日本の水族館

この記事では日本の水族館(にほんのすいぞくかん)について解説する。日本は、100以上の水族館がある水族館大国である[1][2][3]。
定義
歴史
明治期
- 1882年(明治15年)、恩賜上野動物園の一角に観魚室(うをのぞき)が開設される[6][7]。循環濾過装置のない水槽による淡水魚展示施設で、日本初の水族館と呼ばれることもある[8]。
- 1885年(明治18年) - 浅草六区に浅草水族館が開館するが、2年も経たずに閉鎖したと推察される[9]。
- 1886年(明治19年) - 東京帝国大学の理学部が三浦半島の小網代に開設した臨海実験所に水族館を作る[10]。この水族館は1899年(明治32年)に油壺に移転し、1928年(昭和3年)に有料公開となり、1932年(昭和7年)に正式に水族館となり、1972年(昭和47年)に閉館された[11]。
- 1890年(明治23年) - 上野公園で第3回内国勧業博覧会が開かれた時に水族館が開かれたが、博覧会が終わると取り壊された。
- 1897年(明治30年) - 和楽園水族館開設。神戸市で開催された第2回水産博覧会の目玉として開設[11]。各水槽に循環濾過装置配備しており日本初の本格的水族館と呼ばれる[11]。ただし、博覧会期間中だけの開設で常設ではなかった[8]。
- 1899年(明治32年) - 浅草公園水族館開館、日本初の私設水族館。
- 1903年(明治36年) - 大阪での第5回内国勧業博覧会開催を機に堺水族館が開館され、当時東洋一との評価を得る(1961年に閉館)[12]。
- 1910年(明治43年) - 箱崎水族館「九州沖縄八県連合共進会」(博覧会)開催に伴い開館。25年後の国道3号拡張に伴い閉館。
大正から昭和初期(戦前)
昭和期(戦後)
- 1957年(昭和32年) - 須磨水族館開館、日本初の冷却装置付水槽を導入。
- 1957年(昭和32年) - 鳥羽水族館で世界初のドーナツ型水槽を有する水族館棟が完成。
- 1957年(昭和32年) - 江の島水族館の一角に江ノ島水族館マリンランドが開館、水量5,000 tの東洋一の規模の大プールで日本で初めて鯨類の能力を活かしたショーを実施。
- 1959年(昭和34年) - 江の島水族館がバンドウイルカの飼育下繁殖に日本で初めて成功。
- 1964年(昭和39年) - 大分生態水族館マリーンパレス開館、世界初の潮流式回遊水槽を設置。
- 1967年(昭和42年) - 下田海中水族館開館。世界初の水中に浮かぶ水族館。
- 1971年(昭和46年) - 串本海中公園水族館開館、日本初の半開放式水族館。
- 1976年(昭和51年) - 大洗水族館が日本初のペンギンのショーを実施[17]。
- 1978年(昭和53年) - サンシャインシティの「ワールドインポーマートビル」の10・11階に世界初の地上240mの高層ビルにあるサンシャイン国際水族館開館。
- 1981年(昭和56年) - 3代目魚津水族館が完成し、世界初のアクリル水槽に世界初のトンネル水槽を導入、また、波の出る水槽や雨の降る水槽も日本で初めて導入。
- 1982年(昭和57年) - 伊豆・三津シーパラダイスで日本初のラッコ飼育、また日本初の繁殖に成功。
- 1988年(昭和63年) - 江の島水族館で日本初の飼育下三世バンドウイルカが誕生。
平成以降
- 1989年(平成元年) - 葛西臨海水族園開園。日本最大のドーナツ型大水槽でマグロの回遊を実現。
- 1990年(平成2年) - 海遊館が開館。世界最大の水量5,400 tの水槽を備え、ジンベイザメ等を展示。
- 1993年(平成5年) - 横浜・八景島シーパラダイス開館。水量3,503tの野外水槽「生態ショープール」を有する。
- 1993年(平成5年) - 蓼科アミューズメント水族館開館。世界最高所(標高1,750 m)の淡水魚水族館。
- 2000年(平成12年) - アクアマリンふくしま開館、サンマの水槽内飼育及び繁殖に世界で初めて成功。
- 2000年(平成12年) - 江の島水族館で世界初の飼育下四世バンドウイルカが誕生。
- 2001年(平成13年) - 名古屋港水族館北館が開館。世界最大級の野外水槽(水量13,400 t)。
- 2002年(平成14年) - 沖縄美ら海水族館開館。世界最大の屋内水槽(水量7,500 t)。
