クラドセラケ

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クラドセラケ
Cladoselache fyleriの化石
保全状況評価
絶滅(化石)
地質時代
約3億7000万年前
(古生代デボン紀後期〈ファメニアン期〉)
分類
上綱 : 顎口上綱 Gnathostomata
綱 : 軟骨魚綱

Chondrichthyes

亜綱 : 全頭亜綱 Holocephali
目 : シンモリウム目 Symmoriiformes
科 : クラドセラケ科 Cladoselachidae
属 : クラドセラケ属
Cladoselache
 Dean, 1894
シノニム
Cladodus
Monocladodus
種
  • クラドセラケ・クラルキイ(クラークアイ)
    C. clarkii
  • クラドセラケ・エレガンス
    C. elegans
  • クラドセラケ・フィレリ(フュレリ)
    C. fyleri Dean, 1894
  • クラドセラケ・ケプレリ
    C. kepleri
  • クラドセラケ・マグニフィクス
    C. magnificus
  • クラドセラケ・ミラビリス
    C. mirabilis
  • クラドセラケ・ネウマニ
    C. newmani
  • クラドセラケ・パッテルソニ
    C. pattersoni

クラドセラケ (Cladoselache) は、約3億7000万年前(古生代デボン紀後期)の海に生息していた軟骨魚類[1]。クラドセラキ[2]、クラドセラキー[3]と表記されることもある。学名は「分かれた歯をもつサメ」[4]を意味する。

初期の軟骨魚類の代表的な属。シルル紀の時点で軟骨魚類は出現していたと考えられているため[5]、最古の軟骨魚類とは言えない。一般的に「サメ」と説明されることがあるが、近年の系統の研究では、現生のサメを含む板鰓類ではなく、全頭類(現生のギンザメを含むグループ)のシンモリウム目に含まれるとされるようになった[6][7]。この目からは他にステタカントゥス等が知られる。

特徴

Cladoselache fyleriの生体復元図

全長は最大2メートルほどになるが、ほとんどの標本はそれよりもかなり小型だった[8]。多くのサメ類とは異なり、口は体の下側ではなく先端に位置している。顎の構造にサメのような頑丈さは見られない。脊椎と尾鰭・胸鰭の構造、流線形の体形などから高速の遊泳が特徴であったことは明らかで、デボン紀の海で素早く泳ぎ回る捕食者として生きていたものと考えられる。

少なくとも5つの鰓穴が確認されている[9][8]。6-7ほどもあるという説もあるが、確認はされていない[10][8]。他の多くの初期の軟骨魚類と同じく、Cladodontと呼ばれる、一本の歯に複数の突出部を持つという構造を持っていた。

2015年には沖縄美ら島財団総合研究センターの冨田武照が胸鰭の標本 CMNH 8114 を研究し、クラドセラケの胸鰭の付け根にある骨の間に隙間が存在していることが判明した。後部に隙間が存在することで可動性が高まり大きな推進力を得ていたと推測され、高い運動能力を持っていたとされている[11]。

また、クラドセラケの標本数は豊富で数百に上るが、雄の生殖器の化石は発見されていない。雄と雌が異なる水域で生息しており化石として産出しているのは全て雌であるという説、雄に生殖器は存在せず体内受精ではなく体外受精で繁殖していたという説などが挙げられているが、結論は出ていない[12]。

古生態学

クラドセラケは北米のCleveland Shaleから多くの化石が産出する。同地層からはダンクルオステウスやティタニクチスなどの様々な板皮類や、ステタカントゥスやCtenacanthusなどの他の軟骨魚類が知られる。[13]

胃の内容物などの研究から、Kentuckiaのような初期の硬骨魚類や[14]、嚢頭類などを捕食していた[15]とされる。一方で、ダンクルオステウスなどの大型の板皮類に捕食されていたと考えられている[16]。

