真鍋井蛙

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真鍋井蛙(まなべ せいあ、1955年 - )は、日本の篆刻家、書家。本名は眞鍋昌生(まなべ まさお)。[1]

日展の書部門で2018年と2021年に特選を受賞し、2026年には第119回日展の書部門審査員に選出された。[2][3]

日本篆刻家協会理事長、日本書芸院常務理事、中国西泠印社名誉社員。[4][5][6]

経歴

1955年、香川県に生まれる。幼少期から書画に親しみ、祖母の勧めで書道を習い始めた。高松第一高等学校在学中に中原一耀、小森秀雲らに書を学び、奈良教育大学進学後は篆刻家の梅舒適に師事した。1979年に同大学教育学部を卒業し、1980年に同大学特設書道専攻科を修了した。[7]

1980年、大阪府立上神谷高等学校に教諭として赴任した。1990年から大阪府立三国丘高等学校に勤務し、2006年には同校の首席教諭となった。その後も講師として書道教育に携わった。[7][8]

2018年、改組新第5回日展の書部門で特選を受賞した。2020年には堺市功績者(文化功績・芸術文化関係)に選出され、2021年の第8回日展で再び特選を受賞した。[2][8]

活動

書道教育と篆刻技法

高等学校での書道教育のほか、奈良教育大学、園田学園女子大学、武庫川女子大学、神戸松蔭大学などで講師を務めた。光村図書出版の高等学校書道教科書の著作にも参加し、『書Ⅱ』『書Ⅲ』などの著作者一覧に本名の「真鍋昌生」で掲載されている。[9][10]

三国丘高等学校での勤務中、篆刻の制作技法「マジック転写法」を考案した。印稿を印面に転写することによって、逆字を直接書き入れる工程を簡略化する方法である。本人は三丘同窓会のインタビューで、机上のビニールマットに印刷物のインクが転写される現象に着想を得て、書道部の生徒と試行を重ねた経緯を説明している。[7]

書道・篆刻の普及活動として講習会や講演会にも携わり、2022年には神戸松蔭女子学院大学で高校生らを対象とした篆刻講習会の講師を務めた。[11]

また、大阪府藤井寺市の松永白洲記念館で篆刻を指導し、同館の題字を揮毫した。[12]

制作と研究

1981年、梅舒適門下の篆社に所属する6人によって結成された六轡会に参加した。2001年以降は井谷五雲、小朴圃との3人で活動し、2018年には尼信会館で開催された「六轡会書法篆刻三面六臂展」に出品した。[13]

篆刻・篆書の愛好誌『楽篆』(三圭社)ではアドバイザーを務め、読者から寄せられる篆刻作品の添削・指導に携わっている。[14]

書家として、大阪府立三国丘高等学校の「戦没同窓の碑」「テニス部創部110周年記念碑」や、浜寺公園の「全国高校テニス選手権大会発祥地記念碑」などの揮毫を手がけた。[15]

篆刻の制作・研究に関する著述活動も行い、『来楚生篆刻秘法』を編訳したほか、『篆刻般若心経』を編著した。[16][17]

また、熊谷守一の書に関する著作『もうひとりの熊谷守一』を刊行した。2017年には春日井市道風記念館の「熊谷守一展」に関連する講演会の講師として案内された。[18]

2025年には大阪・関西万博で開催された日本書芸院の特別展「未来へつなぐ日本の書~空・海・時を超えて~」で、席上揮毫・篆刻会に参加した。[19]

国際交流

中国の篆刻団体である西泠印社の名誉社員として、同社の公式名簿に掲載されている。[6]

2023年には「金石善縁」記念展の開幕式に、日本篆刻家協会理事長として出席した。[4] 2024年には呉昌碩生誕180周年を記念する「雄甲辰―中日当代書画印聯展」に参加した。[20]

作品

  • 「観自在」 - 2018年、「六轡会書法篆刻三面六臂展」出品作品。[13]
  • 「變則通」 - 2021年、第8回日展書部門特選受賞作品。8.7 × 8.7 cm。日展の作品解説では、清代の篆刻家・鄧石如の作風を踏まえた構成や文字表現について論評されている。[21]

