ドパガキ
ドパガキは、ショート動画やゲームなどの刺激の強いコンテンツに慣れて、常に強い刺激を求めるようになり、集中力が続かなくなる若年層を揶揄するインターネットスラングである[1][2]。「ドーパミン中毒のガキ」の略称である[1]。年齢に関係なく「ドパ中」と呼ぶこともある[3]。類義語として「アドレナリン中毒のガキ」の略称「アドガキ」という語も存在する[1]。
そのほか、刺激に慣れすぎてしまった感覚を指す「ドパ舌」や、依存状態を指す「ドパる」などの派生語が存在する[4]。
概要
Z世代やα世代などの若年層を中心に用いられ始めた[1]。ショート動画やSNSやゲームなどといった、変化の大きいコンテンツからの刺激を求めてしまうが故に、集中力の続かない状況下に陥ってしまった若年層を揶揄気味に指す[1]。
2024年にMrs. GREEN APPLEの楽曲「ライラック」に対して「集中力がないZ世代のガキが途中で再生止めないように一定間隔でメロディに変化を加えてて、ドーパミン中毒のガキ相手の商売って大変だなって思いました」[注釈 1]と発言したXの投稿から「ドパガキ」という言葉が誕生した[5]。朝日新聞の小野祐司は、2025年3月から2026年8月までのXでの投稿を集計し、「ドパガキ」は誰か一人が流行らせた言葉ではなさそうで、サブカルチャー界隈が発端となり、後に広く使われるようになったと分析をした[6]。
脳科学者の恩蔵絢子は、「SNSが普及してから現代の子供は他者と比べる生活を自然に強いられており、いいね(高評価)が貰えただけで簡単にドーパミンが出る。そういった環境下では難しい問題を解いた時の達成感よりも、手軽にドーパミンを摂取できるSNSやゲームに子供が惹かれやすくなっている」と語っている。また、問題点としてSNSやゲームに没頭しすぎてしまうことを挙げている[1]。
フリーアナウンサーの古舘伊知郎は、この現象の本質を「超巨大プラットフォーマーによる、ユーザーをドーパミン中毒にさせるためのアルゴリズム設計」にあると指摘。ヨーロッパ(イギリスやフランスなど)を中心に16歳以下のSNS利用を控える動きが出ていることに触れ、これが世界的な大問題であるとの認識を示した[7]。また、この問題は若年層に限らず「老若男女すべて」に該当すると主張している[7]。
2026年6月24日にリリースされたヤバイTシャツ屋さんのフルアルバム『Magical Tank-top Parade』に収録されている楽曲「アルゴリズムの犬」では、歌詞中に「ドパガキ」が使われている。メンバーの一人であるありぼぼは「10年経ってパリピはいなくなって今はドパガキばっかり」と語り、こやまたくやは自身のことを「生粋のドパガキ」、もりもりもとは「ベテランドパガキ」「ドパおじ」であると話している[8]。
その他
- テレビアニメ『NEEDY GIRL OVERDOSE』では、Aiobahnによるオープニング曲である「INTERNET ANGEL」がアップテンポかつハイテンションな楽曲であるために、作中では「お前らみたいなドパガキはアップテンポな音楽のショート動画を流し見続けることで効率よく人生を楽しめよな」と自虐的かつ露悪的に楽曲に対して言及した[9]。
- Nyamuraは楽曲「超デジタル超デトックス (Remix) 」に対して「ドパガキ専用の構成」と語った[10]。
- 2026年5月29日〜31日にかけて株式会社マルハンによって実施された、脳汁をテーマとする体験型フードフェス「脳汁横丁2026」のコンテンツの一つ「脳汁屋台」では、株式会社マーボードウフの代表である5歳とコラボレーションを行い、「ドパガキ麻婆」という名称の麻婆屋台を展開した[11]。この屋台では「ドパガキルーレット」と呼ばれるルーレットを回すことによって追いトッピングの追加チャンスに挑める[11]。
- 2026年6月3日~6月7日にバイドゥが行ったアンケート調査「Simeji上半期トレンドランキング」の「気になる【言葉】TOP10」の8位に「ドパガキ」がランクインした[12]。
- 2026年6月12日〜6月13日にwith tのマーケティング組織「女子高生ラボ」が行ったアンケート調査「2026年夏 JK流行りコトバ調査」では、女子高校生が日常会話・SNSで使う7つの言葉に「ドパガキ」が含まれた[13]。with tは感情・状態を的確に言語化するワードが台頭し、複雑な人間関係・心理・行動パターンを一言で言い表す語彙への需要が高まっているとした[13]。
