日本労働弁護団

ウィキペディアから、無料の百科事典
日本労働弁護団
日本労働弁護団が入居する連合会館(2006年5月撮影)
設立 1957年
種類 弁護士団体・人権団体
目的 憲法で保障された労働者と労働組合の権利を擁護する。
本部 日本の旗 日本 東京都千代田区神田駿河台3-2-11 連合会館(旧・総評会館)4階
会員数
約1,600人(2025年3月時点)
公用語 日本語
関連組織 「過労死110番」全国ネットワーク
日本民主法律家協会
労働基準オンブズマン
ウェブサイト 日本労働弁護団公式サイト
テンプレートを表示

日本労働弁護団(にほんろうどうべんごだん)とは、労働者の権利擁護活動を行う日本の弁護士団体。本部を東京都におき、会員は約1,600人(2025年3月時点)。

概要

1957年(昭和32年)5月、労働者及び労働組合の権利擁護活動を行う弁護士の結集を求める、当時の日本労働組合総評議会(略称・総評)の呼びかけに応えるかたちで「総評弁護団」が結成され、日本のすべての労働者・労働組合の権利確立に寄与する弁護士の団体として活動することを目標とした。

1989年(平成元年)に、総評が解散したことに伴い、同年10月、「日本労働弁護団」と名称を変更、今日に至る。

会員数は、2025年3月時点で約1,600人と公表されている。本部は東京に置かれ、各地に地方組織(ブロック)がある。団体は、特定の労働組合とは組織的にも財政的にも関係を持たず、運営は主として会費と、事件解決時の会員からの寄付、労働組合からの寄付によってまかなわれているとしている。[1]

社会保険労務士の権限拡充について、「社会保険労務士は経営者サイドの人間だ」として、一貫して反対の立場を取り続けている。

活動

団体の活動は、所属弁護士による労働事件の訴訟・相談への支援と連携、労働判例や労働法制・労働政策に関する調査研究と提言、労働者・労働組合への法律相談、労働法講座やシンポジウムの開催、機関誌等の発行などである。[2]

労働相談については、1993年2月に電話相談活動を開始し、本部では定期的に「日本労働弁護団ホットライン」(無料)を実施しているほか、各地のホットラインや法律相談窓口と連携している。

研究活動としては、労働判例命令研究会を定期的に開催しており、200回を超える回数を重ねている。毎年、全国総会を開催しており、2026年11月には第70回全国総会が開催される(2017年には創立60周年記念シンポジウム・全国総会を開催した)。

出版物として、機関誌『季刊・労働者の権利』を発行しているほか、『労働相談実践マニュアル』(2026年に「新 労働相談実践マニュアル第2版」)、『労働審判実践マニュアル』などの実務書を刊行している。

意見書・声明

労働弁護団は、労働法制や労働政策の動向に応じて、意見書や声明を公表してきた。たとえば、労働契約法制の基本に関する意見書(2004年6月)などを公表している。近年のものとしては、最低賃金に関する声明(2026年9月)、障害者雇用促進制度の在り方に関する声明(2026年10月)、憲法改正の動きに対する意見書(2026年10月)などがある。

医師の「地域枠」制度に関する意見書

2021年11月19日、日本労働弁護団は「医師の『地域枠』制度の改善を求める意見書」(会長・井上幸夫名義)を発表した。同日、全日本医学生自治会連合(医学連)および全国医師ユニオンと共同で、厚生労働省に対して各団体の意見書・提言を提出した。[3]

意見書は、山梨県の地域枠制度を例に取り上げ、離脱時に貸与金の全額一括返済に加えて年10パーセントの利息や最大842万4000円の違約金の支払いが求められ、免除事由も死亡・重度心身障害などに限られる仕組みは、退職の自由を保障するための労働基準法16条の趣旨に反する不適切なものであると指摘した。そのうえで、山梨県の違約金については早急に撤回すべきであるとし、国や各都道府県に対しては、医師の地域への定着は、離脱への不利益を強める人権制約的な方法ではなく、労働環境・労働条件の確保などによって図るべきであると求めた。[4]

政治的活動

自由民主党総裁発言への抗議

高市早苗自民党新総裁が、2025年10月4日の選出後の演説で自己の「『ワークライフバランス』という言葉を捨てます」と述べ、また同党所属の国会議員に対し「馬車馬のように働いていただきます」と奮起を促した件について、「育児・介護など仕事と生活の調和を懸命に図ろうとしている労働者や企業、さらには、長時間労働に苦しんでいる当事者、そして、その家族に対しても、無配慮な言葉である」「自身の発言が社会全体に及ぼす影響について想像力を働かせるべきであった」と幹事長名義で批判した[5]。

脚注

  1. ↑ “Labour Lawyers Association of Japan – Who We Are”. 日本労働弁護団. 2026年11月3日閲覧。
  2. ↑ “Labour Lawyers Association of Japan – Who We Are”. 日本労働弁護団. 2026年11月3日閲覧。
  3. ↑ “医師の『地域枠』制度の改善を求める意見書を発表しました”. 日本労働弁護団. 2026年11月3日閲覧。
  4. ↑ “医師の『地域枠』制度の改善を求める意見書”. 日本労働弁護団. 2026年11月3日閲覧。
  5. ↑ 佐々木亮 (2025年10月6日). “自民党新総裁発言に対する幹事長談話” (PDF). 日本労働弁護団. pp. 1-2. 2025年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年10月7日閲覧。

関連項目

外部リンク