生態
海岸 や河口 、湖沼 の周辺にある湿性草原 、アシ原 などに生息する[13] [5] [23] [18] 。
メイガ類・コオロギ類・ササキリ などの昆虫 、クモ などを食べる[4] [21] 。仏沼ではイイズナ による雛の捕食が報告されている。[24]
繁殖様式は卵生。婚姻様式は一夫多妻[6] 。ヨシやススキなどの根元にお椀状やドーム状の巣を作る[6] 。巣の材質や形状は大きく3つに分かれ枯草からなるドーム状(枯草の多い湿った場所)・枯草の根元にお椀状(中間型・もしくは下生えが乏しい環境)・生きた草からなる大型のドーム状(生きた草が多い乾燥した場所)の形状がみられる。6 - 8月に2 - 6個の卵を産む[6] 。メスのみが抱卵し、抱卵期間は約12日[6] 。雛は孵化してから約12日で巣立つ[6] 。
人間との関係
農地・油田開発、灌漑事業などによる生息地の破壊や水位変化などが懸念されている[1] 。中華人民共和国では環境汚染や狩猟による影響も懸念されている[1] 。
L. p. pryeri オオセッカ
本亜種の好むスゲやイネ科植物からなる丈の短い草地で疎らにヨシが生育する環境は、干拓地 (八郎潟・仏沼)や放置された農耕地・放牧地(利根川下流域)で見られる[21] 。これらの環境は後述する八郎潟の例のように水位の変化や土砂の堆積などで植生が変化することも多く、分布が限定的であることも含め開発などによる生息地の破壊による生息数の減少も懸念されている[21] 。生息数は増加傾向にあり、仏沼湿原では生息数の増加、八郎潟では一度生息地が消失したが再確認されるようになっている[21] 。利根川流域では分布の拡大傾向がみられる[5] [21] 。
日本では1973年に秋田県 大潟村 の八郎湖西部承水路近初めて繁殖を確認 [ 要検証 – ノート ] [25] 。八郎潟[26] や宮城県 で繁殖が確認されていた[5] 。八郎潟での囀りオスの数は1973年に28羽、1977年に122羽まで増加したが、1980年には80羽に減少した[27] 。減少の原因として1977年に完成した排水路による干拓地の乾燥化や、それに伴い1976 - 1982年にかけてヨシの群落が半減しススキの群落が2.5倍まで増加したことが原因だと推定されている[27] 。麦の作付により分布域は増加したものの麦畑での繁殖は確認されず、これは本種の繁殖期と八郎潟での麦の収穫期(7月)が同じだったためと考えられている[27] 。八郎潟でさえずっていた雄の数は1977年の122羽から次第に減少したが、その原因は、干拓地が乾燥し、植生の変化が進んだためとみられている[26] 。その後も湿地の乾燥化とともに減少は続き2000年 には大潟草原鳥獣保護区での生息数がゼロとされた[25] 。しかし、2010年に大潟村の保護区で28年ぶりにオオセッカの繁殖が確認されてからは継続的に繁殖が確認され、大潟草原鳥獣保護区での生息数は増加傾向にある[25] 。
仏沼では本種の保護のため、土地の買い上げ(ナショナルトラスト運動 )などの対策が行われている[5] 。1993年 に国内希少野生動植物種 に指定されている[4] [28] 。繁殖地は1977年に八郎潟西部の135ヘクタール(特別保護地区48ヘクタール)が国指定大潟草原鳥獣保護区に[25] 、2005年に小川原湖岸の737ヘクタール(特別保護地区222ヘクタール)が国指定仏沼鳥獣保護区に指定されている[21]
2001年における生息数は囀りの聞き取り調査(囀るのはオスのみなので性差が1:1と推定して括弧内の数値を倍にする)から岩木川流域300羽(岩木川河口142羽・屏風山9羽)・仏沼900羽(446 - 448羽)・利根川流域1,200羽(375羽。この数値を基に未調査地域の分を面積から598羽と推定)・その他100羽の計2,500羽と推定されている[29] 。開発による生息地の破壊などにより生息数は減少しおり、日本国内での生息個体数は2500羽強とされている[29] [ 要検証 – ノート ] 。2009年における仏沼でのオスの個体数は546羽が確認され、生息数は1,100羽以上と推定されている[21] 。
絶滅危惧IB類 (EN) ( 環境省レッドリスト ) [21]
脚注
1 2 3 4 BirdLife International. 2016. Locustella pryeri . The IUCN Red List of Threatened Species 2016: e.T22715480A94455097.doi :10.2305/IUCN.UK.2016-3.RLTS.T22715480A94455097.en , Downloaded on 03 February 2017.
