散華(さんげ)とは、華(花)を散布すること。仏教では仏を供養するために華(はな)を散布する[1]。また花を散らす意味から転じて、死亡すること、特に若くして戦死する事の婉曲表現としても使われている[2]。

仏教

仏や菩薩が来迎した際に、讃嘆するために大衆や天部の神により華を降らしたという故事にちなんで行われる。釈迦仏の前世である儒童梵士(じゅどうぼんし)が燃燈仏に華を散らして供養した話などはその代表的な例である。

寺院で法要を巌修する時に、仏を供養するため花や葉を撒き散らす。法要に散華を行うのは、華の芳香によって悪い鬼神などを退却させ、道場を清めて仏を迎えるためとされる。

元来、蓮などの生花が使われていたが、現在は蓮の形を模った色紙で代用することが多い。その形から分かるように蓮華を模っている。これは釈迦と深い繋がりがあり、葬儀など仏を供養する場で撒かれることがある。この色紙を「華葩(けは)」ともいう。

また入仏開眼や寺院の落慶法要では大量の散華が撒かれる。散華をコレクションする人々も存在する。

戦死

「散華」は、「華と散る」と解すことで、死亡、特に戦死の婉曲表現または美化表現[3][4]としても使用されている。なお戦死の美化表現には「玉砕」もあるが、玉砕は個人の戦死ではなく部隊の全滅を意味し、大本営発表などで公式に使用された。

「散華」の表現を、若死や戦死の意味で書籍名に使用した例には以下がある。

また「散華」との表現ではないが、日本の軍歌「同期の桜」は、戦死を花が散る様子に喩え、太平洋戦争当時に広く歌われた。

脚注

  1. ↑ 散華とは - 散華美術館
  2. ↑ 散華 - 大辞泉
  3. ↑ 散華 - 大辞林
  4. ↑ 散華の心と鎮魂の誠:「大東亜戦争終戦五十年展」の記録(靖国神社)では「抽象的、観念的な美辞麗句」とも呼んでいる
  5. ↑ 東口昌央「高橋和巳『散華』論 -生活人としての大家-」『文月』第3巻、文月刊行会、1998年7月、44-52頁、CRID 1050845762738254336。
  6. ↑ 散華(太宰治)- 青空文庫

関連項目

外部リンク

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