ハーフタイムショー


ハーフタイムショー(Halftime show)は、スポーツの試合において前半戦と後半戦の間、または第2クォーターと第3クォーターの間の休憩時間(ハーフタイム)に行われるパフォーマンスショー。ただし、野球、ボクシングなど前後半制をとらないスポーツにおいてはハーフタイムショーは行われない(試合中断時に同様のショーが行われ「インターバルショー」と呼ばれることもあるがあまり定着していない)。3ピリオド制のアイスホッケーにおいては、第1ピリオドと第2ピリオドの間、第2ピリオドと第3ピリオドの間の2回ハーフタイムがあり、アメリカ合衆国などでは通常観客からランダムに数名を選定してゲームなどを行なう。
概要
ハーフタイムショーの起源は通常ウォルター・リンゴにあるとされる。リンゴは犬舎の所有者で、全てネイティヴ・アメリカンで構成されるフットボールチームであるウーラン・インディアンズのスポンサーをしており、遠征試合などで犬舎のプロモーションを行なっていた。インディアンズはフットボールだけでなく、犬の展示、ニック・ラサが熊と闘いジム・ソープがボールを長距離跳ばすなど選手の力自慢大会、ネイティヴ・アメリカンの民族舞踊や文化の実演など様々なエンターテイメントを行なっていた。ネイティヴ・アメリカンが試合に力を入れていないという事実を覆い隠すためにハーフタイム・ショーが行われていたが、どの試合でもほぼ同じ内容であり2年で消滅した[1][2]。
現代のハーフタイムショーはチアリーダー、バトントワリングなどのダンス、マーチングバンドの演奏、大掛かりなパフォーマンスなどが行われる。バイユー・クラシックなど大学フットボールの主要な試合において、特に歴史的黒人大学が対戦するハーフタイムで「バトル・オブ・ザ・バンド」として両チームのマーチングバンドが演奏する。プロスポーツの大きな試合ではプロの歌手がライブを行うことがある。
アメリカン・フットボール
ハーフタイムショーはアメリカンフットボールやカナディアンフットボールでは伝統になっている。第2クォーターと第3クォーターの間の通常20分間の休憩時間、フィールド上で様々なエンターテイメントが行われ、主なものはマーチングバンドの演奏である。
高校や大学の試合において、ハーフタイムに両チームのスクールバンドが演奏を競い合う。チアリーダーやダンス・チームが出演することもある。他にも多岐にわたる様々なアクティビティが行なわれる。1980年代初頭まで、試合がテレビ中継される際には通常ハーフタイムショーも放送されていた。しかしそれ以降ハーフタイムには他の試合の結果または途中経過などが放送されている。
プロの試合では高校や大学のバンドが招聘されることもある。スーパーボウルやグレイ・カップでは通常世界的に有名なスター歌手が登場し、ダンスや花火などの特殊効果が行われる。試合の観客、視聴者は非常に多く、歌手にとっての晴れ舞台とされる一方、出場歌手の選定を誤ると酷評を受ける。例えば第100回グレイ・カップのハーフタイムショーではバラード歌手のゴードン・ライトフットは称賛されたが、10代のポップ歌手であったジャスティン・ビーバーは演奏を通してブーイングを受けた。
多くのフットボール歴史家は、ハーフタイムショーはNFL初期のウーラン・インディアンズが発祥と考えている。ウォルター・リンゴはチームをエアデール・テリアを売るための宣伝活動の戦略と考えていた。リンゴは試合で良い結果を出すよりも斬新なハーフタイムショーの方が集客に効果的と考えていた。チーム名は、全てネイティヴ・アメリカンで構成されているためインディアンズと名付けられ、リンゴのウーロン・ケンネル・カンパニーからウーロンが名付けられた。インディアンズの選手たちは試合前後にウーロン・エアデールに芸をさせる手伝いをしていた。しかし1920年代初頭にはハーフタイムショーが一大アトラクションとなっていた。物を投げ、犬に持ってこさせる芸などを披露していた。ネイティヴ・アメリカンの民族舞踊、トマホークやナイフ投げなども披露していた。「ロング・タイム・スリープ」との呼び名を持つ選手のニック・ラサは熊と闘うこともあった。また第一次世界大戦中、ユナイテッド・ステイツ・インディアン・スカウトの軍事訓練を披露することもあった。ここでリンゴはエアデール・アメリカ赤十字社犬による負傷兵への救急措置などを披露しケンネルの宣伝を行なった。スカウトや赤十字犬によるショーの多くは実際の退役軍人が行ない、ドイツ軍については在郷軍人会がリンゴから借りたドイツ軍の制服を着て真似をした。インディアンズのファンにとって試合結果よりもハーフタイムショーの方が重要となっていった。1922年から1923年の2年間の活動期間にインディアンズは3勝しかしなかった[3][4]。
スーパー・ボウル