所属・役職

著作

著書・編著・訳書

  • 『超かんたん篆刻』芸術新聞社、1997年。
  • 『来楚生篆刻秘法』二玄社、2002年。梅舒適監修、真鍋井蛙編訳。ISBN 9784544010763。[16]
  • 『刀匠が教える日本刀の魅力』里文出版、2003年。河内國平との共著。
  • 『もうひとりの熊谷守一』里文出版、2005年(新装版)。[22]
  • 『篆刻般若心経』三圭社、2005年。編著。ISBN 9784990013735。[17]
  • 『はじめての篆刻入門』淡交社、2006年。
  • 『ほれば印です』芸術新聞社、2007年。
  • 『この人と書』里文出版、2010年。
  • 『ウルトラかんたん篆刻』芸術新聞社、2015年。

教科書

  • 『書Ⅲ』光村図書出版、令和6年度版。著作者の一人として参加。[9]
  • 『書Ⅱ』光村図書出版、令和9年度版。著作者の一人として掲載。[10]

論文

  • 「生誕一二〇年 印人・園田湖城―『印印』社友を通して」『国際書学研究』、2000年。[23]

脚注

  1. ↑ “真鍋, 井蛙, 1955-”. 国立国会図書館. 2026年10月20日閲覧。
  2. 1 2 “特選(書)受賞者一覧”. 公益社団法人日展. 2026年10月20日閲覧。
  3. ↑ “審査員”. 公益社団法人日展. 2026年10月20日閲覧。
  4. 1 2 3 “驻日本使馆陈诤公参出席“金石善缘”纪念展开幕式” (中国語). 中華人民共和国駐日本国大使館. 2026年10月20日閲覧。
  5. 1 2 “役員”. 公益社団法人日本書芸院. 2026年10月20日閲覧。
  6. 1 2 3 “2022年西泠印社社员名录” (中国語). 西泠印社. 2026年10月20日閲覧。
  7. 1 2 3 “拝啓われらが先生! 第9回・真鍋昌生先生”. 三丘同窓会 (2026年5月26日). 2026年10月20日閲覧。
  8. 1 2 “旧職員・真鍋井蛙さんが堺市功績者に”. 三丘同窓会. 2026年10月20日閲覧。
  9. 1 2 “令和6年度版 書Ⅲ 著作者”. 光村図書出版. 2026年10月20日閲覧。
  10. 1 2 “令和9年度版 書Ⅱ 著作者”. 光村図書出版. 2026年10月20日閲覧。
  11. ↑ “講演会「伝統と創造-書の魅力と時代感」・篆刻講習会 実施報告”. 神戸松蔭女子学院大学. 2026年10月20日閲覧。
  12. ↑ “松永白洲記念館”. ヒロ画廊 (2017年11月25日). 2026年10月20日閲覧。
  13. 1 2 “観自在 — 真鍋井蛙”. 全日本美術. 2026年10月20日閲覧。
  14. 1 2 “『楽篆』らくてん”. 三圭社. 2026年10月20日閲覧。
  15. ↑ “真鍋井蛙先生の書やテニス部関連資料等をご寄贈いただきました”. 大阪府立三国丘高等学校. 2026年10月20日閲覧。
  16. 1 2 “書籍検索:篆刻・刻字”. 二玄社. 2026年10月20日閲覧。
  17. 1 2 “篆刻般若心経”. 三圭社. 2026年10月20日閲覧。
  18. ↑ “愛知県美術館サテライト展示 特別展「熊谷守一展」”. 公益財団法人かすがい市民文化財団. 2026年10月20日閲覧。
  19. ↑ “開催報告③ 5月9日「未来へつなぐ日本の書」”. 公益社団法人日本書芸院. 2026年10月20日閲覧。
  20. ↑ “纪念吴昌硕先生诞辰180周年雄甲辰:中日当代书画印联展开幕” (中国語) (2024年6月28日). 2026年10月20日閲覧。
  21. ↑ “變則通”. 公益社団法人日展. 2026年10月20日閲覧。
  22. ↑ “もうひとりの熊谷守一 新装版”. 国立国会図書館. 2026年10月20日閲覧。
  23. ↑ “生誕一二〇年 印人・園田湖城”. 国立国会図書館. 2026年10月20日閲覧。

関連項目

外部リンク