ワンウェブ
種類 非公開会社
本社所在地 イギリスの旗 イギリス
ロンドン
設立 2012年
業種 情報・通信業
事業内容 電気通信
主要株主 バーティ・エンタープライズ(英語版) (30%)
イギリス政府 (22.9%)
ソフトバンクグループ (17.6%)
関係する人物 グレッグ・ワイラー (創業者)
外部リンク oneweb.net
テンプレートを表示

ワンウェブ(英: OneWeb Network Access Associates Limited)は、低軌道 (LEO) 衛星コンステレーションを用いた衛星通信を開発・運用する衛星通信会社である。イギリスのロンドンに本社を、またアメリカ合衆国バージニア州に拠点を持つ。2012年にグレッグ・ワイラーにより設立された。当初はワールドビュー・サテライト (WorldVu Satellites Ltd.) の社名でGoogle傘下に属しており、本部はチャンネル諸島セント・ヘリアに登録されていた。

2019年2月に最初の人工衛星を打ち上げるも、2020年3月に連邦倒産法第11章を申請して破綻した[1]。その後は、英政府とインドのBharti Global(英語版)が主導するコンソーシアムに買収され、事業を再開している[2]。

概要

第1世代の衛星 (模型)

ワンウェブは衛星コンステレーションにより、全世界に高速インターネットを提供する通信会社である。この衛星コンステレーションでは、低軌道衛星を用いて通信速度下り200Mbps、上り50Mbps、レイテンシ20-30ms程度の衛星通信サービスの提供する[3]。第1世代の衛星コンステレーションでは588基の小型衛星が必要となるが、2023年3月に必要な衛星の打ち上げが完了し、コンステレーションが完成した[4]。

ワンウェブのサービスは、一般ユーザーではなく、企業や政府、既存の通信会社などを主な対象としている[4]。全世界での衛星通信のサービス開始は、2023年末を予定する[4]。

計画

2018年初頭までにプロトタイプ衛星12基を生産し、アリアンスペースによって10基をクールー宇宙センターやバイコヌール宇宙基地から打ち上げ、順調に行けば2年かけて残りを打ち上げる予定であった。合弁子会社OneWeb Satellitesのフロリダ工場は2017年末に建設完了予定。OneWebのサービスインは2019年を予定し[5]、2022年までにすべての学校をオンライン化し、2027年までにデジタルデバイド問題を解決する目標を建てていたが計画に遅延が生じていた[6]。2019年2月に6基の衛星の打ち上げに成功し、2020年から毎月35基程度の衛星を打ち上げて650基体制で21年の商用化、10年後をめどに6000基の配備をする方針に修正されていた[7]。

2017年6月22日にはFCCより条件付きで事業計画が認可された。通信に用いる帯域は、Kuバンドの10.7-12.7 GHz(下り・宇宙→地球)、14.0-14.5 GHz(上り・地球→宇宙)、17.8-18.6 GHz(下り・宇宙→地球)、18.8-19.3 GHz(下り・宇宙→地球)、Kaバンドの27.5-29.1 GHz(上り・地球→宇宙)、29.5-30 GHz(上り・地球→宇宙)の6帯域である。

打ち上げ

LVM3ロケットに積み込まれた衛星。36基が搭載されている

2023年3月現在、18回の衛星打ち上げが行われている。2019年2月に最初の試験衛星を打ち上げた後、翌2020年2月からは本格的な打ち上げを開始した[8]。1回目から2022年2月の13回目の打ち上げまでは、アリアンスペースとの契約の元ロシアのソユーズロケットでの打ち上げが行われた。しかしソユーズでの打ち上げは2022年のロシアのウクライナ侵攻により中止となり、3月に打ち上げられる予定だった衛星が返還されないという大きなトラブルとなった。

その後は、インドのLVM3ロケット(2回)や、衛星コンステレーションのライバル企業でもあるスペースXが助け舟を出す形でファルコン9ロケット(3回)での打ち上げが実施されている[9]。

過去には、他にアリアンスペースのアリアン6[10]やヴァージン・ギャラクティックのランチャーワン[11]、またブルーオリジンのニューグレン[12]等とも打ち上げ契約を結んだと発表されていた。しかし2023年3月現在ランチャーワン以外のロケットは完成しておらず、これらロケットでの打ち上げは行われていない。

