束縛 (言語学)
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言語学における束縛(そくばく、英: binding)とは、代名詞などの照応表現が文法的に先行詞と関連付けられる現象である[要出典]。例として、「Mary saw herself」という英文において、照応詞「herself」は「Mary」と同一指示でなければならない。この時、「herself」の指示対象は先行詞に「束縛」される。束縛は、文脈や統語構造に依存し認可の可否が異なる。例として、「Mary saw her」という英文において、代名詞「her」と「Mary」の間に束縛関係は成立しない。束縛はすべての言語に存在するが、密接に関連する言語間でも課される制約が異なる。束縛は、統語論および意味論において1970年代以降広く研究されている文法現象の一つであり、統率・束縛理論の中核を成す下位理論である[注 1]。
基本的な例と問題
以下の文は束縛の基本的な事実を示す。添字 i を持つ語は同一の人物または事物を指示するものとして解釈される[注 2]。
- a. Fredi is impressed with himselfi. – 示された読みは必須
- b. *Fredi is impressed with himi. – 示された読みは不可能
- a. *Susani asked Arthur to help herselfi. – 示された読みは不可能
- b. Susani asked Arthur to help heri. – 示された読みは容易に可能
- a. Suei said shei was tired. – 示された読みは容易に可能
- b. *Shei said Suei was tired. – 示された読みは不可能
- a. Fred'si friends venerate himi. – 示された読みは容易に可能
- b. ?Hisi friends venerate Fredi. – 示された読みは起こりにくい
これらの文は再帰代名詞と人称代名詞の分布に関するいくつかの側面を示している。最初の対では、示された読みが可能であるためには再帰代名詞が現れなければならない。2番目の対では、示された読みが可能であるためには人称代名詞が現れなければならない。3番目の対は、人称代名詞がその先行詞の後に来なければならない場合があることを示しており、4番目の対はさらに同じ点を示しているが、容認性の判断はそれほど明確ではない。こうしたデータに基づくと、再帰代名詞と人称代名詞はその分布が異なること、また線形順序(代名詞と先行詞または後行詞の位置関係)が少なくとも一部の代名詞の出現位置を規定する要因であることがわかる。束縛理論は、こうした文に見られる分布の違いを予測し、説明できるものでなければならない。たとえば「再帰代名詞が現れなければならない位置と人称代名詞が現れなければならない位置を何が説明するか」「線形順序はどのような場合に代名詞の出現位置を決定するか」「線形順序以外に代名詞の出現位置を予測するのに役立つ要因は何か」といった問いに答えられるべきである。
束縛領域
以下の3つの節では、英語における代名詞と名詞の分布に関連する束縛領域を考察する。この議論は伝統的な束縛理論(後述)の概要に従い、名詞句を3つの基本カテゴリに分類する。すなわち、再帰代名詞および相互代名詞、人称代名詞、そして名詞(普通名詞および固有名詞)である[注 3]。
再帰代名詞と相互代名詞(「照応詞」)
再帰代名詞と相互代名詞(「照応詞」という一般カテゴリにまとめられることが多い)の分布を調べると、特定の「領域」が関係していることがわかる。ここで「領域」とは節に似た統語単位を指す。再帰代名詞と相互代名詞はしばしば、局所的な束縛領域内に先行詞を求める。
- a. Fredi praises himselfi. – 示された読みは必須
- b. *Fredi praises himi. – 示された読みは不可能
- a. The girlsi like each otheri. – 示された読みは必須
- b. *The girlsi like themi. – 示された読みは不可能
これらの例は、再帰代名詞または相互代名詞がその先行詞を求める領域が存在することを示している。a-文では再帰代名詞または相互代名詞が節内に先行詞を持つため適切である。一方 b-文は示された読みを許さず、人称代名詞の分布が再帰代名詞・相互代名詞とは異なることを示している。関連する観察として、再帰代名詞や相互代名詞はしばしば上位節に先行詞を求めることができない。
- a. Susan thinks that Jilli should praise herselfi. – 示された読みは(ほぼ)必須
- b. ??Susani thinks that Jill should praise herselfi. – 示された読みは非常に起こりにくい
