
鉋(かんな、かな)は、木工用の工具の一種。主として材木の表面を削って加工する目的で使われ、一般には台鉋を指す。通常は材木の表面を平滑にするために使われるが、材木に溝を作るなど特殊な目的用の鉋も存在する。
台鉋は四角形の木製の台(鉋台)の中に刃を組み込んだ鉋である。日本では明治初期以降、図のような刃が2枚ある二枚鉋がヨーロッパの鉋から導入され、現代ではこちらのほうが主流である。2枚の刃うち、下側の刃を「鉋身(鉋刃)」といい、上側の刃を「裏金」という。鉋身は鉋台に斜めに取り付けられており、刃の付いている側は僅かに鉋台から下側に出ており(この部分で木材を削る)、その反対側の部分は鉋台から上側に出ている(その上端の部分を「頭」という)。また、鉋台のうち、刃が組み込まれている側の端を「台頭」、反対側の端を「台尻」といい、加工材と接する部分を「下端」という。鉋身を出すには鉋身の頭(刃の反対側の部分)を叩いて出し、反対に引っ込めるには台頭(刃の取り付けられている側の鉋台の先端)を叩いて調整する。台には主にシラカシ、アカガシが用いられる。
日本の大工仕事では、台鉋の使い方一つで腕前の良し悪しが判断されることがある。名人級になると、0.003 mmの薄さに削ることもできる[1]。ただし、実際は鉋に求められる技量は薄削り以外にも多岐にわたるので、薄削りの名人が腕のいい職人であるとは限らない。

