テスラ・モデル3

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テスラ・モデル3(前期)
フロント
リア
インテリア
概要
別名 コードネーム: ブルースター(BlueStar)
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
中華人民共和国の旗 中国
販売期間 2017年7月 -2023年9月
デザイン Franz von Holzhausen[1]
ボディ
乗車定員 5
ボディタイプ 4ドア セダン
駆動方式 RR, AWD
パワートレイン
変速機 無し(1段固定)
車両寸法
ホイールベース 2,880 mm (113.2 in)
全長 4,690 mm (184.8 in)
全幅

1,850 mm (72.8 in) (ミラーを除く)
1,930 mm (76.1 in) (ミラー格納時)

2,090 mm (82.2 in) (ミラー展開時)
全高 1,440 mm (56.8 in)
車両重量 1,611 kg (3,552 lb)[2] - 1,730 kg (3,814 lb)[2][3]
系譜
後継 ハイランド(Highland)
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テスラ・モデル3(Model 3)は、アメリカのテスラが製造するコンパクト・ラグジュアリーセダンタイプの電気自動車である。

前期モデル

正式発表前はブルースター(BlueStar)のコードネームで知られ、2023年からのハイランド(Highland)と区別するために、単に前期型、あるいはモデル3(レガシー)などと呼ばれる。テスラは「その価格を$20,000から$30,000にしたい」とし、テスラのCEOであるイーロン・マスクは2009年9月24日のインタビューで「広く注目を集めるような$30,000以下の車を5年以内に実現できると確信している」と語った[4]。

2010年5月に、トヨタ自動車と提携してカリフォルニア州フリーモントにある停止中のNUMMIの工場で完成車の組み立てを行うことになると公表した[5]。テスラのモデルS生産ラインからの技術もブルースターの生産に取り入れられるとした[6]。2015年の生産開始を目標にしていた[7]。

予約開始

2016年3月31日に発表、予約受注を開始した。15.4インチの横置きタッチスクリーンを備えるシンプルなデザインのインテリアや、「パフォーマンス」グレードの停止状態から100 km/hまで3.3秒の加速力などを特徴とする。2016年3月31日(日本時間4月1日)、テスラは米国カリフォルニア州でモデル3を初公開、予約受注を開始した[8][9][10]。動力性能は、標準的なモデルが0 - 96 km/h加速6秒以内、高性能モデルも計画され、1回の充電での航続距離は346 km以上とした。店舗前にはファンが長蛇の列をつくり、11万5000人余りが予約注文した。発表から一週間以内に、2015年末以降に販売されたモデルSの3倍以上の台数である325,000台のモデル3が予約された。これらの予約はUS$140億ドルに達する[11]。 2016年5月15日 (2016-05-15)現在で既にテスラは373,000台の予約を集めた。

生産開始

2017年7月にフリーモント工場でモデル3の生産は開始された。[12]最初は「ロングレンジ(後輪駆動)」の1グレードのみが生産された。初期のモデル3には、HW2.5が搭載された。先だって生産されていたモデルSやモデルXにはHW2.0を搭載した車両があったが、モデル3の生産開始はそれらの先行車両に比べて遅かったので、より進化したHW2.5が搭載された。HW2.5は、2.0とカメラなどは同一(カメラの数や配置)ながら、内部のコンピューターと一部のコンポーネントがアップグレードされ、処理能力の向上と信頼性(冗長性)が強化されていた。テスラ社はHW2.0でも完全自動運転が可能としていたが、それが無理だと分かってきたためより高性能な2.5を開発し搭載したとされる(その後完全自動運転は2.5や3.0でも無理だと判明し、HW4.0が必要と訂正されることになる:後述)。

生産の遅れと対応

生産台数は、2017年の第四半期に週に5,000台以上、2018年には週に10,000台以上に増産される予定としていた。しかしながら、2017年の第3四半期の決算において、生産プロセスの問題により第3四半期の生産台数はわずか260台、販売台数は220台に留まっていると発表した。[13]2018年1月3日、テスラは生産計画を2018年の3月までに週2500台、6月の終わりまでに5000台の生産をするとする計画変更をした。[14]これは当初の計画より6ヶ月の遅れを意味した。

2018年5月頃から、テスラはカリフォルニア州フリーモント工場の横にフットボール場2個分の大型テントによる工場を増設。イーロン・マスクは、全く新しい組み立てラインを3週間という短期間で設営することが出来たとコメントした[15]。同年7月には、証券アナリストがモデル3の納期遅れから顧客のキャンセル率が増加し24%に達していると指摘したが、会社側はキャンセルが増えていることを認めたうえで、それを上回る新規受注があると反論した[16]。

同年、サンディー・マンロー率いるMunro & Associatesが解体調査した結果、モデル3の利益率は30 %以上であるとされた[17]、高級車メーカーの平均利益率8 - 10 %と比較すると際立っていることが指摘されている[18]。

モデル3の生産が始まった極めて初期(2017年-2018年頃)の米国向け車両はHW2.5が搭載され、メインの処理ユニットはNVIDIAのドライブプラットフォーム(DRIVE PX 2ベース)のものが採用され、メモリはDDR4(LPDDR4)が8GB搭載されていた。インフォテインメント(MCU)用のSoCとしては、Intel Atom E3900シリーズ(Apollo Lakeアーキテクチャ)が搭載されていた。インフォテインメント用にはDDR4(LPDDR4)が4GB搭載されていたが、メモリ不足の問題が顕在化したので後に8GBに増量された。

その後の話題

2019.5 Software Update

2019年2月14日ワイドリリースされた。駐車中に車体に装備されたカメラを防犯カメラとして使用できるようにする「セントリーモード」や、ペットを車内に置いて車から離れた場合でもエアコンが継続して動作する「ドッグモード」が実装された。ドッグモードやセントリーモードの使用中に、スマートフォンのTeslaアプリから室内カメラの映像を確認する機能は、2022年のホリデーアップデートで追加された。[19]またソフトウエアの改善により車両の出力が5%増加した。

廉価モデルの追加

2019年2月28日、テスラは価格が3万5000ドル(当時の為替レートで約390万円)となる「スタンダードレンジ」モデルと、3万7000ドルの「スタンダードレンジプラス」の廉価モデルの受注を開始した[20][21]。ロングレンジよりも遅れて販売が開始された、より安価で航続距離が短いモデルである。同時期、車内に残した犬などのために車内の温度を維持するドッグモードがOTAで配布されたが、日本では法令の規制により2019年11月まで使用できなかった[22]。

HW3.0への更新

2019年4月頃よりHW2.5からHW3.0への更新が行われた。2019年5月31日より日本国内でモデル3の予約注文が開始された。納車は同年9月からであり、日本に正式輸入されたモデル3は全車右ハンドルでHW3.0以降となっているが、それ以前に非正規で輸入された車両にはHW2.5を搭載したモデル3も存在する。HW2.5ではメインチップとしてNvidia製 (Parker SoC x2, Pascal GPU x1)が1セット搭載されていたが、HW3.0ではテスラ自社開発FSDチップが2基の構成となった。[23]このチップはサムスンで14nm FinFETプロセスで製造され、1チップに2つのニューラルネットワーク・アクセラレータ(NNA)を搭載する。各NNAの演算性能は36 TOPSであり、1チップ当たり72 TOPS(秒間72兆回の演算)、2チップ合計で144 TOPSとなる。[24]これにより毎秒約110フレームの解析能力だったものが、毎秒約2,300フレームと21倍以上に向上した。[25]HW2.5では、道に置かれたコーンなどの認識が出来なかったが、HW3.0ではシステム全体で2.5倍の処理能力により画面上のコーンやゴミ箱などの詳細なオブジェクト認識といった、高度な運転支援機能が実現可能になった。2019年後半から北米のFSDの一括購入者に対して、HW2.5から3.0への無料アップグレードサービス[26]が実施された。月払いのサブスクでFSDを契約している顧客は1000-1500ドルの費用負担でHW3.0へのアップグレードが実施された。

日本での販売開始

2019年5月31日に日本での受注が開始され[27]、納車は9月13日から開始された[28]。スタンダードレンジプラス/ロングレンジAWD/パフォーマンスの3グレード構成であった。日本の法令規制のため、「オートステアリング(操舵支援)」と「オートパーク(自動駐車)」は使用できなかったが、2019年11月に法規制の問題がクリアされOTAで「オートステアリング」と「オートパーク」の機能が解禁された。

2019年大型アップデート

2019年9月26日、停車中にNetflix、YouTube、Huluを視聴可能とする「Tesla Theater」が実装された。また走行中に、画面に表示される歌詞を見ながらマイクで歌えるカラオケ機能が解放された。日本では使えないが、駐車場で無人の車をスマホで呼び寄せる機能「スマートサモン」が使用可能となった。

ギガ上海での生産開始

2019年1月に建設に着工されていたギガ上海は、同年12月30日に初めてのモデル3を製造し、中国市場への納入を開始した。モデル3専用ライン(第1ライン)のみが設置され、フル稼働時で約40-45秒に1台のペースで製造が可能で、年間で約45万台が出荷が可能であった[29]。のちにギガ上海が製造を担当するエリアは、欧州やアジア太平洋市場にも拡大し、テスラ全体の半数を担うようになる。2021年にはモデルY用の第2ラインが増設された。

2021 Refresh

2020年末に従来の「PTCヒーター」による温度管理から、「オクトバルブ」を搭載した高効率なヒートポンプシステムに変更された。これにより熱効率が向上し、走行可能距離が延長された。このモデルは「2021 Refresh」と呼称され、そのほかにも大幅な変更が行われている。制御系は引き続きHW3.0である。 USBポートがtype Aからtype Cに変更された。またリヤトランクに雨水が流れ込まないように、トランク上部のゴムの形状が改良された。ソフトウエアのバグ改修、高圧センサーの交換、改良型コンプレッサーへの置き換えが実施された。他にも、センターコンソールのデザイン刷新(スライド式から観音開き/蓋式へ)、フロントドアへの二重ガラス(アコースティックガラス)の採用、クロームデリート(窓枠やドアハンドルが黒色化)、パワーリフトゲート(電動トランク)の採用など変更も実施された。2021年2月にベースモデルの価格は429万円だった[30]。この初期のオクトバルブシステムは低温になるカナダなどマイナス10℃から35℃を下回る極寒環境下で、ヒートポンプが突然停止し、車内暖房が完全に失われる事象が多発し、北米ではリコールの対象となった。