- 2012年(平成24年) - 新江ノ島水族館で世界初の飼育下五世バンドウイルカが誕生。
- 2022年(令和4年) - 渋谷空想水族館が開館。XR技術によりバーチャル空間での水族館が開館した。
日本の水族館一覧
→「日本の水族館一覧」を参照
規模
- 日本におけるランキング(屋内水槽)
- ※堀込水槽・野外水槽・プールの類を除く。
- (世界におけるランキングは「水族館」を参照)
順位 名称 所在地 開館年 水量 1 沖縄美ら海水族館 「黒潮の海水槽」 沖縄県 2002年 7,500t 2 大阪海遊館 「太平洋水槽」 大阪府 1990年 5,400t 3 大阪海遊館 海洋生物研究所以布利センター 「第二水槽」 高知県 2009年 3,300t 4 葛西臨海水族園 「大洋の航海者水槽」 東京都 1989年 2,200t 5 大阪海遊館 海洋生物研究所以布利センター 「第一水槽」 高知県 1997年 1,600t 5 のとじま臨海公園水族館 「ジンベエザメ館 青の世界」 石川県 2010年 1,600t 7 アクアマリンふくしま 「潮目の海水槽」 福島県 2000年 1,500t(2,050t) 7 横浜八景島シーパラダイス 「魚類大水槽」 神奈川県 1993年 1,500t 7 いおワールドかごしま水族館 「黒潮大水槽」 鹿児島県 1997年 1,500t 10 マリンワールド海の中道 「パノラマ大水槽」 福岡県 1995年 1,400t
- 日本におけるランキング(延床面積)
- ※建物は大きく単棟型と分棟型(パビリオン型)、部分型(建物内の一部)に分けることができ、いずれをも含む。
順位 名称 所在地 広さ タイプ 1 名古屋港水族館 愛知県 41,529m2 分棟型 2 海遊館 大阪府 31,044m2 単棟型 3 鳥羽水族館 三重県 24,981m2 単棟型 4 鴨川シーワールド 千葉県 22,699m2 分棟型 5 マリンワールド海の中道 福岡県 21,079m2 単棟型 6 アクアワールド・大洗 茨城県 20,299m2 単棟型 7 沖縄美ら海水族館 沖縄県 19,199m2 分棟型 8 横浜・八景島シーパラダイス(アクアリゾーツ) 神奈川県 18,204m2 分棟型 9 アクアマリンふくしま 福島県 15,233m2 単棟型 10 葛西臨海水族園 東京都 14,772m2 分棟型 11 神戸市立須磨海浜水族園 兵庫県 14,500m2 分棟型 12 下関市立しものせき水族館 山口県 14,400m2 分棟型 13 島根県立しまね海洋館 島根県 14,394m2 単棟型 14 いおワールドかごしま水族館 鹿児島県 13,163m2 単棟型 15 新江ノ島水族館 神奈川県 12,804m2 単棟型 16 マクセル アクアパーク品川 東京都 11,535m2 部分型 17 新潟市水族館 マリンピア日本海 新潟県 11,463m2 分棟型 18 京都水族館 京都府 10,974m2 単棟型 19 大分マリーンパレス水族館 大分県 10,881m2 単棟型 20 登別マリンパークニクス 北海道 10,576m2 分棟型 - 日本におけるランキング(水槽総容量)
順位 名称 所在地 開館年 総水量 タイプ 1 名古屋港水族館 愛知県 1992年 24,600t 分棟型 2 八景島シーパラダイス(アクアリゾーツ) 神奈川県 1993年 16,500t 分棟型 3 鴨川シーワールド 千葉県 1970年 12,000t 分棟型 4 大阪海遊館 大阪府 1990年 11,000t 単棟型 5 沖縄美ら海水族館 沖縄県 1997年 10,400t 分棟型 6 マリンワールド海の中道 福岡県 1989年 6,050t 単棟型 7 鳥羽水族館 三重県 1955年 6,000t 単棟型 8 アクアワールド・大洗 茨城県 2002年 5,100t 単棟型 9 アクアパーク品川 東京都 2005年 4,800t 部分型 10 島根県立しまね海洋館 島根県 2000年 4,500t 単棟型
- 日本におけるランキング(年間入場者数)2018年度
順位 名称 所在地 入場者数 1 沖縄美ら海水族館 沖縄県 372万人 2 海遊館 大阪府 277万人 3 名古屋港水族館 愛知県 211万人 4 サンシャイン水族館 東京都 173万人 5 マクセル アクアパーク品川 東京都 171万人
飼育展示数・飼育種類数
