| タトラT3R.PLF タトラT3R.SLF | |
|---|---|
|
T3R.PLF(プラハ) | |
| 基本情報 | |
| 種車 | タトラT3 |
| 改造所 | アライアンスTW |
| 改造年 |
T3R.PLF 2005年 - T3R.SLF 2011年 - |
| 主要諸元 | |
| 軌間 | 1,000 mm、1,435 mm |
| 電気方式 |
直流600 V (架空電車線方式) |
| 最高速度 | 65 km/h |
| 車両定員 |
着席22人 立席58人(乗車密度4人/m2時) 最大149人(乗車密度8人/m2時) |
| 車両重量 | 19.675 t |
| 車体長 | 15,100 mm |
| 車体幅 | 2,480 mm |
| 車体高 | 3,185 mm |
| 床面高さ |
860 mm(高床部分) 350 mm(低床部分) (低床率36 %) |
| 主電動機 |
T3R.PLF TV Progress T3R.SLF シュコダ製 |
| 主電動機出力 | 44 kw |
| 出力 | 176 kw |
| 制御方式 | 電機子チョッパ制御 |
| 制動装置 | 発電ブレーキ、ディスクブレーキ、電磁吸着ブレーキ |
| 備考 | 主要数値は[1][2][3][4]に基づく。 |
タトラT3R.PLFは、チェコ各地の路面電車で使用されている電車の1形式。チェコスロバキア時代に製造された路面電車車両・タトラT3の主要機器を流用して製造された部分超低床電車である。この項目では、電気機器が異なるタトラT3R.SLFや、ウクライナ、ロシア連邦でライセンス契約を受けて生産されている同型車両のタトラT3UA-3や71-412も併せて解説する[1][2][5]。
チェコ(旧:チェコスロバキア)各地の路面電車へ向けて導入されたタトラT3の機器を流用する形で製造された、1両での運転が可能な部分超低床電車。改造はT3の製造元であったČKDタトラの倒産以降同社で製造されていた路面電車車両の更新や新型車両の製造を実施しているアライアンスTW(Aliance TW Team)[注釈 1]によって行われる[1][2][5][7]。
前面形状はインダストリアルデザイナーのフランティシェク・カルダウスが手掛けたT3のオリジナルデザインが引き続き用いられている一方、「VarCB3LF」と呼ばれる車体は中央部が床上高さ350 mmの低床構造になっており、車内全体の36%が低床化されている。また中央部に存在する乗降扉の下には車椅子利用客向けの収納式スロープが搭載されている。低床部分の屋根上に移設された電気機器の種類によって形式が分かれており、チェコのセゲレツ(Cegelec)が展開するTVプログレス(TV Progress)を用いた車両は「T3R.PLF」、同じくチェコのシュコダ製の機器を導入した車両は「T3R.SLF」と呼ばれる[1][2][3][8][9][10]。
連結器が設置されており総括制御による連結運転が可能だが、車体長が改造前(14.0 m)から15.1 mに延長した事から、停留所のプラットホームの長さの関係上T3R.PLFやT3R.SLF同士による運転は行われず、プラハ市電では従来型の高床車体を持つT3の改造車(T3R.P、T3R.PVなど)が必ず連結されるようになっている[1]。
超低床電車を新規で購入するよりも安価である事に加え、連接車である超低床電車では輸送力が過剰となる路線や時間帯に適した定員数である事などの利点から、2005年の製造開始以降チェコやスロバキア各地の路線への導入が実施されている。特にチェコの首都・プラハを走るプラハ市電には超低床電車の新造と並行して夜間など利用客が少ない時間帯向けのT3R.PLFの導入が積極的に行われており、2018年までに35両が導入されている他、2020年には更に65両の追加改造契約がアライアンスTWと交わされ、2023年以降生産が続いている。2023年時点の導入車両は以下の通り[5][11][12]。
| T3R.PLF・T3R.SLF 導入都市一覧 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 形式 | 導入国 | 都市 | 導入両数 | 備考 |
| T3R.PLF | チェコ | プラハ (プラハ市電) |
35両 | [13] |
| 65両(予定) | 座席を増設 2026年まで増備予定[12] | |||
| リベレツ (リベレツ市電) |
12両 | [14] | ||
| プルゼニ (プルゼニ市電) |
18両 | [15] | ||
| T3R.SLF | チェコ | リベレツ (リベレツ市電) |
13両 | [14] |
ウクライナ各都市の路面電車では2010年代以降、バリアフリー化や近代化を進める過程で完全新造車よりも購入費用が安価な機器流用車の導入が積極的に行われている。その中でもチェコの企業であるクエーサー・プラス(KVAZAR Plus s.r.o.)はアライアンスTWの代表企業であるプラゴイメックスとライセンス契約を結び、ウクライナの首都・キエフに本社を置く有限会社のポリテクノサービス(политехносервис)と共に、T3R.PLFに用いられる「VarCB3LF」と同型の部分超低床車体(低床率35%)の製造を行っている。電気機器についてもT3R.PLFと同様にセゲレツ製のTVプログレスが導入されている一方、前面形状については1990年代にČKDタトラによるタトラT3近代化プロジェクトの一環としてインダストリアルデザイナーのパトリック・コタスが手掛けたデザインを基本とする。その形状から「栗」を意味する「カシュタン」(Каштан)と言う愛称で呼ばれる事もある[16][17][18][19]。

ロシア連邦の輸送用機器メーカーであるウラルトランスマッシュは、2010年代後半以降アライアンスTWの代表企業であるプラゴイメックスとのライセンス契約を締結し、同社が展開する路面電車車両を基にした車両の開発を行っている。その1つが、ソビエト連邦向けに展開されたタトラT3SUの台車や機器を流用し、「VarCB3LF」と同型の部分超低床車体や新造した電気機器と組み合わせた71-412である。車体の製造にはニジニ・ノヴゴロドの"フォボス・TS"(Фобос-ТС)も関わっており、前面は人間工学を応用した運転台を含め新規にデザインが起こされている[30][31][32]。
2018年にエカテリンブルクで開催された鉄道車両の見本市「INNOPROM-2018」で発表され、以降は各都市で試運転が行われた。その後、2020年にこの試作車を含めた4両がオムスク市電(オムスク)で営業運転を開始して以降、71-412は以下のロシア連邦各地の路面電車路線に向けて製造が行われている。また、ウラルトランスマッシュでは71-412を基にした狭軌(1,000 mm)向けの新型車両である71-411を開発している[30][31][33][34][35]。

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