レックスはお風呂の王様

ウィキペディアから、無料の百科事典
レックスはお風呂の王様
Partysaurus Rex
監督 マーク・ウォルシュ
脚本 マーク・ウォルシュ
原案 マーク・ウォルシュ
ジョン・ラセター
製作 キム・アダムス
製作総指揮 ジョン・ラセター
ケビン・レハー
出演者 ウォーレス・ショーン
コーリー・バートン
トニー・コックス
ドナルド・フリラブ
トム・ハンクス
ティム・アレン
音楽 BT
編集 アクセル・ゲッダース
製作会社 ピクサー・アニメーション・スタジオ
配給 ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ
公開 アメリカ合衆国の旗 2012年9月14日
日本の旗 2012年9月15日
上映時間 7分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
前作 ニセものバズがやって来た
テンプレートを表示

『レックスはお風呂の王様』(レックスはおふろのおうさま、原題:Partysaurus Rex)は、2012年のアメリカ合衆国のコンピュータアニメーションによる短編アニメーション映画。ピクサー・アニメーション・スタジオが製作し、マーク・ウォルシュが監督・脚本、キム・アダムスが製作、ジョン・ラセターが製作総指揮を務めた。音楽はBTが担当した[1][2]。

「トイ・ストーリーシリーズ」の短編作品群「トイ・ストーリー トゥーン」の第3作にあたり、『ハワイアン・バケーション』『ニセものバズがやって来た』に続く作品である。シリーズに登場する恐竜のおもちゃレックスを主人公とし、ボニーの家の浴室でおもちゃたちが繰り広げる騒動を描く[3]。

アメリカ合衆国では2012年9月14日、日本では同年9月15日に、長編アニメーション映画『ファインディング・ニモ』の3D再上映版『ファインディング・ニモ 3D』と同時上映された。上映時間は約7分[3][2]。

ストーリー

ボニーの部屋で暮らす恐竜のおもちゃレックスは、仲間たちと遊ぶ際に失敗を重ね、場をしらけさせる存在として扱われていた。自分も仲間たちのように楽しく振る舞いたいと考えていたレックスだったが、なかなかうまくいかない。

ある日、ボニーはレックスを浴室に連れていき、ほかのお風呂用のおもちゃたちと一緒に遊ぶ。やがてボニーは母親に連れられて外出し、レックスだけが浴室に取り残される。

レックスは浴室のおもちゃたちと出会う。彼らは、普段は水のない場所に置かれているため、湯船で遊べる機会を待ち望んでいた。レックスは仲間たちを喜ばせようと蛇口をひねり、浴槽に水をため始める。

水がたまるにつれて浴室のおもちゃたちは盛り上がり、レックスを「パーティーサウルス・レックス」と呼んで歓迎する。レックスも普段とは異なる自分の姿に気をよくし、音楽や泡に包まれたパーティーを楽しむ。

しかし、レックスたちは浴槽の排水口やオーバーフロー用の穴を塞いでいたため、水位は上昇し続ける。危険を感じたレックスは蛇口を閉め、栓を抜こうとするが、設備が壊れてしまい、シャワーからも水が噴き出す。

騒ぎが続くなか、レックスを心配したウッディやバズたちが浴室の外へやって来る。その直後、水圧によって浴室のドアが開き、大量の水が家の中へ流れ出す。翌日、ボニーの母親は水道修理業者を呼ぶことになる。

一方、浴室でのパーティーについて聞いた屋外のプール用おもちゃたちは、レックスに新たなパーティーを開いてほしいと頼む。レックスは再び蛇口をひねり、仲間たちを楽しませるのだった。

登場キャラクター

主要キャラクター

レックス(Rex)
声 - ウォーレス・ショーン / 三ツ矢雄二(日本語吹替)
ボニーが所有する恐竜のおもちゃ。本作の主人公。臆病で失敗しがちな性格だが、浴室のおもちゃたちから歓迎されたことをきっかけに、「パーティーサウルス・レックス」と名乗ってパーティーを盛り上げる。
キャプテン・サッズ(Captain Suds)
声 - コーリー・バートン / 佐々木梅治(日本語吹替)
船長の姿をした浴室のおもちゃ。浴槽に水をためてくれたレックスを歓迎する。
チャッキー(Chuck E. Duck)
声 - トニー・コックス、ドナルド・フリラブ / 高木渉(日本語吹替)
アヒルの姿をした浴室のおもちゃ。レックスの開いたパーティーに参加する。
クドルス(Cuddles)
声 - シェリー・リン / 諸星すみれ(日本語吹替)
ボニーの浴室にあるおもちゃ。
ドリップス(Drips)
声 - マーク・ウォルシュ / 藤原堅一(日本語吹替)
浴室のおもちゃの一人。
バーバラ(Babs)
声 - ロリ・リチャードソン / 斎藤恵理(日本語吹替)
浴室のおもちゃの一人。
ダイバー(Diver)
声 - テディ・ニュートン / 多田野曜平(日本語吹替)
浴室にあるダイバーのおもちゃ。

