オーストン・マシューズ

ウィキペディアから、無料の百科事典
オーストン・マシューズ
2022年
本名 オーストン・テイラー・マシューズ
原語名 Auston Taylour Matthews
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生誕 (1997-09-17) 1997年9月17日(29歳)
カリフォルニア州サンラモン
出身地 アリゾナ州スコッツデール
身長 6 ft 3 in (1.91 m)
体重 205 lb (93 kg; 14 st 9 lb)
ポジション センター
シュート 左打ち
所属チーム トロント・メープルリーフス
所属歴 ZSCライオンズ(英語版) (2015-16)
トロント・メープルリーフス (2016 - )
代表 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
NHLドラフト 1巡目 / 全体1位(2016年)
トロント・メープルリーフス
プロ選手期間 2015年 – 現在
獲得メダル

アイスホッケー
 アメリカ合衆国
オリンピック
金メダル - 1位2026 ミラノ・コルティナ
ケベックESSOカップ
金メダル - 1位2014 カナダ
U18世界選手権
金メダル - 1位2015 スイス
金メダル - 1位2014 フィンランド
U20世界選手権
銅メダル - 3位2016 フィンランド

オーストン・マシューズ(英語: Auston Matthews, 1997年9月17日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンラモン生まれ、アリゾナ州スコッツデール出身のプロアイスホッケー選手。NHLのトロント・メープルリーフスに所属している。ポジションはセンター。

NHLデビュー戦で4ゴールを記録するなど、その強烈なシュート力と万能なプレー、また名門トロント・メープルリーフスとアメリカ合衆国のキャプテンを務めるリーダーシップを併せ持つ、世界屈指の選手と広く認められている。

経歴

生い立ち

アメリカ合衆国カリフォルニア州にて、アメリカ人の父とメキシコ人の母の間に生まれる。生後2ヶ月でアリゾナ州スコッツデールへ移住し、2歳の頃からフェニックス・コヨーテズの試合を観戦していた[1][2]。当初はあまりホッケーに興味がなかったが、休憩中にリンクを整備する整氷車に魅了された。5歳でホッケーをしたい意向を家族に明かし、地元のユースチームに加入した。2006年1月16日にはコヨーテズとワシントン・キャピタルズの試合を観戦に訪れ、アレクサンドル・オベチキンの仰向けになりながらのゴールを目撃した。後年に「あれは史上最高のゴールの1つだった」と語っている[3]。

幼少期はアイスホッケーと並行して野球もプレーしていた。父のブライアンはマシューズの才能を最も活かせるのは野球だと考えていたが、マシューズ自身は野球のペースの遅さを嫌い、最終的にはアイスホッケーに専念した[4]。

ジュニア

2012年のWHL(英語版)ドラフトにて、全体57位でエバレット・シルバーティップス(英語版)から指名されるも入団せず、アメリカ合衆国代表の育成プログラムに参加した。同年のシーズンは116ポイントを記録し、パトリック・ケインが保持していたシーズン最多ポイント記録を更新した[5]。

ZSCライオンズ

2015年のNHLドラフト(英語版)には誕生日が2日違いでエントリー資格がなかった。このため、2016年のNHLドラフトまでは海外のプロチームでプレーすることを発表した[6]。

2015年8月7日にナショナルリーグAのZSCライオンズ(英語版)と1年契約を結んだ[7]。

ZSCライオンズでのマシューズ
(2016年)

2015-16シーズンは36試合に出場して24ゴール、22アシスト、46ポイントを記録した。チームは第1シードでプレーオフに出場したが、1回戦でスイープで敗れた。

トロント・メープルリーフス

2016年のNHLドラフト(英語版)1巡目全体1位でトロント・メープルリーフスから指名された[8]。NHLドラフトにおいて、アメリカ合衆国出身の選手が全体1位指名されるのは2007年のパトリック・ケイン以来、9年ぶりだった[9]。契約の際にはボーナスを要求。メープルリーフスのGMは選手契約にボーナスを含めることに否定的なスタンスで知られていたが、マシューズの要求を受諾した。

2016-17シーズン、デビュー戦となった2016年10月12日のオタワ・セネターズ戦で4ゴールを記録。リーグ創生期を除けば、デビュー戦での最多ゴール記録となった[10]。この活躍もあり人気を博し、デビュー間も無くユニフォームの売り上げでリーグ1位となった。シーズンでは全82試合に出場してアメリカ出身のルーキーの最多ゴール記録となる40ゴール、29アシスト、69ポイントを記録し、カルダー記念賞を受賞。オールスターゲームにも選出された[11]。

2017-18シーズンは62試合に出場して34ゴール、29アシスト、63ポイントを記録し、2年連続でオールスターゲームに選出された[12]。

2018-19シーズン、2019年2月5日にメープルリーフスと5年総額5,817万ドルの契約延長に合意した[13]。このシーズンは68試合に出場して37ゴール、36アシスト、73ポイントを記録し、3年連続でオールスターゲームに選出された。