同時期、バッテリーの容量が78-79kWhから82kWhへ増やされた。これはパナソニックが2020年7月にネバダ工場のバッテリー生産ラインを改修し、エネルギー密度を約5%向上させた新型セルの供給を開始したことに由来する。この改良では、従来グラファイトで構成される陰極に微量のケイ素を追加するとともに、セルの内部構造を変更して充填率を改善した。正極のニッケル含有量を増やし(ハイニッケル化)、コバルトの量は削減することで化学的密度も増加した。パナソニックは住友金属鉱山と共同で1990年代より、NCM(ニッケル・コバルト・マンガン)ではなくNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)方式の正極材の量産技術を確立しており、ハイニッケル化によって電池の内部が不安定になる問題を少量のアルミニウムの添加によって解決している。

2021年の値下げと生産工場の変更

2021年2月17日、日本仕様車の生産工場が、アメリカのフリーモント工場から中国の上海工場(ギガ上海)に変更となった。この上海製の「2021 Refresh」より、初めてLFPバッテリー(通称「5L」バッテリー、CATL製)が採用された。当時もっとも廉価なRWD(スタンダードレンジプラス)モデルのみの搭載であった。フリーモント製のモデル3には、LFP搭載車は設定されず引き続き3元系リチウム電池のみが搭載された。生産工場の変更により、車体パーツの組み立て精度が向上したが外観では区別は出来ない。フリーモント工場製は車体番号の先頭3文字が「5YJ」であり、上海製は「LRW」となっている。中国・日本・欧州では、上海への生産工場の変更により、輸送コストやバッテリーコストが削減され大幅な値下げが行われた。パナソニックはテスラと協力し、ネバダ州のギガファクトリーで電池を生産していたが、[31]上海工場については高額な投資に見合わないと判断してテスラに求められた工場建設にパナソニックは参加しなかった。結果的に上海工場で生産されるモデル3にはLGやCATLの電池が使われることになった。ただし後ほどこのLGの生産するNCMバッテリーは大きな品質問題に直面することになる(後述)。

  • スタンダードレンジプラス(現RWD): 511万円 → 429万円(82万円の値下げ)
  • ロングレンジ: 655.2万円 → 499万円(156.2万円の値下げ)*
  • パフォーマンス: 717.3万円 → 717.3万円(据え置き)

パフォーマンスが値下げされなかったのは、パフォーマンス用に使用される高性能電池は中国製に切り替えられず、引き続きアメリカで生産されるパナソニック製NCAバッテリーを使ったのと、ブランドイメージの保持のためとされる。

ビットコイン決済

2021年3月下旬からビットコインでの決済が可能になったが、同年5月12日に中止された。決済が可能だったのはアメリカ国内だけであった。短期間で中止されたのは、仮想通貨のマイニングによる化石燃料の消費が当時懸念されたとされる[32]。

LFP電池搭載グレードの設定

2021年8月、アメリカで生産されるモデル3にも、LFP電池が採用され始めた。LFP電池が搭載されたのはRWDモデルだけであり、この直後の2021年11月頃、名称が「Standard Range Plus」から「Model 3 (Rear-Wheel Drive)」に変更された。

2021年 ホリデーアップデート

2021年12月24日、ワイドリリース。ライト類がイルミネーションのように点滅し、前方に「TESLA」の文字を投影し、窓、サイドミラー、リアトランク、充電ポートのカバーなどが楽曲にシンクロして開いたり閉まったりする「ライトショー」機能が実装されたが、日本に導入される車両では道路法関連の制限のために封印された[22]。当時の日本の法規における「放置車両」や「エンジンの停止義務(EVでも空調作動状態の放置)」に関する問題があったが、その後国土交通省との調整を経て、「公道以外(私有地)での使用」を前提とした注意書き付きで一部の機能が使用可能になった。その他に、ウインカーを出すと側面後方の死角エリアのカメラ映像が中央画面に自動表示される「ブラインドスポットカメラ」が利用可能になった。

16Vリチウム電池の導入

2021年11月から12月にかけて、制御用の12V鉛蓄電池が、16Vのリチウム電池に変更された。これに伴い、シガーソケットの電圧も16Vとなった。このバッテリーは、CATL社などが製造し、正しい使い方をすれば15年間ほどは交換不要とされる。

AMD Ryzenの導入

2022年、それまでIntel製の「Atom」を使用していたインフォテインメント系CPUが、AMD製の「Ryzen」に変更された[22]。これにより、室内カメラを利用したZoomミーティングが可能となった[33][22]。走行用バッテリーも大容量化され、全てのモデルで走行可能距離が改善した。

価格改定

2022年9月に価格は596万円に改定された[30]。

中国での変更

2023年5月、 中国の市場規制当局は、テスラが2020年以降ドライバーが回生ブレーキをオフにできないようにしていることを問題視し、5月29日公開のアップデートで回生ブレーキをオフにする機能を復活させるアップデートをリリースさせた[34]。この変更は中国国内向け車両限定である。また衝突リスクを軽減するために、運転者がアクセルペダルを強く踏み込んだ際に十分な警告を発するような改変も含まれた[34]。

監視なしのFSD断念

2026年4月23日のテスラでの2026年第1四半期決算会議にてイーロンマスクは、HW3.0搭載車両についてメモリ帯域幅がHW4.0の1/8しかなく、「監視なしFSD」(unsupervised FSD)に必要な性能を満たせないことを公式に認めた。以前はHW3.0のスペックでも「監視なしFSD」が実現可能だと思っていたが、想定外のFSDの肥大化によりそれが不可能になったことを表明した。この時点でHW3.0の車両で実行可能なFSDは2024年にリリースされたsupervised FSD ver12までとなっており、その後リリースされた ver13や ver14はHW3.0の車両には配信されていなかった。今後は、HW3.0の車両についてはHW4.0を搭載した車両への優遇販売や、システムアップグレード(カメラの交換を含む)を予定していると説明した。システムアップグレードは複雑な作業となるので、各地に専用の小規模工場を立ち上げて対応する計画であるとし、それまではHW3.0搭載の車両に対しては、HW3.0の車両でも実行可能な「機能を限定したFSD」(FSD14 lite)を提供することとした。これまでテスラはHW3.0で「監視なしFSD」が将来的に可能になるとして、車両とFSDの使用権利を販売してきたが、少なくともHW3.0搭載車については、それを公式に撤回し、顧客に対して更なるコストの負担を求めた。これに対して世界各地でテスラに対して訴訟を行う動きも出現した。

FSD14 lite

2026年6月29日、アメリカでFSD14 lite (Full Self-Driving (Supervised) v14 Lite)がHW3.0の車両を保有するアーリーアクセスユーザーに配信された。7月より更に多くの顧客へ配信されFSD14 liteはHW3.0の顧客から高く評価された。しかし処理ユニットに高い負荷をかけるためECU過熱と機能停止が多発する事案が発生した。

ヘッドライトのリコール

2017年から2023年製のモデル3およびモデルYのヘッドライドについて、規定(米国連邦自動車安全基準(FMVSS No. 108))で定められた最大光度の制限を超える輝度があることが指摘されていた。テスラは「安全性には問題ない」としたリコール免除の嘆願書を米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)に対して提出したが、2026年7月にNHTSAはこれを却下した。NHTSAは、光度の超過が対向車や周囲の交通に対して眩惑を引き起こし、事故のリスクを高める可能性があると結論付け、テスラに販売済の車両に対しての対処を求めた。対象車両は20,349台であり、テスラはOTAによるソフトウエアのインストールによってMatrix LED配光制御を変更して光量の調節を行った。

前期モデルのグレート表

バッテリー スタンダードレンジ スタンダードレンジ プラス ミッドレンジ ロングレンジ
パワートレイン RWD RWD RWD RWD デュアルモーター AWD デュアルモーター AWD パフォーマンス
生産 2019年3月 – 2023年9月 2018年10月 – 2019年3月[35] 2017年7月 – 2018年10月、
2019年3月
[要出典] – 6月[36]
2018年7月 – 2023年9月
日本での販売 なし[37] 2019年9月 – 2023年9月[37] なし[37] なし[37] 2019年9月 – 2023年9月[37] 2019年9月 – 2023年9月[37]
加速 5.6秒で 0–60 mph (0–97 km/h)[38][39] 5.3秒で0–60 mph (0–97 km/h)[2]
5.6秒で0–100 km/h (0–62 mph)
5.2秒で0–60 mph (0–97 km/h)[2] 5.0秒で0–60 mph (0–97 km/h)[2][40][41] 4.5秒で0–60 mph (0–97 km/h)[2]
4.7秒で0–100 km/h (0–62 mph)
3.2秒で0–60 mph (0–97 km/h)[2]
3.4秒で0–100 km/h (0–62 mph)
最高速度 130 mph (209 km/h)[42] 140 mph (225 km/h)[2] 140 mph (225 km/h)[2] 140 mph (225 km/h)[42] 145 mph (233 km/h)[43] 162 mph (261 km/h)[43]
ホイール 直径18インチ (457 mm) 幅8.5インチ (216 mm)

21.3 lb (9.7 kg) エアロホイールカバー2 lb (0.91 kg) タイヤ:235/45R18

直径20インチ (508 mm) 幅8.5インチ (216 mm) 21.3 lb (9.7 kg) タイヤ:235/35R20
AC充電 1時間の充電あたり30マイル (48 km) 走行分 (240V, 32A)[38] 1時間の充電あたり44マイル (71 km) 走行分 (240V, 48A)[38][44]
モーター 永久磁石同期リラクタンスモータ[45][46][47][48][49][50] 後輪 永久磁石同期リラクタンスモータ 後輪、誘導モータ[45][46][47][48][49][50] 前輪
トルク 未公表 未公表 未公表 未公表 未公表 471 lb⋅ft (639 N⋅m) combined[51]

モデル3 ハイランド (Highland)

テスラ・モデル3(リフレッシュ版)
通称:ハイランド (Highland)
フロント(Upgradedモデル)
リア(Upgradedモデル)
インテリア(Upgradedモデル)
概要
別名 Model 3 Upgraded
製造国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
中華人民共和国の旗 中国
販売期間 2023年9月 -
デザイン Franz von Holzhausen
ボディ
乗車定員 5
ボディタイプ 4ドア セダン
駆動方式 後輪駆動 (RWD)
四輪駆動 (Dual Motor AWD)
パワートレイン
モーター 永久磁石同期モーター(後輪)
誘導モーター(前輪:AWDのみ)[52]
変速機 無し(1段固定)
前 前:ダブルウィッシュボーン
後:マルチリンク[53]
後 前:ダブルウィッシュボーン
後:マルチリンク[53]
車両寸法
ホイールベース 2,875 mm
全長 4,720 mm
全幅 1,850 mm (ミラー除く)
1,933 mm (ミラー格納時)
2,089 mm (ミラー展開時)
全高 1,440 mm
車両重量 1,760 kg (RWD)
1,820 kg (Long Range AWD)
1,850 kg (Performance)
その他
空気抵抗係数 (Cd値) 0.219
系譜
先代 モデル3(前期型)
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2023年9月1日、テスラはマイナーチェンジモデルとなる「モデル3 Upgraded」または「モデル3 highland」を発表した。なお「highland」は、正式な名称ではなく、マイナーチェンジモデルの開発プロジェクト名が、「Project Highland」であることに由来し、それをユーザー側が勝手に「モデル3 highland」と呼び始めたものである。それに対して前期モデルを「モデル3 original」などと呼ぶことがある。9月8日には日本で実車が初公開された。アメリカでは北米向けの生産拠点であるフリーモント工場の生産ラインの切り替えに時間を必要としたため、発売は4か月遅れて2024年1月になった。フリーモント工場は、元々1960年代に建てられたGMとトヨタの合弁工場(NUMMI)を再利用したもので、設計が最新のEV生産に最適化されていなかった。また当時サイバートラックの製造ライン立ち上げも平行して行われているため、上海工場での生産開始の方が早くなった。マイナーチェンジという扱いではあるが、車体の構成部品の50%が刷新された。全長は4695mmから4720mmに延長されたが全幅などは同寸となっている[54]。搭載バッテリーの容量には変更なく走行性能は変わらないが、外装変更による空力性能の向上により走行可能距離は長くなっている[54]。

