局ヶ岳
| 局ヶ岳 | |
|---|---|
|
西側の栗ノ木岳から望む局ヶ岳、2020年10月 | |
| 標高 | 1,028.7[1] m |
| 所在地 |
三重県松阪市[1] |
| 位置 | 北緯34度27分37.8秒 東経136度19分37.5秒 / 北緯34.460500度 東経136.327083度座標: 北緯34度27分37.8秒 東経136度19分37.5秒 / 北緯34.460500度 東経136.327083度[1] |
| 山系 | 高見山地[2][3][4] |
局ヶ岳(つぼねがたけ)は、三重県松阪市[注釈 1][3][5][6][7]にある高見山地[1]の標高1,028.7 mの山[1][2][4][8][9][10][11]。関西百名山[4]及び近畿百名山の一つ。
概要
南麓を流れる櫛田川は香肌峡は渓谷美に優れ、香肌峡県立自然公園の指定を受けていて[5]、山頂部はその第3種特別地域[12]。白猪山、堀坂山とともに伊勢三山の一つで[4][9][13]、その最高峰[2]。南山域の旧飯南町には、東西に活断層の中央構造線が走っていて、局ヶ岳神社から登山口までの林道で岩盤の露頭が観察できる[2]。山頂には弁財天が祀られていたが、南山麓の飯高町宮町の花岡神社に合祀された[2]。山頂の北側には展望デッキが併設された電波反射板が設置されている[6]。冬は積雪を見ることが少ないが、気象状況によっては霧氷が見られることがある[6]。
- 東側の烏岳から望む上部が霧氷に覆われた局ヶ岳
山名の由来
古来から和歌や俳句で多く詠まれている[3]。山名の由来は、一人の局が祈願のために麓から険しい山中に分け入り、奥の宮に参籠して再び帰らす、それ以来雨の降る夜に山頂に美しい局の姿を見るようになったとする説がある[2][4]。また山容が十二単をまとった美しい局の姿に見えるとする説などもある[2][4][6]。
- 南山麓の茶畑から望む十二単をまとったような山容の局ヶ岳
局ヶ岳神社
南山腹に局ヶ岳神社があり[4]、市杵嶋比壱命を祭神として祀り、毎年春に例祭が行われている[2]。林道沿いには駐車場がある[9]。
- 南山腹にある局ヶ岳神社
- 局ヶ岳神社の祠
植生

南山麓には茶畑が広がる[1]。山域ではスギ、ヒノキなどの人工林が造成されている[6][14]。山上ではアセビ、カタクリ、コアジサイ[7]、ササユリ[8]、チゴユリ[11]、ツゲ[6]、ヤブツバキ[9]、ヤマザクラ[9]など、山頂部ではドウダンツツジやシロヤシオ[6]などが見られる。小峠付近にはバイケイソウの群落がある[9]。林道脇ではキブシ、スミレ、タラノキなどが見られる[7]。10月下旬から11月にかけて、小峠から山頂にかけて紅葉が見られる[7]。
ウィキメディア・コモンズには、局ヶ岳の植物に関するカテゴリがあります。
- 落下したヒメシャラの花
登山


古くは信仰の山としても登られていた[6]。日帰り登山の対象となる山[2][3][4][6][9][7][8][10][11]。登山グレードは初級とされている[15]。5本の登山道があり、椿の滝道登山口からの登山道が最もよく利用されている[11]。南側の飯高町木地小屋集落の上部の局ヶ岳神社付近からは南東斜面にある登山道は旧登山道と呼ばれている[7]。南山腹の林道から南尾根の新登山道が平成7年に整備され、山頂直下の小峠付近で旧登山道に合流する[7]。新道の登山道沿いには炭焼窯跡がある[7]。南山腹の林道沿線の椿の滝道登山口から椿の滝道の登山道が平成14年に整備され、椿の滝の少し下部で新登山道に合流する[11]。北側の立川沿いの林道栗又線付近の仁柿峠コース登山口には駐車場があり、仁柿峠本コースと仁柿峠健脚コースがあり、上部の北尾根と合流する[8]。山頂からは尾根伝いに西の三峰山まで縦走されることもある[7][8]。地元の山好きや一部のマニアにしか登られていなかった峰々から松阪市が11座の「まつさか香肌イレブン」を選定し、その一つ[注釈 2][15]。2024年(令和6年)から珍布峠と局ヶ岳を舞台としたまつさか香肌峡トレイルランのトレイルランニング大会が開催されている[16]。局ヶ岳神社登山口(松阪市飯高町宮前)では、三重県山岳遭難防止対策連絡協議会により遭難事故を未然に防止できるよう、登山者への安全登山と自然保護啓発活動が行われている[17]
