栢野寺

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栢野寺(かやのでら)は栢野大杉のある神社の初期の呼称、養老元年(717)に泰澄が開山したとされる[1][2]。平安時代中期頃から栢野社と称した[3][2]。

越前の僧泰澄が養老元年(714年)日本三名山(三霊山)の一つ白山に初めて登り修行し山を開き白山信仰の元となったが、大杉は百本の杉に価するとして白山の妙理観世音大菩薩を祀り栢野寺となった。

明治5年には廃仏毀釈により役人の査察を恐れ古文書を焼却しており当地保存や寺の文献は残っていないが伝承と栢野寺時代以降の文献に「栢野」の記述がある[4]。寺とは言われるが住職が居たとのことでなく村落の社(やしろ)であったと考えられる。なお栢野は元元「萱野」であったとの伝承もある[5]。

後に栢野社となったが、京から源義経が武蔵坊弁慶らとともに平泉を目指し、平泉寺に立ち寄った後[6]、丸岡・山中温泉トンネルが貫く大内峠を経てこの寺に祀る妙理観世音大菩薩に安全祈願して、安宅の関に向かったとの伝承がある。我谷ダムで埋没のため移住した我谷町の地区は古くから「矢場尻(やばしり)」と呼ばれ、弁慶が遅れる他の従者への目印として岩に矢で印を付けたとも言われる[4]。

栢野寺は白山五院の一つとの伝承もあるが[4]、旧江沼郡東谷口村(現在の加賀市柏野町)に過去一時存在した「柏野寺(かしわのてら)」が白山五院であるとの見解が定着している [7]。 「栢野寺」と「柏野寺」、「栢野」と「柏野」の混同や誤記は多くの文献に見られる。後年に佐久間盛政が設け、加賀一向一揆の終焉に焼かれた山城「栢野城」に関しても同様に混同が見られる。1902年(明治35年)9月初版の吉田東伍の『大日本地名辞書』では疑問を呈しながらも柏野寺を栢野寺としているが[8]、これは1925年(大正14年)9月の地元編纂の『石川県江沼郡誌』で柏野寺が正しいと指摘されている。またこの江沼誌によれば消失していた柏野寺の焼跡から本尊を大正5年に掘り出し帝国博物館に蔵したとされる[9]。栢野城に関しても『朝倉始末記』や『越登賀三州志』など「柏野」と書かれるとされるが昭和年代の福井市史編纂では「栢野」との見解である[4]。

脚注

  1. ↑ 栢野(かやの)菅原神社の大杉…神社の起源は養老元年(717)に泰澄が開山した栢野寺 - 北陸先端科学技術大学院大学
    栢野(かやの)菅原神社の大杉…神社の起源は養老元年(717)に泰澄が開山した栢野寺 at the Wayback Machine (archived 2024-02-24) - 北陸先端科学技術大学院大学
  2. 1 2 縦のスクロールバーを約20%ほど移動して見る;【加賀】山中温泉随一のパワースポット栢野(かやの)の大杉は菅原神社にそびえる樹齢2300年の大杉、 画像内記述; 画像題; 栢野の大杉がある山中温泉・菅原神社の由来 -「てふてふさんぽ」
    縦のスクロールバーを約20%ほど移動して見る;【加賀】山中温泉随一のパワースポット栢野(かやの)の大杉は菅原神社にそびえる樹齢2300年の大杉、画像内記述; 画像題; 栢野の大杉がある山中温泉・菅原神社の由来 at the Wayback Machine (archived 2023-12-05) - 「てふてふさんぽ」
  3. ↑ 栢野社と言いしを明治20年3月に菅原神社に改め、同41年9月2日に「神饌幣帛料供進神社」に指定せらる。「石川県江沼郡誌」第34章西谷村989頁ISBN4-653-01253-9 C1021 書籍「石川県江沼郡誌」臨川書店 初版大正14年9月、復刻版 昭和60年10月31日
  4. 1 2 3 4 大聖寺川上流域の歴史編纂委員会 編『大聖寺川上流域の歴史』(初版)ホクトインサツ、小松市日の出町(原著2009年4月5日)、86,278頁。 NCID 大聖寺川上流域の歴史: 大聖寺川上流域の歴史編纂委員会, 2009.4
  5. ↑ 『日本歴史地名大系、第17巻、石川県の地名』平凡社、東京都、1991年9月、70頁。ISBN 4-582-49017-4。
  6. ↑ “週刊、義経伝説紀行”. 日経BP (2005年6月9日). 2009年6月28日閲覧。 Archived 2015-12-08 at the Wayback Machine. 日経BP 週刊 義経伝説紀行 (2005年6月9日)
  7. ↑ 白山五院」とは、いまの加賀市にあったとされる柏野寺・温泉寺・極楽寺・小野坂寺・大聖寺の五つ 実高ふれ愛隊日記: 石川県立大聖寺実業高等学校
    白山五院 at the Wayback Machine (archived 2024-06-06)白山五院とは、いまの加賀市にあったとされる柏野寺・温泉寺・極楽寺・小野坂寺・大聖寺の五つ, 実高ふれ愛隊日記: 石川県立大聖寺実業高等学校
  8. ↑ 吉田東伍『大日本地名辞書、北陸・東国(明治35年9月26日初版)』 第5巻(増補版)、冨山房、東京都千代田区神田神保町、1971年3月25日、81頁。ISBN 4-572-00031-X。
  9. ↑ 石川縣江沼郡役所 編『石川県江沼郡誌』(復刻版)臨川書店、京都市左京区、1985年10月31日(原著1925年9月)、940、995頁。ISBN 4-653-01253-9。

関連項目