ソングス・フォー・サムワン
| 「ソングス・フォー・サムワン」 | |||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| U2 の シングル | |||||||||||||
| 初出アルバム『ソングス・オブ・イノセンス』 | |||||||||||||
| リリース | |||||||||||||
| ジャンル | ロック | ||||||||||||
| 時間 | |||||||||||||
| レーベル | アイランド・レコード | ||||||||||||
| 作詞・作曲 | ボノ、ジ・エッジ | ||||||||||||
| 作曲 | U2 | ||||||||||||
| プロデュース | ライアン・テダー、フラッド | ||||||||||||
| チャート最高順位 | |||||||||||||
| フランス93位 | |||||||||||||
| U2 シングル 年表 | |||||||||||||
| |||||||||||||
| |||||||||||||
『ソング・フォー・サムワン』(Song for Someone)は、アイルランドのロックバンド、U2が2014年に発表した13枚目のスタジオ・アルバム『ソングス・オブ・イノセンス』に収録されている楽曲であり、2015年5月11日に同アルバムからの第3弾シングルとしてもリリースされた。
この曲は、ボーカルのボノが自身の妻であるアリ・ヒューソンに捧げたラブソングである。歌詞では、10代で出会ったばかりの頃の初々しいロマンスの記憶や、恋愛に戸惑う若き日の無垢な感情、そして「悲しみを乗り越えた先にある、決して終わることのない愛」への確信が温かく描かれている。
アルバムのデラックス版には、ジ・エッジのピアノとストリングス・アレンジメントをフィーチャーしたアコースティック・バージョンも収録されている。
解説
本曲は、ボノが語る「初めて恋に落ちたときの不器用さや戸惑い」を題材としたラブソングである。ボノはアルバム『ソングス・オブ・イノセンス』について、収録曲の多くが自身やバンドの若い頃の記憶を振り返る作品であると説明しており、本曲については「恋に落ち、初めて性的な関係を持つことのぎこちなさ」を描いた曲だと語っている[1]。
歌詞の内容から、長年の妻であるアリ・ヒューソンとの若い頃の関係を歌ったものと解釈されることが多い。U2Songsは、この曲を「不器用な初恋」を題材にした曲とし、ボノとアリがそれぞれ13歳と12歳の時に出会ったことを紹介している[2]。また、U2.comのインタビューでボノ自身も、アリがマウント・テンプル・コンプリヘンシブ・スクールに転校してきた時期について語っており、アルバム全体が自身の青春期の記憶と深く結びついていることを明かしている[1]。
曲中では、初めての恋愛によって生じる戸惑いや傷つきやすさが描かれる一方、「光」を失わないことへの希望も示されている。終盤では、暗闇や不確かさを示唆する言葉とともに「光」を守ることが繰り返し歌われ、若い恋愛の不安と、それでも関係を信じようとする思いが対照的に描かれている。このような内容は、過去を振り返りながらも、現在へとつながる希望を描いた『ソングス・オブ・イノセンス』全体のテーマとも重なっている[3]。
ボノにとってアリは、長年にわたり楽曲制作において重要な存在であり、本曲もその関係を背景にした作品の一つと考えられている。U2Songsは、後年の楽曲「「13(ゼア・イズ・ア・ライト)」についても、本曲で描かれた10代の恋人を、その後の世代である自分たちの子供たちへと置き換える発想から生まれたと指摘している[4]。
収録曲
| 全作詞・作曲: U2(音楽)、ボノ、ジ・エッジ(歌詞)。 | ||
| # | タイトル | 時間 |
|---|---|---|
| 1. | 「ソング・フォー・サムワン (ラジオ・ミックス)」(Song for Someone (Radio Mix)) | |
| 2. | 「ソング・フォー・サムワン (ライブ・フロム・サンノゼ)」(Song for Someone (Live from San Jose, CA, May 18, 2015)) | |
ミュージック・ビデオ
Haycock Short Film(ショートフィルム版)
- 監督: ヴィンセント・ヘイコック
- 出演: ウディ・ハレルソン、ゾーイ・ハレルソン
- 撮影地: ロサンゼルス(アメリカ・カリフォルニア州)
- 撮影時期: 2015年4月24日〜25日
- 公開: 2015年7月
- 映像時間: 8分57秒
- 内容: 約9分に及ぶ短編映画仕立てのビデオで、U2のメンバーは出演していない。主演を務めるのは俳優のウディ・ハレルソンと、彼の実の娘であるゾーイ・ハレルソン。長年の服役を終えて刑務所から釈放される男(アーロン・ブラウン)と、外で彼を待つ娘の複雑な感情の機微を静かに描いている。楽曲自体は映像の中盤(約2分〜5分半)で流れ、それ以外の部分は映画のダイアログと環境音で構成されている。サンダンスTVのドラマ『Rectify』のシーズン3のプレミア放送と合わせて初公開された[5]。
Matt Mahurin Video
- 監督: マット・マヒューリン
- 撮影地: マリブ(アメリカ・カリフォルニア州)
- 撮影時期: 2015年初頭
- 公開: 2015年8月
- 映像時間: 3分59秒
- 内容: かつてU2の「ウィズ・オア・ウィズアウト・ユー」や「恋は盲目」のビデオを手掛けた映像作家マット・マヒューリンによる、全編モノクロームのビデオ。メンバーからはボノのみが出演しており、彼が歌う姿の背後には流れる雲や木々のシルエット、そして荒野に倒れる人物の姿などが合成されている。倒れた人物が夜空から星を取り出して自身の胸の中に抱き込み、希望の光としていくような象徴的で幻想的な映像作品となっている。最初はFacebook上で24時間限定の独占ストリーミングとして公開された[6]。
Virtual Reality Version
- 監督: クリス・ミルク
- 撮影地: エア・カナダ・センター(カナダ・トロント)および世界各地
- 撮影時期: 2015年7月6日(U2の映像)
- 公開: 2015年10月
- 映像時間: 3分54秒
- 内容: VR(バーチャル・リアリティ)技術を用いた360度体験型のビデオ。視聴者はスマートフォンの向きを変えたり、画面をドラッグしたりすることで、視界を全方位に動かすことができる。最初はU2の「e-Stage」(トロント公演の会場)でメンバーに囲まれて演奏を聴いているかのような視点から始まるが、徐々に映像と音声が切り替わり、事前にオンラインで募集されたアメリカ、フランス、インド、タイ、イスラエルなど世界各地のファンや合唱団が、この曲を演奏し歌う姿へと繋がっていく。音楽で世界中の人々が繋がる様子をバーチャル空間で表現した画期的なプロジェクトである[7]。
脚注
出典
- 1 2 “'This Is About Songs.'”. U2.com (2014年9月23日). 2026年8月26日閲覧。
- ↑ “U2's 'Songs of Innocence': A Track-by-Track Guide”. U2Songs. 2026年8月26日閲覧。
- ↑ “'Where We Are Now'”. U2.com (2014年11月4日). 2026年8月26日閲覧。
- ↑ “Songs for Someone: Bono and Ali 40 Years”. U2Songs. 2026年8月26日閲覧。
- ↑ u2songs | Song for Someone (Haycock Short Film) - U2
- ↑ u2songs | Song for Someone (Matt Mahurin Video) - U2
- ↑ u2songs | Song for Someone (Virtual Reality Video by Chris Milk) - U2
参考文献
- U2 著、前むつみ,久保田祐子 訳『U2 BY U2』シンコーミュージックエンタテイメント、2006年。ISBN 978-4401630417。
- Bono (2025). Bono: Stories of Surrender. Penguin (Cornerstone). ISBN 978-1529160598