装備品の改良により、ロングレンジで約25万円、RWDで約37万円の値上げが行われた[54]。部品の70-75%をテスラ・モデルYと共用しており、シート、ハンドル、センターコンソールなどは、そのまま2025年にマイナーチェンジされたモデルY(Juniper)に転用された。モデルY(Juniper)とは、モーターやバッテリー、熱管理システムなども基本的に同じ部品を共用する兄弟車となっている。

日本の納入されるモデル3ハイランドは、前期型に引き続きギガ上海製が納入される。2025年には中国国内での部品調達率は95%にもなり、江蘇省の蘇州市や南通市、浙江省寧波市など長江デルタ地域に、EV関連企業の「4時間圏ネットワーク」が形成されている[29]。中国国内の部品供給業者は400社とされる[29]。バッテリーも引き続きCATL社のLFP電池と、南京のLG社工場で生産されるNCM電池が採用された。

装備

内装ではステアリングコラムからウインカーレバーが削除され、ハンドルスポークに配置されたボタンに代替された[54]。このウインカーレバーの削除は世界中で非常に不評だったため、テスラは希望者に対して有償でウインカーレバーを装着するサービスを後に開始している。またシフトレバーも削除されセンターの液晶タッチスクリーンでの操作に変更された[55][54]。アンビエントライトが導入された一方で、ウッドトリムは廃止されファブリック系の内装素材に統一された[54]。後席には8インチの液晶パネルが設置され、エアコンやエンターテイメント機能を操作することが出来るようになった[54]。前期モデルでは前席だけに採用されていた「合わせガラス」が後席にも採用され、遮音性が大きく改善された[54]。前期モデルではシートヒーターだけだったものが、シートベンチレーションも標準で装備し、天井のガラスはモデルY(Juniper)のようなシルバーコーティーングによる赤外線カットガラスではなく紫外線カット機能に留まる。サブウーハーが移設されて後輪後方の空間が荷室として使えるようになり、荷室容量が拡大している。電動トランクが装備された。[56]

外観では、ヘッドライトの意匠が大きく変更され、鋭いデザインとなった。ハイランド発表時はオートハイビームだけであったが、のちほどオンラインアップデートでアダプティックハイビームの機能が付与された。リヤのテールランプの形状も変更され、「T」のテスラのロゴが「TESLA」の文字表記に変わった[54]。サスペンションも手直しを受け、ダンパーは特定の周波数の振動によって抗力を変化させたダンパーが採用され乗り心地が改善した。ホイールのデザインも変更され、オフセット値が変更された。タイヤが吸音スポンジ入りになり、ロードノイズが低減された。

処理ユニット

助手席足元のECUは、HW3.0から4.0(AI4)へ更新された。HW4.0の処理チップはSamsung製SoCのARM Cortex-A72系20コア(5クラスター×4)が2基搭載されている。ただしモデル3ハイランドのHW4.0は、モデルSやモデルXに搭載されたHW4.0と異なり簡略化された廉価版であった。コンピュータの形状や一部の仕様が異なり、独立GPUチップ(AMD RDNA2)とVRAMが省略され、基盤も小型化された。HW3.0と比較してSocの更新により500TOPSに到達し、情報処理能力は3-5倍に高速化された。

カメラ

メインカメラが200万画素から500万画素となり、合わせてカメラの数が3つ(広角・メイン・望遠)あったものが2つに整理された。フロントバンパー内のミリ波レーダーや超音波近接センサーが廃止され、カメラ映像から距離を算出する方式に統一された。フロントバンパーカメラ追加前のハイランドには車外監視用カメラが7基あり、バックミラー上部に配置されたドライバー監視用の室内カメラ1基を含めると合計8基となる。[57]メインカメラは暗所での性能を優先した「RCCB(Red-Clear-Clear-Blue)」から色再現性に優れた「RGGB(Red-Green-Green-Blue)」のCCDが採用したカメラが採用され、赤信号や周囲の車両のブレーキランプの検出能力が改善された。サイドやBピラーカメラは引き続き「RCCB」カメラを使用する。

グレード 一覧表

Highland 一覧表
グレード名StandardRWDRWDロングレンジAWDロングレンジパフォーマンス
発売年・発表年 2025年10月2024年1月10日2024年7月11日2024年1月10日2024年4月23日
アメリカでの価格 $34,990〜$38,990〜$42,490〜$47,740〜$52,990〜
駆動方式 後輪駆動後輪駆動後輪駆動4WD4WD
搭載バッテリー LFPLFP/LMFPNCMA系(2170)NCMA系(2170)NCMA系(2170)
電池容量
 2025年10月/2025年10月-
54kWh60/62.5kWh75/82kWh75/82kWh75/84kWh
航続距離
(2026年モデル:WLTC)
500km513km715km706km610km
出力 208kW
283ps
208kW
283ps
250kW
340ps
258-280kW
350-380ps
388kW-410kW
460-510ps
0-100km加速 6.1秒6.1秒5.1-4.7秒4.1秒2.9-3.1秒
装備品 廉価版
簡略装備
通常装備通常装備プレミアムサウンド可変ダンパー
バケットシート
プレミアムサウンド
日本での販売 -〇-〇〇
  • ギガ上海製とアメリカフリーモント工場(Fremont Factory)製では、搭載する電池の製造元が異なるため、電池の容量や、最高出力、加速力に差が存在する。例えばパフォーマンスグレードでは、上海製よりフリーモント製の方が50馬力ほど高出力である。
  • 2025年10月のアップデートで、Standardを除く全グレードで、電池容量が増加(LFPモデルがLMFP電池に換装され60Khwが62.5kwhへ。その他のモデルはNCM電池がNCMA電池に換装され75kwhから82-84kwhに向上した。
  • ロングレンジRWDとロングレンジAWDの出力に大きな差が存在しないのは、パフォーマンスモデルとの差別化のための意図的な出力制限である。モデル3ロングレンジAWDの出力制限は、中国やオーストラリア向けの車両ではスマホアプリから追加料金を支払うことで開放可能(Acceleration Boost)で、0-100kmが4.4秒から3.8秒に短縮される。料金はオーストラリアの場合3000ドルになっている。日本やアメリカでは、この「Acceleration Boost」は実施不可能となっている。
  • ロングレンジAWDとパフォーマンスグレードは、前側のモーターは共通であるが、後部のモーターはパフォーマンスグレードのほうが高出力なものを搭載している。250kmまでの速度を担保するためにモーターは強烈な遠心力に耐えることが求められ、ローターがカーボンファイバーで強化されている。オクトバルブによる熱管理も容量が強化されている。外観では専用のスポーツシート、専用フロントバンパー、大型ブレーキ、リヤの専用エンブレムで区別される。
  • スタンダードとプレミアムRWDのモーターは同一であるが、ロングレンジRWDのモーターは高出力な電池に合わせて強力なモーターが搭載されている。

制御系

テスラ モデル3 自動運転(AI)・インフォテインメント(MCU) コンピュータ詳細スペック変遷
モデル・時期自動運転SoC (AI世代)製造プロセス動作クロック (AI)自動運転用メモリ
(規格/容量)
インフォSoC (MCU)インフォメインメモリ
(規格/容量)
独立GPUインフォ用ビデオメモリ
(VRAM)
前期型初期
(2017-18)
HW2.5
(NVIDIA Parker 1セット)
16nm1.4 GHzLPDDR4 8GBIntel Atom (MCU2)LPDDR4 4GB搭載なし
Atomの内蔵GPU機能を利用
なし
メインメモリを共用
前期型中期
(2019-21)
HW3.0
(Tesla FSD Chip 2基)
14nm2.0 GHzLPDDR4 8GBIntel Atom (MCU2)LPDDR4 8GB搭載なし
Atomの内蔵GPU機能を利用
なし
メインメモリを共用
前期型末期
(2022-23)
HW3.0
(Tesla FSD Chip 2基)
14nm2.0 GHzLPDDR4 8GBAMD Ryzen (MCU3)LPDDR4 16GBRDNA2/Navi23-GPUGDDR6-8GB
ハイランド初期
(2023末-2024)
HW4.0 / AP40
(Tesla FSD Chip 2基)
7nm2.1 GHzGDDR6 16GBAMD Ryzen (MCU3)LPDDR5 8GB搭載なし
Ryzenの内装GPU機能を利用
なし
メインメモリを共用
ハイランド現行
(2024後半-)
AI4.1 / HW4.1 / AP41
(Tesla FSD Chip 2基)
5nm2.3 GHzECC-GDDR6 16GBAMD Ryzen (MCU3)LPDDR5 16GBRDNA2/Navi23-GPUGDDR6 16GB
  • ハイランド初期モデルは独立GPUとVRAMが省略されたため、インフォテイメント用SocのAMD Ryzenの内蔵GPU機能(iGPU)を使用し、VRAMはメインメモリのLPDDR5 8GBを共用して使用した。モデル3は前期型のRyzen搭載車を含め、Steamの公式対応車種には含まれていなかった。2022年のホリデーアップデートで導入されたSteam(ベータ版)の対応車種は、16GBのDDRメモリを搭載した2022年以降のモデルSおよびモデルXであった。[19]
  • RDNA2/Navi23は、AMD製グラフィックチップ(GPU)で、処理能力は、単体で約10 TFLOPS(テラフロップス)あり、PlayStation 5 (PS5: 約10.3 TFLOPSとほぼ同等)の能力があり、テスラ車を「走るゲーミングPC」と言わしめた。TSMCの7nmプロセスで製造され、演算ユニット (CU)32基、SP数2048基を装備し、市販グラフィックカードだと、RX6600XT(10.6 TFLOPS)と同等品を使用している。
  • テスラの制御用基盤は助手席の足元にあり、インフォテインメント用の基板とオートパイロット用の基板を2枚の液冷プレートで上下から挟み込む構造になっている。これらの基板は熱伝導性材料で液冷プレートに永久的に接着されているため分解や修理が出来ない仕様になっている[58]。

