矢印(やじるし、英語:arrow、アロー)とは主に方向を指し示すのに使われる記号。代表的なものに←、↑、→、↓があり、それぞれ左、上、右、下を表す。

矢印という名前は読んで字のごとく、矢を表している。これは矢の、一度特定の方向に放たれたら地面に落ちるまで真っ直ぐに進む性質を想起させるため、世界中で一般的に使われている。
矢印は普通特定の一方向を表すが、ある方向とその反対の方向の両方を表す双方向の矢印も存在する。これは具体的な方向を示す場合よりは対象物・概念どうしの関係性を示す場合によく使われる。また、数学などでは図で、「ここからここまでの距離」という意味で使われる事もある。双方向の矢印には、1本の矢印で示すもの(↔↕)や、2本の矢印がセットになったもの(⇄⇆⇅⇵)がある。
矢印は二次元で方向を表現しているため、左右や上下を示す場合は分かりやすい[1]。一方で前後を表す場合は工夫が必要なことがあり、例えば道路標識では前方を示す場合はそのまま上向きにしているが、後方を示す場合は矢印を逆U字に曲げた表記が用いられる[1]。
矢印は、シャフト(箆)となる線分の終点にアローヘッド(鏃、矢尻)を付けた形である。
アローヘッドは、「∧」形あるいは「▲」が一般的だが、二等辺三角形、凹四角形、Λ形の半分だけ、逆ハート型なども使われる。三角形の場合、黒(▲)と白抜き(△)がある。白抜きの場合、シャフトがアローヘッドを突き抜ける場合と、突き抜けずに底辺から伸びる場合がある。
シャフトには、通常のもの(→)のほか、ダブルトラック(⇒)、トリプルトラック(⇛)、白抜き(⇨)、点線(⇢)などがある。シャフトの始点に小さな黒丸、短い横棒などのテールをつけることがある。矢印の前後間を表す目的などでシャフトを曲げて表記することも多い。
一方指示マーク(☜☝☞☟)や、アローヘッドのみ(▲、Λなど)を矢印の意味で使用することがある。
多くの場合は矢印の形状によって意味が変わることはないが、ソフトウェア工学のUMLのような形状によって意味の異なる例も存在する。同じ意味を示す矢印でも、国や地域によってフォルムが変わることもある[1]。
道路標識では矢印そのものが意味をなしている(進行できる方向やカーブの形状など)[2]。一方で、施設や設備などの対象物への方向を案内したい場合は矢印と一緒に対象物(記号など)を併記することで案内することもある[2]。
羅針盤でのN極の示す方向から、矢印の先を北の方向として示す用途もある。
ASCIIに矢印は含まれていないため、ASCII環境ではアローヘッドを模した^(サーカムフレックス) v(ブイ) < >(不等号)で代用されることがある。横向き矢印は<- ->で表されることもある。
いくつかのマークアップ言語では、^と_(アンダースコア)で上付き・下付き文字を表す。これは、ASCIIの初期のバージョンには↑と↓が含まれていて、現在のASCIIでそのコードポイントが^と_になっていることに由来する。
C言語では、->はアロー演算子と呼ばれ、ポインタが指す構造体のメンバを表す。また、<<と>>はビットシフトを表す。C++では<<と>>はストリーム入出力も表す。
日本語の文字コードを定めたJIS X 0213に規定されている矢印類の記号と、対応するコードおよび名称を示す。(デフォルトではJIS X 0213コード順)
| 記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
|---|---|---|---|---|
| → | U+2192 | 1-2-10 | →→→ | 右向矢印 RIGHTWARDS ARROW |
| ← | U+2190 | 1-2-11 | ←←← | 左向矢印 LEFTWARDS ARROW |
| ↑ | U+2191 | 1-2-12 | ↑↑↑ | 上向矢印 UPWARDS ARROW |
| ↓ | U+2193 | 1-2-13 | ↓↓↓ | 下向矢印 DOWNWARDS ARROW |
| ⇒ | U+21D2 | 1-2-45 | ⇒⇒⇒ | ならば(合意) RIGHTWARDS DOUBLE ARROW |
| ⇔ | U+21D4 | 1-2-46 | ⇔⇔⇔ | 同値 LEFT RIGHT DOUBLE ARROW |
| ↔ | U+2194 | 1-2-81 | ↔↔↔ | 同等 LEFT RIGHT ARROW |
| ↗ | U+2197 | 1-3-5 | ↗↗ | 右上向矢印 NORTH EAST ARROW |
| ↘ | U+2198 | 1-3-6 | ↘↘ | 右下向矢印 SOUTH EAST ARROW |
| ↖ | U+2196 | 1-3-7 | ↖↖ | 左上向矢印 NORTH WEST ARROW |
| ↙ | U+2199 | 1-3-8 | ↙↙ | 左下向矢印 SOUTH WEST ARROW |
| ⇄ | U+21C4 | 1-3-9 | ⇄⇄ | 右矢印左矢印 RIGHTWARDS ARROW OVER LEFTWARDS ARROW |
| ⇨ | U+21E8 | 1-3-10 | ⇨⇨ | 右向白矢印 RIGHTWARDS THICK ARROW |
| ⇦ | U+21E6 | 1-3-11 | ⇦⇦ | 左向白矢印 LEFTWARDS THICK ARROW |
| ⇧ | U+21E7 | 1-3-12 | ⇧⇧ | 上向白矢印 UPWARDS THICK ARROW |
| ⇩ | U+21E9 | 1-3-13 | ⇩⇩ | 下向白矢印 DOWNWARDS THICK ARROW |
| ⤴ | U+2934 | 1-3-14 | ⤴⤴ | 曲がり矢印上がる ARROW POINTING RIGHTWARDS THEN CURVING UPWARDS[3] |
| ⤵ | U+2935 | 1-3-15 | ⤵⤵ | 曲がり矢印下がる ARROW POINTING RIGHTWARDS THEN CURVING DOWNWARDS[3] |
| ⏎ | U+23CE | 1-7-94 | ⏎⏎ | リターン記号 |
矢印は人類が狩猟で弓矢を開発したのと同時に生まれたと考えられる[1]。旧石器時代の洞窟には動物などの絵とともに矢印と思われるものが数多く残っていた[1]。
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