- a. They asked whether the girlsi like each otheri. – 示された読みは(ほぼ)必須
- b. ??Theyi asked whether the girls like each otheri. – 示された読みは非常に起こりにくい
再帰代名詞や相互代名詞がそれを含む直接の節の外に先行詞を求めようとすると失敗する。すなわち、上位節に先行詞を求めることはほとんどできない。関連する束縛領域はそれを含む直接の節である。
人称代名詞
人称代名詞の分布は再帰代名詞・相互代名詞とは異なる。この点は前節の最初の2組の b-文から明らかである。再帰代名詞・相互代名詞の分布において決定的な局所束縛領域は人称代名詞においても決定的だが、異なる形で作用する。人称代名詞は局所束縛領域の外に先行詞を求める。
- a. Fredi asked whether Jim mentioned himi. – 示された読みは容易に可能
- b. *Fred asked whether Jimi mentioned himi. – 示された読みは不可能
- a. Ginai hopes that Wilma will mention heri. – 示された読みは容易に可能
- b. *Gina hopes that Wilmai will mention heri. – 示された読みは不可能
これらの場合、代名詞はそれを含む埋め込み節の外側にある主節に先行詞を求めなければならない。したがって、こうしたデータに基づけば、関連する束縛領域は節であるように思われる。しかし、さらなるデータは節が実際には関連する領域ではないことを示す。
- a. Fredi likes the picture of himi. – 示された読みは可能
- b. Ginai has heard the rumor about heri. – 示された読みは可能
これらの場合、代名詞はその先行詞を含む最小の節内に現れているため、関連する束縛領域が節であるとは言えない。こうしたデータから言えるのは、その領域が「節に似たもの」であるということだけである。
名詞
普通名詞および固有名詞の分布は、再帰・相互・人称代名詞とは異なる。この点に関する重要な観察は、名詞はしばしばその束縛領域内または上位束縛領域内の別の名詞句と同一指示関係を持つことを嫌うということである。
- a. Susani admires herselfi. – 示された読みは必須
- b. #Susani admires Susani. – 示された読みは可能だが特殊な文脈が必要
- a. Fredi thinks that hei is the best. – 示された読みは容易に可能
- b. #Fredi thinks that Fredi is the best. – 示された読みは可能だが特殊な文脈が必要
a-文で示された読みは自然であるが、b-文は非常に特異である。実際、これらの b-文のような文は伝統的束縛理論の条件 C によれば不可能と判断されていた(後述)。しかし対比的な文脈があれば b-文は成立しうる。たとえば「Susan does not admire Jane, but rather Susani admires Susani」などである。したがって、名詞は再帰・相互・人称代名詞と同じ意味では束縛領域に敏感ではないと結論づけることができる。
線形順序
以下の節では、純粋な線形順序が代名詞の分布にどの程度影響するかを示す。線形順序は明らかに重要だが、代名詞の出現位置を規定する唯一の要因ではない。
線形順序は重要な要因である
多くの照応要素、特に人称代名詞の分布に関する単純な仮説は、線形順序が役割を果たすというものである。ほとんどの場合、代名詞はその先行詞の後に来る。また多くの場合、代名詞が先行詞に先行すると同一指示の読みは不可能になる。以下の文は純粋な線形順序が代名詞の分布において重要であることを示唆する。
- a. Jim'si grade upsets himi. – 示された読みは容易に可能
- b. ?Hisi grade upsets Jimi. – 示された読みは起こりにくい
- a. Larry'si family avoids himi. – 示された読みは容易に可能
- b. ?Hisi family avoids Larryi. – 示された読みは起こりにくい
- a. We spoke to Tina'si mother about heri. – 示された読みは容易に可能
- b. ?We spoke to heri mother about Tinai. – 示された読みは起こりにくい
これらの b-文での同一指示の読みは可能ではあるが起こりにくい。a-文の順序が強く好まれる。以下のより広範なデータはさらに線形順序が重要であることを示す。