マイナーチェンジ後の話題

2024.3.10 (FSD v12.3.3) Software Update

従来、プログラマーがプログラムコードを書いて構成されていた車載ソフトウエアが、AIが数百万の映像データから学習した「ニューラルネットワーク」による運転制御へ移行し、運転制御がAIによるエンドツーエンド制御に切り替えられた。北米では2024年3月31日にワイドリリースされた。

2024年 Spring Update

2024年4月30日、一般配信開始。AMD Ryzenチップを搭載した車両では、停車中に車両モデルが全画面表示される没入型インターフェースが使用可能になった。[59]Highlandでは、スマホを持って後ろに立つだけでトランクが開くハンズフリートランク機能が実装された。[60]

モデル3 RWDロングレンジの追加

2024年7月、モデル3 RWDをベースにしてLFPバッテリーを3元系リチウム電池に交換したモデルを「モデル3 RWDロングレンジ」として追加設定した。ベースはRWDモデルなので、AWDロングレンジのような15スピーカーのプレミアムサウンドシステム(サブウーファー含む)は搭載されない。AWDロングレンジと同じ82.5kWhのバッテリーを搭載する一方で、フロントモーターレスによる軽量化と走行抵抗の低減により、モデル3で最も長い走行距離となる702km(23024年時点)を走行可能であった。北米大陸や中国で販売されたが、日本には導入されていない。

制御ユニットの刷新とバンパーカメラの追加

2024年後半-2025年初頭にかけて制御ユニットが刷新された。それまでのテスラモデル3 Highlandは、先にモデルSやモデルXに導入されたHW4.0の基盤からGPUチップやVRAMを削除した廉価版の基盤を搭載しており、上級モデルの制御ユニットとは機能的な格差があった。2025年10月ごろより導入された新型のECUユニットは、インフォテイメント用に16GBのGDDR6メモリを搭載し、合わせてAIチップ用のメモリもエラー訂正機能を持つECCメモリに置き換えられた。回路設計の最適化・安定化が図られ、処理ユニットの発熱も軽減され、動作クロックも高クロック化し、処理能力が高まった。この処理ユニットは、当時 AP41(Autopilot Hardware 4.1)と呼ばれたが、テスラは公式にはこのHW4.1の存在を認めていない。2026年3月時点でも、パーツリスト上でのECU名称は「FUSED COMPUTER - RIGHT HAND DRIVE - HARDWARE 4.0 2001418-S5-F」(日本仕様車の場合)となっており、HARDWARE 4.1という表記は使用されていない[61]。

同時期の変更として、フロントバンパーのナンバープレート下方にカメラが追加されたことが挙げられる。もともとバンパーにはカメラを配置するスペースが設けられていたが、それまで製造されたハイランドでは未実装であった。2024年後半以降にバンパー内にカメラが配置され、ドライバーが安全確認のために利用できるようになった。このカメラは後にFSDも活用することになるが、2025年時点ではFSDはこのバンパーカメラの映像は走行の判断には使用していない。フロントバンパーカメラの追加により、車外監視用カメラは8基となり、室内用カメラ1基を含めた合計は9基となった。[57]

中国での大規模リコール

2024年8月、中国で、ボンネットのロックが開いていることが感知できず、走行中にボンネットが跳ね上がって前方視界が失われる不具合が指摘された。また2025年1月には、中国でモデル3を含めた約120万台のテスラ車に対する大規模リコールが実施された。内容は電動パワーステアリングや後方カメラの不具合であった。これらの不具合はオンラインのソフトウエアアップデートで解決された。

2024.44 Software Update

2024年11月、2024.44 Software Updateが公開された。2024.44 Software Updateでは、スマホアプリを使って車両を無人で手元まで呼び寄せたり、指定した場所へ移動させたりするASS (Actually Smart Summon) の機能が改善・統合された。またカメラベースの自動駐車精度が向上し、よりスムーズな駐車スペースへの進入と、ディスプレイ上での分かりやすい視覚化(ステアリング舵角の表示など)が可能となった。冬季の低温環境下におけるバッテリーのプレコンディショニング(予熱)効率の向上や、寒冷時の充電速度、およびキャビン内エアコンの最適化も図られた。続いて公開された2024.44.3 Software Updateでは、駐車中の死角警告(Blind Spot Warning While Parked)機能が実装された。この機能は、停車中にドアを開けようとした際、死角から接近する自転車や歩行者を検知して警告する機能で、新型モデル3(ハイランド)だけに導入された。その他に、寒冷地向け車両には、充電ケーブルが凍結して抜けない場合に充電ボートを加熱する機能なども実装された。日本向けの車両には充電ポートヒーターが2020年頃より装備されており、「リアデフロスター(後部ガラスの曇り止め)」をオンにするか、「プレコンディショニング」が実施された際に、充電ポートが自動的に余熱されるようになっている。2024.44.25 Software Updateは2024 ホリデーアップデートとも呼ばれ、Apple Watchを「キー(鍵)」として使用できるようになるとともに、Apple Watchの画面からバッテリー残量の確認、ドアのロック/アンロック、エアコンのオン/オフ、フランク(前部トランク)の開閉などの操作が可能となった。その他にもスマホからのドラレコ映像確認、後退時アラート、オートシフトなど、利便性と安全性を高める数多くの重要機能が新規導入された。

日本でのスーパーチャージャー無料キャンペーン(2025年1月-6月まで)

2025年1月1日-3月31日までに納車された顧客に対して5年間のスーパーチャージャーの利用料金が無料とされる販促キャンペーンが実施された。続いて、2025年4月1日以降に新規注文し、6月30日までに納車された顧客を対象として、「3年間のスーパーチャージャー無料特典+選べる充電器」と銘打って、3年間スーパーチャージャー無料利用できる権利が付与されるとともに、ウォールコネクターかモバイルコネクターもオマケされる企画が実施された。

2025 26 Software Update

2025年7月、2025 26 Software Update(2025サマーアップデート)が配信された。車載インフォテイメントシステムにAIのGrokが搭載され、走行しながらAIと会話できるようになった。AMD Ryzenプロセッサを搭載した米国車両のみが対象であり日本では利用できなかった。他にもダッシュカム(ドライブレコーダー)の強化、ナビゲーション機能の改善、ライトシンク(Light Sync)の追加などが盛り込まれた[62]。

モデル3 スタンダードの追加

2025年10月、アメリカで、もっとも廉価だったRWDグレードの装備を簡略化するとともに、バッテリーを小型化(60kwhから50kwhに削減)した格安グレード「モデル3スタンダード」が発表された[63]。シートベンチレーションの削除や後席液晶エンターテイメント画面の省略、搭載バッテリーの小容量化によりベースとなったRWDモデルと比較して60kgの軽量化が図られた。また18インチPhoton Wheelsに代わり、鉄製の18インチPrismata Wheelsを装着した。完全フラットなホイルカバーを装着することにより航続距離の低下も最小限に抑制し、516kmの走行が可能であった。車体色は3色しか選択できず、内装色はblackのみであった。価格は5500ドル安価な設定にした[63]。日本へは導入されていない。車体価格は10%安価に設定されたが、これはアメリカのトランプ大統領が署名した包括的な税制改革法案(通称「One Big Beautiful Bill」)により、個人向けのEV購入補助金(最大で7500ドル)が2025年9月に廃止されることに対応した施策であった。モデル3 スタンダードの登場により、従来のモデル3 RWD/AWD/パフォーマンスは、「Model 3 Premium」という名称に改められた。日本ではこのスタンダードグレードは導入されなかったが、通常モデルの名称を「Model 3 Premium」と2025年2月頃から改称されている(Model 3 Premium RWD、Model 3 Premium AWDロングレンジ)。

2026年モデルの発表

2025年10月に一部改良が実施された(2026年モデル)。ウインカーレバーの削除が不評だったために、ウインカーレバーが再び装備されるようになった。またシートを含めた内装の素材がより耐久性の高い素材に変更されている。内外装の装飾よりシルバー色や明るい色が一掃され、車体前後のテスラマークはブラックにとなり、ドアトリムや一部の内装の樹脂パーツも黒色に変更された。18インチホイールは、ダークグレーからマットブラックに変更された。天井やピラーの色は灰色のまま変更されていない。

バッテリーの高密度化も同時に行われ各モデルの走行可能距離が延長された。モデル3ロングレンジAWDの最大航続距離766km、RWDモデルは594kmの走行距離となった[64]。この走行可能距離の延長は、上海工場でのバッテリー変更によって実現した。モデル3RWDに搭載されるCATL製のLFP(リン酸鉄リチウム)バッテリーは新型の「Shenxing Battery(神行電池)」の技術を導入した6Mバッテリー(LMFP電池)に更新され、容量が60kWhから62.5kwhに増加し、最大充電速度も150kwから170kwに向上した(実測では最大で190-200kw)。この6Mバッテリー(別名:E1A)はLMFP電池であり、従来のLFPバッテリーにマンガンを加えてLFP電池の「電圧が低く、寒さに弱い」という弱点を克服した次世代電池である。

ロングレンジとパフォーマンスに搭載されるLGのNCM (ニッケル・コバルト・マンガン)電池は、 LGの最新「5M」バッテリー(ハイニッケルNCMA:ニッケル・コバルト・マンガン・アルミニウム)に更新された。ニッケル添加量を増やすことで内部抵抗の引き下げや高容量化(75khwから82-84kwh)が果たされた。またアルミニウムの添加を行うことにより、従来から指摘された耐久性の問題(後述)に対応した。バッテリーセルの高性能化により、バッテリーパックに搭載されるセルの数は削減され、バッテリーセル自体が軽くなっている。

一方、北米フリーモント工場で生産されるモデル3では同時期にLFPバッテリーについては中国製からアメリカでの現地生産に切り替えられたのみで性能の向上は無かった。ロングレンジとパフォーマンスに搭載される3元系バッテリーはパナソニック製(NCA:ニッケル・コバルト・アルミニウム)が使われているが、こちらは元々LG製より高性能であり2017年代よりアルミニウムの添加を行った電池なので、変更は行われていない。

LG製NCM811バッテリーの品質問題

2025年11月、バッテリーの研究で知られるクロアチアを拠点とする独立系研究・修理施設の「EV Clinic」は、ギガ上海やギガベルリンで生産される車両に搭載されるLG製バッテリーセル(LG NCM811)に壊滅的な問題があると警告した[65]。モデル3ではロングレンジモデルとパフォーマンスモデルに搭載されるニッケルマンガンコバルト(NMC)電池は、LGエナジーソリューションズの南京工場で生産されている。報告の概要は、アメリカで生産されるパナソニック製NCAパックと比較してLGのバッテリーセルは半分程度の寿命しかなく、故障率も高く、また故障時にも修理不能という内容である[65]。この報告以前より、米国製のパナソニックNCAパックを装備したモデル3パフォーマンスは510馬力を発揮するのに対して、LG製バッテリーを装備したモデル3パフォーマンスは460馬力しか発揮できないことが知られ、0-100km加速にも明瞭なタイム差があることは知られていた。

