海渡英祐
| ペンネーム | 海渡 英祐 |
|---|---|
| 生誕 |
広江 純一 1934年9月24日(92歳) |
| 職業 | 小説家、推理作家 |
| 言語 | 日本語 |
| 国籍 |
|
| 教育 | 学士(法学) |
| 最終学歴 | 東京大学法学部卒業 |
| 活動期間 | 1961年 - 1998年 |
| ジャンル | 推理小説 |
| 代表作 | 『伯林―一八八八年』(1967年) |
| 主な受賞歴 | 江戸川乱歩賞(1967年) |
| デビュー作 | 『極東特派員』(1961年) |
(かいと えいすけ、1934年9月24日 -)は、日本の小説家・推理作家。日本推理作家協会現会員。本名広江純一。筆名は「成吉思汗=源義経」(海を渡った英雄)にちなむ。
経歴
1934年、東京市(現東京都)目黒区に生まれる。少年時代を満洲で過ごし、1946年に引き揚げて青森市に居住。青森県立青森高等学校では寺山修司、沢田教一と同級生。東京大学法学部卒業後、推理小説家の高木彬光の『成吉思汗の秘密』執筆を手伝い、アルバイトで資料収集や原稿整理を助けたことから推理作家志望となる。
その後、初の自作小説『極東特派員』を1961年に刊行した。1967年には森鷗外やビスマルクなどを交え展開する殺人事件を描いた本格推理小説『伯林―一八八八年』で第13回江戸川乱歩賞を受賞する。そのときの乱歩賞の選考委員のひとりが高木彬光だった。その後の作家活動として創作した作品の内容傾向は本格、競馬、歴史推理小説や清水義範などらが得意とするユーモアミステリー小説の執筆など多くの種にわたっている。
文学賞受賞・候補歴
太字が受賞したもの
作品リスト
長編
- 『極東特派員』東都書房(1961年 国立国会図書館書誌ID:000001023048)/ 徳間文庫(1981年3月 000001495374)
- 『爆風圏』東京文芸社(1961年 000001027378)/ 徳間文庫(1982年10月 ISBN 4-19-567369-0)
- 『伯林―一八八八年』講談社(1967年 000001099655) / 講談社文庫(1975年 000001312683)
- 『影の座標』講談社(1968年 000001115160) / 講談社文庫(1980年11月 000001483432)
- 『無印の本命』立風書房(1970年 000001291021)/ 徳間文庫(1983年4月 ISBN 4-19-567448-4)
- 『燃えつきる日々』講談社(1977年8月 000001352089)/ 徳間文庫(1986年9月 ISBN 4-19-568133-2)
- 『白夜の密室 ペテルブルグ1901年』角川書店(1977年11月 000001359078)
- 『白夜の密室 ペテルブルグ一九〇一年』徳間文庫(1990年7月 ISBN 4-19-569115-X)
- 『霧の旅路』角川書店(1978年4月 000001372748) / 徳間文庫(1988年4月 ISBN 4-19-568491-9)
- 『積木の壁』実業之日本社 ジョイ・ノベルス(1981年1月 000001488310)/ 徳間文庫(1985年5月 ISBN 4-19-567848-X)
- 『二十の二倍』フタバノベルス(1981年3月 000001506297)/ 徳間文庫(1986年3月 ISBN 4-19-568031-X)
- 『黎明に吼える』トクマ・ノベルズ(1981年10月 ISBN 4-19-152358-9)
- 『咸臨丸風雲録 歴史ミステリー 福沢諭吉の推理』講談社ノベルス(1983年3月 ISBN 4-06-181041-3)
- 『出囃子が死を招く』光文社文庫(1992年8月 ISBN 4-334-71564-8)
- 『ターフの罠』日本文芸社 日文ノベルス(1995年7月 ISBN 4-537-07023-4)
短編集
苦虫警部補・吉田茂
- 『おかしな死体ども 吉田警部補苦虫捕物帳』[注釈 1]トクマ・ノベルズ(1974年 000001297972)/ 徳間文庫(1983年10月 ISBN 4-19-567535-9) - 総理と同名の警部補が、佐藤・田中の両部下を従えドタバタする、海渡の代表的短編シリーズ。
- 「動き回る死体」 - 110番通報で吉田が駆けつけると、発見者いわく通報してもどると死体が消えてしまったという。別の場所でも同じ被害者が通報後に消えた。
