タコ漁

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台湾・新北市の野柳漁港で漁獲されたタコ(2010年)
チュニジアのサヤダ(英語版)漁港におけるタコ漁の様子(2018年)

タコ漁(タコりょう)では、頭足類のタコを対象とする漁業について解説する。

タコ漁には何千年もの歴史があり、2014年現在の漁獲量は世界全体で300,000 t(トン)以上に及んでいる[1]。漁法も様々で、壺、網、ルアーやヤスといった道具を用いるほか、素手で獲られることもある[1]。

日本の漁業

タコは定着性の水産動物で水産資源として有用なものとして、第1種共同漁業権の対象魚種となっている[2]。2018年(平成30年)では、日本の海面漁業でタコは36,100 t が漁獲されている[3]。半数は蛸壺や蛸箱による罠漁、1/3は曳網漁、残りは空釣りや定置網漁などにより漁獲されている[4]。

水産庁により「たこ類」として統計されており、漁港別の漁獲量は次の通りである[注釈 1]。

日本の上場水揚げ量上位漁港とその漁獲量
順位 2003年[6] 2013年[7] 2023年[8]
漁港(自治体) 漁獲量 [t] 漁港(自治体) 漁獲量 [t] 漁港(自治体) 漁獲量 [t]
1位 相馬原釜(福島県相馬市) 2,082 根室(北海道根室市) 974 羽幌(北海道羽幌町) 1,556
2位 石巻(宮城県石巻市) 1,442 羽幌(北海道羽幌町) 899 根室(北海道根室市) 1,079
3位 枝幸(北海道枝幸町) 1,099 宮古(岩手県宮古市) 616 石巻(宮城県石巻市) 767
4位 増毛(北海道増毛町) 967 増毛(北海道増毛町) 527 枝幸(北海道枝幸町) 661
5位 宮古(岩手県宮古市) 837 釜石(岩手県釜石市) 473 宮古(岩手県宮古市) 465
6位 浦河(北海道浦河町) 813 枝幸(北海道枝幸町) 454 歯舞(北海道根室市) 461
7位 小名浜(福島県いわき市) 758 浦河(北海道浦河町) 451 増毛(北海道増毛町) 424
8位 小樽(北海道小樽市) 750 小樽(北海道小樽市) 413 相馬原釜(福島県相馬市) 376
9位 八戸(青森県八戸市) 733 石巻(宮城県石巻市) 395 白糠(北海道白糠町) 366
10位 稚内(北海道稚内市) 701 歯舞(北海道根室市) 333 網走(北海道網走市) 354
総計 24,357 13,886 12,016

北海道の漁業

日本のタコ漁獲量は北海道が突出し[3]、例年12,000–25,000 tのタコが漁獲されている[9]。2023年の漁獲量は7,526 t であった[8]。この値には世界最大級のタコであるミズダコ Enteroctopus dofleini やヤナギダコ 'Octopus' conispadiceus の水揚げが反映されている[3][4][10]。

北海道でのタコ漁業の歴史は古く、明治中期には渡島総合振興局や檜山、後志などで副業としてヤス突き、鉤、銛や延縄によるタコ漁が行われていた[11]。1906年に浦河町の漁業者によって空釣り延縄によるタコ漁が始められ[12]、大正時代には空釣り縄が普及した[11]。道南では明治末期では甕が用いられていたが、それに代わって蛸箱が使われる等になり、昭和以降網走や日高沿岸などの各地に広まった[11]。

ミズダコの漁獲量は津軽海峡を含む日本海側に多く、宗谷・留萌管内で約半分を占める[13]。市町村では羽幌町(天売焼尻漁港[14][15])、稚内市、増毛町(別苅・雄冬漁港)、礼文町、函館市(旧戸井町)などで良く獲れる[13]。太平洋側の根室市では、落石漁港でよく漁獲されるほか[16]、歯舞漁港では「金たこ」としてブランド化が試みられている[17]。

一方ヤナギダコは太平洋側で漁獲量が多く[18]、日高・十勝・釧路管内で空釣り延縄によって漁獲される[12]。白糠町では1965年から人工産卵礁の設置を進め、各地に広がった[19]。

瀬戸内の漁業

蛸壺の並ぶ夕方の漁港
(明石市、二見港)
明石淡路フェリーの「あさしお丸」
明石港、2008年5月撮影。

瀬戸内海区では、1990年(平成2年)では漁獲量23,925 t と北海道に次いで多かったが[20]、2023年現在の漁獲量はわずか47 t であった[8]。

瀬戸内海では主にマダコやイイダコが獲られ[20]、古くから蛸壺漁が行われてきた[21]。

瀬戸内海は潮流が速く岩礁帯が分布することで、有明湾、房総半島、能登半島など同様の特徴を持つ海域と同じく、網の使用や潜水に適さないため、釣りによる漁獲も盛んである[22]。岡山県倉敷市下津井地区では漁家の7割が一本釣りを行うと言われる[22]。広島県尾道市の因島でも古くからタコの一本釣りが行われている[22]。

