シリアスゲーム

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シリアスゲーム(英: Serious game)とは、エンターテインメント性のみを目的とせず、教育・医療用途(学習要素、体験、関心度醸成・喚起など)といった社会問題の解決を主目的とするコンピュータゲーム(エレメカも含まれる[1])のジャンルである。前述の用途に専ら用いる意図で開発されたゲームを指し、広義にはシリアスゲームとして利用可能な一般のゲームを含む[2]。シミュレーターとの違いは、ゲームを起源にしている点にある。すなわち、第2目的としてエンターテインメント性が常に存在している。

シリアスゲームの研究者である藤本徹によるシリアスゲームの定義は,2007年の時点では「教育をはじめとする社会の諸領域の問題解決のために利用されるデジタルゲーム」[3]であった.その後日本デジタルゲーム学会等での様々な議論を経て,2024年の時点では「社会的な問題解決のためのゲームの開発・利用」[4]と藤本徹らは定義している.

概説

そのジャンルの特性から、ゲーム内でのゴール(クリア)よりも、ゲーム外でのゴール(能力の習得)の方が最終目的の場合も多く、『えいご漬け』では英語を学習して実生活での能力を高めることが目的である[5]。

シリアスゲームはアメリカが発祥であり[6]、アメリカでは2002年頃より、シリアスゲームの語が使用され始め[6] 、2009年現在、シリアスゲーム専門会社がアメリカでは数百社、日本では1社存在する[1] 。

「オープンサイエンス」「シチズン・サイエンス」という研究手法では、ゲームが注目されている[7][8]。タンパク質構造予測を競う『Foldit』(ワシントン大学)では研究者が10年以上解明できなかった問題を解決した他、遺伝子疾患の究明を行う『Phylo』(マギル大学)や古代エジプト文書を解読する『Ancient Lives』(オックスフォード大学)、宇宙地図を作る『Zooniverse』(Sloan Digital Sky Survey)などゲーム(ゲーマー)を利用した取り組みが行われている[9]。Googleは量子物理学の概念を体験でき、科学者が生まれる場として有力の考えから『Minecraft』上で『qCraft』を提供した[10][11]。IBMは人間のクイズ王に圧勝したワトソンをクラウドコンピューティング上で一般公開することを発表した[12][13]。

軍事教育では状況と作戦行動を図上で再現する兵棋演習が行われている。アメリカ軍ではMarine Doomなどのコンピュータゲームも利用している。

脚注

  1. 1 2 「日曜ナントカ学――「ゲームに夢中」で機能回復」『朝日新聞』2009年1月11日付be on Sunday Wonder in life、s1面。
  2. ↑ 遠藤学 「ボクらは「桃鉄」で日本地理を、「信長の野望」や「三国志」で歴史を学んだ」 ITmedia Games、2005年5月31日。
  3. ↑ 藤本徹『シリアスゲーム: 教育・社会に役立つデジタルゲーム』東京電機大学出版局、2007年2月20日。ISBN 4339013757。
  4. ↑ 藤本徹, 池尻良平, 福山佑樹, 古市昌一, 松隈浩之, 小野憲史『シリアスゲーム (メディアテクノロジーシリーズ 5)』コロナ社、2024年3月4日。ISBN 4339013757。
  5. ↑ 「スクウェア・エニックスがゲーム開発をもとにしたシリアスゲームを発表!」 ファミ通.com、2007年3月6日。
  6. 1 2 “ゲームで社会問題を解決 高い教育効果、進む研究や開発”. MSN産経ニュース. 産経デジタル. 2009年1月15日. 2009年1月24日時点のオリジナルよりアーカイブ.
  7. ↑ “「パズルを解いて量子コンピューター研究に貢献」、NIIがゲームを公開 研究の重要課題をパズル化、ゲームに取り組む人の「知恵」に期待”. 日経BP (2013年5月29日). 2013年5月29日閲覧。
  8. ↑ “量子コンピューター研究の喫緊の課題をゲームに、集合知で回路の最適化へ”. Impress Watch (2013年5月29日). 2013年5月29日閲覧。
  9. ↑ “Access Accepted第335回:科学の進歩に貢献するゲーム”. 4Gamer.net (2012年2月20日). 2013年5月29日閲覧。
  10. ↑ “マインクラフトで量子物理学の概念を体験できるGoogleとNASA製のMOD「qCraft」” (2013年10月21日). 2013年11月19日閲覧。
  11. ↑ “グーグル、Minecraftで「量子ゲーム」を提供開始” (2013年10月22日). 2013年11月19日閲覧。
  12. ↑ “米IBM、「ワトソン」をクラウド経由で提供 に” (2013年11月15日). 2013年11月19日閲覧。
  13. ↑ “人工知能のクイズ王、APIが一般公開。あらゆるデベロッパーから利用可能に” (2013年11月18日). 2013年11月19日閲覧。

関連項目

外部リンク