- 「浮気をする死体」 - 寝室でアベック死体が発見される。しかし、発見者たちは女性のほうはさっき観た女性とは別人だと言う。また、向かいの家の女性は2人とは別の女性が出入りしたと証言する。
- 「酔っ払った死体」 - 死体の周囲にはウイスキー瓶が6本転がっていた。うち「イーグル」という銘柄が3本で三ワシでダイイング・メッセージと吉田は三輪氏が怪しいと詰め寄る。
- 「気まぐれな死体」 - ベッドの上の死体は黒の碁石を握りしめていた。和室の碁盤を見た関係者は盤面がおかしいと言い吉田はもう一つの碁石を発見する。
- 「仰天した死体」 - 雨のなか古井戸の前に驚愕した女性の死体があった。家の中にも被害者に似せた人形があるがぐっしょり濡れていた。
- 「下痢をした死体」 - 新鋭カメラマン殺人現場には女のハンドバッグと玄関にはロングブーツがあったが発見者は長い髪で赤い服の青年だった。近所の子供たちの証言でブーツの女が来てミニスカをめくったら怒られたという。吉田は彼が本当は女かまたは女装してきて、男装に着替えたのかと疑う。犯人がこぼした酒を拭くのにトイレットペーパーが大量に使用されており、バッグのティッシュを使おうとしない点から殺害者は女ではないと吉田は推理する。
- 「迷い込んだ死体」 - 電機メーカーの資料室で全裸の華奢な男性が発見される。守衛は髪を染めた女性が入ったのを証言、女の服やハイヒールが隠されているのが発見。吉田は被害者は女装男子だと推理する。
- 「怪獣の好きな死体」 - 死体は怪獣図鑑をダイイング・メッセージとして残していた。怪獣の着ぐるみの男が守衛や社員たちに目撃されている。
- 『ふざけた死体ども 吉田警部補苦虫捕物帳』トクマ・ノベルズ(1977年7月 000001351906)/ 徳間文庫(1984年4月 ISBN 4-19-567630-4) - 同じく第二短編集。
- 「ケーキの好きな死体」 - ルームシェアの二人の女。片方が顔にケーキをぶつけられた状態で死亡した。
- 「ツキのない死体」 - 麻雀好きの六人組。二抜けで負けが混んだ男が別室で死んでいた。
- 「たいやきを喰った死体」 - 女子大教授が毒殺された。死体は鯛焼きを掴み犯人を示しているらしい。
- 「ふしだらな死体」 - 昔ながらの下宿屋で揉み合う男女が目撃される。目撃者の女性が下宿人と当該の部屋に行くと何もない。ところが警察が踏み込むと押入れに住人ではない女の死体があった。
- 「隠れん坊する死体」 - ホテルで例会をやる手品同好会。宴会のテーブルクロスをめくるとリーダー格の会員が死んでいた。
- 「ゼツリンな死体」 - 三人がクロロホルムで眠らされたあと鈍器で殴られた。しかし三人中二人が息を吹き返す。
- 「大喰らいの死体」 - 元相撲取りの殺害現場には五人前の出前が平らげた状態で空っぽの丼や皿が残っていた。
- 「ヘソまがりな死体」 - 殺された画家は女性の絵に八の字ひげを書き加えていた。エラリー・クイーンの『ひげのある女の冒険』のパスティーシュ。ダイイング・メッセージは女装男子か。
自惚れ調査員・早瀬邦彦
- 『美女が八人死体が七つ』トクマ・ノベルズ(1978年12月 000001396274) - 司法試験の万年落第生が探偵役を務める連作ミステリ。本作で起こる事件は全て美女絡み。
警視庁外事課・石塚利彦
- 『地獄への直行便』トクマ・ノベルズ(1979年11月 000001437325) - 外事課の刑事が世界各地で犯罪組織と対決する短編集。
その他
- 『パドックの残影』立風書房(1974年 000001303450)
- 『殺人ファンタジア 加藤刑事夢想捜査録』トクマ・ノベルズ(1975年 000001302399)
- 改題『死の国のアリス』集英社文庫(1983年7月 ISBN 4-08-750647-9)
- 『海渡英祐自選傑作短篇集』読売新聞社(1976年 000001263517)
- 『閉塞回路』立風書房(1976年 000001301778)/ 集英社文庫(1981年11月 000001534328)
- 『罠のなかの七人』立風書房(1976年 000001308390)/ 集英社文庫(1984年4月 ISBN 4-08-750741-6)
- 『激流に生きる 歴史の中の異分子たち』角川書店(1980年9月 000001471396)
