スティンガーグラス

ウィキペディアから、無料の百科事典
スティンガーグラス
第76回ダイヤモンドステークス優勝時
(2026年2月21日)
欧字表記 Stinger Glass[1]
香港表記 杯進酒[2]
品種 サラブレッド
性別 牡[1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2021年3月12日(5歳)[1]
父 キズナ[1]
母 ライフフォーセール[1]
母の父 Not For Sale[1]
生国 日本の旗 日本(北海道安平町)[1]
生産者 ノーザンファーム[1]
馬主 エムズレーシング[1]
調教師 木村哲也(美浦)
→友道康夫(栗東)[1]
競走成績
生涯成績 12戦6勝[1]
獲得賞金 1億5242万2000円[1]
(2026年6月14日現在)
JTR T/L108(2025年)
勝ち鞍
GIIIダイヤモンドS2026年
Listed札幌日経賞2025年
テンプレートを表示

スティンガーグラス(欧字名:Stinger Glass 香:杯進酒[2]、2021年3月21日 - )は日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2026年のダイヤモンドステークス。

馬名の由来は、カクテルの一種+グラス[3]。

経緯

デビュー前

2021年のセレクトセールにてエムズレーシングに1億889万円で落札された。

3歳(2024年)

2024年1月7日に中山競馬場で行われた芝2000mで行われた新馬戦にてクリストフ・ルメールを背にデビュー、人気に答え初優勝を飾った[4]。3月17日には重賞初挑戦であるスプリングステークスに出走するも6着に終わる。しかし次走の3歳以上1勝クラスでは古場相手に2着と善戦し、続く3歳以上1勝クラスで優勝し2勝目を挙げた。9月16日にはセントライト記念に武豊との初コンビで挑むも出走するも5着に終わった[5]。

4歳(2025年)

3月9日に中山競馬場で行われた3勝クラスの湾岸ステークスにクリストフ・ルメールとのコンビで出走し、後続を2馬身離し快勝、オープン入り入を果たした[6]。オープン入り後初戦は目黒記念に2番人気で出走するも11着と大敗する。この結果に対しレース後のインタビューで騎乗したクリストフ・ルメールは「ペースが遅かったですが、勝った馬の後ろでうまく運べた。だけど、全然伸びませんでした。分かりません…」とコメントしている[7]。しかし続く札幌競馬場で行われた芝2600mのリステッド競走札幌日経賞にて直線での接戦を制し、オープン後初優勝を飾った[8][9]。

有馬記念での騒動

暮れのグランプリである有馬記念では、故障の影響で出走できない同厩舎のヘデントールが何故か登録されており、それにより想定では投票で10位と予想されていたライラックが11位となり順位圏外となった。また、有馬記念出走時点でライラックは賞金加算に必要な重賞2着以内に丸3年以上入っていなかっため、事実上出走は不可能となってしまった[10]。そのような最中、エムズレーシングからスティンガーグラスが出走投票を見送ることがXにより発表されたため[11]、インターネット上でキャロットファームの所有馬であるヘデントールの登録が、エムズレーシングからライラックを投票順位から弾き出すように「指示」「依頼」があったと示唆する趣旨の投稿が噴出した[12]。この件はルール上は問題ではないが、グレーな方法であり、いわゆる「裏技」的な方法なため、ネット上では物議を醸した。この騒動の影響もあり、スティンガーグラスや後の秋華賞馬となるモンローウォークを含む木村哲也厩舎に預託されていたエムズレーシングの所有馬いずれも同厩舎から引き揚げとなり、スティンガーグラスは栗東の友道康夫厩舎に転厩した[13]。

5歳(2026年)

転厩後初戦は予定通り、ダイヤモンドステークスに出走。出遅れの影響で序盤はやや後方で脚をためる競馬で進行。2000m付近からやや先頭集団に近い位置で様子をうかがいながら進め、残り1000m付近で2番手につけると最終直線に入る直前で抜け出し、後方を寄せ付けず1着でゴールし重賞初制覇を飾った[14][15]。勝利後、騎乗したクリストフ・ルメールはスティンガーグラスについて「スタートはあまり上手ではないですから、外枠というのもあって後ろからになりましたね。ペースが遅かったというものあって、馬はあまり落ち着いていませんでした。ペースを上げてからは落ち着きを取り戻しましたね。スタミナはすごくあるね。最後の直線も頑張ってくれて、心臓が大きい。天皇賞・春でもいける。3200mはいいし、中山でも結果を出しているので右回りも問題ないね。いいチャレンジだと思う」と太鼓判を押していた[16]が、歩様に異常を感じ出走を見送った[17]。その後は宝塚記念に出走するが13着と大敗した。