また、漁獲高では北海道に次いで兵庫県が第2位であり、明石市で獲れるマダコはブランド「明石ダコ」として知られる[23][24][25]。明石市では「明石・タコ検定」が行われ、明石駅付近の商店街「魚の棚(うおんたな)」では「タコが立って歩いている」の謳い文句で知られる[24]。また明石ダコに因み、明石淡路フェリーが「たこフェリー」という愛称で運行されていた[24][26]。なお、明石のタコは三八大冷害により多くが死滅してしまったため、天草から雌4000匹を買って放流したものが増えたという経緯がある[27]。これ以降明石ダコの形態(腕の比率)や生態(産卵期)が変化したと言われる[28]。

広島県の三原市漁業協同組合では、地元の伝統行事「三原やっさ祭り」に因んで「三原やっさタコ」と名付け、ブランド化している[29][30][注釈 2]。

太平洋の漁業

青森県から茨城県までの太平洋北区は、2023年では北海道に次ぐ漁獲量を持つ[8]。1990年(平成2年)でも北海道、瀬戸内海区に次ぐ漁獲量を誇り、3海区合わせて日本全体の85%を占めていた[20]。福島県のいわき市や相馬市で獲られる魚介類は「常磐もの」と呼ばれ[31][32]、特にミズダコとヤナギダコが重要な魚種として漁獲される[33]。久之浜漁港(いわき市)や松川浦漁港(相馬市)でよく水揚げされる[32][34]。宮城県南三陸町志津川湾に産するタコも名産であり[35]、「西の明石、東の志津川」と呼ばれる[36]。

千葉県から三重県までの太平洋沿岸である太平洋中区は、2023年のタコ漁獲量はわずか192 t で、他地域に及ばないものの[8]、岩礁に富んだ潮流の激しい湾はマダコの良い生息地となっていた[20]。神奈川県横須賀市の佐島は古くより「西の明石、東の佐島」と呼ばれ、上質なタコで知られた[37]。伊良湖水道で獲られた三重県鳥羽市にある神島のマダコはブランド「潮騒タコ」として知られる[38][39]。愛知県知多郡南知多町の日間賀島はかつてはタコ漁が盛んで[40]、「タコの島」と呼ばれる[41][42]。

資源管理

日本近海では1960年から1980年代にかけてタコの漁獲量がピーク時の半分にまで激減し、これを改善するため国を挙げて長期プロジェクトが行われた[43]。産卵海域の環境を改善し、個体数を増やすため、瀬戸内海を中心に増殖事業が行われ、毎年12,000–17,000個の産卵用の蛸壺や岩が沈められている[43][25][44]。兵庫県では漁業者に対し、100 g 以下のタコの禁漁や共同漁業権区域内の禁漁を定めた兵庫県漁業調整規制が敷かれている[45][25]。明石商工会議所では一般遊漁者に対しても釣り具の数や形状の規制のタコ釣りルールの周知や、釣り過ぎたタコの放流によるタコマイレージ制度などの導入が行われている[25]。福岡県、長崎県、熊本県、大分県でも100 g 以下のタコの禁漁を行っている[45]。

ミズダコはやや増加傾向にある[44]。資源管理策としては成長乱獲を防ぐために3歳以上の個体を漁獲することが好ましい[44]。北海道のミズダコ漁では、各地で 2 kg 以下のものは海にリリースするように取り決められている[46]。青森県でも自主規制として 3 kg 未満の個体は水揚げせず、放流している[44]。

歴史的な漁業文化

日本でタコを捕らえた漁師(1915年)

山形県や新潟県では、タコが住む巣穴である蛸穴の一つ一つに権利の占有があった[47][48]。山形県の飛島では蛸穴が1種の私有財産として認められており、売買や相続が行われるほか、その占有権を持って嫁ぐこともあったとされる[47][48]。新潟県の粟島では、村共同で使う「むら穴」や仲間だけで共有する「なかま穴」、個人がこっそり獲りに行く「銭箱」などがあった[48]。

また、琉球列島の珊瑚礁にある蛸穴はそれぞれの人が秘密にして所有してきた[49]。皆が漁に出る大潮の際はわざと別の穴を突くこともあり[49]、自分の子にも死ぬ間際まで教えないと言われる[48]。

愛媛県今治市の大三島では、タコ漁専用の生簀を備えた船を「章魚船(たこぶね)」と呼んだ[50]。章魚船の帆柱にはペンドロと呼ばれる錘が付けられており、揺すって舟を揺らすことで生簀のタコ同士を喧嘩させないようにする[50]。

世界各地の漁業

アジアの漁業

東アジアでは、2010年に中国が125,776 t、韓国が20,759 t のタコを漁獲している[51]。台湾では未記載種「澎湖章魚」のほか、マダコ、イイダコ、Cistopus taiwanicus、Amphioctopus neglectus「忽蛸」、スナダコ Amphioctopus kagoshimensis、スナダコ近縁種 Amphioctopus aegina「白線章魚」などが漁獲される[52]。Amphioctopus exannulatus なども混獲される[52]。