- a. Sami mentioned twice that hei was hungry. – 示された読みは容易に可能
- b. *Hei mentioned twice that Sami was hungry. – 示された読みは不可能
- c. That Sami was hungry, hei mentioned twice. – 示された読みは可能
- d. ?That hei was hungry, Sami mentioned twice. – 示された読みは起こりにくい
- a. You asked Fredi twice when hei would study. – 示された読みは容易に可能
- b. *You asked himi twice when Fredi would study. – 示された読みは不可能
- c. When Fredi would study, you asked himi twice. – 示された読みは可能
- d. ?When hei would study, you asked Fredi twice. – 示された読みは起こりにくい
容認性の判断は微妙だが、純粋な線形順序が示された読みの可否を少なくとも部分的に予測することを強く示唆できる。a-文と c-文は b-文・d-文よりも容易に同一指示の読みを許す。
線形順序だけが要因ではない
線形順序は代名詞の分布に影響する重要な要因だが、唯一の要因ではない。以下の文は埋め込み節が含まれるという点で前節の c-文・d-文に似ている。
- a. When the boysi are at home, theyi play video games. – 示された読みは容易に可能
- b. When theyi are at home, the boysi play video games. – 示された読みは可能
- a. If Susani tries, shei will succeed. – 示された読みは容易に可能
- b. If shei tries, Susani will succeed. – 示された読みは可能
ここでの a-文に対するわずかな選好はあるかもしれないが、b-文での示された読みも可能である。したがって、こうした場合には線形順序はほとんど役割を果たしていない。これらの文と前節の c-文・d-文との関連する違いは、ここでの埋め込み節が付加語節であるのに対し、上記では項節であるという点である。以下の例は付加語句を含む場合である[注 4]。
- a. Rosai found a scratch in Ben's picture of heri. – 示された読みは容易に可能
- b. *Shei found a scratch in Ben's picture of Rosai. – 示された読みは不可能
- c. ?In Ben's picture of Rosai, shei found a scratch. – 示された読みは起こりにくい
- d. In Ben's picture of heri, Rosai found a scratch. – 示された読みは可能
- a. Zeldai spent her sweetest hours in heri bed. – 示された読みは容易に可能
- b. *Shei spent her sweetest hours in Zelda'si bed. – 示された読みは不可能
- c. ??In Zelda'si bed, shei spent her sweetest hours. – 示された読みは非常に起こりにくい
- d. In heri bed, Zeldai spent her sweetest hours. – 示された読みは可能
c-文が示された読みをわずかに許すのに対して b-文は全く許さないという事実は、線形順序が重要であることをさらに示している。しかし d-文は示唆的であり、もし線形順序がすべてを説明するなら、d-文の容認性はより低いはずである。こうしたデータから引き出せる結論は、線形順序以外に代名詞の分布に影響する要因が1つ以上存在するということである。
配置か機能か
線形順序だけが代名詞の分布に影響する要因ではないとすれば、他にどのような要因が役割を果たしているかが問題になる。伝統的な束縛理論(後述)ではC統御が最重要な要因とされていたが、統語理論における C統御の重要性は近年広く批判されている[注 5]。C統御の主要な代替概念は機能的ランクである。これら2つの競合概念(C統御対ランク)は広く議論されてきており、今なお議論が続いている。C統御は配置的概念であり、具体的な統語配置に基づいて定義される。一方、統語的ランクは語彙に存在する機能的概念であり、述語の項のランク付けに基づいて定義される。主語は目的語よりも高くランク付けされ、第1目的語は第2目的語よりも高く、前置詞目的語は最も低くランク付けされる。以下の2つの節でこれらの競合概念を簡単に考察する。