秋はクリストフ・ルメールとのコンビで11月3日のオーストラリア・フレミントン競馬場で行われるメルボルンカップ(G1)へ向かう事となり、10月12日より渡航して現地で調整が進められていたが、直前となった10月30日、ビクトリア州の競馬を統括するレーシングヴィクトリア(英語版)の裁決委員により、メルボルンカップを含む今季のスプリングレーシングカーニバルへの出走を認めないと決定した[18]。

今回の決定の経緯としては、オーストラリアの競走馬遠征に対する厳格な検査体制が要因とされている。レーシングヴィクトリアの獣医プロトコルでは、海外から参戦する馬の渡航前検査にCTを推奨し、合理的に利用できない場合にはMRIを代替として認めている。日本には馬を立たせた状態で撮影できるCT装置がないため、スティンガーグラスは渡航前にMRIを受けた。一方、渡航前にMRIを受けていても、メルボルンカップなど対象競走に出走する海外馬には、オーストラリアでのCT検査が必要となる。これを受けて、渡航前の8月に行われたMRI検査を元に、レーシングヴィクトリアの獣医プロトコルに沿って手続きを進め、オーストラリアへ渡航して出走を目指すことに問題はないとの見解を出していた。ところがレース直前にウェリビーのメルボルン大学馬診療センターで、脚の下部に当たる四肢遠位部の必須CT検査を受けたが、画像を独立して審査した専門家3人が、スティンガーグラスについて負傷リスクの上昇を示唆する所見があるとレーシングヴィクトリアの獣医部門に報告。陣営には、懸念部位をより詳しく調べるためのPET検査を受ける機会が設けられた。しかし、追加検査の結果をCT画像と併せて検討した専門家は「現時点で負傷のリスクが高い」との見解を改めて示した。レーシングヴィクトリアは獣医部門の助言を受け、裁決委員が出走を認めない判断を下した[19]。

競走成績

以下の内容は、netkeiba[20]およびJBISサーチ[21]に基づく。

競走日競馬場競走名格距離(馬場)頭
数
枠
番
馬
番
オッズ
(人気)
着順タイム
(上り3F)
着差騎手斤量
[kg]
1着馬(2着馬)馬体重
[kg]
2024.1.7 中山 3歳新馬 芝2000m(良) 17 2 3 2.4(1人) 1着 2:02.1(35.3) -0.1 C.ルメール 57 (アンゴラブラック) 464
3.17 中山 スプリングS GII 芝1800m(良) 10 8 10 13.8(8人) 6着 1:50.2(33.4) 0.8 戸崎圭太 57 シックスペンス 470
6.9 東京 3歳上1勝クラス 芝2000m(良) 11 2 2 1.9(1人) 2着 1:59.6(33.5) 0.1 C.ルメール 55 ヴィレム 476
8.17 新潟 3歳上1勝クラス 芝2400m(良) 12 4 4 1.4(1人) 1着 2:24.7(35.3) -0.8 C.ルメール 55 (グランアルティスタ) 470
9.16 中山 セントライト記念 GII 芝2200m(良) 14 7 12 10.7(5人) 5着 2:12.7(34.6) 1.1 武豊 57 アーバンシック 468
12.22 中山 グッドラックH 2勝 芝2500m(良) 16 8 16 2.5(1人) 1着 2:32.2(35.7) -0.3 C.ルメール 56 (サンライズソレイユ) 470
2025.3.9 中山 湾岸S 3勝 芝2500m(稍) 12 4 4 1.7(1人) 1着 2:33.5(37.0) -0.4 C.ルメール 57 (エンドウノハナ) 476
6.1 東京 目黒記念 GII 芝2500m(良) 18 4 8 3.7(2人) 11着 2:33.9(35.2) 1.0 C.ルメール 56.5 アドマイヤテラ 482
7.27 札幌 札幌日経賞 L 芝2600m(稍) 10 3 3 3.4(1人) 1着 2:41.7(35.1) -0.1 北村友一 57 (フルール) 482
11.9 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 芝2500m(良) 18 8 18 3.4(1人) 2着 2:30.3(34.2) 0.1 C.ルメール 57 ミステリーウェイ 474
2026.2.21 東京 ダイヤモンドS GIII 芝3400m(良) 15 7 13 3.0(1人) 1着 3:32.0(34.8) -0.2 C.ルメール 57.5 (ファイアンクランツ) 484
6.14 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(重) 18 7 14 151.6(14人) 13着 2:14.8(36.3) 2.7 岩田望来 58 メイショウタバル 480
  • 競走成績は2026年6月14日現在

