滋賀県犬上郡の位置(1.豊郷町 2.甲良町 3.多賀町 黄:明治期 薄緑:後に他郡から編入した区域)

犬上郡(いぬかみぐん)は、滋賀県(近江国)の郡。

人口19,967人、面積157.2km²、人口密度127人/km²。(2024年9月1日、推計人口)

以下の3町を含む。

郡域

1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、下記の区域にあたる。

地理

東部地域は南北に走る鈴鹿山脈の西麓にあたり、東麓側にある三重県いなべ市(旧・員弁郡)および岐阜県大垣市上石津地域自治区(旧・養老郡)と県境を接する。主な山として霊仙山と三国岳がある。多賀町域の山間部は石灰岩帯であり、総延長距離全国第4位の大洞窟として知られる鍾乳洞の河内風穴を擁している。

地域は扇状地であり、標高は東に高く、西に低い。最も面積の大きい多賀町は町域の大半が山地であり、平地が少ないのに対して、甲良町と豊郷町は全域が平地である。そして、これらの平地は湖東平野の一部をなしている。

地域の北部を流れる芹川は、霊仙山に発して西進し、彦根市域に入ったのち、琵琶湖に流入する。南部を流れる犬上川は、東方の鈴鹿山脈に発した北谷川と南谷川が多賀町川相(かわない)で合流し、犬上川となって西進。多賀町域から甲良町域・彦根市域を経て琵琶湖に達している。また、最も南部を流れる宇曽川は、鈴鹿山麓の東近江市北東部の永源寺地区の北東に発して西進し、愛知郡愛荘町域・豊郷町域・彦根市域を経て琵琶湖に注ぐ。

中世以前

近世以前は、いぬがみのこおり、いぬがみこおり、いぬがみごおり、いぬかみごおり、とも呼ばれた。日本武尊(やまとたけるのみこと)の子・稲依別王の後裔と『記紀』に記載される地方豪族・犬上君(いぬがみのきみ、犬上氏)や、天津彦根命の後裔で三上氏の同族である犬上県主(いぬがみのあがたぬし)らが勢力的地盤としていた地域であり、郡名もそれら氏族の名に由来している。

古代

下記の郷が置かれた。

中世

下記の荘が置かれた。

近世以降

『木曽海道六拾九次之内 高宮』
天保6 - 8年(1835年-1837年)頃、歌川広重[4]

江戸時代には中山道が郡の中央を南北に走り、犬上郡内の宿場としては高宮宿(64番目、現・彦根市高宮町)が設けられていた。また、旧・坂田郡の鳥居本宿(63番目、現・彦根市鳥居本町)を北の起点として始まる朝鮮人街道も郡内を通っていた。ただしこれらの全ては現在、近代になって犬上郡から分かれた彦根市の市域となっている。

近代以降の沿革

彦根町[5]、後三条村、松原村、中藪村、長曽根村[6]、里根村、大藪村、開出今村、野瀬村、宇尾村、八坂村、甘呂村、西今村、竹ヶ鼻村、平田村、小泉村、岡村、東沼波村、正法寺村、戸賀村、山之脇村、西沼波村、地蔵村、高宮村、野田山村、土田村、月ノ木村、小林村、曽我村、久徳村、大堀村、中川原村、一円村、栗栖村、八重練村、●多賀村、敏満寺村、四手村、大岡村、猿木村、大尼子村、今畑村、落合村、入谷村、桃原村、杉村、甲頭倉村、屏風村、後谷村[7]、水谷村、保月村、河内村、五僧村、向ノ倉村、富之尾村、藤瀬村、川相村、霜ヶ原村、霜ヶ原村出屋敷、佐目村、南後谷村[8]、大君ヶ畑村、萱原村、一ノ瀬村、大杉村、小原村、仏ヶ後村、樋田村、長寺村、金屋村、●池寺村、北落村、小川原村、楢崎村、横関村、正楽寺村、法養寺村、在士村、下之郷村、八目村、雨降野村、尼子村、八町村、石畑村、四十九院村、南川瀬村、川瀬馬場村、野口村、極楽寺村、葛籠町村、西葛籠町村、森堂村、法士村、普賢寺村、蓮台寺村、堀村、金剛寺村、辻堂村、太堂村、明福寺村、楡村、安食中村、安食西村、安食南村、北山崎村、大山崎村、小山崎村、小田部村、茂賀村、●清水村、島村、中沢村、泉村、妙楽寺村、安田村、筒井村、五僧田村、寺村、須越村、三津屋村、大橋村、大橋中村[9]、外町村[9]、安清村、出町村[10]

町村制以降の沿革

1.彦根町 2.北青柳村 3.磯田村 4.南青柳村 5.福満村 6.青波村 7.千本村 8.高宮町 9.川瀬村 10.日夏村 11.安水村 12.豊郷村 13.西甲良村 14.東甲良村 15.大滝村 16.多賀村 17.久徳村 18.芹谷村 19.脇ヶ畑村(紫:彦根市 桃:多賀町 赤:甲良町 橙:豊郷町)