中国では鉋の文字が唐の時代から使われ始めるが、これは現在の鉋台ではなく蜈蚣(むかで/ごこう)鉋子のことで、スクレーパーが複数枚並んだ鑢の様な道具である。

槍鉋・鉇(やりがんな)は棒の先に柳の葉のような形の両刃を付けた道具である。
日本では古代から中世には、建築部材の表面の平滑な仕上げを行うために、この槍鉋・鉇を用いた(その前工程の表面加工には釿(ちょうな)を用いた)。国内最古の鉇は、石川県小松市の八日市地方遺跡から2017年に出土した弥生時代の製品が発見されている[2][3]。
日本の近世 - 近代以降は、台鉋が現れ普及し、槍鉋は途絶えた。文献や絵画に残るのみで、槍鉋の製法や技法は久しく失われていた。しかし西岡常一らが文献、発掘品、当時の柱の削り跡など様々な資料を調査・分析し、20世紀の終わり頃に槍鉋の復元に成功した。
台鉋の起源は明確ではないが、79年に噴火で埋もれたポンペイから世界最古の台鉋が出土している。また世界各地で、鉋の台頭が無い様な(日本の押し鉋の様な)形のwedged adzが発見されている。現代の日本の鉋は使用者が手前に引く際に木材が削れるようになっているが、ヨーロッパや中国のものは逆に押した時に削れるようになっているものが多い。ただし、日本で鉋を引く様に統一されたのは江戸時代中頃の事であり、室町時代に中国から台鉋が入って来た当初は押して使っていたことが当時の絵図などから判明している。
現在では、建築用には回転刃で切削する備え付け式または可搬式の電動カンナが多用されている。可搬式の電動鉋は全て押して用いる様に設計されている。電動でないものは、主に最終仕上げや複雑な曲線の加工用に使われるが、日本にのみ電動式で手動鉋同様の固定刃で切削する超仕上げ鉋と言われるものがある。
主に西洋で用いられる鉋で、押して用いる事が特徴の鉋である。近年ではそれに加え、鋳鉄製の鉋台と、螺子による鉋身や刃口の調整等ができるような機構やハンドルなどを持つものを指す事が多い。さらに日本のカンナとは逆に進行方向から見て刃口が鉋の台の前方に位置していることが多い。世界最古の台鉋はポンペイから出土し、全鋳鉄製の台を持つ鉋は1960年代半ばにアメリカで、レオナルド・ベイリーによって発明された。主に英語圏の国ではベイリーパターンの鉋が、ヨーロッパ地域では古典的は木製の鉋が広く用いられている。
大きく分けて、日本の鉋と同じ様に、鉋身の刃の鎬面を下に向けて鉋台に仕込むBENCH PLANEと、上に向けて仕込むBLOCK PLANEとがあり、前者は荒仕子から仕上げ、長台などに相当する。後者は前者に比べ仕込み勾配が寝ている事が多く、裏金が無い一枚刃であるが、刃口を調整する機構が有る場合逆目は止める事が出来る。BLOCKとは肉切り用の木口を用いた俎板(Butcher Block)の事であり、木口(丸太の切り口)表面の繊維を潰す事無く削り取る事が出来る。また鎬面が上を向くため刃先角を使用者が鉋身を研摩する事で材質にあわせて25° - 60°位まで自由に変化させる事が出来、汎用作業に向く。
また西洋鉋は広葉樹の堅木を加工する事が多い事から、切削角が大きい物が多く、BENCH PLANEは45° - 55°、BLOCK PLANEは37° - 60°の物が多い。切刃角は鉋の種類に関わらず25°をPrimary Bevelとし、研ぎを楽にする為に刃先端だけに30°程度のMicro Bevelで刃を付ける事が多い。かつて裏は完全な平面に研摩されていたが、近年は研摩の省力化の為に刃裏先端だけ1°未満のBack Bevelを付けて研摩する事が主流と成っており、砥石と鉋身の間に定規を挟むことからその研磨技術のことをRuler trickと言う。
日本に全く無い種類の鉋として、Scraping PlaneとRouter Plane(抉り鉋)、それに櫛刃、Ground Bladeと呼ばれる形式の鉋身などが上げられる。Scraping PlaneはScraper bladeを鉋台に仕込んだ物で、立鉋と似ているが刃先に意図的にBurnisherで作った鉤(バリ)を使って切削する鉋で、硬木を楽に削れ、かなり複雑な木目でも逆目が起きない。Router Planeは電動工具のルータの基に成った鉋で、木に正確な深さの溝やへこみを付ける事が可能な鉋である。日本では同様の作業を鉋では無く鏝鑿を用いて行う。櫛刃は材料の大まかな平面を出す時や、逆目の板の荒仕上げ時に用いられる。Ground Bladeは刃先角度が90°の鉋身で切削角は100°以上となり、スクレーパーのような働きをする。
これらすべての洋鉋にはStanley Works社がそれぞれの機能や大きさに振り分けた番号が付いており、他社もそれに従った分類を行っている事が多い。
中国の鉋は押して用いることと、日本の鉋と似た台に刃が仕込まれているが、進行方向から見て鉋身の後方左右に持ち手となる棒が装着されていることが特徴の鉋。西洋の木製鉋と同じように鉋身を木製の楔で固定して使用している事が多い。また、朝鮮半島や、東南アジア地域の国々はそれに準じた構造と使用法の鉋を用いている。これらの鉋は現在の日本ではほとんど使われることが無い。押し使い用に作られている鉋ではあるが、実際の使用時には押して用いる事もあれば、引いて用いる事もある。

電動モーターを動力源とした電動式の鉋で、電動カンナとも言う。回転刃をそなえた可搬式の製品と備え付け式の工作機械に別れ、工作機械はさらに固定刃の上で材料を動力で移動させ切削する超仕上げかんなと、回転刃の上で材料を移動させて切削するかんな盤に分類される。工作機械には材料の2 - 4面を一度に切削できる機械も存在する。回転刃は刃先のみを使い捨て、又は再研磨のために交換できるものが多く、その刃幅は100-600 mm程度と様々である。可搬式の電気かんなは平らな台を持つ製品と反り台の製品があり、必ず機械を押し出して切削するように設計されている。回転刃で切削するため材料表面は波のような形に切削される。そのため完全な平面が必要とされる加工には、電気カンナでの切削後サンドペーパーや鉋、超仕上げかんなでの二次加工が必要となる。
これらは用途によって形状はさまざまである。
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