- 2026年6月25日~7月1日に東京産業新聞社が行ったアンケート調査「ガジェット通信 ネット流行語大賞2026上半期」のランキングで「ドパガキ」が6位にランクインした[14][15]。
- 2026年9月14日にMAPAより楽曲「ドパガキの海」が配信リリースされた[16]。
脚注
注釈
出典
- 1 2 3 4 5 6 瑠璃光丸凪 (2026年1月2日). “急増するアドガキ・ドパガキとは? 「机に10分も座ってられない」Z世代・α世代が “集中できない”背景にあるドーパミン中毒の危険性”. 集英社オンライン. 2026年5月6日閲覧。
- ↑ 都築陵佑 (2026年2月9日). “Mrs. GREEN APPLE「ライラック」は本当に“ドパガキ向けの音楽”なのか? 音楽的に検証する動画に注目”. KAI-YOU | POP is Here .. 2026年5月6日閲覧。
- ↑ Inc, Nikkei (2026年3月21日). “令和なコトバ「ドパ中」 ネットで脳がドーパミン漬け”. 日本経済新聞. 2026年5月6日閲覧。
- ↑ “現役女子高生が日常会話で使うリアルなコトバ7選 「ワホー」や「ドパガキ」、「ホビ」など”. オリコンニュース(ORICON NEWS) (2026年6月19日). 2026年6月23日閲覧。
- ↑ 石黒隆之 (2026年10月10日). “なぜ今のヒット曲はこんなに“落ち着きがない”のか。ミセス、M!LK、CANDY TUNEに見る「ドパガキ」時代の音楽”. 女子SPA!. 2026年10月11日閲覧。
- ↑ 小野祐司 (2026年10月2日). “流行語「ドパガキ」どう広がった?内輪の言葉が…Xの90万投稿分析”. 朝日新聞. 2026年10月4日閲覧。
- 1 2 広部玄 (2026年6月26日). “古舘伊知郎「ドパガキ」について私見「私なんか70を超えて“デジタルの黄昏中毒者”だよ』」”. 日刊スポーツ. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ Inc, Natasha (2026年6月24日). “ヤバイTシャツ屋さんインタビュー|あつまれ!ドパガキ!今を駆け抜けるヤバTの最新アルバム”. 音楽ナタリー. 2026年7月2日閲覧。
- ↑ クコ (2026年6月5日). “春アニメのOP・EDに息づく映像表現の最前線 「上伊那ぼたん」「春夏秋冬代行者」「NEEDY GIRL OVERDOSE」が示す作画の新境地”. アニメ!アニメ!. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “nyamura × 原口沙輔「超デジタル超デトックス」、“ドパガキ仕様”のリミックスが配信開始&MV公開|THE MAGAZINE”. THE MAGAZINE (2026年4月11日). 2026年5月6日閲覧。
- 1 2 ばくらば (2026年5月11日). “脳汁がテーマの体験型フードフェス「脳汁横丁2026」の屋台情報が公開。「ドパガキ麻婆」に「アリゲィターモチョチョサンド」などクセ強メニューがズラリ”. 電ファミニコゲーマー – ゲームの面白い記事読んでみない?. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ 『【Simejiランキング】α・Z世代が選ぶ!!「2026年上半期トレンドランキング」』(プレスリリース)バイドゥ、2026年6月18日。2026年9月19日閲覧。
- 1 2 『「ワホー」「ドパガキ」「フレネミー」現役女子高生が答えた、2026年夏のリアル流行りコトバ7選を発表!』(プレスリリース)with t、2026年6月19日。2026年9月19日閲覧。
- ↑ 一般投票スタート!『ガジェット通信 ネット流行語大賞2026上半期』締切は7月1日15時 | ガジェット通信 GetNews
- ↑ “大ブーム「夜の踊り子」ミームが金賞!『超かぐや姫!』『名探偵プリキュア!』も!『ガジェット通信 ネット流行語大賞2026上半期』決定”. ガジェット通信. 東京産業新聞社 (2026年7月3日). 2026年9月19日閲覧。
- ↑ “MAPA、新曲「ドパガキの海」の配信リリースが決定 デビュー5周年記念ワンマンライブ『MAD PARTY』の開催も発表”. SPICE(スパイス)|エンタメ特化型情報メディア スパイス (2026年9月13日). 2026年9月21日閲覧。
関連文献
- 恩蔵絢子、アンナ・レンブケ 著『ドーパミン中毒』新潮新書、ISBN 978-4106109690