配置(C統御)
C統御は統語配置を原始的なものとして認める配置的概念である。多くの言語に見られる主語と目的語の基本的な非対称性は、主語が有限動詞句(VP)の外側に現れるのに対し目的語はその内側に現れるという事実によって説明される。したがって主語は目的語をC統御するが、逆は成立しない。C統御は次のように定義される。
ほとんどの句構造文法に関連する節の二分割(S → NP + VP)を前提とすると、この定義では典型的な主語が動詞句(VP)内のすべてをC統御するのに対し、VP内のものはVP外のものをC統御できない。いくつかの基本的な束縛の事実はこのようにして説明される。
- a. Larryi promoted himselfi. – 示された読みは必須
- b. *Himselfi promoted Larryi. – 示された読みは不可能;文は非文法的
a-文が適切なのは主語 Larry が目的語 himself をC統御するからであり、b-文が機能しないのは目的語 Larry が主語 himself をC統御しないからである。前提とされてきたのは、再帰代名詞はその束縛領域内でその先行詞によってC統御されなければならないということである。このC統御に基づくアプローチは多くの場合正しい予測を行うが、正しい予測ができない場合もある。
- The picture of himselfi upsets Larryi. – 示された読みは可能
示された読みはこの場合容認可能だが、もしC統御が再帰代名詞の出現位置を説明する重要な概念であるならば、himself は Larry によってC統御されていないため、読みは不可能なはずである[注 7]。
再帰代名詞と人称代名詞は補分布をなすため、C統御の概念は人称代名詞の出現位置の説明にも使用できる。前提とされるのは、人称代名詞はその先行詞をC統御してはならないということである。
- a. When Alicei felt tired, shei lay down. – 示された読みは容易に可能
- b. When shei felt tired, Alicei lay down. – 示された読みは可能
両例で人称代名詞 she はその先行詞 Alice をC統御せず、線形順序が逆にもかかわらず両文が文法的になっている。
機能(ランク)
C統御アプローチの代替案は、統語機能のランク付け(主語 > 第1目的語 > 第2目的語 > 前置詞目的語)を前提とする[注 8]。主語と目的語の非対称性はこのランク付けによって説明される。主語は目的語よりも高くランク付けされるため、目的語は主語を先行詞として持てるが逆は成立しない。基本的なケースでは、このアプローチはC統御アプローチと同じ予測を行う。前節の最初の2文を繰り返す。
- a. Larryi promoted himselfi. – 示された読みは必須
- b. *Himselfi promoted Larryi. – 示された読みは不可能;文は非文法的
主語は目的語よりランクが高いため、a-文は予測通り容認可能であり、主語 Larry が目的語 himself よりもランクが高い。一方 b-文は、主語の再帰代名詞 himself がその後行詞 Larry よりもランクが高いため不適切である。言い換えれば、ランクに基づくこのアプローチは、再帰代名詞はその束縛領域内でその先行詞(または後行詞)よりもランクが高くてはならないと仮定する。この点に関して前節の3番目の例文を考える。
- The picture of himselfi upset Larryi. – 示された読みは可能
ランクに基づくアプローチは、再帰代名詞とその先行詞の間に特定の配置的関係が成立することを要求しない。言い換えれば、このケースでは予測を行わず、したがって誤った予測もしない。再帰代名詞 himself は主語名詞句内に埋め込まれており、主語でないため目的語 Larry よりもランクが高くない。
線形順序とランクの両方を認める束縛理論は、多くの周辺的な読みを少なくとも部分的に予測し始めることができる[注 9]。線形順序とランクが組み合わさると容認性の判断は明確になる。
- a. Barbarai hopes that shei will be promoted. – 線形順序とランクが組み合わさり示された読みは容易に可能。
- b. *Shei hopes that Barbarai will be promoted. – 線形順序とランクが組み合わさり示された読みは不可能。
- a. Bill'si grade upset himi. – 線形順序のみにより示された読みは可能;ランクは関与しない。
