チリヤシ
チリヤシ
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類(APG III)
界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 単子葉類 monocots
目 : ヤシ目 Arecales
科 : ヤシ科 Arecaceae
属 : チリヤシ属 Jubaea
種 : チリヤシ J. chilensis
学名
Jubaea chilensis (Molina) Baill.
シノニム
  • Cocos chilensis (Molina) Molina
  • Jubaea spectabilis Kunth
  • Micrococos chilensis Molina Phil.
  • Molinaea micrococos Bertero
和名
チリヤシ、チリーヤシ、ジュベアヤシ
英名
Chilean Wine Palm, Chilean Cocopalm

チリヤシ[2]、チリーヤシ[3]、ジュベアヤシ[2](Jubaea chilensis)は、ヤシ科に属する植物の一種である。チリヤシ属[4](ちりやしぞく)あるいはジュベアヤシ属[4](ジュベアやしぞく; Jubaea)の唯一の種[5]。南アメリカ南西部の南緯32-35度(チリ中央部)の固有種で、コキンボ州南部、バルパライソ州、首都州、オイギンス州、マウレ州北部に自生する[1]。自然分布域において、若木は成木の近くの日当たりの良く植生のある場所を好む[6]。

イースター島に自生していた絶滅種のPaschalococos dispertaは本種と近縁であると考えられており、かつては本種と共にJubaea 属に含められていた[7]。

大きさ

明確に記録された最も太い個体は、カリフォルニア州リバーサイドのJ.ハリソン・ライトの地所にある、肩の高さでの直径が1.7メートルに達するものである[8]。南オーストラリア州のアデレード植物園(英語版)では、1889年に基部の直径1.8メートルの個体が記録された[9]。チリの中部Ocoa谷近くラ・カンパーナ国立公園(英語版)の個体は根元の太さが1.8-2.1メートルに達するが、この個体は幹が空洞であり中間部が太くなってはいない[10]。ヤシ科には2,600種以上が属するが、チリヤシは質量の観点から見て、氾濫原に自生するBorassus aethiopumに次いで2番目に大きい[11]。

利用

葉は籠の製作に、実はCoquito nutsとして食用にされる[12]。樹液はヤシ酒やパームシロップ(英語版)の原料となるが、他のヤシと異なり樹液の採取には木を伐採する必要がある[13]。

保護

チリ国内では部分的な保護を受けているが、人口過多と放牧地の拡大によりここ数世紀で個体数が減少している[14]。人間による種子の収穫やデグーによる種子の採食も、本種の世代交代に悪影響を与えている可能性がある[6]。

歴史

チャールズ・ダーウィンは1832年にビーグル号の第2回航海でチリを訪れた際に見たチリヤシについて、以下のように記録している[15]。

これらの木はヤシの中でも醜い部類に入る。幹は巨大で奇妙な形をしており、その中間部は基部や頂部より太くなる。

1843年、ロンドンのキューガーデンにおいて本種が種子から育てられた。この個体は1863年にテンパレート・ハウス(英語版)に移植され、最終的に19メートルまで成長した。これは屋内で生育している植物としては最も背が高かったが、天井に届いてしまい移動できなかったため2013年に切り倒された。跡地にはこの樹の種子から発芽させた苗が植えられた[16]。

ギャラリー

脚注

[脚注の使い方]
  1. 1 2 Chaparro, C.B (2021). “Jubaea chilensis”. IUCN Red List of Threatened Species 2021: e.T38586A2880356. doi:10.2305/IUCN.UK.2021-3.RLTS.T38586A2880356.en 2023年9月10日閲覧。.
  2. 1 2 米倉浩司・梶田忠 (2003-).「BG Plants 和名-学名インデックス」(YList),http://ylist.info/ylist_detail_display.php?pass=48552 2023年3月21日閲覧。
  3. ↑ 熱帯植物研究会 編「チリーヤシ Jubaea spectabilis H.B. Kunth.」『熱帯植物要覧』(第4版)養賢堂、1996年、526頁。ISBN 4-924395-03-X。
  4. 1 2 米倉, 浩司『新維管束植物分類表』北隆館、2019年、88頁。ISBN 978-4-8326-1008-8。
  5. ↑ C. Michael Hogan (2008) Chilean Wine Palm: Jubaea chilensis, GlobalTwitcher.com, ed. Nicklas Stromberg
  6. 1 2 Miranda, Alejandro; Hernández, H. Jaime; Bustamante, Ramiro; Díaz, E. Matías; González, L. Alberto; Altamirano, Adison (2016). “Regeneración natural y patrones de distribución espacial de la palma chilena Jubaea chilensis (Molina) Baillon en los bosques mediterráneos de Chile central”. Gayana. Botánica 73 (1). doi:10.4067/S0717-66432016000100007.
  7. ↑ Georg Zizka (1991年). “Flowering Plants of Easter Island”. pp. 64-65. 2023年7月30日閲覧。
  8. ↑ Principes Vol. 1 # 2 (January 1957) p. 57.
  9. ↑ James H. Veitch in Gardener's Chronicle Vol. 6 (third series) (October 5, 1889) p. 384.
  10. ↑ Chris Caradine, "A Day in Ocoa", THE PALM JOURNAL # 143 (November 1998) P. 20 with photo.
  11. ↑ Dr. Al C. Carder, GIANT TREES OF WESTERN AMERICA AND THE WORLD, (Madeira Park, British Columbia, Canada: Harbour Publishing, 2005) p. 130.
  12. ↑ “Travel the Americas at Kew”. 2023年9月10日閲覧。
  13. ↑ “Jubaea chilensis - Chilean wine palm”. www.kew.org. Royal Botanic Gardens, Kew. 17 October 2021閲覧。
  14. ↑ C. Michael Hogan. 2008
  15. ↑ “Featured Plant Jubaea chilensis”. San Francisco Botanical Garden. 2023年9月10日閲覧。
  16. ↑ Otway, Beth (10 May 2018). “Scott Taylor, Temperate House Supervisor”. www.pumpkinbeth.com. 17 October 2021閲覧。

参照資料

外部リンク

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