東南アジアでは主にワモンダコ 'Octopus' cyanea が漁獲される[53][52]。タイでは Amphioctopus neglectus、Amphioctopus rex、Amphioctopus siamensis、Amphioctopus aegina、サメハダテナガダコ Callistoctopus luteus が主要な底曳網漁によって漁獲される[52]。フィリピンでもワモンダコ、サメハダテナガダコやインドダコ Cistopus indicus が漁獲されるほか、市場で Callistoctopus nocturnus が売られていた記録がある[52]。熱帯インド洋地域ではシマダコ Callistoctopus ornatus が漁獲される[52]。

インドネシアの水産業は中国に次ぐ世界第2位漁獲量を持つ大規模なものである[53]。また、タコの漁獲量は2017年の小規模タコ漁獲量は17,900 t であり、メキシコに次ぐ第2位である[53]。そのうち食料として消費される量は4,970 t、輸出量は13,200 tである[53]。インドネシアにおいてタコの販売と輸出は経済的に重要であり、2017年12月の平均所得は漁師1人当たり150,000 IDR/日 であり、平均純賃金96,000 IDR/日 を上回る[53]。2010年の漁獲量はインドネシアが10,860 t、タイが10,315 t、フィリピンが5,506 t、そしてマレーシアが1,936 t であった[51]。

ヨーロッパの漁業

ポルトガルで用いられる蛸壺。

ポルトガルのアルガルヴェ、スペインのアンダルシアやガリシア、イタリアのサルデーニャ、ギリシャのトラキア海(トラキア付近のエーゲ海)で、小規模な沿岸漁業によりチチュウカイマダコが盛んに漁獲される[54]。多くの地域では蛸壺を用いるが[55]、イタリアでは筌を用いる地域もある[56]。

ヨーロッパ諸国では、自国の漁業水域には比較的厳しい規制をかけており、450 g 未満のタコの捕獲は禁止されている[57]。国によってはさらに厳しい制限が設けられている場合もある[58]。スペインのガリシア州では、蛸籠漁で捕獲できるタコが 750 g から 1 kg に引き上げられ、更に厳格なローカルルールが定められている[58]。これにより多くの雌が生き延び、新たな世代の生産を可能にしている[58]。

ガリシアでは大規模なタコ漁が行われるが、その漁獲高の大半は小さな漁村の漁船により獲られたものである[59]。中でもビーゴと呼ばれる町はリアス海岸の入江にあり、深層海水が湧昇流によって沿岸に流れ、豊かな漁場が形成されている[59]。この地域では、生き餌を入れた蛸籠による漁が行われている[60]。

イタリアのプッリャ州で行われる零細漁業では、素潜りやヤスによるタコ漁を行っている[61]。地中海沿岸の漁師は、蛸穴の入口で葉の付いたオリーブの枝をゆすり、おびき出して捕獲する[62]。また岩に吸い付いたタコはオグルマ属の一種やムカシヨモギ属(英語版)の一種(いずれもキク科)を用いて剥がされる[62]。

北西アフリカの漁業

世界全体のチチュウカイマダコ Octopus vulgaris の漁獲量の推移。
モーリタニアでタコ漁を終えた舟と漁師。

北西アフリカでは長年魚を中心とした漁業が行われていたが、1960年代以降標的を転換し、頭足類の商業的な漁業が盛んとなっている[63][64]。1989年には116,564 t のタコが漁獲され[65]、当時世界最大のタコ漁場となっていた[64]。2017年現在でも、27,075 t のタコが商業的に漁獲されている[53]。モロッコ、モーリタニア、セネガルなどがチチュウカイマダコ Octopus vulgaris の供給元となっている[63]。Amphioctopus burryi も小規模に混獲されている[52]。現地の漁業関係者の間でタコは「プルプル」と呼ばれている[66]。

北西アフリカにおけるタコ漁の開発は日本人漁業者によって行われ、トロール漁船により漁獲されていた[64]。1952年にマッカーサー・ラインが撤廃され、日本漁船が海外に進出するようになった[67]。1959年には、スペイン人から「鯛の海岸」と呼ばれていた北西アフリカ漁場を日本人が発見した[67]。当時はタイを狙っていたが、「もんごういか」と呼ばれるヨーロッパコウイカも高値で取引されるようになり、1965年にはタコが最も重要な水産物となった[67]。のちにスペインの漁船や日本の商社によってバックアップされた韓国漁船による漁獲が行われるようになった[67]。しかし1977年の200海里水域制限により締め出されたものの、モーリタニアとの協定により操業を続けていたが、1982年には完全に日本漁船が撤退し、その後は沿岸国が漁獲したタコを輸入するようになった[67][68]。

モロッコでは、1960年代に他の魚が乱獲や海洋環境の変化により獲れなくなり、タコ漁が盛んとなった[63]。モロッコのタコは1970年代ごろから日本に輸出されるようになった[69]。乱獲により1980年代から漁獲量が激減し、規制や外国漁船の締め出しが行われるようになった[63]。一時的に回復したものの、20世紀末に再び年間5万 t を超える水揚げが行われ、国際連合食糧農業機関 (FAO) により乱獲地域に指定された[63]。それ以降規制が厳しくなり、漁獲割当量が年間2.5万 t に制限されたほか、禁漁区域の指定や450 g 以下の稚ダコの捕獲禁止などが定められた[63]。近年ではやや回復傾向にあるとされる[63]。2017年では9,884 t のタコが漁獲されている[53]。

