レンズマメ

ウィキペディアから、無料の百科事典
レンズマメ(ヒラマメ)
Lens culinaris
Lens culinaris
分類(APG III)
界 : 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : コア真正双子葉類 Core eudicots
階級なし : バラ類 Rosids
階級なし : 真正バラ類I Eurosids I
目 : マメ目 Fabales
科 : マメ科 Fabaceae
亜科 : マメ亜科 Faboideae
連 : Fabeae
属 : ヒラマメ属 Lens
種 : ヒラマメ L. culinaris
学名
Lens culinaris
Medik.
シノニム

Lens esculenta

和名
レンズマメ
ヒラマメ
英名
lentil
亜種
  • L. c. subsp. culinaris
  • L. c. subsp. odemensis
  • L. c. subsp. orientalis
  • L. c. subsp. tomentosus
レンズまめ(全粒、乾)[1]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,472 kJ (352 kcal)
60.7 g
食物繊維 16.7 g
1.5 g
飽和脂肪酸 0.17 g
一価不飽和 0.30 g
多価不飽和 0.48 g
23.2 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(0%)
3 µg
(0%)
29 µg
チアミン (B1)
(45%)
0.52 mg
リボフラビン (B2)
(14%)
0.17 mg
ナイアシン (B3)
(17%)
2.5 mg
パントテン酸 (B5)
(32%)
1.58 mg
ビタミンB6
(42%)
0.55 mg
葉酸 (B9)
(19%)
77 µg
ビタミンC
(1%)
1 mg
ビタミンE
(5%)
0.8 mg
ビタミンK
(16%)
17 µg
ミネラル
カリウム
(21%)
1000 mg
カルシウム
(6%)
57 mg
マグネシウム
(28%)
100 mg
リン
(61%)
430 mg
鉄分
(69%)
9.0 mg
亜鉛
(51%)
4.8 mg
銅
(48%)
0.95 mg
セレン
(77%)
54 µg
他の成分
水分 12.0 g
水溶性食物繊維 1.0 g
不溶性食物繊維 15.7 g
ビオチン(B7) 22.7 µg

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[2]。
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。
レンズマメのアミノ酸スコア[3][4]

レンズマメ(学名: Lens culinaris[5])は、マメ科ヒラマメ属の一年草、およびその種子。和名は、ヒラマメ(扁豆)。

光学用途で使われる「レンズ」の語源は、このレンズマメであり、当初作成された凸レンズがレンズマメの形状に似ていたことからこの名前が付いた[6]。

特徴

高さは40cmほどで、小さな豆果の中に種子が2個できる。種子は丸くて扁平な形であり、直径は4 - 9mmと幅がある。

分布

起源はメソポタミア地域で、徐々に西方のエジプト、ギリシャ、ローマへと伝わったと考えられている[6]。コムギやオオムギ、エンドウ、ソラマメ、ヒヨコマメなどと同時に栽培化されたと考えられる。

利用

レンズマメは、人類が利用してきたマメの中で最古の部類に属する。その歴史は、新石器時代の紀元前8000年以上前、人類が初めて農耕を試みたメソポタミアまで遡る[7]。紀元前7000年ごろに南西トルコやトゥルケスタンで栽培化されたと考えられており[8]、紀元前6000年からは[9]肥沃な三日月地帯で栽培され、ヒヨコマメやソラマメと並んで重要な食物となった[10]。

旧約聖書創世記にも登場し、エサウは狩猟に失敗して飢えていた際に、弟ヤコブにレンズマメの煮物を食べさせてもらう代償に、その長子権を譲ったとされる。また、エジプトの紀元前2000年紀の墳墓におさめられたレンズマメが発掘されている[11]。

古代ローマではソラマメが好んで食べられ、レンズマメは避けられた。ただし、古代ローマの料理書『アピキウス』にはレンズマメのメニューも掲載されている[注 1]。レンズマメが避けられる傾向は中世ヨーロッパにおいても続いた[13]。

現在では、カレーやスープ、煮込み料理など、インド料理やイタリア料理、フランス料理で使用される食材のひとつになっている。

脚注

注釈

  1. ↑ レンズマメとハナウド、レンズマメとクリのレシピなどがある[12]。

出典

  1. ↑ 文部科学省 「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
  2. ↑ 厚生労働省 「日本人の食事摂取基準(2015年版)」
  3. ↑
  4. ↑ 『タンパク質・アミノ酸の必要量 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告』日本アミノ酸学会監訳、医歯薬出版、2009年05月。ISBN 978-4263705681 邦訳元 Protein and amino acid requirements in human nutrition, Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007
  5. ↑ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Lens culinaris Medik. レンズマメ 標準”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2025年3月17日閲覧。
  6. 1 2 “レンズまめ”. 公益財団法人 日本豆類協会. 2025年3月17日閲覧。
  7. ↑ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、80頁。
  8. ↑ “レンズマメ - 植物図鑑”. エバーグリーン. 2025年3月17日閲覧。
  9. ↑ ジョン・エイトウ『食のことば由来事典 食材・料理・飲み物』石川久美子、おおつかのりこ、児玉敦子、中村久里子 訳、柊風舎、2021年10月29日、578頁。ISBN 978-4-86498-085-2。OCLC 1305143262。
  10. ↑ モリス 2020, pp. 43–45.
  11. ↑ 21世紀研究会編『食の世界地図』文藝春秋・51P
  12. ↑ モリス 2020, p. 183.
  13. ↑ モリス 2020, pp. 53–55.

参考文献

  • 桑嶋幹『よくわかる最新レンズの基本と仕組み : 身近な現象と機器に学ぶ』秀和システム〈図解入門〉、2005年、10-11頁。ISBN 4-7980-1028-6。 
  • ナタリー・レイチェル・モリス 著、竹田円 訳『豆の歴史publisher = 原書房』〈食の図書館〉2020年。 (原書 Morris, Natalie Rachel (2020), Beans: A Global History, Reaktion Books )

関連項目

外部リンク