2019-20シーズン開幕前にオルタネイト・キャプテンに任命された[14]。このシーズンは70試合に出場して47ゴール、33アシスト、80ポイントを記録し、4年連続でオールスターゲームに選出された。

練習中のマシューズ
(2020年)

2020-21シーズンはCOVID-19の影響により、チームはカナダの地区のみで試合を行うことになった。このシーズンは52試合に出場して41ゴール、25アシスト、66ポイントを記録し、メープルリーフスの選手としては史上初となる得点王を受賞した。また、ハート記念賞のファイナリストにも選出されたが、受賞はならなかった。

2021-22シーズン開幕前の2021年8月に手首の手術を受け、開幕後最初の3試合を欠場した[15]。復帰後は最初の6試合でわずか1ゴールに終わるなどキャリア最悪のペースだったが、その後は驚異的なペースでゴールを重ね、シーズン中盤に1位のレオン・ドライザイトルを追い抜く。最終的に自己最多となる60ゴールを記録して2年連続で得点王を受賞した。シーズン60ゴールはメープルリーフスの選手としては史上初であり、NHL全体でも2004年のロックアウト以降、史上3人目であった。プレーオフでは1回戦で3連覇を目指すタンパベイ・ライトニングと対戦。7試合で両チーム最多となる4ゴール、9アシストを記録するなど活躍したが、チームは8季連続となる1回戦敗退を喫した[16]。シーズン終了後、自身初となるハート記念賞、テッド・リンジー賞を受賞した[17]。

2022-23シーズン、2023年1月3日のセントルイス・ブルース戦で、メープルリーフスの選手としては史上最速となる通算500ポイントに到達した[18]。3月25日のカロライナ・ハリケーンズ戦でゴール内シュートを15本放ち、メープルリーフスの球団記録に並んだ。シーズン全体では74試合に出場して40ゴール、45アシスト、85ポイントを記録した。プレーオフ1回戦では2年連続でライトニングと対戦した。多くのメディアから、このシリーズの結果がマシューズの今後の去就を大きく左右すると予測される中、6試合で5ゴール、4アシストを記録。チームは4勝2敗で勝利し、2004年以来となる2回戦進出を果たした[19]。フロリダ・パンサーズとの2回戦では1勝4敗で敗退し、5試合で2アシストに留まった。

2024年8月14日、マシューズはフランチャイズ史上26人目、初のアメリカ生まれのキャプテンに任命された。[20]

代表歴

マシューズは、2014年のアイスホッケーU18世界選手権でアメリカU-18代表の金メダル獲得に貢献した。 2015年大会でも金メダルを獲得し、大会の得点王とポイント王に輝き、最優秀選手に選ばれたほか、メディアオールスターチームのトップフォワードの座も獲得した。[21]

2016年のアイスホッケーU20世界選手権では7ゴール11ポイントを記録し大会オールスターチームに選出され、銅メダルを獲得した。[22] 同年、マシューズは2016年アイスホッケー世界選手権のアメリカ代表チームメンバーに選出され、チーム最多ポイントを記録した。 同年後半、2016年ワールドカップ・オブ・ホッケーの北米チームメンバーに選出された。[23]

2025年1月、マシューズは4ネーションズ・フェイスオフにおけるアメリカ代表チームのキャプテンに任命され、[24]決勝のカナダ戦を含む計3試合に出場し、チームは準優勝となった。

マシューズは2026年ミラノ・コルティナオリンピックの男子アイスホッケー競技アメリカ代表チームのキャプテンに任命され、[25]彼は代表チームを率いて、2026年2月22日、カナダ代表を2–1の延長戦の末に破り、男子アメリカ代表チームにとって1980年のミラクル・オン・アイス以来初のオリンピック金メダルを獲得した。[26]

人物

スポーツ一家で育ち、父は大学野球選手、叔父のウェスはナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のマイアミ・ドルフィンズに所属していた経験がある。父はニュージャージー州に拠点を置く製造会社の最高責任者である。

母がメキシコ人であるため、スペイン語をある程度話すことができる[27]。

2019年9月に、同年5月に女性警備員の下着を露出させたとして起訴された[28]。最終的には和解が成立し、11月13日に告訴が取り下げられた。

詳細情報

賞歴

記録

NHL記録

  • デビュー戦での最多ゴール記録:4
  • アメリカ出身のルーキーによるシーズン最多ゴール記録:40
  • デビューからの連続ゴール記録:103試合
  • デビュー最初の5試合全で複数ポイントを記録した史上最年少選手(21歳)

