草薙神社

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草薙神社

拝殿
所在地 静岡県静岡市清水区草薙349
位置 北緯34度59分40.1秒 東経138度27分10.1秒 / 北緯34.994472度 東経138.452806度 / 34.994472; 138.452806 (草薙神社)座標: 北緯34度59分40.1秒 東経138度27分10.1秒 / 北緯34.994472度 東経138.452806度 / 34.994472; 138.452806 (草薙神社)
主祭神 日本武尊
社格等 式内社(小)
旧県社
創建 (伝)第12代景行天皇53年
本殿の様式 流造
例祭 9月20日
地図
草薙神社の位置(静岡県内)
草薙神社
草薙神社
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草薙神社(くさなぎじんじゃ)は、静岡県静岡市清水区草薙にある神社。式内社で、旧社格は県社。

祭神

祭神は次の1柱[1]。

『古事記』『日本書紀』の伝承によれば、ヤマトタケルの東征の際に賊がヤマトタケルのいる野に火をかけて焼き殺そうとしたが、ヤマトタケルは天叢雲剣で草を薙ぎ払い向かい火を放って難を逃れた。そのため天叢雲剣を「草薙剣」と称するという[2]。当社の北東方には同じく「クサナギ」を称する式内社として久佐奈岐神社(静岡市清水区山切)が知られるが、両社はともにそのヤマトタケルの火難伝説に関連する神社と伝えられ、一説に火難伝承地は当地に比定される[3][注 1]。

歴史

創建

瓢箪塚古墳(清水区谷田)
有度山北麓に分布する西ノ原古墳群の主墳。草薙神社付近に所在。

社伝では、景行天皇53年に天皇が日本武尊ゆかりの地を巡幸した際、9月20日に天皇が当地に着き日本武尊の霊を奉斎したのが創建という[1]。また、天皇は当社に神体として草薙剣を奉納したが、この草薙剣が朱鳥元年(686年)に天武天皇の勅命により熱田神宮に移されたとも伝えている[1]。また社伝では、当社は古くは清水区草薙1丁目の「天皇原(てんのうばら)」と称される地に鎮座したという[4]。現在地への遷座時期は明らかでないが、一説に天正18年(1590年)の造営時とする[4]。

歴史考証の上では、前述の通り当社の創建にはヤマトタケル伝説が大きく関係するとされる。静岡市一帯には、大規模古墳として葵区の谷津山古墳(全長110メートル)や清水区の三池平古墳(全長65メートル)が残るが、これらの古墳を築いた勢力の服属が伝説成立の背景にあると推測される[3]。なお、当地の首長古墳は「清水区庵原や谷津山丘陵(前期:4世紀代)→瀬名丘陵(中期:5世紀代)→有度山北麓(後期:6世紀代)」と変遷したと推測されるが[3][5]、これらのうち清水区庵原付近に久佐奈岐神社が、有度山北麓に当社が鎮座する。

また、「クサナギ」の名を焼畑系地名に由来するとする説もある[3]。その中で、伝説の中でヤマトタケルが向火をつける様も野焼きの延焼防止としてよく知られる手法であることも併せて指摘され、先行する焼畑系地名に基づいてヤマトタケルの火難伝説が成立したと推測される[3]。ヤマトタケル伝説の成立以前の当社については、山の神として焼畑作物を与える神であったとも、谷部にあることから水の神であったとも考えられている[3]。

概史

延長5年(927年)成立の『延喜式』神名帳では駿河国有度郡に「草薙神社」と記載され、式内社に列している[2]。ヤマトタケル伝承との関連から武家の信仰も集め、天慶年間(938年 - 947年)には、平将門の乱の平定に際して奉賽がなされたと伝える[2]。

中世には、永享4年(1432年)に将軍足利義教の駿河下向に従った尭孝が草薙社について記述している[2]。天正8年(1580年)には、願主森民部太夫により釣燈籠と鰐口(ともに静岡市指定文化財)が奉納された[2]。天正10年(1582年)には竹木の伐採が禁止され、天正18年(1590年)には社領として草薙郷18石が社人の民部大輔に安堵された[2]。この社領は、慶長4年(1599年)にも横田村詮により安堵されている[2]。

江戸時代の社領(朱印地)は50石[2]。

寛政9年(1797年)刊行の『東海道名所図会』には、草薙神社についての記述とともに、社景を描いた挿絵が掲載されている。[6]

『東海道名所図会』(寛政9年〈1797年〉刊)に描かれた草薙神社

明治維新後、明治6年(1873年)に近代社格制度における郷社に列し、明治12年(1879年)7月24日に県社に昇格した。[7]

神階

  • 正五位下 (『駿河国神名帳』) - 表記は「草奈岐天神」。

境内

境内は有度山北麓、草薙川上流の谷部に位置する[3]。広さは0.7ヘクタール[1]。

境内に立つクスノキは幹心が枯れ、外皮のみを残すが、樹高6メートル・周囲25メートルで樹齢は1,000年以上と言われる古木で、静岡市指定天然記念物に指定されている[1]。『駿河志料』には、境内の神木であるクスノキについて、周囲13間3尺、高さ1丈8尺で、幹が朽ちて空洞になっていた旨の記述がある。[8]