- 一般的に水族館で飼育されている生物の展示数・種類数は動物園より多い。
- 日本における展示数ランキング
- ※ 展示数は絶えず変動しているので、順位も流動的であることに注意。
順位 名称 所在地 展示数(種類数) 1 アクアマリンふくしま 福島県 210,000点(約750種) 2 アクアワールド・大洗 茨城県 68,000点(約580種) 3 東京タワー水族館 東京都 50,000点(約900種) 4 サンシャイン水族館 東京都 37,000点(約750種) 5 鳥羽水族館 三重県 30,000点(約1200種) 5 海遊館 大阪府 30,000点(約580種)
- 日本における種類数ランキング
- ※ 種類数は絶えず変動しているので、順位も流動的であることに注意。
順位 名称 所在地 種類数(展示数) 1 鳥羽水族館 三重県 約1200種(30,000点) 2 東京タワー水族館 東京都 約900種(50,000点) 3 鴨川シーワールド 千葉県 約800種(11,000点) 4 アクアマリンふくしま 福島県 約750種(210,000点) 5 サンシャイン水族館 東京都 約750種(37,000点) 6 沖縄美ら海水族館 沖縄県 約740種(21,000点) 7 京都大学白浜水族館 和歌山県 約629種(10,796点) 8 神戸市立須磨海浜水族園 兵庫県 約600種(13,000点) 9 アクアワールド・大洗 茨城県 約580種(68,000点) 10 海遊館 大阪府 約580種(30,000点)
脚注
出典
- ↑ “5月4日放送 第415回 あなたの知らない水族館~進化する“海の技術”~”. 日経スペシャル「ガイアの夜明け」. テレビ東京. 2026年9月29日閲覧。
- ↑ “水族館の数、日本が世界一って本当?”. 日本経済新聞 (2011年1月24日). 2026年9月29日閲覧。
- ↑ “水族館の歴史”. ホームメイト・リサーチ. 東建コーポレーション. 2026年9月29日閲覧。
- ↑ “<水族館>に定義はない? 法律・国際的組織・業界団体の解釈は”. サカナト. 週刊つりニュース (2024年6月18日). 2026年10月16日閲覧。
- ↑ “動物園や水族館も「博物館」なのはなぜか。”. レファレンス協同データベース. 国立国会図書館 (2024年3月11日). 2026年10月16日閲覧。
- ↑ 堀 1998, p. 58.
- ↑ 鈴木 2001, p. 2.
- 1 2 鮫島叡 「開園10周年・これからの水族館」(神戸市立須磨海浜水族園公式Webサイト、2010年1月22日時点のインターネット・アーカイブ)
- ↑ 鈴木 2001, pp. 3–4.
- ↑ 堀 1998, p. 61.
- 1 2 3 堀 1998, p. 62.
- ↑ 堀 1998, pp. 62–63.
- 1 2 マリンピア松島水族館の概略史 Archived 2007年12月12日, at the Wayback Machine.
- ↑ 阪神ナウ! 「甲子園の開発 Archived 2007年9月27日, at the Wayback Machine.」。1936年(昭和11年)にゴンドウクジラを飼育と記載。
- ↑ 鈴木克美 『水族館への招待』 丸善株式会社、平成6年、190-192頁。1935年(昭和10年)にゴンドウクジラを飼育と記載。
- ↑ 堀家邦男 『水族館の魚達』 秦流社、昭和51年、95-116頁。1937年(昭和12年)に和歌山県太地町で捕獲されたゴンドウクジラ4頭を飼育と記載(オープンは昭和9年とされている)飼育年については阪神ナウ!、鈴木、堀家の間でぶれが見られる。またこれらにはゴンドウクジラの飼育と記述されているが、和歌山県太地で捕獲された個体であるとの堀家の記述から、コビレゴンドウであると解釈される。
- ↑ “茨城)ペンギンの散歩始まる アクアワールド”. 朝日新聞. 2014年11月6日. 2014年11月11日時点のオリジナルよりアーカイブ.
参考文献
- 堀由紀子『水族館のはなし』岩波書店〈岩波新書〉、1998年8月20日。ISBN 4-00-430575-6。
- 鈴木克美 (2001), わが国の黎明期水族館史再検討, , 海、人、自然 東海大学博物館研究報告 (東海大学社会教育センター) 2001 (3): pp. 1-17, ISSN 1344-7173