
寝袋(ねぶくろ)とは、袋状の携帯用寝具である。キャンプや登山などの際にテント内で使用される他、防災用品としても用いられる。英語ではスリーピングバッグ(sleeping bag)と呼ぶ。シュラフ(シュラフザック/ドイツ語: Schlafsack から)と呼ばれることもある。
人がすっぽり入れる袋状をしており、保温材が中に詰められている。冬用のものは縫い目から体温が逃げるのを防ぐため、二重構造にして外側と内側の縫い目が重ならないようにしたり、ファスナーにカバーをつけたりといった工夫をしたものもある。
上から下まで同じ幅の長方形の寝袋[1][2]。レクタンギュラー(rectangular 、「長方形」の意)型ともいう[3][1]。ゆったりとしているので布団に近い寝心地をもつ[1]。反面、体への密着性がないのでマミー型に比べると保温性能に劣る。多くの製品には横にファスナーが付いており、その開け閉めによって温度調整が容易に行えるようになっている。完全に開くと掛け布団[4][2]、ブランケット[5]、マット[4][2]としても使える[4]。同じ型を2つ繋いでダブルとして使えるものもある[1]。マミー型に比べ重く収納性も悪いため、人力以外の移動・運搬手段を持ったオートキャンプなどに適する[4]。
この形態の寝袋に寝た様子がミイラに似ていることから、名称はミイラを意味するmummy(マミー)に由来している。人形型(にんぎょうがた)ともいう。もともと山用につくられたものといわれる[5]。頭部まですっぽり覆いがある[3]。体の形に合わせた形状のため無駄なすき間ができず、封筒型に比べて保温性能が高い[4][2]。反面、寝袋内で身動きが取れないので慣れないと寝苦しい。封筒型に比べて軽く収納性が高い[4][2]ので、人力での運搬が必要な登山やバックパッキングなどでは、ほとんどの場合、マミー型が利用される。
2本足に分かれており、足を組んだり、立てたり、歩けたりと入った状態でもある程度行動できる。
以前はポーラーガードなどフェルト状のものが多かったが、クォロフィルなど人工羽毛が主流になった[1]。「濡れても保温力を保つ[6]」と言われることもあるが、あくまで羽毛との比較においてである[1]。アレルギーが出にくい[6]。気軽に洗濯できる[1][6]。羽毛製と同じ保温力を持たせる場合大型で重くなる[1]。
ガチョウ(グース)[6]、アヒル(ダック)[6]など水鳥のものを使い[4]、ボール状であるため保温性が高い、胸のあたりに生えている綿毛(ダウン)を主に、かさ上げ性能を高めるため羽根(フェザー)を少量混ぜると良いとされている[7]。合成繊維製との比較では小型軽量にできる[6]が水に濡れると保温性の低下が著しい上に[1][7]、乾燥に非常に時間がかかるため注意が必要である[7]。山の中で乾かそうなどという試みは十中八九無駄に終わる[1]。
世界で初めて最低温度規格を設定し、それまで他のメーカーが気に留めていなかった「快眠」という概念を提唱したのはザ・ノース・フェイスであった[8]。
その後、使用適温について各メーカー独自の方法で検査・算出していたが、近年は欧州標準化委員会が制定したヨーロピアン・ノーム[7](EN 13537[7])を採用するメーカーが増えつつある。
いずれにしても環境、経験、体調などにより寒さの感じ方は異なるため、目安にすぎない[7]。
欧州標準化委員会が寝袋の使用温度に関するテスト方法を標準化したもので、下着を着用したマネキンにヒーターと温度センサーを取り付けて寝袋に入れ、マネキンの表面温度を測定することで、以下の3つの温度が決定される[6]。
この測定における一般的男性は身長173 cm、体重73 kgの25歳、一般的女性は身長160 cm体重60 kgの25歳となっている。
なお、EN 13537は2016年に国際標準化機構ISO EN 23537(ISO 23537)[9]として組み入れられた。
季語としての寝袋(ねぶくろ)は、夏の季語(晩夏の季語)である[10]。分類は行事/人事[* 1]。季語「登山」の子季語[* 2]である[10]。詳しくは、親季語である「登山」を参照のこと。
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