カメーバ

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カメーバ
東宝怪獣映画のキャラクター
初登場 『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』
演 中村晴吉(『南海の大怪獣』)
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カメーバ (Kamoebas) は、特撮映画『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』などに登場する架空の怪獣である。別名「大亀怪獣」[1]。

登場作品

特撮テレビ番組『行け!ゴッドマン』(1972年)にも登場した[2]。

『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』のカメーバ

諸元
カメーバ
KAMOEBAS[出典 1]
別名
体長20 m[出典 3]
体重2万8千 t[出典 3][注釈 1]
出身地セルジオ島[出典 4][注釈 2]
出現地セルジオ島内[19]
弱点ひっくり返されること[13]

無人宇宙船ヘリオス7号に付着して南太平洋のセルジオ島に飛来したアメーバ状の宇宙生物が、同種の宇宙生物によって怪獣化した巨大ガニの怪獣ガニメ(1体目)から抜け出して3集団に分離し、ジャングルのマタマタガメに1集団が憑依して生まれた怪獣[出典 5]。黄・白・青の鱗に黒褐色の体色を持つ[14][17]。手足や首の皮膚は蛇腹状になっており、腹や手足などには細い鱗のモールドが施されている[21]。這う状態から身体を起こして伸縮が可能な首を活かした頭突きが武器で[出典 6]、敵を頭突きで空中に弾き飛ばすことか可能[20]。甲羅はガニメ以上の硬さを誇り[3]、ガニメの鋏でも貫くことは不可能[20]。動きがやや鈍いが怪力[20]。超音波に弱く[14]、身体をひっくり返されると動きが取れないことが弱点[17]。

宇宙生物の弱点である超音波を放つコウモリを探す工藤とアヤ子の前に現れ、彼らを鍾乳洞まで追い込むが、そこにコウモリが生息していたことにより、退散する[11]。その後、宇宙生物の支配から脱した小畑によって解き放たれたコウモリの群れに思考を乱された[11][20]うえ、ガニメ(2体目)との同士討ちに陥り、最後はガニメともども火山の噴火口に飲み込まれた[出典 7]。

造形
着ぐるみの造形は安丸信行[出典 9]。全身の粘土原型から石膏型が起こされ、細かい鱗の表現にこだわった造形が行われている[22][注釈 3]。2本の牙や、背中の前向きのトゲは、同じ安丸による『怪獣総進撃』のアンギラスと共通している[21]。腹部にチャックがあり、スーツアクターは下から入る構造になっている[24][21]。後ろ足はスーツアクターの膝から先が入り、膝をつかずに演技できるように作られている[27]。また、甲羅を長くすることによって膝部分を隠し、中の人間の体型を隠している[出典 10]。首や腹部などの表皮は、薄い発泡スチロールをランプの熱でサッと溶かし、粒状のディテールを生じさせている[26]。ジャンプは操演で表現された[28]。
カメーバの頭が勢いよく飛び出すギミックは、自転車の空気ポンプを仕込んだもので、フロンガスによって押し出される[出典 11][注釈 4]。首にはエキスパンダーのスプリングも仕込まれており[11]、射出後に縮む構造となっている[5]。特技監督の有川貞昌は、カメが首を引っ込める時の素早さを防御方法のひとつとして解釈したとの旨を述べている[27]。頭が飛び出す際には「ポン」という音が鳴るため、スーツアクターの中村はこれに毎回驚かされたという[22]。
劇中に登場するマタマタガメは、安丸がイシガメの甲羅にトゲのデコレートを乗せて出演させたもの[22][21]。手足にばねの入った造形物も作られたが、本編では未使用[24][注釈 5]。
安丸は、自身と模型電飾の高木明法とのコンビによる怪獣ではカメーバとガニメが一番であったが、スター性がなかったと述懐している[26]。

『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』のカメーバ

諸元
カメーバ
KAMOEBAS[31][21][注釈 6]
別名
体長20 m[出典 14]
体重2万8千 t[出典 14]
出身地セルジオ島[34][注釈 7]
出現地

宇宙生物がマタマタガメに付着して突然変異によって巨大化した怪獣[出典 15]。ゴジラと人知れず戦闘を繰り広げた後、頸部に巨大な爪で引っかいたような傷跡を負わされた死骸が、九十九里浜の海岸に打ち上げられる[出典 16]。作中では34年前[注釈 8]と17年前[注釈 9]にも発見されたと言われる[出典 19]。

