (1959年8月号-1959年11月号)
- 第9話 対決!怪人ルパン (1959年11月号-1960年6月号)
- 第10話 加保根の脳 (1960年7月号-1961年3月号)
- 第11話 白仮面と黄金の像 (1961年4月号-1961年10月号)
- 第12話 にせ金団 (1961年11月号-1961年12月号)
- 第13話 ゆうれい屋敷 (1964年11月号-1964年12月号)
- 第14話 絵の中の殺人鬼 (1965年1月号)
- 第15話 にせ札つかい (1965年2月号-1965年4月号)
ラジオドラマ版
1959年2月16日から1960年10月22日まで、ラジオ東京(現:TBSラジオ)にて月曜日から土曜日までの毎日18:05 - 18:25の時間帯で放送。なお、この途中1959年4月1日からKRTで始まったテレビドラマ版は毎週水曜日の18:15 - 18:45の時間帯で放送されていたため、1959年9月30日までは水曜日の18:15から18:25までの間はラジオとテレビ両方で同じ「まぼろし探偵」を放送していたということになった。
出演:清水滋雄(進少年)、佐藤のり子(さくら)ほか[2]
| ラジオ東京 月 - 土 18:05 - 18:25枠 | ||
|---|---|---|
| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
まぼろし探偵
|
||
テレビドラマ版
| まぼろし探偵 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 桑田次郎 |
| 企画 | 神山雄二 |
| 脚本 | 柳川創造 |
| 監督 | 近藤竜太郎 |
| 出演者 | 加藤弘、吉永小百合、花咲一平 |
| オープニング | 「まぼろし探偵」 |
| エンディング | 「まぼろし探偵」 |
| 製作 | |
| 制作 | KRT |
| 放送 | |
| 音声形式 | モノラル |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 1959年4月1日 - 1960年3月27日 |
| 放送時間 | 水曜18:15 - 18:45(第1話 - 第27話) 日曜9:00 - 9:30(第28話 - ) |
| 放送分 | 30分 |
| 回数 | 56 |
1959年4月1日から1960年3月27日までKRT(現:TBSテレビ)にて放映された[3][4]。製作は広告代理店・折込広告社[出典 1]、実製作は童映株式会社。前期は日本水産(現:ニッスイ)、後期はエースコックのそれぞれ一社提供。全56話[出典 1]。
関西地区では、テレビネットワーク腸捻転時代であった(当時の関西のKRT→TBS系列の準キー局は朝日放送)にもかかわらず、この番組に関しては毎日放送 (MBS) にネットされていた。そのほか、ラジオ青森(RAB・現:青森放送、日テレ系)のアナログテレビのサービス放送のKRTとネット契約を結んでいた期間中にもネットされた[注 2]。
放送時間は毎週水曜日18時15分から18時45分[出典 1]。KRTでは1959年10月4日(第28話「まだら蜘蛛の復讐(後編)」以降)から毎週日曜日9時から9時30分に移動したが[5][4]、毎日放送では1959年10月以降も放送時間は変更されずに放送されていた。
子役時代の吉永小百合や藤田弓子が出演していた作品として紹介されることも多い[3][5][注 3]。
まぼろし号
吉野博士が作った万能自動車[7]。まぼろし探偵に託され、高速走行のほか、タイヤを収納してマッハ8.05で飛行することも可能である[3][7]。
キャスト
- まぼろし探偵 / 富士進:加藤弘
- 富士登警部:天草四郎(第1話 - 第10話)、大平透(第11話 - )
- 富士松子:利根はる恵
- 富士典子:渡辺典子
- 吉野博士:カワベキミオ
- 吉野さくら:吉永小百合
- 山火編集長:大宮敏
- 黒星十郎・黒星に顔が似ている親分(第19話):花咲一平
- 給仕 みち子:藤田弓子
- 香山刑事:成田裕、柳田健二
- 大塚刑事:鈴木志郎
- 三村修:多賀泰彦
- その父 和夫:谷口安彦
- その母 静江:浅田和子
- 北川記者、三村三郎(サブ)、解説:三戸部義輝
第36話・第37話「国際密輸団」の劇中で開催されるクリスマス会のバックバンドの一員として、トランペット奏者の日野皓正が出演している[16]。
三戸部義輝は解説(ナレーション)のほか、北川記者の役から犯人グループの一味や犯罪の被害者など、毎回のように違った役で出演している。
スタッフ
放映リスト
- 謎の怪電波
- 時限爆弾
- 透明人間の恐怖
- 狙われた408号列車
- スペードの女王[注 5]
- 二人のまぼろし探偵
- オリオン王国の秘密
- 進君危うし
- 山火編集長おそわる
- れい迷教?