地理
三重県のほぼ中央に位置し[7][9]、櫛田川の左岸に連なる高見山地の東端に位置する[1][2][3]。台高山脈の北端の高見山から東へ三峰山、修験業山、栗ノ木岳などの1,000 m級の山が連なる[2]。西の栗ノ木峠との間には庄司峠がある[1]。山頂はほぼ三方からの尾根が集まって鋭角をなすが、意外に広い[2]。山頂には三等三角点(点名が局岳、標高が1028.67 m)が設置されている[4][9][18]。周辺の主な山を下表に示す[1]。
| 山容 | 山名 | 標高(m) [1][18][19] |
三角点等級 基準点名[18] |
局ヶ岳からの 方角と距離(km)[1] |
備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 学能堂山 | 1021.4 | 二等 石名原岳 |
関西百名山 [20][注釈 3] | ||
| 白猪山 | 819.4 | 二等 白猪山 |
近畿百名山 [注釈 4] | ||
| 局ヶ岳 | 1028.67 | 三等 局岳 |
関西百名山 近畿百名山 まつさか香肌イレブン | ||
| 烏岳 | 545 | まつさか香肌イレブン | |||
| 栗ノ木岳 | 1,066 | まつさか香肌イレブン |
源流の河川
以下の源流となる河川は雲出川と櫛田川水系の支流で、東の太平洋側の伊勢湾へ流れる[1]。南山腹には椿の滝があり、以前は落差20 mで水量も豊富であったが、滝の途中に落石があり、現在は岩壁に一筋の滝水が滴るだけで落差は5 mもない[10]。
- 雲出川の支流
- 立川 - 八手俣川の支流
- 櫛田川の支流
- 深谷川
- 東又川など
交通アクセス

南山麓と国道166号が通り、その沿線にある道の駅飯高駅の北3.6 kmに位置する[1][9][11]。山域の北側に国道368号(国道369号との供用区間)が通り、立川沿いの林道栗又線が仁柿峠コース登山口へのアクセス道路となっている[1][11]。山域の西側には国道422号が通り、庄司峠付近の上部は北側の津市と南側の松阪市荒滝不動の区間が未開通となっている[1]。南山腹には林道が通り、局ヶ岳から神社から椿の滝道登山口の区間は登山に利用されている[11]。
山容と眺望
局ヶ岳の山容
東西から見ると点を突き刺すような尖ったピラミッド型の姿から「南伊勢の槍ヶ岳」と呼ばれていて[4][5][7][9][13]、その鋭峰は遠くからでもよく目立つ[8]。松阪方面からは鋭峰の山容[9]。伊賀南部や奈良県西部側からの遠望できる[3]。嶽山(だけやま)とも呼ばれている[7]。古くは「伊勢の三つ星」とも呼ばれ、伊勢湾を航行する船の目印とされていた[2][4][6]。南東山麓の飯高町下滝野からは、どっしりとした大きな山容が見られる[9]。
- 南山麓から望む局ヶ岳
- 西側の栗ノ木岳から望む局ヶ岳
- 東南東側の七洞岳から望む局ヶ岳
局ヶ岳からの眺望
山容は周囲に遮るものがなく、360度の展望は抜群に良い[2][3]。伊勢、台高山脈の山々や伊勢湾を望むことができる[2][4]。南側の眼下には山麓の櫛田川と周辺の街並みが望める[4]。西側には三峰山へと続く稜線、南西には迷岳、池木屋山など、北西には学能堂山[7]、室生火山群の大洞山、倶留尊山などの山々が望める[6]。北東には白猪山[7]、堀坂山[8]などが望める。
ウィキメディア・コモンズには、局ヶ岳からの眺望に関するカテゴリがあります。
- 北西側の大洞山と尼ヶ岳
脚注
注釈
出典
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 国土地理院.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 日本山岳会 2005, pp. 1266–1267.