- b. ?Hisi grade upset Billi. – 線形順序のみにより示された読みは起こりにくい;ランクは関与しない。
周辺的な読みへの対処は線形順序とランクを組み合わせるアプローチが達成できることであり、C統御のみを認めるアプローチには同様のことができない。
伝統的束縛理論:条件A・B・C
束縛現象の探究は1970年代に始まり、生成文法の伝統にある文法フレームワークである統率・束縛理論において1980年代に研究が最盛期を迎えた[注 10]。このフレームワークは現在も影響力を持ち続けている。当時広まった束縛理論は今や参照点としてのみ機能する(もはや正しいとは考えられていないため[なぜ?])。この理論は3つの異なる束縛条件(A・B・C)を区別する。この理論では名詞句を2値特徴 [±照応詞] および [±代名詞] によって分類する。名詞句の束縛特性はこれらの特徴の値(プラスまたはマイナス)によって決まる。したがって、[-照応詞, -代名詞] の名詞句はR表現(指示表現)であり、普通名詞や固有名詞などが該当する。[-照応詞, +代名詞] の名詞句は he や they などの代名詞であり、[+照応詞, -代名詞] の名詞句は himself や themselves などの再帰代名詞である[要説明]。ここで「照応詞」という用語は専門的な意味で使用されており、本質的に「再帰的」を意味する。この意味は統率・束縛フレームワークに固有のものであり、このフレームワーク外には広まっていない[注 11]。
これらの2つの特徴による分類に基づき、3つの条件が定式化される。
- 条件A
- 照応詞(再帰代名詞)は局所的に束縛されなければならない(近くの先行詞を持たなければならない)。
- よって Johni washed himselfi は条件Aを満たす:himself の先行詞 John は近くにある。
- 一方 *Johni asked Mary to wash himselfi は容認不可能であり、再帰代名詞とその先行詞が互いに離れすぎているためである。
- 条件B
- 代名詞は局所的に束縛されてはならない(先行詞が局所的でないか代名詞をC統御しない限り、先行詞を持てる)。
- よって Johni asked Mary to wash himi は条件Bを満たす;John は him の先行詞であり、him は十分に離れている。
- Hei washed himselfi も条件Bを満たす;先行詞 himself は局所的だが代名詞 He をC統御しない。
- 一方 *Johni washed himi は容認不可能;先行詞 John は局所的であり代名詞 him をC統御する。
- 条件C
- R表現は束縛されてはならない。それをC統御するものと同一指示できない。
- よって *Hei asked Mary to wash Johni は容認不可能;代名詞 He がその先行詞であるR表現 John をC統御する。
- Johni washed Johni は容認不可能;最初のR表現が2番目をC統御するため、同一指示できない。
前述のように、これら3つの条件が表す束縛理論はもはや有効とは見なされていないが[なぜ?]、3つの条件との結びつきは束縛研究において非常に強く定着しているため、たとえば「条件A効果」や「条件B効果」といった表現が束縛現象を説明する際に頻繁に使われる。
脚注
注釈
- ↑ Hornstein (2018)[1]に、統率・束縛理論とその後継であるミニマリスト・プログラムへの発展の歴史についての概説があり、GBの枠組みにおいて束縛がいかに重要な役割を果たしたかについても説明がある。
- ↑ 束縛現象を例示するために用いられる例文は、ここに例示するもののほかにも数多く存在する。Radford (2004:85f)[2]や Carnie (2013:153f)[3]等も参照のこと。
- ↑ Carnie (2013:147ff.)[3]などにおいて、名詞類(英: nominals)を再帰・相互代名詞、人称代名詞、および名詞の三種に区別する根拠が論じられている。ただし、用いられる用語は著者により異なる。
- ↑ 「Mary」[要出典]または「Zelda」を含む例は、もとは照応詞の分布について論じているReinhart (1983)[4]で用いられたものである。ただし、Reinhartの容認性判断には不正確なものが多くあり[要出典]、ここでの例では適切な容認性判断を振り直している。
- ↑ Bruening (2014)[5]では、統語論の理論構築にC統御を用いることについて、多角的な批判が行われている。
- ↑ C統御の定義はCarnie (2013:127)[3]より引用。
- ↑ 再帰代名詞が主語NPの内部に埋め込まれていながら、同時に目的語NPと同一指示関係にあることが可能でありうるという洞察は、Pollard and Sag (1992)[6]により提示された。以降、先行詞によって束縛されないこのような再帰代名詞は「免除された照応詞(英: exempt anaphor)」と呼ばれている。