- 日本から逃すな
- 金塊輸送車
- 怪人黒マント[注 5]
- 青銅の仮面
- 消えた花売り娘
- 怪盗紅バラ男爵
- ニセ札団
- ゆうれい島
- 犯人黒星十郎?
- 暗殺団を倒せ
- 海底魔人
- 白狐の挑戦
- 海王星から来た少年
- ウランの秘密(前編)
- ウランの秘密(後編)
- Xマン? (前編)
- Xマン? (後編)
- まだら蜘蛛の復讐(前編)
- まだら蜘蛛の復讐(後編)
- クラーク東郷(前編)[注 5]
- クラーク東郷(後編)[注 6]
- ミイラ武者の復讐(前編)
- ミイラ武者の復讐(後編)
- ダイヤの秘密(前編)
- ダイヤの秘密(後編)
- 国際密輸団(前編)
- 国際密輸団(後編)
- 謎の仮面博士(前編)
- 謎の仮面博士(後編)
- 七色真珠(前編)
- 七色真珠(後編)
- 謎のジョーカー(前編)
- 謎のジョーカー(後編)
- 妖鬼現わる(前編)
- 妖鬼現わる(後編)
- スパイ? (前編)
- スパイ? (後編)
- 邪魔者は倒せ!(前編)
- 邪魔者は倒せ!(後編)
- 黒星故郷へ帰る(前編)
- 黒星故郷へ帰る(後編)
- 仙人沼のせむし男(前編)
- 仙人沼のせむし男(後編)
映像ソフト化
- VHSビデオソフト(サムビデオ、パラマウントビデオ)、DVD-BOX(パイオニアLDC、エムスリイエンタテインメント)、廉価版DVD(マグネット)が発売された。それぞれ収録の構成が異なる。
- 2000年12月22日にベストセレクションのDVDが発売スパック・販売エスモックにより発売された[17]。その後、2001年9月21日に全4巻の単巻DVDが発売された[18]。
- トールケース版DVDとして2007年6月1日に全12巻が発売された。第35話までを収録している。
- DVD-BOXが2007年8月29日発売。現存するうちの計49話を完全収録している。
- 放送50周年を記念し、低価格のDVD-BOXが2009年3月27日収録。収録内容は上記と同じ。
- 製作会社倒産と版権不継承によってパブリックドメインとなったことから、低価格DVD(全12巻)が発売されている。
- Blu-rayが2021年10月29日発売。計50話をOP・ED付(一部欠損)で収録している
映画版
1960年(昭和35年)に3作品が新東宝の配給により公開された[11][19]。第1作はテレビドラマ版と同じスタッフ・キャストにより製作されたが、テレビ版放送終了後に製作された第2作・第3作は中岡慎太郎主演となった[出典 3]。第2作・第3作ではまぼろし探偵は青年となっており、SF要素よりも探偵要素が強くなっている[21]。
- 『まぼろし探偵 地底人襲来』(1960年2月14日公開[22]、51分[20])
- 『まぼろし探偵 恐怖の宇宙人』(1960年11月19日公開[22]、78分[20])
- 『まぼろし探偵 幽霊塔の大魔術団』(1960年12月3日公開[22]、76分[20])
あらすじ(映画版)
- 『まぼろし探偵 地底人襲来』[20]
- 地上征服を企む地下25キロメートルに住む地底人は、太陽光線に耐える眼球を研究するため、地上人の眼球をえぐり取る事件を起こす。
- 地底人は、次なる標的として人工地震装置開発者の吉野博士を狙う。
- 『まぼろし探偵 恐怖の宇宙人』[20]