モーリタニアでは水産物を食べる文化はほとんどなかったが[69][64]、モロッコのタコ資源の激減以降、タコの漁獲量を増やし始めた[63]。国際協力機構 (JICA) によって派遣された中村正明により蛸壺漁が伝えられ[69]、それが普及している[70]。今ではタコ漁に使われる蛸壺はモーリタニア国内で生産されており、ピローグと呼ばれるカヌーで漁が行われる[69]。2017年では、11,679 t のタコが漁獲されている[53]。最盛期には年間約2–3万 t が日本へ輸出されていたが[69]、2000年代半ばに日本向けの輸出が25%減少し[57]、2024年現在ではその6割程度となっている[69]。2012年現在、モーリタニア産のタコの約6割が日本に輸出され、日本へ輸入されているタコの約4割がモーリタニア産である[70]。モーリタニアでも監督当局の取り締まりが甘いこともあり、乱獲されている[57]。ヨーロッパの漁船ではトロール漁が行われ、基準未満のタコの捕獲や、漁獲量の詐称が行われているとされる[57]。しかしモーリタニアは2006年に補償金86,000,000ユーロで欧州連合と漁業協定を結び、ヨーロッパ船籍の漁船の操業を認めている[57]。モントレー湾水族館(英語版)が行っているシーフードウォッチでは、モーリタニアの状況は危機的であるとされ、モーリタニア産のタコは食べないことを推奨している[57]。

2国のタコ漁獲量の減少により、セネガルでもタコ漁が行われるようになっている[57]。ただし、サイズ制限や休漁期間の設定など既に資源管理が行われている[57]。

東アフリカの漁業

タンザニアザンジバル諸島[注釈 3]で作られる干しダコ

東アフリカの海岸地域の集落、特にタンザニア沿岸(ザンジバル)では、タコの零細漁業が経済的に、また生計的に重要となっている[71]。スワヒリ語ではタコは pweza と呼ばれる[71][72]。漁獲されるのは主にワモンダコ 'Octopus' cyanea で、潮間帯や潮下帯からシュノーケリングなどで巣穴に隠れているタコに銛を掴ませ、引き抜いて採集される[71]。伝統的には、女性と子供を中心とした漁が行われていたが、近年では、需要が高まり、男性もタコ漁に参加するようになっている[71]。

オセアニアの漁業

オセアニア地域では、タコは自給的に獲られ消費されている[64]。

メラネシアのニューカレドニア、ロイヤルティ諸島、ミクロネシアのマーシャル諸島、マリアナ諸島、ポリネシアのトンガやサモアなどでは、ネズミ形の漁具「マカフェケ(蛸石)」を用いて、タコを獲る漁法が行われている[73][74][75][76]。これは、タコがネズミに恨みがあるという伝承に由来する[73][74][75][76]。マカフェケは貝殻や石を円錐形に磨き、タカラガイの貝殻に付けてその上にヤシの葉柄を使ってネズミを模して作られる[74][76]。マカフェケを水中で上下に揺らすとタコが飛びかかる[74][76]。主に女性がマカフェケによるタコ漁を行い、5月頃が盛んである[74]。

ハワイでは、「ヘエ (He`e)」(タコの意)や"イカ"と呼ばれ、主にワモンダコなどが漁獲される[77]。ただし漁業としては小規模で、ヤスやジグにより捕獲され、2000年の漁獲量は11.7 t(トン)程度である[77]。ハワイ諸島でも円錐形の石に大型のタカラガイの貝殻片を取りつけ、植物繊維で尻尾を取り付けたネズミ型の疑似餌を用いた釣りが行われている[74]。

ミクロネシア連邦では、タコが年間5 t 漁獲されている[78]。ギルバート諸島では、2人組でタコ漁を行い、1人が囮としてタコに体を纏わりつかせ、もう一人がタコの脳を噛み潰して絞める[73]。

オーストラリアやニュージーランドでは、マオリタコ Macroctopus maorum やシドニーダコ Octopus tetricus が混獲されたり、一部は食用のために漁獲される[52]。オーストラリアではほかに、'Octopus' berrima や 'Octopus' pallidus が小規模な蛸壺漁で獲られる[52]。スター・オクトパス Octopus djinda はロブスター漁で混獲され、'Octopus' australis や Amphioctopus siamensis、Amphioctopus exannulatus は底曳網で混獲、Callistoctopus graptus はルアーで釣られたり、底曳網で混獲される[52]。

アメリカの漁業

アメリカ大陸で食用とされるブラジル・リーフ・オクトパス Octopus insularis。傘膜を拡げている。

北アメリカではタコ漁の伝統は古いわけではないが、比較的大きな漁場がいくつかある[43]。南北アメリカ、特にブラジルでは、主にマダコ属のブラジル・リーフ・オクトパス Octopus insularis と O. americanus が漁獲される[53][79][注釈 4][52]。アメリカ合衆国では南東部の沿岸にはマダコ属の1種 Octopus americanus、太平洋岸の北西部にはミズダコが分布しているが、漁業としてはあまり整備されていない[77]。

