リチャード3世に扮したデイヴィッド・ギャリック
| 英語: David Garrick as Richard III | |
| 作者 | ウィリアム・ホガース |
|---|---|
| 製作年 | 1745年 |
| 種類 | キャンバス上に油彩 |
| 寸法 | 190.5 cm × 250.8 cm (75.0 in × 98.7 in) |
| 所蔵 | ウォーカー・アート・ギャラリー、リヴァプール |
『リチャード3世に扮したデイヴィッド・ギャリック』(リチャードさんせいにふんしたデイヴィッド・ギャリック、英: David Garrick as Richard III)は、18世紀のイギリスの画家ウィリアム・ホガースが1745年にキャンバス上に油彩で制作した絵画である。1956年に芸術基金の援助で購入されて以来、リヴァプールのウォーカー・アート・ギャラリーに所蔵されている[1]。
作品

本作は通常、俳優で舞台マネージャーであったデイヴィッド・ギャリックをシェイクスピアの演劇『リチャード3世』に登場する同名の王に扮した姿で表しているといわれている。実際、この絵画は、1700年から1896年まで上演されたコリー・シバーによる前衛的な『リチャード3世』の翻案におけるギャリックの演技を記録したものである 。画面は、ボズワースの戦い (1485年) が起こる前日の晩の劇的な瞬間を描いている。戦場のテントで眠っていた王は、彼が以前に殺していた敵対者の幽霊が出てくる夢から覚めたばかりである[2]。ホガースは、ロンドンのシアター・ロイヤル・ドルリー・レーンでのリチャード3世役を通して名声を獲得していたギャリックの友人であった。画面は恐怖心と不安を持つ俳優を描いており、彼は腕を上げ、顔にはショックを受けた表情を浮かべている[2]。ギャリックは、ドルリー・レーンの舞台でリチャード3世役として俳優としてデビューし、引退した[3]。
ホガースは社会的風刺主題の版画で最もよく知られているが、優れた画家であり、肖像画家でもあった。単なる肖像画をはるかに超えている本作は歴史的に重要な人物を演劇的なポーズで描いており、一般的な肖像画と歴史画のジャンルの中間に位置する作品である。ホガースが用いているポーズは、ほかの俳優たちの肖像、とりわけヨハン・ゾファニーの描いた俳優たちの肖像に類似している。ホガースの本作をジョシュア・レノルズが描いたギャリックの肖像と比較して、ジル・パリー (Gill Parry) は、ホガースは肖像画中の新しいジャンルである演劇的肖像を確立したと結論づけている[4]。俳優のポーズは、ホガースにより「ヘビのような線」と説明されている。彼は、それを「対照的な2本の線によって成り立っている」と見ていた。1753年の論文『美の分析』において、ホガースは、この線が「想像力を膨らませ、目を楽しませる」、とりわけ美しい形であると提唱している[5]。
脚注
- ↑ Walker Art Gallery 1994, p. 47.
- 1 2 Perry 1999, p. 124.
- ↑ Crawford 1927, p. 180.
- ↑ Perry 1999, pp. 124–139.
- ↑ Perry 1999, p. 160.
参考文献
- Crawford, Jack Randall, ed (1927). “Appendix B”. The Tragedy of Richard the Third. The Yale Shakespeare. New Haven and London: Yale University Press
- Perry, Gill (1999). “'Mere Face Painters'? Hogarth, Reynolds and ideas of academic art in eighteenth-century Britain”. In Perry, Gill; Cunningham, Colin. Academies, Museums and Canons of Art. Art and its Histories. New Haven and London: Yale University Press. ISBN 0-300-07743-2
- Walker Art Gallery (1994). The Walker Art Gallery. London: Scala. ISBN 1-85759-037-6