「EV Clinic」によると、新品のパナソニックセルの内部抵抗は10mΩ以下であり、故障したセルの内部抵抗は28mΩまで上昇するが、LG製セルの内部抵抗は新品でも28mΩもあり[66][65]、同社に持ち込まれる故障したLGセルに至っては、46個のセルのうち1/3のセルが100mΩを超える内部抵抗を示し、残り2/3も50mΩを超える数値ということが日常的にあった[66]。LG製バッテリーパックが故障したオーナーに対して、対応策は中古のパナソニック製バッテリーに載せ替えるか、新品に交換(OEM価格15,355ユーロ:日本円で288万円)してもらうしかないと助言している[66]。パナソニック製は、故障しても極一部のセルを交換するだけで修理が可能だが、LG製のバッテリーが故障したときには、モジュール全体が劣化しており、90%以上の確率で修理不能だったと報告され[66]、例えば同社の3つの修理工場に持ち込まれた40個のLG製バッテリーモジュールは、全て修理不能であった[66]。パナソニック製のバッテリーパックの推定寿命 (EOL) は40万kmであり、LG製バッテリーパックは24万キロと推測した[66]。LG製バッテリーパックは10万キロを超えたあたりから故障が見られるようになっており、今後2年間でその故障率は顕著に増加するだろうと予測した[66]。日本へ輸出されたモデル3では、2021年2月-2025年10月上旬の車両にこの南京製バッテリーパック(LG製NCM811バッテリー)電池が搭載されている。北米フリーモントで生産された車両のうち、2020年10月-2021年4月の一部のModel 3 ロングレンジにも搭載されている[66]。 ただし、テスラではバッテリーパックについては新車購入後8年間または距離19万2000km(LFPバッテリーは16万キロ)を保証期間とし、故障したり充電容量が70%以下に低下すれば無償交換の対応となる。

同じLG製バッテリーでも、韓国や欧州の工場で生産されるバッテリーには、このような問題は存在しないとされる[66]。それらはフォルクスワーゲンやルノー、アウディなどの欧州メーカー向けの仕様となっており、テスラ車には使用されていない。LGもこの問題を認識しており、2025年の改良で安定性を高めたハイニッケルNCMA(LG 5Mセル)へと刷新した。材料サプライヤーを系列のLG化学から韓国のL&F社に変更した[67]。LG化学は90%のニッケル成分の正極材を生産することは出来ても、テスラやLGが求める95%のハイニッケルの正極材を生産することは出来なかったためである[68]。

日本でのCEV補助金と無金利キャンペーン

2026年1月1日から、日本のCEV補助金が大幅に増額された。補助金の額面は車種によって異なるがテスラの場合は全車が127万円であった。また東京都などの一部の自治体では更にその金額が上積みされた。合わせてテスラジャパンは5年間金利0%キャンペーンを実施した。3月31日までにローン審査を通過していれば4月以降の納車でも適用となった。この金利0%キャンペーンは同年3月31日まで継続され、両者の販売補助施策により日本のテスラの販売台数は大きく飛躍することになった。

オートパイロットの削除

2026年1月22日、アメリカで新規注文画面から、これまで標準装備(無料)だった「オートステアリング(車線維持機能)」に関する記載が削除された。これにより、1月23日以降に契約された車両には「オートステアリング」が使用できなくなった。納車後1か月間のFSD無料お試し期間(1か月)が終了したときに、サブスクで毎月99ドルを支払ってFSDを使い続けるか、車間距離保持機能だけのクルーズコントロール(ハンドル支援機能なし)で我慢するかを選択するシステムに変更された。2026年2月14日には、FSDの買い切り販売(アメリカでは8000ドル)も、終了するとされた。イーロンマスクは、これよりFSDの継続契約(サブスク)数を1000万件に増加させることを目指すとともに、将来的なFSDの高機能化にともない、月額99ドルというサブスク価格も値上げされるであろうと語った。日本などのFSDが導入に至っていない販売エリアに対しては、引き続きオートパイロットは搭載された状態で納車が続けられた。また、すでにオートパイロットが使用できる状態での契約で販売された車両では、オートパイロットがOTA(オンラインアップデート)で使用停止されることはない。

2026.2.9.6 Software Update

2026年3月上旬から中旬にかけて、北米で2026.2.9.6 Software Updateが一般配信(Wide Release)された。これにはFSD v14.3が含まれていた。FSD v14.3はAIコンパイラとランタイムを「MLIR」へ書き換え、システムの土台となるアーキテクチャを完全に刷新している。これにより反応速度が20%改善した。またニューラルネットワークのエンコーダーも強化され、視界の悪い環境下での認識精度や、空間把握能力も改善された。FSD v14.3では、交差点での適正な判断や、より人間らしいスムーズな加減速が可能になった[69]。オートワイパーの制御もAIを用いた新しい制御システムに刷新された。従来は雨滴センサーを使わずカメラ映像のみで雨を感知する「Tesla Vision」を採用していたが、感度の悪さや誤作動が批判されていた[70]。ドライバーがマニュアル操作するワイパー操作を学習すると共に、ワイパーモーターの電力消費からフロントガラスの摩擦抵抗を推定する新しい技術が導入された。この技術はテスラが特許(US 2026/0097742 A1)として4月9日に公開した。推定摩擦が高値であればドライ(乾燥)状態と判定してオートワイパーの誤動作を抑制する。高摩擦で霜・氷を検知した場合、デフロスターを自動で起動する機能もあり、また長期間の摩擦値の平均を記録し、ブレード摩耗が推測されるとワイパーブレードの交換を促す警告も表示される[70]。これらの機能を特別なハードウエアの追加なしで、ソフトウエアの刷新だけで盛り込んだ[70]。北米以外のエリアでは、4月上旬までに全車両に対して配信が行われた[70]。

2026.8 Software Update

2026年3月、2026.8 Software Updateが公開された。日本では2026年4月になって公開された。改良の目玉は停止直前のブレーキ操作を高精度化して、滑らかな停車を可能とした「コンフォート・ブレーキ」であった。しかしモデル3に搭載されているブレーキシステムは、モデルYのデュアル・マスターシリンダーを採用した新世代の構成ではないため、停止直前の微細なブレーキ圧のコントロールができず「コンフォート・ブレーキ」の機能は使用できない。モデル3では、Spotifyの操作性向上やバグ修正、Grokの新音声(Leo)の追加が行われた。また「ナビゲート・オン・オートパイロット」が「ナビゲート・オン・オートステア」へ、「FSDコンピューター」が「AIコンピューター」に名称変更された。これは2026年2月のアメリカカルフォルニア州車両管理局(DMV)での30日間の販売停止措置を回避するための名称変更である[71]。室内カメラによって、ドライバーの顔を解析し、年齢を推理するプログラムも実装された[72]。2026.8 Software Updateには、リヤカメラの制御にバグがあり、後ほどその問題を修正した 2026.8.1 Software Updateがリリースされた。

Sunwoda製LFPバッテリーの採用

2026年3月、テスラはSunwoda Electric Vehicle Battery(Sunwoda EVB:欣旺達)をバッテリーサプライヤーとして採用し、Sunwodaは、テスラ用バッテリーの、5番目のグローバル・サプライヤー(CATL、パナソニック、LG、BYDに続く)となった。Sunwodaはテスラに第3世代のLFPバッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池)の「3C」バッテリーを納入開始した[73]。「3C」とは、バッテリー容量の3倍の出力で充電できるという意味で、80kwhの電池なら240kwで安定的に充電できることを意味する。この「3C」バッテリーは、それまでCATLが供給していた第2世代のLFPバッテリー(LFMP)と比較して約半分の時間で充電でき、10%から80%まで15-20分という短時間で充電を可能とした[73]。Sunwodaは、低抵抗の電解液を新開発し、リチウムイオンの移動距離を短くする極薄・多孔質電極を採用して急速充電の速度を引き上げた(ただしこれらのスペックは高電圧で充電した場合の結果であり、テスラモデル3の400Vシステム下では充電速度の大きな飛躍は表れない)。テスラは浙江省義烏市のSunwodaの工場から電池単体を購入し、テスラの自社工場でバッテリーモジュールとして組み上げる方式を採用してコストを削減し、2026年時点で15.4%に低下した利益率(規制上の優遇措置を除いたテスラの自動車事業部門の粗利益率)を改善させる狙いもあるとされた[73]。LFP電池の入手先も、CATLの独占ではなくなるため、CATLに対して強く価格交渉を行うことも可能となった[73]。この3C電池は、まず上海ギガファクトリーで生産される輸出向けのモデル3やモデルY搭載が始まったが[73]、2025年10月から使用しているCATLの6Mバッテリー(別名:E1A)も日本や中国向けのRWDモデルに引き続き使用された。

日本でのスーパーチャージャー無料キャンペーン

2026年1月1日から始まったテスラの5年間金利0%キャンペーンは3月31日に終了し、それを引き継ぐ販売促進策として、2026年4月1日から3年間スーパーチャージャー無料利用できる権利が付与されるキャンペーンが開始された。当初は6月30日までの予定であったが、受注が殺到して納期が遅延したため、救済措置として7月31日までの納車分までに延長された。対象はモデル3とモデルYとされ、モデルYLは対象外であった。

オランダでのFSD認可

2026年4月、オランダの自動車規制当局(RDW)は、18カ月以上にわたるテストと分析を行った結果、テスラの監視付自動運転ソフトウエアを認可した。[74]これはテスラにとって欧州初の承認となった[75]。オランダでのFSBは、認可後も7500ユーロで買い切り販売が継続されていたが、2026年5月15日にこれを終了し毎月99ユーロのサブスクリプションに1本化するとした。

2026 spring Update

2026年4月中旬に、「2026 spring update」、別名「2026.14 update」が配信された。このアップデートによる改善点は以下の通りである。他にも天気図の改善、自動更新のモードの追加、ドライブレコーダーの記録時間の延長(1時間だったものが最大24時間)、セキュリティの改善など、様々な細かい改善が実施された。