カナダの先住民はカヌーに乗って槍を用いた漁を行う[62]。

メキシコは2017年のタコ漁獲量が42,400 t で、熱帯地域の中で最大である[53][注釈 5]。輸出量も6,700 t と高い値を示す[53]。カリフォルニア湾を含むメキシコ西海岸では、マダコ属の Octopus hubbsorum および Octopus bimaculatus が零細漁業により一般的に漁獲される[52][43]。2–3人の漁師がパンガと呼ばれる小舟で出航し、1人が舟に残り、もう1人が長いホースで圧縮空気を送り込む潜水で、素手によりタコを捕獲する[43]。ハリスコ州北部、ナヤリット州、シナロア州、ソノラ州などの浅瀬ではダイバーがギャフ(魚鉤)でひっかけてタコを捕獲する[43]。バハ・カリフォルニア・スル州では、水深 20–50 m の岩場に5–50個の罠を仕掛ける漁が行われる[43]。カニを付けた30本の引き縄を小舟で曳き、タコが上ってきた際に網で掬って獲る漁法も行われる[81]。

大西洋側のカリブ海やメキシコ湾では蛸壺による漁が行われている[81]。メキシコ湾のユカタン半島沖合ではマヤダコ Octopus maya が疑似餌による延縄漁で主要な魚種として獲られ[52]、1970年頃には10,000 t を超える漁獲量があった[82]。

漁法

蛸壺漁法

イイダコ漁に用いられる貝殻を利用した「蛸壺」。
北海道稚内市宗谷漁港で積まれる木製の蛸箱。

現代ではヨーロッパの西海岸から東アジアにかけて、広く蛸壺(たこ壺、タコつぼ)を用いたタコ漁が行われている[55]。これには4000年以上の歴史があり、古代エジプトでも海中に沈めた素焼きの壺を用いてタコを漁獲していたことが知られている[55]。古くは陶器であり、プラスチック製の蛸壺に置き換わったが、さらに近年では軽くて扱いやすい籠罠(蛸籠)に移行しつつある[21]。

日本で漁獲されるタコの半分は蛸壺または蛸箱などトラップによる漁法で漁獲されたものである[4]。狭い岩の隙間に潜り込む習性を利用した蛸壺漁業や蛸箱漁業は、タコ漁業独特のものである。蛸壺の内部が汚れていると入らないため、内部の付着生物や餌の残滓を清掃して用いる[83][21][84]。同様に、潮流が激しく石の表面が掃除されるような環境を好むため、北海道では「あぶら石のあるところには蛸がいる」といわれる[85]。蛸壺漁は 1500 m 程度の延縄に、約150個の壺を吊るして行われる[4]。そのうち1割程度に入っていれば大漁であるとされる[4]。マダコ漁に用いる蛸壺は伝統的には素焼きの壺であったが、戦後からかまぼこ型のセメント製蓋付きトラップや、硬質ビニル製トラップも用いられるようになった[4][21]。蛸壺には地域性があり、瀬戸内海東部では素焼きのものであるが、周防灘では釉薬をかけたものが用いられる[21]。

イイダコ Amphioctopus fangsiao のような小型のタコには、小型の蛸壺のような人工物だけでなく、アカニシなどの腹足類や大型二枚貝の貝殻も利用される[4][21][86]。インドやマレー半島でも巻貝の貝殻を用いたタコ漁が行われ[81]、特に南インドではクモガイの貝殻を用いることが知られている[56]。

ミズダコのような大型のタコには蛸箱(タコ箱)が用いられる[4][87]。蛸箱は縦 45 cm、横 33 cm、高さ 19 cm の箱に、16×12 cm の楕円か一辺 19 cm の正方形の穴が開いた構造をしており、餌などは用いられない[87]。木製だけでなくポリエチレン製の蛸箱もある[46]。ミズダコはそのほか、樽流しや蛸籠(たこ篭)などでも漁獲される[87]。

海外では、筌を用いる地域もある[56]。イタリアでは蛸壺だけでなく、長方形の筌も用いられる[56]。北アフリカのチュニジアでは、ナツメヤシの枝で編んだ釣鐘型の筌が用いられている[56]。

曳網漁

近代的なタコ漁では、底曳網によるタコ漁も行われる[88]。しかし、目的外の生物の混獲や、珊瑚や海藻などの損傷など、底生生物の生息環境を攪乱してしまうため、不買運動や規制が行われている[89]。また、幼いタコも捕獲してしまい、リリースされたとしてもダメージを受け死んでしまうことが多い[58]。

日本で漁獲されるタコの1/3は曳網漁で獲られたものである[4]。これには沿岸の小型底曳網、沖合底曳網、船曳網などが含まれる[4]。福島県では、ミズダコ Enteroctopus dofleini やヤナギダコ 'Octopus' conispadiceus はほとんどが底曳網により漁獲されている[33]。