血統表

スティンガーグラスの血統(出典[§ 1])
父系 サンデーサイレンス系(ヘイロー系) [§ 2]
父
キズナ
2010 青鹿毛
父の父
ディープインパクト
2002 鹿毛
*サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
*ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
父の母
*キャットクイル
1990 鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Pacific Princess Damascus
Fiji
母
*ライフフォーセール
2008 鹿毛
Not for Sale
1994 黒鹿毛
Parade Marshal Caro
Stepping High
Love for Sale Laramie Trail
Museliere
母の母
Doubt Fire
2001 黒鹿毛
Ski Champ Icecapade
Ski Goggle
My Little Life Ghadeer
Dimane
母系 (F-No.) ライフフォーセール  (FN: 7-a) [§ 3]
5代内の近親交配 Lyphard 5×5 [§ 4]
出典
  1. ↑ [22]
  2. ↑ [23]
  3. ↑ [22][23]
  4. ↑ [22][23]

脚注

注釈

    出典

    1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 “スティンガーグラス | JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ(JBIS-Search). 日本軽種馬協会. 2026年2月21日閲覧。
    2. 1 2 “宝塚記念登録馬の香港馬名を紹介 「高野俊士」や「甜蜜時刻」など18頭”. netkeiba. 2026年6月11日閲覧。
    3. ↑ “競走馬情報 スティンガーグラス”. 日本中央競馬会. 2026年2月21日閲覧。
    4. ↑ “【中山6R新馬】良血スティンガーグラスが人気に応え快勝 ルメール「体が大きくなったらいい馬になる」”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2026年2月21日閲覧。
    5. ↑ “【セントライト記念】武豊騎手は初コンビのスティンガーグラスで5着「はじけそうな感じはあったが…」”. スポーツ報知 (2024年9月16日). 2026年2月21日閲覧。
    6. ↑ “遅れてきたG1馬の半弟が楽々とオープン入りにファン驚がく「いよいよ覚醒」「天皇賞に出ても面白い」”. スポーツ報知. 2026年2月21日閲覧。
    7. ↑ “【目黒記念】11着に惨敗した2番人気のスティンガーグラスにルメール騎手は「分かりません…」”. netkeiba. 2026年2月21日閲覧。
    8. ↑ “【札幌日経賞】スティンガーグラスがオープン初V 北村友一「すごく教育がされているな、という馬」”. 東スポ競馬 (2025年7月27日). 2026年2月21日閲覧。
    9. ↑ “【札幌競馬】札幌日経賞はスティンガーグラスが人気に応え差し切り勝ち!姉は阪神JF制覇のダノンファンタジー”. UHB:北海道文化放送 (2025年7月27日). 2026年2月21日閲覧。
    10. ↑ “有馬記念が大混乱…「ヘデントール登録」で弾かれたライラック。“ファン投票の意義”が問われる大騒動に発展したワケ”. Yahoo!ニュース. 2025年12月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年2月21日閲覧。
    11. ↑ “有馬記念のスティンガーグラスは出馬投票をせず回避へ 馬主のエムズレーシングが公式Xで発表”. スポーツ報知. 2026年2月21日閲覧。
    12. ↑ “【有馬記念】登録しているスティンガーグラスは出馬投票を見送って回避 馬主のエムズレーシングが公式Xで発表”. サンスポZBAT!. 2026年2月21日閲覧。
    13. ↑ “【注目馬動向】有馬記念回避のスティンガーグラスが木村厩舎から友道厩舎に転厩”. 競馬ニュース. 2026年2月21日閲覧。
    14. ↑ “【ダイヤモンドS】スティンガーグラス早め先頭から押し切り重賞初制覇! ルメール騎手「直線ではすごく頑張ってくれた」”. サンスポZBAT!. 2026年2月21日閲覧。
    15. ↑ “【ダイヤモンドS結果】1番人気スティンガーグラスが長丁場を制して重賞初V”. Yahoo!ニュース. 2026年3月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年2月21日閲覧。
    16. ↑ “【ダイヤモンドS結果&コメント】スティンガーグラス重賞初V ルメール「天皇賞でもいける」”. 東スポ競馬. 2026年2月21日閲覧。
    17. ↑ “【天皇賞・春】スティンガーグラスが回避、追い切り後の状態が万全ではないため 友道師「歩様がいつもより力強さに欠けるかなという感じ」”. 中日スポーツ・東京中日スポーツ. 2026年4月30日閲覧。
    18. ↑ “メルボルンCに向けて豪州入りしていたスティンガーグラスは検査で「リスク」指摘され出走馬から除外へ”. 東スポ競馬 (2026年10月30日). 2026年11月1日閲覧。
    19. ↑ 【記事全文】豪遠征スティンガーグラス、メルボルンC出走不可に CT・PET検査で「負傷リスク高い」と判断 - Sponichi Annex 2026年10ガル30日
    20. ↑ “スティンガーグラスの競走成績”. netkeiba. ネットドリーマーズ. 2026年2月21日閲覧。
    21. ↑ “スティンガーグラス 競走成績”. JBISサーチ. 2026年2月21日閲覧。
    22. 1 2 3 “スティンガーグラス 5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2026年2月21日閲覧。
    23. 1 2 3 “スティンガーグラスの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2026年2月21日閲覧。

    外部リンク