- 東京に宇宙人が襲来し、ビル街を爆破したのち次々とデパートを襲撃して高級品を奪い取っていった。その正体は、チベットに伝わる不老不死の秘薬を狙う一団が変装した姿であった。
- 『まぼろし探偵 幽霊塔の大魔術団』[20]
- 秘密結社レッドスコー団は、占領軍が埋蔵したと言われる時価数百億ドルの財宝を狙い暗躍を始めていた。注射すると30分以内にミイラ化する秘薬ポリコンを作り出し、配下にするためミイラ人間を製造し始める。
キャスト(映画版)
- 第1作[20]
- 富士進 / まぼろし探偵[21] - 加藤弘
- 汐見洋
- 水原久美子
- 高野由美子
- 三田泰子
- 吉永小百合
- 第2作・第3作[20]
スタッフ(映画版)
- 第1作
- 第2作・第3作
日台合作リメイク版映画
1968年に3作品の台湾語リメイク映画版(モノクロ作品)が台湾に公開された。脚本や監督には1960年日本版映画第2、3作の監督小林悟が参加している。
- 『神龍飛俠』(1968年2月公開)
- 『月光大俠』(1968年5月公開)
- 『飛天怪俠』(1968年10月公開)
主要キャスト
- 桂治邦:三林 / 神龍飛俠または月光大俠(まぼろし探偵)
- 賴德南:壞子仔(カメラマン、三林のパートナー)
- 康明:吳光山(悪い組織”仮面宇宙党”のボス)
- 楊渭溪:劉靜雲(新宝デパートの代表取締役社長)
- 柳青:江麗莎(劉靜雲の秘書)
- 吳小惠:江麗芬(江麗莎の妹、目は不自由)
- 小林
- 柯佑民
- 江青霞 ほか
主要スタッフ
脚注
注釈
- ↑ 原作では掲載誌名に合わせて少画新聞の記者となっている。
- ↑ 1959年9月25日15:00の大相撲中継以降は局の事情により、日本テレビへネット変更。
- ↑ 書籍『全怪獣怪人 上巻』では、吉永は『まぼろし探偵』がデビュー作であるかのように記述しているが[3]、実際には同年の『朝を呼ぶ口笛』で映画デビューし、『まぼろし探偵』の前番組である『赤胴鈴之助』がテレビドラマデビュー作である[5][6]。
- ↑ 書籍『'60年代 蘇る昭和特撮ヒーロー』でも、当時松竹に所属していたため、ノンクレジットであったとする説を掲載している[15]。
- 1 2 3 欠番。
- ↑ エムスリイエンタテインメントのDVD-BOXの映像特典としてのみ収録。
出典
- ↑ 石橋春海 2013, p. 32.
- ↑ 『福島民報』1959年4月20日付朝刊、ラジオ欄。
- 1 2 3 4 5 全怪獣怪人 上 1990, pp. 46–47, 「黎明の時代」
- 1 2 3 特撮全史 1950-60年代 2017, p. 158, 「1950's-1960's テレビヒーローの系譜」
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 超人画報 1995, p. 41, 「CHAPTER I 連続活劇(銀幕)からブラウン管へ 和製ヒーロー黎明期(1957-1965)」
- ↑ 石橋春海 2013, p. 34.
- 1 2 3 4 5 6 特撮全史 1950-60年代 2017, p. 80, 「1959 鉄腕アトム、まぼろし探偵」
- ↑ 石橋春海 2013, pp. 32–33.
- ↑ 石橋春海 2013, p. 37.