ラストシーンでは、特生自衛隊特殊生物研究本部のDNA貯蔵庫に保管されている怪獣たちのDNAの1つにその名が記されている[48]。

  • 関連書籍などでは二代目カメーバとも表記される[32][49]。
  • 公開直前に掲載された『てれびくん』2003年10月号では、ゴジラに住み家を荒らされたことに怒って戦い始めたとする前日譚が語られ、後日に打ち上げられたと解説されている[50][38]。
制作
準備稿では首長竜[出典 20]、決定稿では古代ジュラ紀の海棲爬虫類・リオプレウロドン[54][55]と記述されていたが、監督の手塚昌明からの要望により、カメーバに変更された[51][53]。手塚は、海の生物かつゲストとして意外性のある怪獣を出したかったと述べている[56]。アンギラスの死骸とする案も存在した[54][43]が[注釈 10]、「人気怪獣に死体役はやらせられない」とするプロデューサーの富山省吾に却下され[54][58]、次回作『ゴジラ FINAL WARS』にアンギラスが出演することとなった[55]。
カメーバの過去の出現歴についてのセリフは手塚によって追加されたものであり、脚本を担当した横谷昌宏は手塚なりの意図があったのだろうと述べている[59]。
造型
着ぐるみは製作されず、発泡スチロールと粘土で作られた1.5メートルのプロップ1体のみが用いられた[出典 21]。プロップ製作はモンスターズ[49][42]、頭部原型は伊藤成昭[出典 22]がそれぞれ担当。造型プロデューサーの若狭新一は、『南海の大怪獣』で造型を手掛けた安丸信行に原型製作を依頼したが、あっさり断られたと述べている[出典 23]。死骸ゆえに動かないため、マット画などでデジタル処理するという選択肢もあったが、実景風に撮りたいという要望が挙がり、プロップを制作することとなった[52]。
プロップは、実景との合成の兼ね合いもあり、大きめとなっている[52][53][注釈 11]。画面には映らない腹部のディテールも、細かく塗装・造型されている[出典 24]。撮影は、東宝スタジオ大プールに砂浜のセットを組んで行われた[62]。
撮影終了後には保管され、2018年12月19日から2019年1月27日まで日本工学院専門学校にて開催された展示会「特撮のDNA -『ゴジラ』から『シン・ゴジラ』まで-」に展示された[63]。

『行け!ゴッドマン』のカメーバ

南太平洋のヘルナップ海溝(架空の海溝)に生息する、巨大なカメの怪獣[64]。海岸にてデート中の男女2人組の前に突然現れるが、駆けつけたゴッドマンにほぼ無抵抗のまま殴られ続け、海中へ逃げ去る[65][66]。海の怪獣であるが、陸上でも2本足で立って戦う[67]。頑丈な頭部を活かした頭突き攻撃で敵を弾き飛ばす[64]。

  • 着ぐるみは下顎がない[2][67]。

小説『GODZILLA 怪獣黙示録』のカメーバ

アニメ映画『GODZILLA 怪獣惑星』の前日譚に当たる小説『GODZILLA 怪獣黙示録』に登場。作中世界の2002年に確認された1体目をはじめ、複数の個体の出現が確認されており、バンカーバスターの直撃にも耐える甲羅を持つ。1体目はドゴラの駆除から3日後のフィリピンに出現した[68]。2体目(カメーバII)はグアムに出現した。4体目(カメーバIV)は死骸として小笠原諸島の大戸島に打ち上げられたもので、ゴジラの存在を裏付ける最初の物証となる[69]。

脚注

注釈

  1. ↑ 書籍『ゴジラ来襲!!』では、異説として「千トン」とも併記している[18]。
  2. ↑ 資料によっては「セルジオ島近海」と記述している[16][5]。
  3. ↑ 全身原型から制作されたのは、『ゴジラ』(第1作)での初代ゴジラ以来であり、カメーバの次に制作されたのは『ゴジラ』(1984年版)の3代目ゴジラである[22][21]。
  4. ↑ 電飾の高木明法によれば、フロンガスは美術の青木利郎が撮影所近くの自転車店から仕入れてきたという[24]。
  5. ↑ 造型者は不明[22]。この造形物は、2014年時点で現存が確認されている[30]。
  6. ↑ 資料によっては「KAMEBA」と記述している[32]。
  7. ↑ 資料によっては「不明」と記述している[43]。
  8. ↑ 資料によって、「1970年」と記述しているもの[出典 17]と、「1972年」と記述しているもの[35]がある。
  9. ↑ 資料によって、「1987年」と記述しているもの[出典 18]と、「1984年」と記述しているもの[32]がある。
  10. ↑ 前作『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年)でもアンギラスの登場案が存在していた[57]。
  11. ↑ 設定身長は初代と同じだが、そのままではスケール感が出ないため、身長約30メートルほどの縮尺で想定している[60]。