  • FSDの使用状況の統計が表示されるようになった。
  • 'Hey, Grok' と唱えると、AIのGrokを呼び出すことができるようになった。この機能は中国で先行して公開されていたが、北米、オーストラリア、ニュージーランド、そしてヨーロッパの一部を含むGrok対応地域などのGrok搭載地域で 'Hey, Grok' が使用できるようになった。日本ではGrokが有効化されていないので使用できない。車内でのGrokの機能も拡張され、「家の近くに来たら牛乳を買うようにリマインダーを設定」や「家に帰ったら荷物を開けるようにリマインダーを設定」などの設定も可能になった。
  • 「ドックモード」では、犬に加えて猫とハリネズミが選択可能になり、モードの名前も「ペットモード」に改名された。
  • アプリランチャーのアイコンが、アイフォンに似たアイコンに変更された。
  • 後席モニター(ハイランドのみ)に、前席モニターとは分離してナビの地図表示が出来るようになった。
  • 駐車中のマイカーを表示する液晶画面のスクリーンに、高精度な車両モデルが導入された。既に以前より高品質なモデルが表示されていたが、それが更に高品位なモデルに変更された。インフォテイメントプロセッサーにRYZENを搭載した車両に限定の変更で、インテルATOMの車両は変更なし。
  • 新しいトリップメーターのグラフの導入。
  • アンビエントを使った警告の導入。アンビエントライトを装備した車両(モデル3ではハイランド)で、ウインカー作動させたときに死角に物体があるとアンビエントが赤く点灯するようになった。また、駐車中に接近する物体を検知すると時にも赤く点滅し、ドアを不用意に開けた時の接触事故を予防する機能が実装された。この機能はモデル3限定で導入されたが、後に全てのテスラ車にも導入された。
  • ハイランドのプレミアムモデルで、同社が「イマーシブ」と呼ぶ空間内に詳細なサウンドステージを作り出す新しい音響機能モード「プレミアム・イマーシブ・サウンド」モードが実装された。SpotifyやApple Musicを含むすべてのストリーミングサービスに対応している。
  • スケッチパッドの改善。センターの液晶モニターを使って絵を描く「スケッチパット」の機能に、様々な描画機能が追加された。

2024.14.6 update

2026年5月配信開始。信号待ちで、青信号になるとチャイムがなる機能が実装された。ただしこの機能はアメリカでは2020年の「バージョン 2020.36」の時点で実装されていた機能であり、6年遅れで日本で有効化されたものである。車両の後ろ側にスマホを持って立つとリヤハッチが解放される「ハンズフリー・トランク」も実装された(自宅では不用意に開放されないようにも設定できた)。

フロストブルーの追加

テスラは北米市場向けオンラインコンフィギュレーターを更新し、モデル3とモデルYに「フロストブルー」と「」マリンブルー」の外装色オプションを追加した。廉価版のモデル3スタンダードでは選択出来ない。それまでは、マリンブルーはギガ上海製のモデル3でしか選択できなかった。「フロストブルー」はモデルSとモデルXで2025年6月から設定されたが、両モデルが2026年4月に生産終了したために短い期間で打ち切りになった外装色であった。同時期に北米エリアでは、モデル3とモデルYのパフォーマンスグレードを選択すると、内装色と外装色の有償カスタムが無料となる販売促進サービスが実施された。日本では「フロストブルー」の外装色の選択は不可。

日本でのFSDの買い切り販売の終了

2026年6月、日本でのFSDの買い切り販売が6月30日で終了することが告知された。FSDの買い切り価格は以前は70万円であったがこの時までに87万1000円に改定されていた。以後はサブスク(月額料金未定)のみとなる。EAP(エンハンスト オートパイロット)の販売(40万円)は継続された。日本ではFSDは2025年8月より実際の公道テストが本格開始されているが依然未認可であった。この時点で、アメリカ、カナダ、メキシコ、プエルトリコ、オーストラリア、ニュージーランド、中国、韓国、オランダ、リトアニア、エストニア、デンマーク、ベルギーでFSDが認可されていた。

2026.20.3 Software Update

2026年6月に配信開始。日本では同年7月上旬より配信された。日本では2026.20.3 Software Updateによってアメリカに遅れること1年間、欧州に遅れること5か月間でgrokが解禁された。ただし機能の制限は継続されており、AIによる空調の制御などは不活化されたままであった[76]。Grok機能はローカル実行ではなく、テスラのサーバーとの交信によるもので、利用条件としてAMD製プロセッサ搭載車であることと、プレミアムコネクティビティの契約もしくはWi-Fi接続が必要であった[76]。他の機能としては、各種セキュリティの修正や改善と、ダッシュカムの映像の暗号化(任意)、ペアレントコントロール、ナビゲーションにおけるレーン案内の表示などが盛り込まれた[77]。

2026年7月の納車中断

2026年7月、モデル3の納車が急遽停止された。納車日程がアプリに表示されていた顧客は納車が未定に変更され、既に車両を受領済みだった顧客もテスラが車両を回収する事態となった。納車を中断した原因についてテスラでは理由を明らかにしなかった。モデル3の納車は8月に再開された。同様の処置は韓国でも実施された。

2026.20.6 Software Update

2026年7月配信。ナビゲーション車線ガイダンス(レーン案内)、ソフトウェアの夜間自動インストール機能(オンオフ可能)などが追加された。

2026.26 Software Update

2026年7月、2026.26 Software Update(サマーアップデート)の配信が始まった。従来「スリップモード」のON-OFFだけだった駆動制御が、「オート」を含めた制御方式の拡張が導入された。音声アシスタント機能(Grok)の機能拡張、ナビゲーションの自動ルーティン学習、車両に乗り込んだ時の画面のアニメーション、スコアリング付きカラオケ機能、モバイルアプリからの到着時バッテリー残量設定、カスタムラップ(外装デザイン)の携帯アプリ送信などが盛り込まれた。日本での配信は2026年9月中旬より2026.26.6として開始された。欧州エリアの左ハンドル車では、側面衝突時の安全基準をクリアするために、センターエアバックの展開速度の調整がOTAで導入され、2026.26.100.2および後の026.32.3によってリコール対応を行った。この変更によりドライバーの肩にエアバックが当たるときの衝撃が緩和された。

2027年モデル

2026年9月、モデル3向けパーツリストに16インチモニターと、ゼングレーの内装パーツが追加された。これによってモデルYおよびYLに先行採用されていた16インチモニターと、ゼングレーの内装がモデル3にも導入されることが明らかとなった。同年10月より海外で先行して2027年モデルとして、16インチモニターとゼングレー内装を搭載したモデル3のリリースが開始された。4WDモデルに関しては、フロントモーターも高出力のTL2型に換装された。10月23日、テスラ・ジャパンは日本向けのモデル3のマイナーチェンジを正式に発表した。公表されている変更点は下記のとおり。また先着5000名を対象に最大26万4000円の充電サポートプログラムも実施された(実際は26万4000円の納入金額の削減)。

  • V2Lに対応。2027年モデルは給電口に別売りアダプター(2027年1が発売予定)を接続することにより100Vの外部給電が可能になった。
  • 16インチセンタータッチスクリーン(従来は15.4インチ)
  • ゼングレーシートカラー(オプション)。従来のホワイトシートカラーは廃止。
  • 19インチダークノバホイール

2026.32.3 Software Update

2026年9月中旬にリリースされた2026.32.3では、テスラのブラウザに広告ブロック機能が搭載された。FSD(Full Self-Driving)のアップデートも含まれており、HW4(ハードウェア4)搭載車両にはFSD v14.3.9が、HW3搭載車両にはFSD v14.2 Liteが同梱されている。このFSDv14.3.9では、手動運転中であっても車両が突発的な障害物や衝突の危険がある車両を感知すると、運転に介入して回避行動をとる「自動衝突回避機能」が導入されている。その反応速度は、0.13秒から0.45秒という人間離れした反応速度とされる。車両のデジタルセキュリティも改善された。[78]コントロールメニュー内の「サービス」項目にあるホイール・タイヤ設定画面も変更され、装着されているホイールを選択すると、それによって影響される航続距離や画面表示モデルも変更されるようになった。シートヒーターには30分のタイマー(自動停止機能)が導入された。日本では2026.32.7として2026年10月12日頃より配信開始となった。

NHTSAの衝突試験で総合5つ星を獲得

2026年9月、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は、2026年型テスラ モデル3に対して最新の安全評価を実施し、最高ランクである5つ星の総合評価を与えた。モデル3は、正面衝突、側面衝突、横転リスクという、NHTSAが定めたすべての衝突試験カテゴリーにおいて、例外なく5つ星を獲得した。更に、NHTSAが推奨する10項目のアクティブセーフティ技術(先進運転支援システムや衝突回避機能など)全てにおいて、モデル3が基準を完全に満たしていることが確認された。

2026.38 Software Update

2026年9月末、テスラはソフトウェアアップデート「2026.38」を通じて、ヘッドライトの照射性能を向上させる新機能「ダイナミック・ヘッドライト・レベリング」の提供を開始した。OTA(無線アップデート)のみで夜間のロービームの照射角度を最適化し、走行条件や周囲の交通状況に応じて、ヘッドライトの眩惑問題に対応した。照射角度の調節は、ライトユニット自体を上下させることにより実現している。AMD製チップを搭載したモデル3やモデルY向けに、テスラビジュアルの鮮明化やスーパーチャージャーでのパーキングシーンの表示強化といった視覚的な改善も同時に実施された。アメリカで販売される車両では、銃乱射事件を受けてスーパーチャージャーでの充電中であっても緊急的にドライブにギヤを入れて退避出来る「緊急脱出モード」が有効化された。ただし実施すると車両側とスーパーチャージャー側の双方に物理的損傷が起きる。この「緊急脱出モード」を実施すると、実行中の動画が自動的に録画されテスラに送信される設定になっており、不必要な実施には2万5000ドルの補修費用が請求されるとしている。ジョーク機能として「Halloween Mode」が実装された。日本では10月22日頃より配信が開始されたが「Halloween Mode」は日本の道路法規上の制限がなされた形での配布となった。

V2H機能「Powershare」

2026年10月オーダー以降のモデル3とモデルYが最大11.52kWの電力供給に対応した。テスラのPowerwall 3と連携し停電時に2日以上のバックアップを実現した。この双方向充電機能によって、自宅内の冷蔵庫や洗濯機などの家電製品を長時間稼働させることが出来るようになった。将来的にはPowerwall 2やPowerwall+への対応も予定された。日本へ輸出されるモデル3には未導入。

導入が予定されている改良

メインカメラの改良

メインカメラのレンズの状態の問題に対応するため、ハウジングの気密性を改善し、レンズが汚れたり曇ったりしないように改良が進められている。パッキンの追加(以前の車両は下面のパッキンが無かったが新型ではフロントガラス上部のレンズを1周する形で下部にもパッキンが追加された)や、ハウジング内部のヒーター機能の強化が行われた。以前は定期的にディーラーでレンズの清掃が必要であった。ハウジングの形状も変更され、ゴーストやハレーションを発生させる光の反射や、レンズ端の歪が最小限に抑制されたモデルとなった。レンズの表面に撥水コーティングが施工される。

