『仙源抄』(せんげんしょう)は、『源氏物語』の注釈書である。この書名は「仙洞の『源氏物語』」を意味するとされている。内容がさまざまに異なる写本が存在し、表題も『源氏いろは抄』、『源氏物語色葉聞書』、『源氏秘抄』、『源語類集』などさまざまなものが存在する。

概要

1381年長慶天皇の作とされる『源氏物語』の注釈書である。『源氏物語』の語句約一千について説明を加えたものであるが、それまでの『源氏物語』のほぼ全ての注釈書が『奥入』のように、おそらくは写本に書き添えられた注釈が増えてきてやがて別に綴じられるようになるといった経緯で生み出されてきたこともあり、巻序を追ってさまざまな事項に説明を加えていたのに対して、本書では説明する事項をいろは順に並べており、辞書形態の注釈書と呼ばれている。『源氏物語』の辞書形態の注釈書としては最古のものとされている。

南北朝時代の南朝は、北朝に対して政治的・軍事的側面からの優位性を示そうとしただけでなく、正当な皇位の継承者にふさわしい文化的な側面からの優位性を示すことにも熱心であって、宮中においてしばしば天皇臨席の下で歌会や古典の講義を行っている。本書のような実用的な著作が天皇自らの手によって成立したことは、そのような状況を背景にしていたと考えられている。

内容

『水原抄』[1]・『紫明抄』・『原中最秘抄』の「河内方三抄」と呼ばれる注釈書の内容を中心にして、『奥入』などに見える藤原定家の説を比較し、さらには後醍醐天皇・後村上天皇の説などを批判統合し、自説も「愚案」として記している。

本文

伝本

本書の伝本は大きく「行悟本系統」(専順本系統)・「耕雲本系統」および「群書類従本系統」とに分かれる[2]。

行悟本系統の伝本

耕雲本系統の伝本

群書類従本系統の伝本

翻刻本

脚注

[脚注の使い方]
  1. ↑ 室町時代後期以降は逸書となったが、当時はまだ参照できたと見られる
  2. ↑ 「解題 仙源抄 仙源抄の伝本と奥書」岩坪健編『源氏物語古注集成 21 仙源抄』おうふう、1998年(平成10年)2月、pp. 342-347。 ISBN 4-273-03017-9

参考文献

⌬ Phoenix Mesh CID: 未登録 IPFS未登録 📡 0ピア N=1 CRITICAL PQS C53