変遷表

自治体の変遷
明治22年4月1日 明治22年 - 大正15年 昭和1年 - 昭和19年 昭和20年 - 昭和29年 昭和30年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 令和元年 - 現在
彦根町 彦根町 昭和12年2月11日
彦根市
彦根市 彦根市 彦根市 彦根市
北青柳村 北青柳村
明治24年5月6日
分立
松原村
青波村 青波村
福満村 福満村
千本村 千本村
磯田村 磯田村 昭和17年6月10日
彦根市に編入
南青柳村 南青柳村
日夏村 日夏村 日夏村 昭和25年4月1日
彦根市に編入
川瀬村 明治23年8月16日
改称
河瀬村
河瀬村 河瀬村 昭和31年9月30日
彦根市に編入
安水村 明治25年6月25日
改称
亀山村
亀山村 亀山村
高宮村 大正元年9月10日
町制施行
高宮町
高宮町 高宮町 昭和32年4月3日
彦根市に編入
多賀村 多賀村 昭和16年11月3日
多賀町
多賀町 昭和30年4月1日
多賀町
多賀町 多賀町
久徳村 久徳村
芹谷村 芹谷村
大滝村 大滝村 大滝村 大滝村
脇ヶ畑村 脇ヶ畑村 脇ヶ畑村 脇ヶ畑村
東甲良村 東甲良村 東甲良村 東甲良村 昭和30年4月1日
甲良町
甲良町 甲良町
西甲良村 西甲良村 西甲良村 西甲良村
豊郷村 豊郷村 豊郷村 豊郷村 昭和31年9月30日
豊郷村
昭和46年2月11日
町制施行
豊郷町
豊郷町 豊郷町
愛知郡
日枝村
愛知郡
日枝村
愛知郡
日枝村
愛知郡
日枝村

出身有名人

古代
中世
近世
近現代

行政

歴代郡長
代氏名就任年月日退任年月日備考
1明治12年(1879年)5月16日
大正15年(1926年)6月30日郡役所廃止により、廃官

脚注

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  1. ↑ 地区名で示すと鳥居本地区・稲枝地区を除いた地域。
  2. ↑ 織田武雄『地図の歴史 日本篇』 369巻、講談社〈講談社現代新書〉、1974年11月28日。ISBN 978-4-0611-5769-9。
  3. 1 2 3 4 “敏満寺西遺跡”. 滋賀県文化財学習シート 遺跡編(公式ウェブサイト). 滋賀県教育委員会事務局 文化財保護課. 2013年1月1日閲覧。
  4. ↑ 中山道の脇往還である木曽街道を題材として描かれた名所絵揃物『木曽街道六十九次』の1枚。cf. 中山道六十九次。
  5. ↑ 彦根村・佐和町に分かれて記載。本項では便宜的に1町に数える。
  6. ↑ 「旧高給領取調帳」には記載なし。石高は中藪村に含む。
  7. ↑ 記載は「屏風・後谷村」。
  8. ↑ 記載は後谷村。
  9. 1 2 「旧高給領取調帳」には記載なし。石高は大橋村に含む。
  10. ↑ 「旧高給領取調帳」には記載なし。
  11. ↑ 彦根芹新町、彦根岡町、彦根芹中町、彦根大橋町となる。
  12. ↑ この時点では、彦根京極下片原町、彦根尾末町、彦根金亀町、彦根連着町、彦根桶屋町、彦根四十九町、彦根上魚屋町、彦根下魚屋町、彦根職人町、彦根下藪下町、彦根西馬場町、彦根丸野木町、彦根石ヶ崎町、彦根内船町、彦根観音堂筋、彦根中島町、彦根一番町、彦根二番町、彦根三番町、彦根四番町、彦根五番町、彦根本町、彦根中藪上片原町、彦根中藪下片原町、彦根中藪下横町、彦根中藪土橋町、彦根東栄町、彦根西栄町、彦根下番衆町、彦根池洲町、彦根芹橋一丁目、彦根芹橋二丁目、彦根芹橋三丁目、彦根芹橋四丁目、彦根芹橋五丁目、彦根芹橋六丁目、彦根芹橋七丁目、彦根芹橋八丁目、彦根芹橋九丁目、彦根芹橋十丁目、彦根芹橋十一丁目、彦根芹橋十二丁目、彦根芹橋十三丁目、彦根芹橋十四丁目、彦根芹橋十五丁目、彦根勘定人町、彦根西池洲町、彦根小道具町、彦根鷹匠町、彦根餌指町、彦根彦根町、彦根柳町、彦根外船町、彦根北新町、彦根上瓦焼町、彦根下瓦焼町、彦根上藪下町、彦根上新屋敷町、彦根北組町、彦根東新町、彦根京町、彦根七十人町、彦根三筋町、彦根水流町、彦根百石町、彦根安清新屋敷町、彦根小藪町、彦根安養寺町、彦根平田町、彦根安養寺中町、彦根上番衆町、彦根中組西町、彦根中組東町、彦根江戸町、彦根外馬場町、彦根伊賀町、彦根河原町裏町、彦根旗手町、彦根上川原町、彦根巽町、彦根安清町、彦根袋町、彦根川原町、彦根橋本町、彦根土橋町、彦根芹新町、彦根岡町、彦根橋向町、彦根後三条町、彦根芹中町、彦根大橋町、彦根沼波町が存在。
  13. ↑ “湖東焼の開祖 絹屋半兵衛 - 彦根のむかしばなし”. こどもひこねっと(公式ウェブサイト). 彦根市教育委員会事務局生涯学習課. 2012年12月23日閲覧。

参考文献

関連項目

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