日本の公立小学校の入学式(2014年)

入学(にゅうがく)とは、学校に入ること。幼稚園に入ることは入園(にゅうえん)という。対義語は退学・卒業など。

入学試験

大部分の公立の小学校・中学校には入学試験はないが、私立と国立とごく一部の公立の小学校・中学校・中等教育学校には入学試験がある。また国公私立の高等学校・大学(学部・大学院・短期大学)などにも入学試験がある。ただし通信制の場合は入学試験がない場合も多い。

入学の学齢・種類

学校教育法及び学校保健安全法の定めにより、4月1日時点で満6歳である日本国籍の児童は、就学時健診を受けて異常がなければ小学校に入学する制度になっている(外国籍の学齢児童も就学は可能)。障害があったり、未熟児などで発達度合いが低い場合、特別支援学校に入学したり、就学猶予や就学免除などの制度を受けることになる。義務教育制度のため、建前上は健康な学齢児童は全員が正規の学校に就学するものとされるが、インターナショナル・スクールなどの未認可の学校に入学することや、どの学校にも入学しないことも可能である。ただしこの場合でも学籍が地元学校に存在する場合がある。

入学の時期

入学は、日本では一般に桜が咲く4月、春の行事と考えられているが、欧米諸国や中華人民共和国では、入学は9月、秋の行事であり(同様に、南半球の国も現地で秋に当たる2~3月頃の入学が多い)、また2学期制が一般的である(前期と後期に分かれていて冬休みと夏休みが長めに取られていて春休みはない)[1]。欧米の大学は、夏冬学期制で、春からでも秋からでも始められるのだが、初めの入学は9月というのが一般的である。暖かい時期に試験などが行なわれるため、体調を崩して困るようなことが少ないといわれる。[誰によって?]

本来、明治から大正初期の日本では、大学は9月入学であった。実際、明治後期に夏目漱石が著した小説『三四郎』では、主人公が夏に九州から上京したことや、9月における帝国大学の授業の開始など、明治における9月入学の光景が描かれている。

現在、4月入学となった経緯は次のとおりである。

各国・地域の入学時期[1][5][9][10]
時期国
1月シンガポール、マレーシア、ブルネイ、パプアニューギニア、バングラデシュ、南アフリカ[注釈 1]、ジンバブエ、タンザニア、ボツワナ
2月オーストラリア[注釈 2]、ニュージーランド[注釈 3]、ブラジル、エチオピア、モザンビーク
3月韓国、アルゼンチン、ペルー、チリ、アフガニスタン
4月日本、インド、パキスタン、ネパール、北朝鮮
5月タイ
6月フィリピン、ミャンマー[注釈 4]、スーダン
7月アメリカ合衆国[注釈 5]、オーストリア[注釈 6]
8月スイス、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランド、台湾
9月イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、ロシア、カナダ、メキシコ、中国、インドネシア、ベトナム、モンゴル、他多数
10月セネガル、カンボジア、エジプト、ベナン

秋入学の議論

大学においては2008年に学校教育法施行規則の一部改正により、学年の始期及び終期は学長が定めることとなり、2011年に東京大学を中心とした国立大学で秋入学への移行が議論されたが、高校卒業後の空白期間や、多くの企業の採用時期とずれるため断念された[11]。現在、海外の学校に合わせて中間期に入学可能な大学もある[12]。

9月入学論争

日本では1921年から4月入学が定着し、社会全体のライフスタイルに組み込まれているものの、2020年に新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大により全国で休校措置が取られたことをきっかけに、学業の遅れを取り戻すことを目的とした9月入学移行を求める声が上がり、これを受け政府が9月入学移行検討の開始を表明したことから、賛否両論が沸き起こり、社会的な論争(9月入学論争)に発展した[13]。

裏口入学

1970年代までは一部の私立大学において、学校関係者または縁故者の口利きにより合格を認める紹介入学制度が存在した[14]。これらを含め縁故者に資金提供し、試験の結果を改ざんするなどの方法により不正に試験を通過して入学することを裏口入学(うらぐちにゅうがく)と称することがある。 特に私立大学に多い。(例:早稲田大学商学部入試問題漏洩事件 帝京大学医学部裏口入学事件)

脚注

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注釈

  1. ↑ 高等教育は2月から。
  2. ↑ 職業教育は1月から。
  3. ↑ 高等教育3月から。
  4. ↑ 高等教育は11月から。
  5. ↑ 州によって異なる。
  6. ↑ 高等教育は10月から。

出典

  1. 1 2 3 中村亮一 (2019年5月7日). “日本の学校はなぜ4月に新しい学年がスタートするのか? 諸外国はどうか?”. ニッセイ基礎研究所. 株式会社ニッセイ基礎研究所. 2020年5月8日閲覧。
  2. ↑ 中村亮一 (2019年4月5日). “国の会計年度はなぜ4月から3月までなのか? 諸外国はどうか?”. ニッセイ基礎研究所. 株式会社ニッセイ基礎研究所. 2020年5月8日閲覧。
  3. ↑ 柏崎敏義「会計年度と財政立憲法主義の可能性-松方正義の決断-」『法律論叢』第83巻第2-3号、明治大学法律研究所、2011年2月8日、111-116頁、ISSN 03895947、NAID 40018839378、2020年5月8日閲覧。
  4. ↑ 古屋哲夫「近代日本における徴兵制度の形成過程」『人文學報』第66巻、京都大学人文科学研究所、1990年3月、125頁、doi:10.14989/48329、2020年5月8日閲覧。
  5. 1 2 三浦康子 (2020年5月4日). “4月入学の国って他にある?日本の新学期・入学式が4月始まりの理由”. All About. 株式会社オールアバウト. 2020年5月8日閲覧。
  6. ↑ 佐藤秀夫『学校ことはじめ事典』小学館、1987年11月、32-33頁。ISBN 4098370913。
  7. ↑ 下川耿史 編『環境史年表 明治・大正編(1868-1926)』河出書房新社、2003年11月30日、336頁。ISBN 978-4309224077。全国書誌番号:20522067。
  8. ↑ 大橋正也 (2017年2月18日). “桜の季節の入学式、明治初期は9月が主流 英独手本に”. NIKKEIプラス1. 株式会社日本経済新聞社、株式会社日経BP. 2020年5月8日閲覧。
  9. ↑ “9月入学は「世界標準」の大ウソ。独も豪も「9月以外」の現実”. MAG2NEWS (2020年6月4日). 2020年6月6日閲覧。
  10. ↑ “世界の学校体系(ウエブサイト版)”. 文部科学省. 2023年4月8日閲覧。
  11. ↑ “【襲来!コロナウイルス】急浮上「9月入学・新学期」に戸惑う受験生や教育現場 「安倍政権に明治以来の大改革ができるの?」の声が殺到する理由”. J-CASTニュース. 株式会社ジェイ・キャスト (2020年4月29日). 2020年5月8日閲覧。
  12. ↑ “日本の大学に9月入学!9月入学や秋入学を実施している大学一覧”. EDUBAL. 株式会社トモノカイ (2024年6月21日). 2024年6月24日閲覧。
  13. ↑ 鈴木款 (2020年6月3日). “きっかけは都立高校生のツイッター投稿だった 9月入学事実上見送りの舞台裏を検証した”. FNNプライムオンライン. 株式会社フジテレビジョン. 2020年6月12日閲覧。
  14. ↑ 裏口入学、実際にあった 学部長認める「来年から全廃」『朝日新聞』1979年(昭和54年)6月20日朝刊 13版 23面

関連項目

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