出典

  1. 1 2 怪獣大全集 1991, p. 76, 「東宝モンスター名鑑」
  2. 1 2 “行け!行け!ゴッドマン&グリーンマンBOX 怪獣・怪人図鑑”. 東宝. 2021年5月20日閲覧。
  3. 1 2 3 4 5 ゴジラ大百科 1993, p. 106, 文 秋廣泰生・天野秀明「東宝怪獣大図鑑」
  4. 1 2 3 「人類を脅かした巨大生物大図鑑」『ゴジラ×メカゴジラ超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2003年1月10日、39頁。ISBN 978-4-09-101488-7。
  5. 1 2 3 4 5 オール東宝怪獣大図鑑 2014, pp. 160–161, 「『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』カメーバ」
  6. 1 2 3 GODZILLA60 2014, p. 95, 「怪獣図鑑」
  7. 1 2 3 4 全怪獣大図鑑 2021, p. 277, 「驚異の巨大生物たち」
  8. 1 2
  9. 1 2 3 4 5 キャラクター大全 2014, p. 112, 「怪獣映画の興隆 ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」
  10. 1 2 3 GTOM vol.0 2022, p. 29, 「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣」
  11. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 GTOM vol.39 2024, p. 24, 「大亀怪獣 カメーバ」
  12. 1 2
    • ゴジラ大百科 1993, p. 106, 文 秋廣泰生・天野秀明「東宝怪獣大図鑑」
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    • 東宝特撮映画大全集 2012, p. 142, 「『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』怪獣図鑑/資料館」
    • 超常識 2016, pp. 278–280, 「宇宙生物の脅威から地球を守れ! ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」
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  14. 1 2 3 4 5 6 東宝怪獣グラフィティー 1991, p. 29, 「MONSTER GRAPHIC SPECIAL スクリーンを荒らした怪獣たち」
  15. 1 2 ゴジラ画報 1999, p. 162, 「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」
  16. 1 2 3 4 動画王特別編集ゴジラ大図鑑 2000, p. 115, 「1970年代 ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」
  17. 1 2 3 4 5 東宝特撮全怪獣図鑑 2014, pp. 60–61, 「ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」
  18. 1 2 ゴジラ来襲 1998, p. 209, 「第7章 特選!東宝怪獣名鑑'98」
  19. ↑ 超常識 2016, pp. 278–280, 「宇宙生物の脅威から地球を守れ! ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣」
  20. 1 2 3 4 5 6 7 ゴジラ大鑑 2024, pp. 270–271, 「東宝怪獣映画の世界 ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦! 南海の大怪獣」
  21. 1 2 3 4 5 6 7 8 大解剖図鑑 2023, pp. 160–161, 「カメーバ」
  22. 1 2 3 4 5 6 7 大ゴジラ図鑑2 1995, pp. 120–121, 「カメーバ」
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  25. ↑ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 142, 「『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』怪獣図鑑/資料館」
  26. 1 2 3 東宝チャンピオンまつりパーフェクション 2014, pp. 108–109, 「東宝チャンピオンまつり 造形メイキング チャンピオンまつり怪獣蔵出し造形テクニック」
  27. 1 2 3 東宝特撮映画全史 1983, pp. 352–353, 「東宝特撮映画作品史 決戦!南海の大怪獣」
  28. 1 2 ゴジラ大全集 1994, p. 118, 「東宝怪獣総進撃 カメーバ」
  29. ↑ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 143, 「『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』川北監督に訊く」
  30. ↑ 東宝チャンピオンまつりパーフェクション 2014, p. 171, 「祭りの記憶」
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  32. 1 2 3 4 大辞典 2014, p. 76, 「か カメーバ(初代-2代目)」
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  35. 1 2 3 4 全怪獣大図鑑 2021, p. 278, 「驚異の巨大生物たち」
  36. 1 2
  37. 1 2 3 4 5 ゴジラ大鑑 2024, p. 217, 「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」
  38. 1 2 3 4 5 6
    • 完全解読 2014, p. 135, 「第5章 外宇宙からの侵略獣 オルガ カメーバ」
    • 解体全書 2016, p. 135, 「第5章 外宇宙からの侵略獣 オルガ カメーバ」
    • 超解体全書 2023, p. 135, 「第5章 外宇宙からの侵略獣 オルガ カメーバ」
  39. 1 2 3 4 5 ゴジラ検定 2018, p. 129, 「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS 今回の怪獣対決」
  40. 1 2 超常識 2016, pp. 184–187, 「機龍シリーズ完結編 ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」
  41. 1 2 Walker 2016, p. 79, 「シリーズ全28作+3作ガイド」
  42. 1 2 3 4 5 6 GTOM vol.21 2024, p. 25, 「大亀怪獣カメーバ」
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  60. 1 2 3 4 FCGMMG 2003, pp. 56–57, 「GMMG特撮メイキングドキュメント」
  61. 1 2 若狭新一 2017, pp. 226–227, 「『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』」
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出典(リンク)

参考文献