メープルリーフス記録

  • シーズン最多ゴール記録:60
  • 通算25ゴールを記録した最速試合数:52試合
  • ルーキーによるシーズン最多ポイント記録:69
  • ルーキーによるシーズン最多ゴール記録:40
  • キャリア最初の4年間でいずれも30ゴール以上を記録した唯一の選手
  • シーズン50ゴールを記録するまでに要した最短試合数:62試合
  • 通算500ゴールを記録するまでに要した最短試合数:445試合

背番号

  • 34(2016年 - )

脚注

  1. ↑ “Burnside: Family buoys Auston Matthews” (英語). ESPN.com (2015年10月26日). 2023年6月30日閲覧。
  2. ↑ “Auston Matthews selected first overall by Maple Leafs” (英語). NHL.com. 2023年6月30日閲覧。
  3. ↑ “Auston Matthews saw ‘The Goal’ by Alex Ovechkin live: ‘It’s probably one of the best goals ever’” (英語). RMNB (2016年11月27日). 2023年6月30日閲覧。
  4. ↑ “Matthews: 14 years ago my parents didn’t know hockey”. www.sportsnet.ca. 2023年6月30日閲覧。
  5. ↑ USAHockey.com (2015年5月28日). “2015 USAH Annual Award Winners Announced” (英語). USA Hockey. 2023年6月30日閲覧。
  6. ↑ “Could Auston Matthews inspire a new NHL draft eligibility rule?” (英語). www.sportsnet.ca. 2023年6月30日閲覧。
  7. ↑ “Auston Matthews to play in Switzerland, not WHL” (英語). www.sportsnet.ca. 2023年6月30日閲覧。
  8. ↑ “Maple Leafs select Auston Matthews No. 1 in NHL Draft: 5 things to know”. www.cbssports.com. 2023年6月30日閲覧。
  9. ↑ “1位は9年ぶり米国出身 NHLドラフト会議 - NHL : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年6月30日閲覧。
  10. ↑ “新人マシューズがデビュー戦新の4得点 NHL開幕 - NHL : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年6月30日閲覧。
  11. ↑ “2017 NHL All-Star Game rosters” (英語). NHL.com. 2023年6月30日閲覧。
  12. ↑ https://www.facebook.com/pages/Kevin-McGran/1441676686072236 (2018年1月10日). “Matthews Leafs’ lone all-star selection” (英語). thestar.com. 2023年6月30日閲覧。
  13. ↑ “Maple Leafs sign Auston Matthews to five-year contract extension” (英語). www.sportsnet.ca. 2023年6月30日閲覧。
  14. ↑ “Tavares named captain of Maple Leafs, first in three seasons” (英語). NHL.com. 2023年6月30日閲覧。
  15. ↑ Staff, The Athletic. “Maple Leafs' Auston Matthews participates in first practice since wrist surgery” (英語). The Athletic. 2023年6月30日閲覧。
  16. ↑ “Paul, Lightning win Game 7, eliminate Maple Leafs” (英語). NHL.com. 2023年6月30日閲覧。
  17. ↑ “2022 NHL Awards: Full list of winners” (英語). Sportsnet.ca. 2023年6月30日閲覧。
  18. ↑ “Matthews hits 500-point milestone, Maple Leafs fall short in shootout vs. Blues” (英語). Sportsnet.ca. 2023年6月30日閲覧。
  19. ↑ “The beginning of the end starts for the Toronto Maple Leafs tonight” (英語). Deadspin (2023年4月18日). 2023年6月30日閲覧。
  20. ↑ Media, Field Level (2024年8月14日). “Maple Leafs officially name Auston Matthews their 26th captain” (英語). ESPN.com. 2026年3月2日閲覧。
  21. ↑ 「U.S. Men's National Under-18 Team Wins Gold Medal」USA Hockey 2015年4月26日
  22. ↑ 「2016 IIHF World Junior Championship | Helsinki, Finland」USA Hockey
  23. ↑ 「Team North America releases roster」Mike G. Morreale 2016年5月28日
  24. ↑ 「Matthews named Team USA captain for 4 Nations Face-Off」NHL.com 2025年1月31日
  25. ↑ “Matthews named captain, 'extremely honored' to play for Team USA at Olympics | NHL.com” (英語). www.nhl.com (2026年2月8日). 2026年3月2日閲覧。
  26. ↑ “IIHF - CAN - USA 22.02.2026 - 2026 MEN'S TOURNAMENT - Game Centre Play by play” (英語). IIHF International Ice Hockey Federation. 2026年3月2日閲覧。
  27. ↑ “Breaking Bread with Maple Leafs’ Auston Matthews on his Mexican heritage” (英語). www.sportsnet.ca (2020年2月22日). 2024年2月19日閲覧。
  28. ↑ “Toronto Maple Leafs star Auston Matthews accused of disorderly conduct in Arizona” (英語). USA TODAY. 2023年6月30日閲覧。

外部リンク