新型処理ユニットに関する話題

2026年1月よりAP45という識別ステッカーが張られたECUを装備したモデルYの納車が始まり、パーツリストにもAP45(つまりHW4.5)と明記した新型ECUの掲載(パーツ番号2261336-S2-A)が始まり、その処理能力や変更点について話題となった。これに対してテスラは、車両のECUのステッカーのAP45という表記は『誤表記』であるとコメントし、HW4.5の存在を否定した。また、テスラはパーツリストのAP45に関する記載や品番2261336-S2-AのECUに関する記述をすべて削除した。

FSDの進化と肥大化により、HW4.0であっても内部リソースの対応が難しくなっていることが知られていた。HW4.0には、冗長性と処理分担のために2つの計算ユニット(Node AとNode B)が搭載されるが、Drive Logicを担当するNode BのAIモデル(NNs)の規模がFSD Ver12の2.3GBからVer13では7.5GBに増大している。さらに2025年10月以降から導入されたver14ではパラメーター数が10倍に増えており、AIコードの整理や量子化でコードを省略化して対応しているが、HW4.0のメモリ容量(8.0GB)では今後の対応が厳しくなっていた。しかし処理速度8倍、メモリ容量9倍とされるHW5.0の投入は、生産計画の遅延により少なくとも2027年夏以降となるとされていた。HW4.5は、HW5.0の遅延によって生じる空白期間を埋めるための、HW4.0の発展型システムではないかと話題になった。

2026年4月、テスラの2026年第1四半期決算発表にて、イーロンマスクはHW4.0のメモリ容量を倍増させた新型処理ユニットを導入予定であることを公表した。これは今後発表されるであろうFSD ver15でのエンドツーエンドのニューラルネットワークの大幅な大規模化、複雑化に対応するためであるとされ、メモリ回りの性能がそのボトルネックになっていることを認めた。新型処理ユニットは全体的な演算能力も10%向上し、メモリ帯域幅も10%向上するとされ、より多くの画像データを処理し、より大規模なAIモデルを同時に実行できるようになるとされた。この新しい処理ユニットは「HW4.1」または「HW4+」と呼ばれ、2026年4月時点で設計段階にあり、製造はサムソンに依頼され、実際に車両に搭載されるのは2027年以降になるとされた。

デザイン

 モデル3のボディサイズは、同じセダンのモデルSに対してコンパクトなサイズになっている。このうち全幅については、日本の機械式駐車場の収容寸法を考慮して設定された[79][80][81][82][83][84]。また、電気自動車であり、フロントグリルが無い。前後のエンブレムは両面テープで接着されており、穴や凹みがなく、ユーザーの好みで取り外すことが出来るようになっている。リヤワイパーは、空力特性を最優先するために装備されていない。後方視界は、鏡(ルームミラー)越しではなく、センターモニターで「カメラ画像で後方を見る」というスタイルを前提としている。

インテリアは、イグニッションボタンやメーターパネルを廃止し、レバーやボタンなどの操作系機構も必要最小限に抑えられている。スマートフォンをキーとして使い、Teslaアプリと交信することでオーナーを個人認証して解錠する[85]。スペアキーの代わりに、NFC方式のカードキーや、オプションのキーフォブも使用できる。[86]ほとんどの操作はセンターコンソールの15.4インチの横置きタッチスクリーンパネルで行う。白いシートは、イーロン・マスクが、イーロン自身が「ジーンズを履いて座っても汚れない、完璧な白」をエンジニアに求め、強い「防汚コーティング」が施されており、仮にジーンズの青い色が移っても、濡れ拭きや中性洗剤で比較的簡単に落とせるようになっている。

ドアハンドルは、完全に車体側面に対してフラットな形状となり、指でシーソー式に押し出してドアを引くスタイルを採用している[87]。また車内では電気式のプッシュボタンでドアを開錠する形式となっている。電気的なトラブルや事故によって電動のドア開放機構が使用できない場合、ハイランドの前席ドアはウィンドウスイッチの前にある手動ドアリリースを引き上げて開ける。後席ドアはドアポケット底部のカバーを外し、その下にあるメカニカルリリースケーブルを前方に引いて開ける仕組みになっている。[88]一方、これが緊急時に直感的ではないとして批判された[87]。同様の問題はサイバートラックなどの他車でも指摘されているが、事故時にドアの機械的な開錠方法が分からずドライバーが焼死したケースもあり、米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は2025年9月に予備調査を始めた[89]。またアメリカや中国、欧州の新たな車両規制で問題になるとして2027年までに抜本的な構造変更が求めれている(2026年1月初旬に米国連邦議会に提出された「SAFE Exit Act(安全な出口法)」の規制など)。モデル3とモデルYのチーフデザイナーのフランツ・フォン・ホルツハウゼンは、電子式ボタンと機械式ボタンを兼用したドアリリースシステムを開発中であると説明した[87][90]。電子錠はテスラが先駆者であり、その後レクサスなどの他メーカーも追従するようになり、2025年時点で約70車種が同様のメカニズムを搭載している[91]。

2026年2月、中国は、中国工業情報化部(MIIT)による新たな自動車安全基準を発表し、テスラのような格納式のドアノブを搭載した新車種を2027年1月より認めないことを決定した。販売中の既存車種についても2029年1月1日以降は販売できなくなった[89]。これにより、テスラモデル3は2029年2月までにドアのデザインの変更を求められることになった[89]。

仕様

電池

当初、モデル3にはパナソニックと共同でギガファクトリー1で生産された「2170」(直径21㎜、長さ70mm)と呼ばれるNCA(ニッケル・コバルト・アルミニウム)バッテリーセルを採用した[92][93][94]。マスクCEOは、「世界で最も優れたセルであると同時に、最も安価なセル」になると語った。それまでのモデルSやモデルXには、日本で生産された18650と呼ばれる規格のバッテリーセルが使われていた。その後、アジア・欧州・オセアニア市場のモデル3は中国のギガ上海で製造されるようになり、電池も中国製が使われるようになった。2021年2月以降は、日本へ納車される車両は全車上海工場製となっており、電池も韓国LG製や中国のCATL製が搭載される。このLG製のNCMバッテリーには寿命や故障率に問題があったが、2025年10月の小改良で、上海工場で生産される車両は、LFPと三元系の両方のリチウムイオン電池が改良型の電池に更新され、充電速度や航続距離が改善している。

モーター

モーターは、後輪側に低速時のトルクが大きく、効率に優れた永久磁石モーターをテスラの車両として初採用した(2016年)。AWDモデルは前輪に引きずり抵抗がないインダクションモーター(誘導モーター)を追加で搭載する。AWDモデルは通常はリヤに搭載された永久磁石モーターだけで走行し、出力やトラクションが不足するときのみ前輪のインダクションモーターに通電され前輪が駆動される。後輪に採用された永久磁石モーターは強い引きずり抵抗があるが、テスラはそれをあえて電気的に緩和せず、回生エネルギー回収として活用している。モデル3のオリジナルには回生の程度を可変できる設定があったが、マイナーチャンジ後のハイランドではこの設定が廃止され、強い回生力を積極的に活用するワンペダルモードのみとなっている[95]。ただし、中国ではワンペダルドライブは法律で禁止されており、中国国内仕様のモデル3は回生の強さを「強」「弱」で選択できるようになっている。後輪駆動用のモーターは車軸より前側に装着され、前輪駆動のモーターは車軸の後方に装着され、前後ともミットシップマントとなっている。モーターは油冷であり、カートリッジ式のオイルフィルターを前後に装備する。モーターのオイルは減速歯車の潤滑も兼ねている。モデル3ドライブモジュールにおけるレアアースの使用量は、効率向上により2017年から2022年にかけて25パーセント削減することに成功した[96]。ハイランド以降のパフォーマンスグレードには、強力な遠心力でローターが膨張・破損するのを防ぐため、後部モーターのローターをカーボンファイバーの袖(スリーブ)で締め付ける技術が採用されている。前部の誘導モーターは、AWDロングレンジと全く同じモーターが搭載されている。回生ブレーキについてもAWDであっても後輪のみで主に行われる。前輪でも回生ブレーキをかけることは可能であるが、前輪がその用途で使用されることは限定的である。回生ブレーキの強さは、減速Gと電池容量、速度などによって自動制御される。

インバーター

インバーターは、前後モーターの直上に搭載される(つまりRWDモデルはリヤだけにインバーターが装備される)。モデル3では2017年にSiC(シリコンカーバイド/炭化ケイ素)をインバーターの出力素子として採用し、これは車両への搭載では世界初であった。それまでのEVあるいはトヨタを筆頭としたハイブリット車のインバーターでは安価なシリコン(Si)製の素子(IGBT)が採用されていた。SiCは高価であるものの、熱に強く電力の変換ロスが極めて少ないのが特徴で、これによりモデル3では航続距離の向上とインバーターの小型化を実現した。

駆動系

クラッチや変速ギヤ、機械式デフは使われていない。雪道でのテストも十分に実施されており、RWDモデルでもブレーキシステムを使った疑似LSD機能と繊細なトルク制御により、積雪があっても高い走破能力を持つとされる[97]。

熱管理

モーターのオイルは、水冷オイルクーラーで冷却され、その熱は室内の暖房やバッテリーの温度管理に利用される。余剰の熱はフロントのラジエターから放熱される。室内の暖房やバッテリーの加温で熱が不足する場合は、モーターに駆動力を発生させない電流を送ってモーターを発熱源として使用するとともに、ヒートポンプを使用して屋外の熱を車内に取り込むようにしている。この制御は8つ系統があり、12Vバッテリー(またはリチウムイオンの低圧バッテリー)の真下に設置されたオクトバルブがそれを制御している。ただし発売当初のモデルはヒートポンプを持たず、熱源として PTCヒーター(電熱線ヒーター)を使用していたので熱効率は後期型のヒートポンプ式と比較して3倍悪く、冬場の航続距離が30%以上悪化していた。制御は「スーパーボトル(Superbottle)」と呼ばれる冷却水制御ユニットを搭載していたがオクトバルブほどの緻密な熱管理は出来なかった。この熱管理システムとエアコン、サブバッテリーは、乗員スペースとフロントトランクの狭いスペースにコンパクトに収納されており、それによりフロント側にもトランクスペースを設けることが可能となった(日本のEVは周辺機器の小型化が出来ず、ボンネットの中は補器類が満載されておりトランクスペースを設けることが出来た車種は2026年4月時点で存在しない)。

車体構造

テスラは2020年から超大型ダイカスト鋳造マシンであるギガプレスを導入。ある車種では、171点もあった部品をギガプレスによりギガキャストとして一体的に製造し、部品数を大きく減らすことに成功した。車体剛性や生産効率も上昇した[98]。モデル3の前期では採用されなかったが、後期のhighlandから車体後部のフレーム部分に採用されている。RWDモデルは前側にモーターやインバーターを搭載しないが、フロント側のトランク(フランク)の容量はAWDモデルと同一であり、拡大されていない。

