デルタ粒子

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バリオン10重項。デルタ粒子はこのうちのS=0の直線上にある4種類の粒子の総称である。

デルタ粒子(デルタりゅうし)とは、素粒子物理学におけるハドロンのうちバリオンに分類される複合粒子の一群で、ストレンジネスを始めとしたフレーバーを持たず、アイソスピンが 3/2 のバリオンである。 デルタ粒子はフレーバーを持たないため、アップクォークとダウンクォークから構成される比較的軽いバリオンである。 最も軽いデルタ粒子は質量がおよそ 1232 MeV/c2 で、全角運動量とパリティが JP = 3/2+ である。

崩壊

全ての種類のデルタ粒子は、強い相互作用によって核子とパイ中間子に崩壊する。最終的なチャージはアイソスピンカップリングによって決まる。低い確率で時間をかけてΔ+は陽子と光子、Δ0は中性子と光子に崩壊することがある。

組成

デルタ粒子は合計で3つのアップクォークとダウンクォークから構成されるバリオンである。 この組成のバリオンが取り得るアイソスピンは I = 1/2、もしくは I = 3/2 である。前者は核子と呼ばれ、後者がデルタ粒子と呼ばれる。

アイソスピンが 3/2 であるデルタ粒子には、近しい質量で電荷が異なる4つの粒子が存在する。 この電荷はデルタ粒子を構成するアップクォークとダウンクォークの電荷を足し合わせた値である。 電荷 Q = +2 を帯びた Δ++ の存在はクォークモデルの発展で決定的な手掛かりとなった。

スピンが3/2ということは、デルタ粒子を構成する3つのクォークは、3つのうち1つが反対の方向を向いている核子とは異なり、全て同じ方向を向いていることを示している。このスピン配列は、アイソスピンの量子数3/2によって補完され、Δ+、Δ0を1/2のアイソスピンを持つ核子と区別する。

リスト

デルタ粒子[1]
粒子 記号 クォーク組成 質量/(MeV/c2) JP Q I S C B T 半減期/s 崩壊
デルタ[2] Δ(1232)++ uuu 1232±1 3/2+ +2 3/20000 (5.58±0.09)×10−24 p + π+
Δ(1232)+ uud 1232±1 3/2+ +1 3/20000 (5.58±0.09)×10−24 p + π0 または n + π+
Δ(1232)0 udd 1232±1 3/2+ 0 3/20000 (5.58±0.09)×10−24 n + π0 または p + π−
Δ(1232)− ddd 1232±1 3/2+ −1 3/20000 (5.58±0.09)×10−24 n + π−
Δ(1600)[3] 1575±15 3/2+ 3/20000 ħ/(290±25 MeV) 主に Nππ
Δ(1620)[4] 1600±8 1/2− 3/20000 ħ/(135±10 MeV) 主に Nππ
Δ(1700)[5] 1690±15 3/2− 3/20000 ħ/(310±15 MeV)
Δ(1905)[6] 1845±20 5/2+ 3/20000 ħ/(315±20 MeV) 主に Nππ
Δ(1950)[7] 1919±5 7/2+ 3/20000 ħ/(258±8 MeV) 主に Nππ
Δ(2420)[8] 2633±29 11/2+ 3/20000 ħ/(692±47 MeV)

脚注

  1. ↑ The Review of Particle Physics, §15. Quark Model Table 15.6
  2. ↑ F. Takahashi et al. (2026): Δ(1232)
  3. ↑ F. Takahashi et al. (2026): Δ(1600), ref. SARANTSEV 25
  4. ↑ F. Takahashi et al. (2026): Δ(1620), ref. SARANTSEV 25
  5. ↑ F. Takahashi et al. (2026): Δ(1700), ref. SARANTSEV 25
  6. ↑ F. Takahashi et al. (2026): Δ(1905), ref. SARANTSEV 25
  7. ↑ F. Takahashi et al. (2026): Δ(1950), ref. SARANTSEV 25
  8. ↑ F. Takahashi et al. (2026): Δ(2420)

参考文献

  • A.V. Sarantsev et al. (2025). “Decays of N* and Δ* resonances into Nρ, Δπ, and Nf(500)”. Phys.Rev.C 112: 015202. doi:10.1103/qfpf-tcs3. 
  • F. Takahashi et al. (2026). “Review of Particle Physics”. International Journal of Modern Physics A 41: 2360011. doi:10.1142/S0217751X26300115. 

外部リンク

  • “15. Quark Model”. The Review of Particle Physics (2026). Particle Data Group. 2026年9月20日閲覧。