珠算の長所は整数や小数を扱う場合であれば比較的桁数が多くても敏速かつ正確に計算できることである[2]。また、四則計算の主要部分などは簡易な加減法九九を適用すれば計算することができる[3]。
ただし、珠算は分数計算や無理数計算などには不向きである[4]。
また、計算を進めるうち盤面は逐一変化するので計算の過程が残らず数理的攻究や推理的攻究にも不便である[4]。暗算、筆算、珠算にはそれぞれ特性があり長短がある[5]。
暗算の熟練者はそろばんを脳裏に思い浮かべて計算する方法(珠算式暗算)を用いることがあり普通の暗算よりも格段に暗算の威力を発揮する[4]。
以下は天(梁の上側)に1つの珠、地(梁の下側)に4つの珠を配置した天1顆、地4顆の形式のそろばんの計算法。
布数法(ふすうほう)とは数を表現するための珠の置き方である。天(梁の上側)にある1つの珠を五珠、地(梁の下側)にある4つの珠を一珠という。
| 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
一般的に一の位は枠上の定位点の付いた桁(軸の位置)に置くのが一般的で左に向かって十進法で位取りを行う。
そろばんの用語では、加法及び減法をまとめて見取り算と呼ぶ。
運珠法(うんじゅほう)とは珠を動かす運び方(順序)をいう[6]。運珠法には順運珠(添入 - 上添下排 - 下排上進)と対応する逆運珠(開排 - 下添上排 - 上退下加)のそれぞれ3種類があり運珠三法と呼ばれている[7]。五珠を動かすことを五珠分解という[8]。
(例)1937+284
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| 1937 | +200 | +80 | +4 | =2221 |
(例)1756-957
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| 1756 | -900 | -50 | -7 | =799 |
乗算・除算の場合は、特に慣れていない人の場合、乗数・除数を被乗数・被除数の左側に置くことが多いが、計算中は乗数・除数を全く操作しないので、乗数・除数については、紙に書いてある数字や印刷してある数字を使う方法もあり、あるいはある程度慣れている人の場合、記憶だけに留める方法(片落とし)を取ることが多い。また、そろばんの用語では、被乗数・被除数を実(じつ)、乗数・除数を法(ほう)という。
そろばんでの乗算・除算において、答えが出る位置を決めることを定位法と呼ぶ。
そろばんの乗法には実(被乗数)の尾桁から計算する留頭乗法と実(被乗数)の首桁から計算する破頭乗法がある[2]。また、それぞれ法(乗数)の首位数から計算を始める頭乗法と法(乗数)の尾位数から計算を始める尾乗法がある[2]。
以上から主な乗法として留頭尾乗法、留頭頭乗法、破頭頭乗法、破頭尾乗法の四種がある[2]。
一般には留頭頭乗法の欠点を克服するため部分積を置く位置を改良した方法が用いられる[15]。以下に示すのは新頭乗法と呼ばれる現在一般的な方法(法を盤面に置いていない片落としの例)である。
(例)32×97
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| 32 | 2を消して | 2×90 | +2×7 | |||||||||||||||||||||||
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| 3を消して | +30×90 | +30×7 | =3104 |
特にそろばんの上級者の乗算の場合は、法のみならず実もそろばんの布数から省略し、積のみをそろばんに置いていく両落としが用いられることも多い。
古式の尾乗法や中乗法の場合は、一時的に1桁に10以上溜まる場合があるため、完全な布数には天二地五が必要となり、天一地五や天一地四ではそのような場合記憶に頼ることになる。
そろばんの除法は種類が多くはなく、割り算九九を用いる帰除法と掛け算九九を用いる商除法がある[15]。
以下に示すのが現在一般的な商除法(法を盤面に置いていない片落としの例)である。
(例)1416÷59
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| 1416 | 2を置いて | 20×50を引く | 20×9を引く | |||||||||||||||||||||||
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| 4を置いて | 4×50を引く | 4×9を引く | =24 |
開法の計算は、次を参照。
大別すると珠算競技と暗算競技に分けられる。
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