沿革

関連項目

脚注

[脚注の使い方]
  1. 1 2 “ソフトバンクG出資のワンウェブ、連邦破産法11条の適用申請”. ブルームバーグ (2020年3月28日). 2020年3月29日閲覧。
  2. 1 2 3 “経営破綻した宇宙インターネット「ワンウェブ」、英国政府などが買収へ”. マイナビニュース (2020年7月20日). 2020年7月24日閲覧。
  3. ↑ “「全地球で200Mbpsの通信網」にソフトバンクが惚れたワケ──2019年にも実現、1100億円出資”. engadget (2017年2月9日). 2019年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年7月6日閲覧。
  4. 1 2 3 “世界中にインターネット提供へ、衛星通信会社「ワンウェブ」の衛星群が完成”. マイナビニュース (2023年4月4日). 2023年4月5日閲覧。
  5. ↑ “Bridging the digital divide with OneWeb”. airbus (2017年6月20日). 2017年7月6日閲覧。
  6. ↑ “700個の人工衛星によるインターネット「OneWeb」 FCCが認可”. http://sorae.jp+(2017年6月27日).+2017年7月6日閲覧。
  7. ↑ “英新興ワンウェブ、通信衛星6千基打ち上げへ”. 日本経済新聞 (2019年11月12日). 2019年11月12日閲覧。
  8. 1 2 鳥嶋真也 (2020年2月18日). “全世界にインターネットをつなげる「ワンウェブ」、通信衛星34機を打ち上げ”. マイナビ. 2020年2月22日閲覧。
  9. 1 2 秋山文野 (2022年9月14日). “ロシアの一方的な打ち上げ中止で約400億円の衛星を失ったOneWeb、アリアンスペースと新たな協力へ”. Yahoo!ニュース. 2022年9月15日閲覧。
  10. ↑ “OneWeb, Arianespace target December-February for first Soyuz launch”. spacenews (2018年8月27日). 2018年9月8日閲覧。
  11. ↑ “OneWeb Contract A Milestone For Virgin Galactic’s Smallsat Launch Effort”. spacenews (2015年6月25日). 2018年9月8日閲覧。
  12. ↑ “Blue Origin signs OneWeb as second customer for New Glenn reusable rocket”. spacenews (2017年3月8日). 2018年9月8日閲覧。
  13. ↑ “Google-backed Global Broadband Venture Secures Spectrum for Satellite Network”. spacenews (2014年5月30日). 2017年7月6日閲覧。
  14. ↑ “Google Invests in Satellites to Spread Internet Access”. ウォールストリートジャーナル (2014年6月1日). 2017年7月6日閲覧。
  15. ↑ “Google Satellite Employee Greg Wyler Leaves Company”. ウォールストリートジャーナル (2014年9月2日). 2017年7月6日閲覧。
  16. ↑ “Greg Wyler’s OneWeb Satellite-Internet Company Secures Funding”. ウォールストリートジャーナル (2015年1月14日). 2017年7月6日閲覧。
  17. ↑ “Qualcomm, Virgin Group Join OneWeb on Ambitious 648 SmallSat Constellation”. Via Satellite (2014年1月14日). 2017年7月6日閲覧。
  18. ↑ “OneWeb Wins $500 Million in Backing for Internet Satellite Network”. NBC NEWS (2015年6月25日). 2017年7月6日閲覧。
  19. ↑ “900機もの衛星で世界中でインターネットを可能にする計画をエアバスと英ヴァージン系スタートアップ「OneWeb」が実行へ”. Gigazine (2015年6月16日). 2017年7月6日閲覧。
  20. ↑ “OneWeb Taps Airbus To Build 900 Internet Smallsats”. spacenews (2015年6月15日). 2017年7月6日閲覧。
  21. ↑ “OneWeb secures $500m from Virgin, Qualcomm, Airbus and Bharti”. フィナンシャルタイムズ (2015年6月25日). 2017年7月6日閲覧。
  22. ↑ “ソフトバンク、衛星通信のワンウェブに10億ドル出資-筆頭株主に”. ウォールストリートジャーナル (2016年12月19日). 2017年7月6日閲覧。
  23. ↑ “OneWeb weighing 2,000 more satellites”. spacenews (2017年2月24日). 2017年7月6日閲覧。
  24. ↑ “1万機の衛星でインターネットをあまねく世界に! - スペースXが目論む次の一手”. マイナビ (2017年5月13日). 2017年7月6日閲覧。
  25. ↑ “ソフトバンク:ワンウェブとインテルサット合併へ-17億ドル出資”. Bloomberg (2017年2月28日). 2017年7月6日閲覧。
  26. ↑ “インテルサット債権者、ワンウェブとの合併計画を拒否-関係者”. Bloomberg (2017年6月1日). 2017年7月6日閲覧。
  27. ↑ “FCC Grants OneWeb US Access for Broadband Satellite Constellation”. FCC (2017年6月22日). 2017年7月6日閲覧。
  28. ↑ “まるでパン工場?エアバスが900機の衛星を量産開始”. sorae.jp (2017年6月28日). 2017年7月6日閲覧。
  29. ↑ “OneWebのインターネット衛星、最初の6機が打ち上げ成功”. techcrunch (2019年3月1日). 2019年5月8日閲覧。
  30. ↑ “ソフトバンク出資のワンウェブ、12.5億ドル新規調達-衛星通信網構築へ”. bloomberg (2019年3月18日). 2019年5月8日閲覧。
  31. ↑ “SoftBank’s OneWeb to Consider Bankruptcy as Cash Dwindles”. Bloomberg News. 2020年3月21日閲覧。
  32. ↑ “OneWeb successfully launches 34 more satellites into orbit in second launch of 2020”. OneWeb (2020年3月21日). 2020年3月22日閲覧。
  33. ↑ “通信衛星企業OneWebが36基の衛星をロシアで打ち上げ、2020年春の破産申請を乗り越え” (2020年12月21日). 2021年3月30日閲覧。
  34. ↑ “OneWeb、競合SpaceXのロケットで衛星打ち上げへ--ロシア国営企業の拒否宣言で”. CNET Japan (2022年3月22日). 2022年3月22日閲覧。
  35. ↑ “SpaceX、競合するOneWebの衛星40基を打ち上げ”. CNET Japan (2022年12月9日). 2023年3月10日閲覧。
  36. ↑ “Successful launch of 36 OneWeb Satellites with ISRO/NSIL marks key milestone to enable global connectivity” (英語). OneWeb (2023年3月26日). 2023年3月27日閲覧。

外部リンク

⌬ Phoenix Mesh CID: 未登録 IPFS未登録 📡 0ピア N=1 CRITICAL PQS A88