その他の主な装備

  • 世界の電圧と電流の充電の互換性
  • スーパーチャージャーは有料で使用可能[99]
  • 標準的なアクティブセーフティに使用される、完全自動運転対応ハードウェア(完全自動運転対応機能は、「完全自動運転 対応機能」オプションを適用した車両で将来実現予定)[100][101]
  • 後部12 cu. ft.(340 L)および前部3 cu. ft.(85 L)のトランク、総容積15 cu. ft.(425 L) [99]
  • 60:40分割可倒式後部座席[102][103]
  • インストルメントクラスタとインフォテインメントを組み合わせた横置きのセンターマウント型15.4インチ(39 cm)LCDタッチスクリーン[104]
  • 車両アクセス用のNFCキーカードとBluetoothスマートフォン接続[105]
  • 1枚のガラスで作られた後部屋根[99]
  • 空力を考慮した18インチ(460 mm)ホイール
  • リヤフォグランプは装備が義務化されている欧州(欧州の安全基準(UN/ECE規則)準拠国)や中国、イスラエル向けの車両には装備されている。しかし、北米のフリーモンド工場生産車を中心に法令で装備が義務化されていないエリアへ納車される車両については装備されていないことがある(年式に寄る)。また装備されていても、ソフトウエアで無効化されている車両も存在する。日本向けのモデル3では、リヤフォグは非搭載か、機能しないように設定されている。

モード

モデル3は、求められる状況に応じて様々なモードを装備している。

  • セントリーモード - 駐車中の車両監視モード。車載カメラを防犯カメラとして活用する。スマホ通報機能やライブ監視機能を持つ。[106]
  • ペットモード - 車内にペットを入れて、おけるモード。エアコンはオンの状態でドアがロックされ、画面には「すぐ戻ります、車内の温度は〇〇度」と表示される。また携帯電話で車内の様子をリアルタイムで観察することも可能。以前は「ドックモード」と呼ばれていたが、2026年4月のアップデートでペットの種類が選択できるようになり「ペットモード」と改名された。
  • キャンプモードモード - 上記「ペットモード」の人間版。車内泊するためのモードで、長時間停車していてもUSBポートや車内の照明が利用できるモード[107]。ドアは施錠されない。
  • サービスモード- 隠しコマンドで起動可能。車両のいろいろな情報が確認可能になる。センサーのキャリブレーション、エラーコードの読み取り、バッテリーの健全性テストなどが実行できる。
  • ショールームモード - 隠しコマンドで起動可能。店舗での展示用モード。走行不能とする一方で、窓ガラスが最もドアの開閉音が良くなる位置に設定される。
  • ダイナモモード - 隠しコマンドで起動可能。車両の出力を測定するためのモード。車が「タイヤが空転している」と判断してブレーキをかけたり出力を絞ったりするのを防ぐモード。回生ブレーキも停止される。
  • トラックモード - いわゆるレースモード。パフォーマンスモデルのみ装備。[108]
  • スポーツ / インセイン (Sport / Insane)モード - より強力な加速を体験できる(廉価グレードには設定なし)。
  • スリップスタートモード - 雪道や悪路で、ある程度の車輪のスリップを容認してトラクションを得るモード。
  • チルモード - 加速を意図的に抑え、スムーズで穏やかな乗り心地にする。
  • ロマンスモード - 恋人たちのために開発された。中央のモニターに暖炉の画面が表示され、エアコンから暖かい温風が出るモード
  • ライトショーモード - 音楽に合わせて、ヘッドライドやウインカー、室内照明などが点滅演出されるモード。後進時の車両接近音を再生するためのスピーカーからも音楽が再生される。日本では道交法の関連で使用出来ない。
  • サンタモード - 音声コマンドで「ホーホーホー」と指示を送ると、サンタモードになる。
  • 画面クリーニングモード - センターの液晶画面を掃除するときに使用する。タッチセンサーがオフになる。
  • 排出ガス試験モード (Emissions Testing Mode): いわゆる「おならモード」。指定した座席からおならの音を鳴らすジョーク機能。[109]
  • 洗車モード - 洗車時に必要な設定(窓の全閉、充電ポートのロック、オートワイパー停止など)を行う[110]。
  • バイオウェポン防衛モード (Bioweapon Defense Mode): HEPAフィルターを使用して車内の空気を医療レベルまで浄化し、外部からの有害物質(PM2.5や花粉など)を遮断する(モデル3では実施不能)。
  • プレイド (Plaid): 最上位モデル(Model S/X Plaid)専用のモード。電池の最大出力を活用して驚異的な加速を得るモード。

他にも「007モード」「火星モード」「ハロウィンモード」などのジョークモードがある。

安全性能

映像外部リンク
NHTSA Frontal crash - YouTube
NHTSA Side crash - YouTube
NHTSA Side pole crash - YouTube
EuroNCAP crash tests
ANCAP crash test - YouTube
Driver-side small overlap IIHS crash test - YouTube
Moderate overlap IIHS crash test - YouTube

米運輸省当局へのガイドライン違反と中止通告

アメリカ合衆国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が実施した衝突安全テストでは、同局で発行する最高の評価である総合安全レーティングの5つ星を獲得している。前面衝突、側面衝突、および横転の各カテゴリーで5つ星を取得し、サイドバリア、ポール衝突などのサブカテゴリーでもすべて満点だった[111]。

そしてこの結果を踏まえ、テスラは公式サイトでモデル3がこれまでにNHTSAによってテストされた自動車の中で負傷する可能性が最も低い車であると自社のサイトで宣伝した[112]。

これを受け、NHTSAは5つ星以上の安全性を区別しておらず、誤解を招くとしてテスラに対して措置命令を出した。NHTSAはモデル3が他の5つ星評価の車両よりも安全であるかどうかをテスト結果によって判断することは不可能であるとし、またこのような誤解を招く主張はNHTSAのガイドラインに反すると警告した[113]。

テスラはこの命令を拒否した[114]。

ユーロNCAPと米国道路安全保険協会

2019年7月3日、サッチャムはユーロNCAPに基づいて実施しているテストで、モデル3は5つ星満点の評価だったと発表した。衝突試験においてモデル3は、成人の保護性能について96パーセント、子どもについては86パーセント、歩行者などの交通弱者に対しては74パーセントだった。「セーフティ・アシスト」(アクティブセーフティ)のスコアは94パーセントで、同カテゴリーの試験における最高水準だった[115][116]。

2019年9月19日、米国道路安全保険協会はモデル3を、安全性評価格付けで最高の「トップ・セーフティー・ピック+(プラス)」に認定[117]、耐衝撃性に関する各種試験で全般的に「グッド(優)」の評価を受けた[118]。

オートパイロット作動中の事故

モデル3を含むテスラの車両には、操舵・加減速を自動的に行うオートパイロットが搭載されている[119]。2019年3月1日にフロリダ州で起きたモデル3の死亡事故に関して、2019年5月16日、アメリカ国家運輸安全委員会は、事故発生時当該車両でオートパイロットが作動中であり、衝突8秒未満前から衝突まで、車両はハンドル上に運転手の手を検知していなかったとする暫定調査結果を公表した[120]。

標準色の変遷

モデル3の外装に施される塗装色は、以下のように変遷している。生産工場によって多少時期は異なるが、基本的に世界共通で変更されている。

  • 2019年6月まで--ソリッドブラック
  • 2019年7月から2023年6月--パールホワイト マルチコート
  • 2023年7月から2023年8月--ミッドナイトシルバー メタリック(前期モデル終売につき2か月間で終了)
  • 2023年9月以降--ステルスグレー(Highlandで設定された新色として標準色に採用)

補助金の推移

テスラの車両に対する補助金の額は、時期によって大きな変動がある。以下は国による補助金であるが、この他に地方自治体による補助金もあり、例えば東京都だと最大130万円の補助金が別途支給された時期もある。また自宅での充電設備に対する国の補助金も存在する。2026年1月からの大幅な増額は、トランプ大統領との日米間の関税交渉の影響が大きいとされる。

  • 2021年以前:40万-60万円前後(時期による)
  • 2022年-2023年:85万円
  • 2024年-2025年:87万円(Model YのRWDは67万円
  • 2026年-現在:127万円

脚注

  1. ↑ Cumberford, Robert (2018年1月17日). “The Man Behind the Model 3: Franz von Holzhausen”. Automobile magazine. 2019年1月19日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 “Model 3”. US: Tesla (2018年). 2018年7月1日閲覧。
  3. ↑ HTSLV00.0L13-004 (PDF) (Report). United States Environmental Protection Agency. 2017年7月5日. pp. 1–12. 2017年8月6日時点のオリジナル (Certification Summary Information Report)よりアーカイブ. 2017年8月10日閲覧. Tesla Model 3 … Long Range … Rated horsepower: 258; … Curb Weight (lbs): 3837; Equivalent Test Weight (pounds): 4250; … Charge Depleting Range (Actual miles): 495.04 … Average voltage: 351; … Integrated Amp-hours: 222.81; … END-SOC: 78720 wh〔ママ〕
  4. ↑ Tesla Chairman discusses electric car under $30,000[リンク切れ]
  5. ↑ Tesla, Toyota announce partnership
  6. ↑ Tesla's 'Bluestar' to be all-electric family car[リンク切れ]
  7. ↑ Tesla: A Carmaker With Silicon Valley Spark[リンク切れ]
  8. ↑ テスラ新型EV「モデル3」発表…航続346km超、価格抑えた小型セダン Response 2016年4月1日
  9. ↑ 【更新終了】テスラ「モデル3」発表イベントの内容をいち早くお届け! Gizmodo 2016年4月1日
  10. ↑ 米テスラが「モデル3」発表-価格3.5万ドルで大衆向け市場進出 Bloomberg 2016年4月1日
  11. ↑ “Tesla Says It Received More Than 325,000 Model 3 Reservations”. 2016年4月7日. 2016年4月7日閲覧.
  12. ↑ “Tesla, Inc. Quarterly Report for the Quarter Ended September 30, 2017”. Tesla. 2026年9月25日閲覧。
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  14. ↑ “Tesla Q4 2017 Vehicle Production and Deliveries”. Tesla. 2026年9月25日閲覧。
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  20. ↑ “Tesla, Inc. Form 8-K, February 28, 2019”. Tesla / U.S. Securities and Exchange Commission. 2026年9月25日閲覧。
  21. ↑ 約390万円のテスラ「モデル3」スタンダードモデルがネット限定で受注開始、完全自動運転も復活 Gigazine 2019年03月01日
  22. 1 2 3 4 テスラ車に乗るとはこういうことだ! アップデートに一喜一憂、GitHubから機能追加も IT media news 2023年04月22日
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関連項目

外部リンク