- ↑ 束縛現象の研究においては、しばしば各々の統語機能の階層化が行われているが、用いられる用語は多くの場合ばらつきがある。特にHPSGとLFGの枠組みでは、統語機能には特定の基本階層があると仮定される。「o-command」の概念を用いたPollard and Sag (1994:121)[7]、「rank」という用語を用いたBresnan (2001:212)[8]などを参照のこと。ここでは「rank」の用語を使用する。
- ↑ 束縛現象についての最初期の研究の一つであるLangacker (1969)[9]は、束縛が成立するか否かは2つの要因を組み合わせから予測できると論じている。複数の要因が束縛のデータに作用するという考え方には、長い研究上の伝統がある。
- ↑ 伝統的束縛理論の概説について、Radford (2004:85ff)[2]やCarnie (2013:147ff.)[3]などを参照のこと。
- ↑ 生成統語論を扱う教科書に多くはこの用語をこの意味で用いている。Carnie (2013:148)[3]などを参照のこと。
出典
- ↑ Hornstein, Norbert (2018). “The Minimalist Program After 25 Years”. Annual Review of Linguistics 4: 49-65.
- 1 2 Radford, Andrew (2004). English syntax: An introduction. Cambridge, UK: Cambridge University Press
- 1 2 3 4 5 Carnie, Andrew (2013). Syntax: A generative introduction. Malden, MA: Wiley-Blackwell
- ↑ Reinhart, Tanya (1983). Anaphora and semantic interpretation. London: Croom Helm
- ↑ Bruening, Benjamin (2014). “Precede-and-command revisited”. Language 90 (2): 342-388.
- ↑ Pollard, Carl; Sag, Ivan A. (1992). “Anaphors in English and the Scope of Binding Theory”. Linguistic Inquiry 23 (2): 261-303.
- ↑ Pollard, Carl; Sag, Ivan A. (1994). Head-Driven Phrase Structure Grammar. University of Chicago Press
- ↑ Bresnan, Joan (2001). Lexical–Functional Syntax. Wiley
- ↑ Langacker, Ronald (1969). “On pronominalization and the chain of command”. In Reibel, David A.; Schane, Sanford A.. Modern Studies in English. Engelwood Cliffs, NJ: Prentice-Hall. pp. 160-186
関連文献
- Büring, D. 2005. Binding Theory. New York: Cambridge University Press.
- Chomsky, N. 1981. Lectures on Government and Binding. Dordrecht: Foris Publications.
- デイヴィッド・クリスタル(Crystal, D.). 1997. A dictionary of linguistics and phonetics. 4th edition. Oxford, UK: Blackwell Publishers.
- アイリーン・ハイム(Heim, I.), and A. Kratzer. 1988. Semantics in Generative Grammar. Malden, MA: Blackwell.
- Hornstein, N. Nunes, J. Grohmann, K. 2005. Understanding Minimalism. Cambridge: Cambridge University Press.
- Reinhart, Tanya (1993). “Reflexivity”. Linguistic Inquiry 24 (4): 657-720.