- ↑ 石橋春海 2013, pp. 33、37.
- 1 2 3 4 大特撮 1985, pp. 247–248, 「第十二章 躍進編 III 変転する昭和三〇年代の各社」
- 1 2 3 「特集企画 スーパー戦隊その極意 Volume7 実車マシンの意義」『スーパー戦隊 Official Mook 21世紀』 vol.7《獣拳戦隊ゲキレンジャー》、講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2017年10月10日、30頁。ISBN 978-4-06-509518-8。
- 1 2 『特撮をめぐる人々 日本映画 昭和の時代』 竹内博、ワイズ出版、2011年、93頁。
- 1 2 3 『ミラーマン大全』双葉社、2004年、266頁。ISBN 457529652X。
- 1 2 石橋春海 2013, p. 35.
- ↑ 『60年代 郷愁の東京』 本橋信宏、2010年、主婦の友社、152頁。
- ↑ 「2000TV・映画 特撮DVD・LD・ビデオ&CD」『宇宙船YEAR BOOK 2001』朝日ソノラマ〈宇宙船別冊〉、2001年4月30日、66頁。雑誌コード:01844-04。
- ↑ 「綴込特別付録 宇宙船 YEAR BOOK 2002」『宇宙船』Vol.100(2002年5月号)、朝日ソノラマ、2002年5月1日、169頁、雑誌コード:01843-05。
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 特撮全史 1950-60年代 2017, p. 144, 「1950's-1960's 日本空想、特撮映画総覧 邦画各社」
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13
- 日本特撮・幻想映画全集 1997, p. 210, 「まぼろし探偵シリーズ」
- 日本特撮・幻想映画全集 2005, p. 218, 「まぼろし探偵シリーズ」
- 1 2 3 4 5 6 7 8 特撮全史 1950-60年代 2017, p. 32, 「1961 第三次世界大戦 四十一時間の恐怖、まぼろし探偵」
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9
- 大特撮 1985, pp. 247–248, 「第十二章 躍進編 III 変転する昭和三〇年代の各社」
- 日本特撮・幻想映画全集 1997, p. 210, 「まぼろし探偵シリーズ」
- 日本特撮・幻想映画全集 2005, p. 218, 「まぼろし探偵シリーズ」
- 特撮全史 1950-60年代 2017, p. 144, 「1950's-1960's 日本空想、特撮映画総覧 邦画各社」
出典(リンク)
参考文献
- コロッサス 編『大特撮 日本特撮映画史』監修 本多猪四郎(改訂初版)、朝日ソノラマ、1985年1月31日(原著1979年1月31日)。ISBN 4-257-03188-3。
- 『全怪獣怪人』 上巻、勁文社、1990年3月24日。ISBN 4-7669-0962-3。C0676。
- 竹書房/イオン 編『超人画報 国産架空ヒーロー40年の歩み』竹書房、1995年11月30日。ISBN 4-88475-874-9。C0076。
- 『日本特撮・幻想映画全集』勁文社、1997年6月5日。ISBN 4-7669-2706-0。
- 『日本特撮・幻想映画全集』朝日ソノラマ、2005年12月30日。ISBN 4-257-03720-2。
- 『桑田次郎の世界』(講談社)監修:桑田二郎(2009年8月24日発行)
- 石橋春海『'60年代 蘇る昭和特撮ヒーロー』コスミック出版〈COSMIC MOOK〉、2013年12月5日。ISBN 978-4-7747-5853-4。
- 講談社 編『特撮全史 1950-60年代ヒーロー大全』講談社〈キャラクター大全〉、2017年11月29日。ISBN 978-4-06-220358-6。
外部リンク
| KRT 水曜18:15 - 18:45枠(1959年4月 - 1959年9月) | ||
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| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
まぼろし探偵
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| KRT 日曜9:00 - 9:30枠(1959年10月 - 1960年3月) ※関東地方のみ |
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人形劇映画(タイトル不明)
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