- 『謀略の大地』徳間書店(1980年11月 000001484438)/ 徳間文庫(1987年2月 ISBN 4-19-568223-1)
- 『仮面の告発』集英社文庫(1982年11月 000001593868)
- 『三つの部屋の九つの謎』トクマ・ノベルズ(1983年1月 ISBN 4-19-152664-2)
- 『忍びよる影』光風社出版(1983年6月 ISBN 4-87519-447-1)/ 徳間文庫(1987年9月 ISBN 4-19-568348-3)
- 『事件は場所を選ばない』光風社ノベルス(1984年6月 ISBN 4-87519-544-3) / 徳間文庫(1989年7月 ISBN 4-19-568812-4)
- 『次郎長開化事件簿』実業之日本社(1985年1月 000001724848) / 徳間文庫(1989年3月 ISBN 4-19-568713-6)
- 『伯林-一八八八年 次郎長開化事件簿』講談社 大衆文学館(1997年10月 ISBN 4-06-262095-2)
- 『趣味の犯罪 華麗な殺し ブランディ・ミステリー』トクマ・ノベルズ(1985年4月 ISBN 4-19-153069-0)
- 『トラブル・ハニムーン 裏窓コンビ事件簿』フタバノベルス(1985年8月 000001757701) / 徳間文庫(1988年11月 ISBN 4-19-568629-6)
- 『悪夢と恋人たち』徳間書店(1986年4月 ISBN 4-19-123244-4)
- 『喰いちがった結末』光文社文庫(1988年2月 ISBN 4-334-70691-6)
- 『辰五郎維新事件帖』徳間書店(1989年6月 ISBN 4-19-123979-1)
- 改題『新門辰五郎事件帖』徳間文庫(1993年9月 ISBN 4-19-567696-7)
- 『突込んだ首』徳間文庫(1990年4月 ISBN 4-19-569043-9)
- 『俥に乗った幽霊 探偵記者事件簿』光文社文庫(1992年 ISBN 4-334-71599-0)
- 『札差弥平治事件帖』徳間書店(1998年4月 ISBN 4-19-860837-7) - 幕末を舞台に素人目明しの札差を描く連作。
アンソロジー
- 『謎の女王国 古代史への挑戦』新人物往来社(1969年 000001214201)「二つの邪馬台国-女王国は畿内にある」収録
- 『日本傑作推理12選 2』カッパ・ブックス(1977年9月 000001351698)「天分」収録
- 『ショート・ミステリー傑作選』講談社(1978年2月 000001367531)「帰郷」収録
- 『ホシは誰だ?』文芸春秋(1980年5月 000001457645)/ 文春文庫(1984年3月 ISBN 4-16-721707-4)「ウマい発見」収録
- 『推理小説代表作選集 推理小説年鑑 1981年版』講談社(1981年6月 000001511173)「そして冷たい北風が」収録
- 『猫が見ていた』広済堂出版 Kosaido blue books(1981年9月 000001518161)「ネコかぶりのネコ」収録
- 『あなたは名探偵 Mystery puzzle』青樹社 Big books(1985年3月 ISBN 4-7913-0317-2)「消えた凶器・二の字の四人」収録
- 『本命』徳間文庫(1985年3月 ISBN 4-19-577814-X)「気まぐれな馬」収録
- 『推理小説代表作選集 推理小説年鑑 1986年版』講談社(1986年5月 ISBN 4-06-114528-2)「戦艦「三笠」設計図」収録
- 『推理小説代表作選集 推理小説年鑑 1988年版』講談社(1988年5月 ISBN 4-06-114530-4)「杜若の札」収録
- 『推理小説代表作選集 推理小説年鑑 1989年版』講談社(1989年5月 ISBN 4-06-114531-2)「裏返しの殺人」収録
- 『「名勝負」傑作大全 ギャンブル小説珠玉集 上』カッパ・ノベルス(1993年6月 ISBN 4-334-07047-7)「大穴の秋」収録
映像化作品
テレビドラマ
注釈
- ↑ 死体の読みは「ほとけ」である。
関連項目
- ↑ “傑作推理劇場 ひねくれた殺人”. allcinema. 株式会社スティングレイ. 2026年10月19日閲覧。