釣り

テンヤで釣られるイイダコ。明石市にて。

古くから釣りによるタコ漁(蛸釣[90])も行われている。古代ギリシアでは生き餌を用いた釣りが行われており、簗による漁とともにアリストテレスによる記録がある[88]。

日本本土において釣りで捕獲されるタコは、マダコ・イイダコ・ミズダコの3種が主である[91]。日本では伝統的に蛸賺し(たこすかし)と呼ばれる漁法が行われ、竿の先に餌や疑似餌をつけて誘い寄せてタコを獲った[92][90]。蛸賺しは蛸おらぎや蛸さぶき、蛸ねりなどとも呼ばれる[92][90]。伊予国長浜(現在の愛媛県大洲市)では、6寸程度の板に甲羅を剥がしたカニと釣り針を付けた「スイチョウ」と呼ばれる道具を用いてタコを釣った[50]。

イイダコは釣りで漁獲され、イイダコテンヤと呼ばれるおもりのついた針を用いる方法が一般的である[93][94][95]。イイダコは好物の二枚貝と似た白色のものを好む傾向があるとされ、テンヤにはラッキョウや白いラッキョウ形の陶器を用いるのが主流である[93][96][94]。前者は特に関東地方、後者は関西から中国地方にかけてで一般的である[93]。ネギの白い部分、豚の脂身などが用いられることもある[93][94]。香川県ではテンヤが底曳網に絡まり、漁業に支障を来す被害が続いているほか、漁獲量の激減により、釣り客への呼びかけが行われている[95]。

マダコは、夏から冬にかけて釣られ、釣り船で狙われるほか、防波堤や磯場でも釣られる[97]。従来より、イイダコと同様にテンヤ仕掛けによる釣りが一般的である[97]。カニ(イシガニなど)や豚の脂身、魚の切り身などを専用のタコテンヤに縛り釣られる[97]。また、2010年代頃からイカ釣り用のエギ(餌木)を改良したものが開発され、エギング仕掛けが新たなルアーフィッシングとして確立しつつある[97]。イカ釣り用のエギのカンナ部がテンヤのカンナになったタコ専用エギが用いられる[97]。イカのエギングとは異なり、海底から浮かないように引きずって使われる[98]。防波堤などからの釣りにはタコジグ仕掛けが用いられることもある[98]。

沖縄ではワモンダコが「島だこ」と呼ばれて親しまれ、釣りなどで漁獲される[99][注釈 6]。対し、同音の標準和名を持つシマダコ Callistoctopus ornatus は「しがや」や「しーがい」と呼ばれ、こちらも釣りで捕獲される[101]。平安座島ではウデナガカクレダコが「ンヌジグワァ」と呼ばれ[102]、釣り糸にイモガイを等間隔に括りつけた「ンヌジベント」と呼ばれる仕掛けを用い、手繰り寄せておびき寄せた後に掴んで捕らえられる[103]。

ハワイ近海では疑似餌を用いたタコ漁が行われる[88][74]。古くはタカラガイの貝殻をルアーとして用いており、現代ではカニを模したルアーを用いる[88]。長い釣り糸に疑似餌を取りつけて海底近くを這わせ、返しのない針数本で引き揚げる[88]。

流し釣り

餌をつけない針金で引っ掛ける空釣り(からづり)漁法も行われる[4]。北海道の太平洋沿岸(主に道東)では、冬から春にかけて、ヤナギダコが空釣り縄で漁獲される[104][105]。これは餌の付いていない針を海底に這わせ、移動するタコを引っ掛けることにより漁獲する漁法である[104]。空釣り縄では、ヤメと呼ばれる針と枝縄のセットが笊に100本分ずつ仕掛けられ、縄を繋いで投縄される[105]。1放しの縄(約1,800 m)には笊50鉢分の仕掛けが取り付けられ、両端にはボンデンと呼ばれる浮標が立てられる[105]。

いさりびきでは、「イサリ」と呼ばれる鉤が付いた漁具に餌を付けてタコのいる海底を曳き、釣り上げる[106][107][108]。北海道古平町では、明治45年(1912年)に自家用としていさりびきの記録が残っている[107]。ニシン漁の終わるころから出漁し、それぞれの漁期のつなぎ漁として漁獲されていた[107]。盛漁期は5–6月[107]。手釣りのいさりびきは明治時代から行われていたが、1958年に茨城県の漁法を改良した樽流しが北海道のタコ漁に導入された[106]。樽流しは宗谷北部や道南日本海の主要な漁法となっている[106]。海底を引きずる長さの釣り糸の先に樽といさりを1個ずつ付け、小型船から20個ほど流す[106]。

また、北海道でアブラツノザメやシャコなどを餌とした延縄漁が空釣りに並び盛んに行われていたが、1955年以降にはほとんど行われなくなった[46]。

銛

ケニアでタコを棒で捕えている様子。

銛やヤス(簎)、鉤による漁も行われる[81]。これが最も古い漁法であるとされ、熱帯地域で行われる[81]。例えば、モーリシャスなどでは銛や徒手によりタコを捕獲する[88]。珊瑚礁が分布する琉球列島でも、その隙間に隠れるタコを狙った銛による漁が行われる[49][100]。日本ではほかに、山陰の但馬海岸や若狭湾、新潟県の佐渡島や粟島、山形県の飛島、北海道の留萌・天塩の海岸でタコの突き漁が行われる[48]。