アメリカ合衆国において、スーパーボウルのハーフタイムショーは試合のハイライトであり、数百万ドルがかけられる。
2004年2月1日に行われたスーパーボウル第38回大会では、MTVが企画した番組の一部として、ジャネット・ジャクソンが胸を露出したハプニング(Super Bowl XXXVIII halftime show controversy)があった。そのため、2005年大会以降、数秒遅れて放送されている。2006年の第40回大会もローリング・ストーンズによる過激な歌詞があったため、一部をカットした。
グレイ・カップ
カナダにおいて、グレイ・カップのハーフタイムショーは試合のハイライトであり、数百万ドルがかけられる。2009年の第97回グレイ・カップのハーフタイムショーにはレニー・クラヴィッツ、ネリー・ファータド、トラジカリー・ヒップ、ブルー・ロデオが出演した。
ラグビー
サッカー

サッカーにおいて、国内の公式戦でハーフタイムショーを行うリーグは少なくない。一例をあげると、2026年8月7日にMUFG国立で開催されたJ1リーグ 2026/27開幕戦・横浜F・マリノス VS 鹿島アントラーズではTravis Japanによるハーフタイムショーが組まれた[5]。
FIFAワールドカップでは、2026年大会の決勝戦で史上初となるハーフタイムショーが行われた[6]。サッカー、文化、エンターテインメントの歴史的な祭典がニューヨーク・ニュージャージー・スタジアムで繰り広げられ、スポーツ界最高の舞台において音楽、パフォーマンス、そして視覚的なスペクタクルが融合した壮大なショーを届けた[6]。マドンナ、BTS、ジャスティン・ビーバー、シャキーラといった世界のエンターテインメント界を代表するビッグネームたちが集結した[6]。スタイリッシュな演出と熱気あふれるスタジアムの雰囲気も相まって、この祝祭は、FIFAワールドカップが世界で最も象徴的なスポーツイベントであり続ける理由である情熱、エネルギー、そして団結を映し出した[6]。一方で、FIFA競技規則で定められた15分を超えた上、盛り上がりにも欠けたという意見もあった[7]。この試合の全米視聴者数はスーパーボウルを除く21世紀のスポーツ中継として最多を記録し、歴代のワールドシリーズやNBAファイナルを大きく上回った[8]。また収容人数8万人以上の巨大スタジアムが満員となる一方、平均チケット価格は1万2751ドル(約206万円)に跳ね上がり、スポーツ史上最も高額な試合になった[9]。
バスケットボール
関連項目
脚注
- ↑ Tramel, Jimmie (September 13, 2009). “NFL's Indians were rich in Oklahomans”. Tulsa World.
- ↑ Borowski, Sam (January 5, 1995). “Oorang Indians: One of the First NFL Teams”. Indian Country Today. Lakota Times.
- ↑ http://www.ohiohistorycentral.org/entry.php?rec=2379
- ↑ “アーカイブされたコピー”. 2009年4月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年3月12日閲覧。
- ↑ “Travis Japan、歴史的なJ1開幕戦でハーフタイムショー「僕らが届けたい応援」”. 日刊スポーツ. 2026年8月7日. 2026年8月14日閲覧.
- 1 2 3 4 “驚異的な閉会式とハーフタイムショーが歴史を刻む”. FIFA. 2026年7月27日閲覧。
- ↑ “27分、盛り上がりは? 初のハーフタイムショー―W杯サッカー”.
- ↑ Lewis, Jon (2026年7月21日). “World Cup Final combines for more than 66 million across Fox, Telemundo” (英語). Sports Media Watch. 2026年7月24日閲覧。
- ↑ “World Cup final on track to be most expensive sporting event ever”. NY Times.
外部リンク
- The Super Bowl Entertainment - 過去の試合、国歌、コイントス、ハーフタイム・ショーの一覧
- Statement regarding the Super Bowl halftime show - NFLのコミッショナーのポール・タグリーブが第38回スーパーボウルについて語る(リンク切れ)
- Ohio History Central: Walter Lingo - ウォルター・リンゴについて