モミジバフウ

ウィキペディアから、無料の百科事典

モミジバフウ
西京桂坂のモミジバフウ並木(2025年11月)
保全状況評価
LOWER RISK - Least Concern
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
分類(APG III)
界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
目 : ユキノシタ目 Saxifragales
科 : フウ科 Altingiaceae
属 : フウ属 Liquidambar
種 : モミジバフウ L. styraciflua
学名
Liquidambar styraciflua L. (1753)[1]
和名
モミジバフウ(紅葉葉楓)、アメリカフウ、アメリカソゴウコウノキ
英名
American Sweetgum
自然分布
自然分布

モミジバフウ(紅葉葉楓[2]、学名: Liquidambar styraciflua)は、フウ科[注 1]フウ属の落葉高木。北米原産で、別名アメリカフウ[3]やアメリカソゴウコウノキ[4]ともよばれる。中国原産のフウのなかまで、葉がモミジのように5裂から7裂するのが特徴で、和名の由来にもなっている[5]。公園樹や街路樹にされる。

リンネの『植物の種』(1753年)で記載された植物の一つである[6]。

分布・生育地

北アメリカ中南部から東部、および中央アメリカの原産[3][2]。日本へは、大正時代に渡来し[3]、本州(東北中部[7])以南の暖地を中心に、街路や公園に植栽されている[8]。

立地条件は、肥沃で多湿な場所や水害の影響を受けるような場所に好んで生え、乾燥した場所は好まないという性質がある[9]。

特徴

落葉広葉樹の高木で、日本では高さ15 - 25メートル (m) ほどであるが、原産地では45 mの巨木になるものもある[3][8][2]。樹皮は灰色、淡紅褐色、黒褐色を帯びて、生長するに従いコルク層が発達して縦に裂けるようになる[2]。一年枝は無毛でつやがあり、二年枝以後の若枝には厚いコルク質の稜(りょう)が見られる[3][2]。

葉は互生して形はカエデに似ており[2]、5 - 7裂した掌状で光沢がある[3]。葉はふつう5裂するが、切れ込みの深さは多少変異があり、裂片がやや角張る葉もある[8]。葉縁には細かい鋸歯がある[8]。秋には美しく紅葉する[2]。紅葉の色づき方はさまざまで、黄色、橙色、紫褐色、赤色などがあるが、比較的暖かい地方でもこの多様な色づき方が見られる[5]。紅葉は赤色系が中心だが、日当たりが悪い部分は黄色や緑色が残るので、しばしば木全体がグラデーションになって美しい[8]。

花期は4月ごろ[3]。雌雄同株で、雄花と雌花が別々に頭状花序をつける。雄花は細長い穂状の花序、雌花は黄緑色を帯びた球形の花序となる[3]。

果期は秋[8]。果実は集合果で径3センチメートル (cm) でぶら下がってつく[4]。実は硬く[8]、フウよりも大きく全体に鋭いトゲがあり、葉が散った後も枝に残るので目立つ[5]。

冬芽は長さ7 - 11ミリメートル (mm) の卵形から長卵形で、赤褐色でつやがある芽鱗6 - 10枚に覆われている[2]。冬芽のわきにある葉痕は半円形から腎形で、維管束痕は3個ある[2]。

保全状況評価

利用

葉が大きく紅葉も見応えがあり、公園樹や街路樹などによく植えられている[3][5]。暖地でも鮮やかに紅葉するので、暖かい都市部では街路樹として人気がある[8]。

樹脂は「アメリカ蘇合香」と呼ばれ香料となるが、香りは蘇合香に劣る[4]。果実はクリスマスのリースに使われる[5]。

近縁種

フウ属には葉の形からモミジバフウ(5 - 7裂)とサンカクバフウ(3裂)がある。前者はアメリカフウ(北米・中南米原産)、後者は単にフウ(中国・台湾原産)、タイワンフウとも呼ばれる。ともに日本で街路樹・公園木などとして普通に植栽され、秋の紅葉が特に美しい。

また、フウは「楓」と書かれるが、カエデはムクロジ目に属し翼果をつけるのに対し、フウ属は雌花の花序が球形で垂れ下がるので区別できる。

脚注

注釈

  1. ↑ APG体系ではフウ科に分類されるが、古いクロンキスト体系や新エングラー体系ではマンサク科に分類されていた[1]。

出典

  1. 1 2 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Liquidambar styraciflua L. モミジバフウ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2024年5月26日閲覧。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文 2014, p. 217.
  3. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 118.
  4. 1 2 3 熱帯植物研究会 編 (1996).
  5. 1 2 3 4 5 亀田龍吉 2014, p. 54.
  6. ↑ Linnaeus, Carolus (1753). Species Plantarum (ラテン語). Holmia[Stockholm]: Laurentius Salvius. p. 999.
  7. ↑ 「葉と枝による樹木検索図鑑-葉の解説-モミジバフウ」『elm3.web.fc2.com』。2025年5月18日閲覧。
  8. 1 2 3 4 5 6 7 8 林将之 2008, p. 30.
  9. ↑ 辻井達一 1995, p. 178.
  10. ↑ Americas Regional Workshop (Conservation & Sustainable Management of Trees, Costa Rica, November 1996) (1998). “Liquidambar styraciflua”. IUCN Red List of Threatened Species. 2.3 (英語). 1998 e.T33966A9825132. doi:10.2305/IUCN.UK.1998.RLTS.T33966A9825132.en.{{cite journal2}}: CS1メンテナンス: 数字を含む名前/author (カテゴリ) CS1メンテナンス: 複数の名前/author (カテゴリ) (英語)

参考文献

  • 高橋秀男、勝山輝男(編)(2000年)『樹に咲く花 離弁花2』茂木透(写真)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、32–33頁。ISBN 4-635-07004-2。

関連項目

外部リンク