1 2 3 Grassbirds, Donacobius, Malagasy warblers, cisticolas & allies , Gill F & D Donsker (Eds). 2017. IOC World Bird List (v 7.1). doi :10.14344/IOC.ML.7.1 . (Retrieved 3 February 2017)
↑ 日本鳥学会「オオセッカ」『日本鳥類目録 改訂第7版』日本鳥学会(目録編集委員会)編、日本鳥学会 、2012年、296頁
1 2 3 4 5 6 7 8 永田尚志、「オオセッカの現状と保全への提言 」『山階鳥類研究所研究報告』 1997年 29巻 1号 p.27-42, doi :10.3312/jyio1952.29.27
1 2 3 4 5 6 7 8 9 松田道生 「オオセッカ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社 、2000年 、102、204-205頁。
1 2 3 4 5 6 7 高橋雅雄 「生態図鑑 オオセッカ」『Bird Research News』2013年11月号(Vol.10 No.11)、NPO法人 バードリサーチ、2013年、2-3頁。
1 2 3 Hiroyuki Morioka , Yoshimitsu Shigeta , "Generic
Allocation of the Japanese Marsh Warbler Megalurus pryeri (Aves: Sylviida)," Bulletin of the National Science Museum. Series A, Zoology , Volume 19 Number 1, National Science Museum , 1993, Pages 37-43.
1 2 3 4 5 6 7 8 9 Morioka, Hitoyuki ; Shigeta, Yoshimitsu (1993), “Generic Allocation of the Japanese Marsh Warbler Megalurus pryeri (Aves : Sylviidae)” , Bulletin of the National Science Museum . Series A, Zoology 19 (1): 37-43, https://cir.nii.ac.jp/crid/1521136280850455040
1 2 安部直哉 『山渓名前図鑑 野鳥の名前』、山と渓谷社 、2008年、203頁。
↑ 山形則男・吉野俊幸・五百澤日丸=写真、五百澤日丸・山形則男=解説『新訂 日本の鳥550 山野の鳥』文一総合出版、2014年、217頁。ISBN 978-4829984000 。
1 2 籾山徳太郎 、「オホセッカに就いて 」『鳥』 1949年 12巻 58号 p.115-143, doi : 10.3838/jjo1915.12.115
1 2 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館 、2002年 、92頁。
1 2 3 4 5 6 7 8 五百沢日丸 『日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版』、文一総合出版 、2004年、217頁。
↑ 金井裕 ・植田光之 、「オオセッカの生息地の分布と現状」、『平成5年度希少野生動植物種生息状況調査報告書』、環境庁 、1994年、1-7頁
↑ 山階鳥類研究所 、「平成8年度環境庁委託業務報告書 オオセッカ生息状況調査」、山階鳥類研究所、1996年
↑ 日本野鳥の会 宮城県支部、「宮城県の鳥類分布」、日本野鳥の会宮城県支部、2002年
1 2 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 増補改訂版』、日本野鳥の会、2007年、252-253頁。
1 2 3 4 5 真木広造 、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社 、2000年、493頁
↑ 環境庁 『日本産鳥類の繁殖分布 』、大蔵省印刷局 、1981年。
1 2 3 Alstrom, Per ; Fregin, Silke; Norman, Janette A.; Ericson, Per G.P.; Christidis, Les ; Olsson, Urban (2011), “Multilocus analysis of a taxonomically densely sampled dataset reveal extensive non-monophyly in the avian family Locustellidae” , Mol. Phylogenet. Evol. 58 : 513?526, http://www.nrm.se/download/18.42129f1312d951207af800049217/Alstr%C3%B6m+et+al+Locustellidae+MPEV+2011.pdf
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 永田尚志 「オオセッカ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-2 鳥類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社ぎょうせい 、2014年 、126-127頁。
↑ 千葉一彦・村田野人・作山宗樹、「岩手県釜石市におけるオオセッカLocustella pryeri の捕獲記録 」『日本鳥学会誌』 2005年 54巻 1号 p.56-57, doi : 10.3838/jjo.54.56
↑ 中村登流 監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社 、1984年 、32頁。
↑ 高橋雅雄, 蛯名純一, 宮彰男, 上田恵介 「本州産ニホンイイズナMustela nivalis namiyei による絶滅危惧鳥類オオセッカLocustella pryeri のヒナの捕食 」『哺乳類科学』 2010年 50巻 2号 p.209-213, doi : 10.11238/mammalianscience.50.209
1 2 3 4 “絶滅危惧種オオセッカ、増加傾向 大潟村、大繁殖地の可能性” . 秋田魁新報 . (2017年1月16日). http://www.sakigake.jp/news/article/20170116AK0007/ 2017年1月17日 閲覧。
1 2 西出隆 「八郎潟におけるオオセッカの生態-2.干拓内での分布の推移」『Strix 』1巻、日本野鳥の会、1982年、7-18頁
1 2 3 西出隆「八郎潟におけるオオセッカの生態-2.干拓内での分布の推移」『Strix』1巻、日本野鳥の会、1982年、7-18頁
↑ 国内希少野生動植物種一覧 (環境省 ・2017年2月3日に利用)
1 2 上田恵介「日本にオオセッカは何羽いるのか」『Strix』21巻、日本野鳥の会、2003年、1-3頁
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