ボニーのおもちゃ

ウッディ(Woody)
声 - トム・ハンクス / 唐沢寿明(日本語吹替)
カウボーイ人形。レックスが浴室から戻らないことを心配する。
バズ・ライトイヤー(Buzz Lightyear)
声 - ティム・アレン / 所ジョージ(日本語吹替)
宇宙飛行士のおもちゃ。ウッディたちとともに浴室へ向かう。
ジェシー(Jessie)
声 - ジョーン・キューザック
カウガール人形。ボニーの部屋でレックスと暮らしている。
ミスター・ポテトヘッド(Mr. Potato Head)
声 - ドン・リックルズ / 辻萬長(日本語吹替)
顔のパーツを付け替えられるおもちゃ。レックスの失敗についてからかう。
ミセス・ポテトヘッド(Mrs. Potato Head)
声 - エステル・ハリス / 松金よね子(日本語吹替)
ミスター・ポテトヘッドの妻。
ハム(Hamm)
声 - ジョン・ラッツェンバーガー / 大塚周夫(日本語吹替)
豚の貯金箱。
ミスター・プリックルパンツ(Mr. Pricklepants)
声 - ティモシー・ダルトン
ハリネズミのぬいぐるみ。

人間

ボニー・アンダーソン(Bonnie Anderson)
声 - エミリー・ハーン / 諸星すみれ(日本語吹替)
レックスたちの持ち主である少女。レックスを浴室に連れていく。
ボニーのママ(Bonnie's Mom)
声 - ロリ・アラン / 堀越真己(日本語吹替)
ボニーの母親。浴室の騒動の後、水道修理を依頼する。

声の出演

役名 原語版声優 日本語吹替
レックス ウォーレス・ショーン 三ツ矢雄二
キャプテン・サッズ コーリー・バートン 佐々木梅治
チャッキー トニー・コックス

ドナルド・フリラブ

高木渉
ウッディ トム・ハンクス 唐沢寿明
バズ・ライトイヤー ティム・アレン 所ジョージ
ジェシー ジョーン・キューザック セリフなし
ミスター・ポテトヘッド ドン・リックルズ 辻萬長
ミセス・ポテトヘッド エステル・ハリス 松金よね子
ハム ジョン・ラッツェンバーガー 大塚周夫
ミスター・プリックルパンツ ティモシー・ダルトン セリフなし
クドルス シェリー・リン 諸星すみれ
ボニー エミリー・ハーン 諸星すみれ
ドリップス マーク・ウォルシュ 藤原堅一
バーバラ ロリ・リチャードソン 斎藤恵理
ダイバー テディ・ニュートン 多田野曜平
ボニーのママ ロリ・アラン 堀越真己
その他 ― 五味真由子

桐本琢也 田中英樹

製作

企画・開発

本作は、長編映画『トイ・ストーリー3』の後日談を描く短編作品群「トイ・ストーリー トゥーン」の第3作として企画された。

監督を務めたマーク・ウォルシュは、シリーズの登場人物であるレックスが、周囲から臆病で場をしらけさせる性格だと思われていることに着目した。普段とは異なる環境で、レックスが自分を変えようとするという発想から、浴室を舞台とした物語が考案された[4]。

ウォルシュによると、企画の初期には複数の案が存在し、本作に発展した企画は当初「Bath Time」という仮題だった。ジョン・ラセターは浴室でのパーティーという設定を気に入り、企画は次第に音楽と泡を中心としたパーティーの物語へと発展した[5]。

製作にはピクサー・カナダのスタッフが参加した。ウォルシュは、短編映画であっても製作過程では長編作品と同様に、物語や演出を改良するための検討が繰り返されたと説明している[6]。

脚本・演出

ウォルシュは、レックスがほかのおもちゃたちから「パーティーをしらけさせる存在」と見られることへの不満を、物語の動機として設定した。

物語が進むにつれて、レックスは自分の意思で浴室のおもちゃたちを喜ばせようとするようになる。ウォルシュは、レックスが単に偶然騒動を起こすのではなく、仲間からの評価を変えたいという気持ちから行動することを重視した[5]。

また、レックスを普段の性格とは対照的なパーティーの中心人物として描き、短編作品ならではの誇張されたコメディー表現を取り入れた。

アニメーション制作

本作のアニメーション制作は、カナダのバンクーバーにあったピクサー・カナダを中心に行われた[4]。

製作上の大きな課題の一つは、浴槽に満たされた水や泡の表現だった。監督のウォルシュによると、泡を構成する気泡の大きさや密度を調整し、漫画的な柔らかさと現実的な質感を両立させる必要があった。