- 1 2 3 4 5 6 7 山と溪谷社 1992, p. 555.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 山と溪谷社大阪支局 1989, p. 105.
- 1 2 3 4 徳久 1992, p. 347.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 与呉 2002, pp. 406–407.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 吉住ほか 1996, pp. 68–69.
- 1 2 3 4 5 6 7 佐藤ほか 2010, pp. 72–73.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 西山 2015, pp. 226–227.
- 1 2 3 黒田ほか 2015, pp. 72–73.
- 1 2 3 4 5 6 7 8 金丸ほか 2017, pp. 108–109.
- ↑ “香肌峡県立自然公園” (PDF). 三重県. pp. 1. 2026年10月26日閲覧。
- 1 2 松阪市.
- ↑ “6. 三重県の森林の特徴” (PDF). 三重県. pp. 1. 2026年10月26日閲覧。
- 1 2 “まつさか香肌イレブン”. 松阪市. 2026年10月26日閲覧。
- ↑ “まつさか香肌峡トレイルラン”. まつさか香肌峡トレイルラン. 2026年10月26日閲覧。
- ↑ “「秋の安全登山と自然保護啓発活動」を実施します”. 三重県 (2026年10月24日). 2026年10月26日閲覧。
- 1 2 3 “基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2026年10月26日閲覧。
- ↑ “日本の主な山岳標高(1003山)”. 国土地理院. 2026年10月26日閲覧。
- ↑ 山と溪谷社大阪支局 1989, p. 99.
参考文献
- 金丸勝実、内田拓也『三重県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド改訂版〉、2017年10月5日。ISBN 978-4-635-02053-4。
- 黒田豊年、金丸勝実、内田拓也『三重県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド改訂新版〉、2015年3月15日。ISBN 978-4-635-02401-3。
- 佐藤貞夫、黒田豊年、金丸勝実『三重県の山』山と溪谷社〈新・分県登山ガイド改訂版〉、2010年8月10日。ISBN 978-4-635-02373-3。
- 徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月1日。ISBN 4-385-15403-1。
- 西山秀夫『東海周辺 週末の山登り ベスト120』山と溪谷社〈ヤマケイアルペンガイドNEXT〉、2015年2月5日。ISBN 978-4635014540。
- 日本山岳会 編『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1。
- 山と溪谷社 編『日本の山1000』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、1992年8月。ISBN 4635090256。
- 山と溪谷社大阪支局 編『関西百名山』山と溪谷社、1989年9月20日。ISBN 4635530167。
- 与呉日出夫『改訂新版 名古屋周辺の山』山と溪谷社〈週末登山コースの百科事典〉、2002年3月1日。ISBN 4635180220。
- 吉住友一、岩出好晃『三重県の山』山と溪谷社〈分県登山ガイド〉、1996年12月1日。ISBN 4635021831。
関連項目
- 霧山城 - 城跡から局ヶ岳が眺望できる
外部リンク
- “局ヶ岳”. 地理院地図(電子国土Web). 国土地理院. 2026年10月26日閲覧。
- “局ヶ岳”. 山と溪谷オンライン. 山と溪谷社. 2026年10月26日閲覧。
- “局ヶ岳(つぼねがたけ)”. 松阪市観光インフォメーションサイト. 松阪市. 2026年10月26日閲覧。