タコを捕らえるのに用いる鉤は蛸鉤(たこかぎ)と呼ばれ、長い竿の先に鉤を取り付けて用いられる[47][90]。佐渡では「タカカギ」と呼ばれ、長さ約9 m、先端が10本程度に分かれている道具を用いた[48]。飛島では蛸穴の中のタコにはマガリヤス(曲がり簎)、出ているタコには直線状のノヤスを用いた[48]。八重山諸島では、イグン(イングン)と呼ばれる、僅かに曲線を描いた棒状の1本歯を持つ銛を用いて蛸穴のタコを突く[49]。琉球列島の他の地域ではウギンやウジムと呼ばれ、16世紀の文献『おもろそうし』にも「いぎょも」と呼ばれる漁具が登場する[49]。

但馬海岸(兵庫県)や赤間関(現山口県下関市)では、夜に舟で篝火や松明を焚き、集まったタコを捕獲したと伝わる[48][50]。但馬海岸ではヤスで突き[48]、赤間関では徒手や打ち鉤によりタコを捕らえた[50]。

その他のタコ漁

定置網漁も行われる[4]。

長崎県五島市の福江島では、干潮の時に、岩礁に生息するマメダコ 'Octopus' parvus に塩を吹きかけて捕らえるマメダコ捕りが行われる[109]。かつては家庭の竈から出た灰を吹きかけて捕まえられ、「灰吹きダコ」や「ヒャーダコ」などの方言名で知られる[109]。

タコを穴から引きずり出す方法は各地で様々なものが用いられ、日本やオセアニアでは天敵であるウツボの死骸を投げ入れたり、ナマコの毒や石灰などを用いた[110]。地中海ではキク科植物を用いた[62]。アリストテレスの『動物誌』にも言及があり、ギリシャの漁師は現在でもムカシヨモギ属を用いてタコを捕らえるとされる[62]。タバコでも同様にタコが岩から離れるとされる[62]。また、バミューダ諸島では蛸穴にパン粉と大量の塩を混ぜた団子を差し込み、タコを穴から出して捕らえる[62]。

養殖

漁獲圧が高まってタコが減少し、タコ養殖(英語版)への関心が高まった[111]。日本、オーストラリア、スペイン、メキシコ、イタリア、中国など、世界中で養殖の研究が行われているが、商業用の養殖には長年にわたって成功していなかった[112][111]。稚ダコの成長には生き餌が必要であり、養殖には場所も人手もかかるためである[113][114]。また、稚ダコはヤムシやカイアシ類など小型の動物プランクトンに襲われ、傷ついて死滅してしまうこともある[115]。

養殖にかかわる一つ目の課題は孵化後の餌の供給であり、これは日本で1960年代に解決された[116][117]。マダコの稚仔に甲殻類の幼生を餌として与えると、浮遊期の幼生を着底まで育てることができる[116][117][118]。しかし、甲殻類の幼生の親を野外で捕獲して利用する天然頼みのもので、多くの餌生物を必要とし、完全養殖には至らなかった[116][117][118]。

また、稚ダコの安定した飼育法はタコの養殖のボトルネックの一つであり、活発に研究されてきた[119]。1960年代以降の研究では人工的に孵化させたアルテミアでも飼育できるようになった[116]。アルテミア単体では必要な栄養素が不足するため、ドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸をアルテミア幼生に与えてからそれを食べさせることで、大量培養可能な飼料での育成が可能になった[116]。2000年代の日本では、浜崎活幸と竹内俊郎らにより、浮遊期の生残率と成長率を上げる研究が行われた[119]。餌としてアルテミア以外にイカナゴのスライスを与え、飼育水にナンノクロロプシス Nannochloropsis を添加することでマダコが摂取する餌の栄養価を高めることに成功した[119]。

世界初のタコの完全養殖は、2004年に報告されたチチュウカイマダコ Octopus vulgaris の例で、8か月を経て孵化から成体までの飼育成功がなされた[119][120]。日本では2017年に世界で2番目にニッスイ(当時の日本水産)がマダコの完全養殖に成功している[114][121][122][123]。しかし、いずれも2020年代に入るまで商業ベースには到達していなかった。

浮遊期から着床期に至るまでの生残率は低いままで[114]、餌以外の要因が考えられた[124]。團重樹らは水槽内のマダコ稚仔を観察し、エアレーションによる下降流が稚仔の成長を妨げていることを明らかにし[124]、2018年にこれを改善する設計の水槽を発表した[125]。浮遊期の擬幼生は外套腔の海水を漏斗から噴出して得られるジェット推進により水中に留まっている[124]。餌を捕獲して水槽の底に運ばれた擬幼生は浮上するために餌を捨てて上昇を試みるが、餌を十分に摂取できず衰弱してしまう[124]。そこで、水槽の中央にパイプを設置して水槽底面から水流を生み出すことで[124]、水槽内に湧昇流を生み、生残率が格段に上昇した[125]。