また、多数の泡が重なった場面では、光が気泡の表面で反射・屈折する計算が複雑になるため、レンダリングに多くの処理能力を要した。水面のシミュレーションとキャラクターの動きを合わせる作業にも調整が必要だったという[5]。

パーティーの場面では、色鮮やかな照明や水中からの視点を取り入れ、浴室をクラブのような空間として演出した。

音楽

本作の音楽は、アメリカの音楽プロデューサーであるBTが担当した。

ウォルシュによると、ジョン・ラセターの提案でBTが参加することになり、そのダンスミュージックに合わせて映像の演出も変化した。当初は浴室でのおもちゃのパーティーを描く構想だったが、制作が進むにつれてレイブを思わせる演出へと発展した[5]。

BTは、パーティーの盛り上がりに合わせて音楽が次第に激しくなるよう構成した。また、劇場上映では7.1chサラウンドによる音響演出が採用され、観客をパーティーの中にいるように感じさせる工夫が施された[7]。

2012年11月19日には、本作に着想を得た楽曲「Partysaurus Overflow」が、BTとAu5の名義でウォルト・ディズニー・レコードから配信された[8]。

公開

劇場公開

本作は2012年9月14日にアメリカ合衆国で公開され、ピクサーの長編映画『ファインディング・ニモ』の3D再上映版と同時上映された。

日本でも同年9月15日に『ファインディング・ニモ 3D』と同時上映された[3][2]。

ウォルシュは、水を主題とする『ファインディング・ニモ』との組み合わせが本作に適していると説明している。当初、本作の公開媒体は決まっていなかったが、劇場上映が決まったことで3D映像やサラウンド音響を生かした仕上げが行われた[7]。

映像ソフト・配信

本作は、2013年に発売された『モンスターズ・インク』の3D対応ブルーレイなどに特典映像として収録された。日本では同年6月19日に発売された『モンスターズ・インク 3D』にも収録された[9]。

その後、動画配信サービス「Disney+」でも配信された。

テレビ放映

2026年6月12日には、日本テレビ系列の『金曜ロードショー』において、『トイ・ストーリー』および短編映画『ニセものバズがやって来た』とあわせて放送された。番組表では、本作が地上波初放送と案内された[10][11]。

放送時間は21時から22時54分までで、関東地区の平均世帯視聴率は5.9%だった。ただし、これは『トイ・ストーリー』などを含む番組全体の視聴率であり、本作単独の数値ではない[12]。

その他

本作の浴室には、ピクサーの長編映画『モンスターズ・インク』に登場するサリーを模した便座カバーが置かれている。また、『ファインディング・ニモ』に関連する浴室用装飾も登場する。

監督のウォルシュは、作品内に『ファインディング・ニモ』や『ニセものバズがやって来た』に関連する登場人物・小道具が含まれていることを明かしている[6]。

脚注

注釈

出典

  1. ↑ “Partysaurus Rex” (英語). Pixar Animation Studios. 2026年10月16日閲覧。
  2. 1 2 3 “レックスはお風呂の王様”. 映画.com. 2026年10月16日閲覧。
  3. 1 2 3 “Partysaurus Rex (film)” (英語). D23. 2026年10月16日閲覧。
  4. 1 2 “'Toy Storys Rex Parties in New Short” (英語). Animation World Network (2012年9月7日). 2026年10月16日閲覧。
  5. 1 2 3 4 “Astounding Interview with Director, Mark Walsh about Partysaurus Rex & Pixar” (英語). Pixar Post (2012年10月6日). 2026年10月16日閲覧。
  6. 1 2 “Mark Walsh talks about directing Pixar's Toy Story Toons "Partysaurus Rex"” (英語). MediaMikes (2012年12月6日). 2026年10月16日閲覧。
  7. 1 2 “Interview: Mark Walsh, Pixarian and Partysaurus Rex Director” (英語). A113Animation (2012年9月13日). 2026年10月16日閲覧。
  8. ↑ “Partysaurus Overflow (inspired by "Partysaurus Rex")” (英語). Beatport. 2026年10月16日閲覧。
  9. ↑ “「モンスターズ・インク 3D」がBlu-ray 3Dに”. AV Watch (2013年3月11日). 2026年10月16日閲覧。
  10. ↑ “金曜ロードショー「トイ・ストーリー」最新作公開記念!4週連続放送第1弾”. 日本海テレビ. 2026年10月16日閲覧。
  11. ↑ “トイ・ストーリー”. 金曜ロードショー. 2026年10月16日閲覧。
  12. ↑ “VOL.24 2026年6月8日(月)~6月14日(日)週間高世帯視聴率番組”. ビデオリサーチ. 2026年10月16日閲覧。

外部リンク