デボン紀の生物の想像図
(一番上がクラドセラケ

脚注

  1. ↑ 土屋健『カラー図解 古生物たちのふしぎな世界 繁栄と絶滅の古生代3億年史』講談社、2017年、143頁。ISBN 978-4-06-502018-0。
  2. ↑ 中谷一宏、『サメのおちんちんはふたつ ふしぎなサメの世界』、築地書館、2003年、p15-18 ではクラドセラキと書かれている。
  3. ↑ 渡辺可久、『海のさかな』、岩崎書店、1996年、ISBN 4-265-02905-1、p36,沖山宗雄 他、『ニューワイド学研の図鑑・魚』、学習研究社、2000年、148などではクラドセラキーと書かれている。
  4. ↑ 平野弘道 他、『小学館の図鑑NEO 大むかしの生物』、小学館、2004年、p51
  5. ↑ Märss, Tiiu; Gagnier, Pierre-Yves (2001-12-14). “A new chondrichthyan from the Wenlock, Lower Silurian, of Baillie-Hamilton Island, the Canadian Arctic”. Journal of Vertebrate Paleontology 21 (4): 693–701. doi:10.1671/0272-4634(2001)021[0693:ANCFTW]2.0.CO;2. ISSN 0272-4634.
  6. ↑ Coates, Michael I.; Gess, Robert W.; Finarelli, John A.; Criswell, Katharine E.; Tietjen, Kristen (2017-01). “A symmoriiform chondrichthyan braincase and the origin of chimaeroid fishes” (英語). Nature 541 (7636): 208–211. doi:10.1038/nature20806. ISSN 1476-4687.
  7. ↑ Frey, Linda; Coates, Michael I.; Tietjen, Kristen; Rücklin, Martin; Klug, Christian (2020-11-17). “A symmoriiform from the Late Devonian of Morocco demonstrates a derived jaw function in ancient chondrichthyans” (英語). Communications Biology 3 (1): 1–10. doi:10.1038/s42003-020-01394-2. ISSN 2399-3642.
  8. 1 2 3 Dean, Bashford (1909). “Studies on fossil fishes (sharks, chimaeroids, and arthrodires”. Memoirs of the American Museum of Natural History 9 (5): 209–287.
  9. ↑ Maisey, John G. (1989-06-30). “Visceral skeleton and musculature of a Late Devonian shark”. Journal of Vertebrate Paleontology 9 (2): 174–190. doi:10.1080/02724634.1989.10011751. ISSN 0272-4634.
  10. ↑ Dean, Bashford (1894). “Contributions to the Morphology of Cladoselache (Cladodus)”. Journal of Morphology 9: 87–114. doi:10.1002/jmor.1050090103.
  11. ↑ 文藝春秋『海洋生命5億年史 サメ帝国の逆襲』p80 - 81,土屋健 著(2018年)
  12. ↑ 文藝春秋『海洋生命5億年史 サメ帝国の逆襲』p82,土屋健 著(2018年)
  13. ↑ Carr, Robert (2009-01-01). THE VERTEBRATE FAUNA OF THE CLEVELAND MEMBER (FAMENNIAN) OF THE OHIO SHALE.
  14. ↑ Tomita, Taketeru (2015-09-03). “Pectoral fin of the Paleozoic shark, Cladoselache: new reconstruction based on a near-complete specimen”. Journal of Vertebrate Paleontology 35 (5): e973029. doi:10.1080/02724634.2015.973029. ISSN 0272-4634.
  15. ↑ Jobbins, Melina; Haug, Carolin; Klug, Christian (2020-03-20). “First African thylacocephalans from the Famennian of Morocco and their role in Late Devonian food webs” (英語). Scientific Reports 10 (1): 5129. doi:10.1038/s41598-020-61770-0. ISSN 2045-2322.
  16. ↑ Victor.G.Spuringer,Joy.P.Gold、『サメ・ウォッチング』、平凡社、1992年、p40

関連項目

外部リンク

日本語による

外国語による