草薙駅付近の平地は「天皇原(てんのうばら)」と称される[4]。かつて草薙神社はこの天皇原の地にあったといわれ、その地は現在も「古宮」として伝わっている(北緯35度0分4.61秒 東経138度26分39.00秒 / 北緯35.0012806度 東経138.4441667度 / 35.0012806; 138.4441667 (古宮(旧社地)))[4]。

大鳥居

一の鳥居

草薙駅近くの道路上には、かつて鉄筋コンクリート製の大鳥居が設置されていた。1975年(昭和50年)、静岡県の施行する土地区画整理事業に伴う道路拡幅に際し、それまでの鳥居に代わって再建されたが、再建当時から所有者が明らかでなかった。[9]

その後、老朽化によるコンクリートの剥落などが問題となり、静岡市は安全確保のため、2020年(令和2年)9月に代執行による撤去作業を開始した。鳥居と石碑の撤去および道路補修などの費用は、約1,100万円と報じられた。[10]

摂末社

境内社として本殿南側に9社、北側に9社が鎮座する[1]。

祭事

例祭は9月20日である。社伝では、同日は景行天皇が当地において日本武尊を奉祀した日に当たるとされる。[11]

例祭に伴う伝統行事として、龍勢(流星)花火が伝承されている。竹製の筒に黒色火薬を詰め、長い竹竿を取り付けて打ち上げるロケット式の花火で、昼間に打ち上げるものを「龍勢」、夜間に打ち上げるものを「流星」と呼ぶ。打ち上げは例年9月20日に近い日曜・祝日に、草薙スポーツ広場で行われる。[12]

龍勢花火は戦国時代の狼煙に起源を持つともいわれるが、草薙神社に伝承された経緯は明らかではない。静岡市は、江戸時代に駿府周辺で行われていた狼煙型の花火が、有度山周辺の雨乞い信仰と結び付いた可能性を指摘している。[12]

「草薙神社龍勢花火」は、2003年(平成15年)3月24日に静岡県の無形民俗文化財に指定された。保存団体は草薙神社龍勢保存会である。[13]

文化財

静岡県指定無形民俗文化財

  • 草薙神社龍勢花火 - 2003年(平成15年)3月24日指定。保存団体は草薙神社龍勢保存会。[14]

静岡市指定文化財

有形文化財(工芸品)
  • 釣燈籠 - 1962年(昭和37年)9月17日指定。
  • 鰐口 - 1962年(昭和37年)9月17日指定。[15]
天然記念物
  • 大樟(クスノキ) - 1962年(昭和37年)9月17日指定。[16]

現地情報

所在地

交通アクセス

周辺

脚注

注釈

  1. ↑ ヤマトタケルの火難伝承地については当地(駿河国草薙)のほか、相模国小野や駿河国焼津に比定する説がある (草薙神社(神々) & 1987年)。

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 神社由緒書。
  2. 1 2 3 4 5 6 7 8 草薙神社(平) & 2000年.
  3. 1 2 3 4 5 6 7 草薙神社(神々) & 1987年.
  4. 1 2 3 4 現地説明板。
  5. 1 2 西ノ原古墳群(平) & 1979年.
  6. ↑ 秋里籬島『東海道名所図会』 6巻のうち第4冊、小林新兵衛ほか、1797年。
  7. ↑ 明治神社誌料編纂所 編『明治神社誌料 府県郷社 上』明治神社誌料編纂所、1912年、136頁。
  8. ↑ 中村高平『駿河志料』 第2編、静岡郷土研究会、1930年。
  9. ↑ “地元では草薙神社の大鳥居と思われていたけど…実は所有者不明 静岡市が1100万円かけて代執行で撤去へ”. 静岡朝日テレビ (2020年9月4日). 2026年10月12日閲覧。
  10. ↑ “費用1100万円 所有者が分からない大鳥居の撤去が始まり、住民複雑「さみしい」「感謝」 静岡市”. 静岡朝日テレビ (2020年9月9日). 2026年10月12日閲覧。
  11. ↑ “御由緒”. 草薙神社. 2026年10月12日閲覧。
  12. 1 2 “草薙神社龍勢花火”. 静岡市 (2026年1月22日). 2026年10月12日閲覧。
  13. ↑ “しずおか文化財ナビ 草薙神社龍勢花火”. 静岡県 (2023年11月4日). 2026年10月12日閲覧。
  14. ↑ “しずおか文化財ナビ 草薙神社龍勢花火”. 静岡県 (2023年11月4日). 2026年10月12日閲覧。
  15. ↑ “指定文化財一覧” (PDF). 静岡市. p. 1 (2026年3月31日). 2026年10月12日閲覧。
  16. ↑ “指定文化財一覧” (PDF). 静岡市. p. 2 (2026年3月31日). 2026年10月12日閲覧。
  17. ↑ “草薙神社前 のりば地図”. しずてつジャストライン. 2026年10月12日閲覧。

参考文献

  • 神社由緒書
  • 境内説明板
  • 明治神社誌料編纂所 編「草薙神社」『府県郷社明治神社誌料』明治神社誌料編纂所、1912年。 
  • 野本寛一 著「草薙神社」、谷川健一 編『日本の神々 -神社と聖地- 10 東海』白水社、1987年。ISBN 4560022208。 
  • 『日本歴史地名体系 22 静岡県の地名』平凡社、2000年。ISBN 4582490220。 
    • 「草薙神社」、「西ノ原古墳群」

外部リンク

草薙神社公式サイト

関連項目