メキシコではマダコ属のマヤダコ Octopus maya の養殖が試みられており一定の成果が上がっている[126]。タコの養殖は技術的には確立されていたが、商業的には高い知能を持つタコの養殖はハードルが高かったが[123]、2021年、世界で初めてカナリア諸島において、スペインの水産会社ヌエバペスカノバ(英語版)によりタコの商業的な養殖がはじまった[127]。

養殖禁止の動き

タコを食べる文化がない英米圏では、研究における規制や養殖の禁止を求める動きが相次いだ。

2012年に国際的な脳科学者のグループが発表した「ケンブリッジ意識宣言 (The Cambridge Declaration on Consciousness)」では、タコの神経系は、鳥類や哺乳類と同様に意識と看做すのに十分な主観的体験ができると明記された[128][129]。イギリスでは、タコを含む頭足類は研究対象としては脊椎動物と同様に扱われ、「痛み、苦しみ、ストレス、持続する苦痛」を与えかねない実験から法的に保護された動物となっており、EUも脊椎動物と同様の規制を求めている[128]。タコは高等動物として配慮を要するとする頭足類の研究者がいるいっぽうで[130]、タコの神経系や痛覚の経路の仕組みは完全には理解されておらず、どのように扱えば実験条件として適切かや、実際にタコの不快感を和らげるのに効果があるのかすら分からないという指摘もあった[128]。

2021年になると、イギリスの Jonathan Birch らは、300以上の科学的研究を調査に、タコは「感性のある存在」であり、喜び、興奮だけでなく、痛み、苦痛、害も経験できるという「強力な科学的証拠」があると結論付けた[131]。この調査を受け、2021年11月に、イギリス政府の審査委員会は「タコやカニや大型エビにも苦痛の感覚がある」として、同国で審議されている動物福祉法案の保護対象に感覚をもつ動物として追加した[132]。前述の報告書の著者らは、大量のタコを近接して飼うと、ストレスや衝突を生み、10–15%という高い死亡率に繋がるため、容認出来ないと述べ、高い動物福祉が要求されるタコ養殖は「不可能」と論じている[133]。 また、タコの商業養殖の実現が間近となっていることを受け、イギリス政府は将来「輸入養殖タコの禁止を検討する可能性がある」ともいう[132]。

実際に商業的な養殖が行われるようになったことを受けて、2024年7月25日にはアメリカ合衆国議会において、「非倫理的な方法で生産されたタコの養殖および取引に反対する法律 (Opposing the Cultivation and Trade of Octopus Produced through Unethical Strategies Act[注釈 7])」案が提出された[134]。これは絶滅危惧種の保護のように天然漁業を規制するものではなく、動物の権利や動物福祉[135]の観点からアメリカにおける商業的なタコ養殖事業を禁止したり、アメリカ海洋大気庁にタコの漁獲方法に関するデータの収集を義務づけることなどが盛り込まれている[136]。アメリカのワシントン州は世界で初めてタコ養殖を法的に禁止した[137]。2024年9月27日には、全米で2番目にカリフォルニア州でタコの養殖や養殖タコの輸入を禁止する法律が成立した[138][139]。ハワイ州では、タコの養殖を禁止する法案が提出されている[140]。

脚注

注釈

  1. ↑ この統計は、全国の漁業地区のうち、総水揚量が海面漁業生産量の約7割を占めるもののうち、対象品目ごとに上場水揚量の上位20漁業地区を選定し、そのうち調査該当品目が5品目以上ある漁業地区について調査されており、この調査区が便宜的に「漁港」として表示されている[5]。そのため、実際の「漁港」とは異なることに注意。
  2. ↑ 蛸研究会により制定された7月2日のタコの日とは別に、三原観光協会により8月8日もタコの日として制定されている[29]。
  3. ↑ ペンバ島近隣のミサリ島
  4. ↑ 原文では Octopus vulgaris であるが、細分化された O. vulgaris のうち、アメリカ大陸近海には O. americanus が分布する[80]。
  5. ↑ 順にインドネシア、モーリタニア、モロッコがそれに次いで多いタコの漁獲量となっている[53]。
  6. ↑ 沖縄のワモンダコは銛を使った漁でも漁獲される[100]。
  7. ↑ 略してOCTPUS Actで「タコ法」

出典

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  137. ↑ “Washington State Prohibits Octopus Farming: A Major Victory for Animals”. 2024年3月21日閲覧。
  138. ↑ 日本テレビ. “タコ養殖反対派の急先鋒 米・マイアミ大学ジャクエット教授に聞く|日テレNEWS NNN”. 日テレNEWS NNN. 2024年9月28日閲覧。
  139. ↑ “「知的な生物」米カリフォルニア州でタコ養殖禁止法が成立「社会的な絆を大切にする」”. 産経新聞. 産経新聞社 (2024年10月3日). 2024年10月6日閲覧。
  140. ↑ “Octopus Farming Ban Introduced in California”. 2024年2月23日閲覧。

参考文献

関連項目

  • タコの食文化 - タコを食用とする習慣や料理、およびそれらに関わる歴史・慣習
  • タコと文化 - タコに関する食文化以外の文化的側面