野々村竜太郎
| 野々村 竜太郎 | |||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ののむら りゅうたろう | |||||||
| 兵庫県議会議員 | |||||||
| 任期 2011年6月11日[1] – 2014年7月11日[2] | |||||||
| 選挙区 | 西宮市 | ||||||
| 個人情報 | |||||||
| 生誕 | 1966年7月29日(60歳)[3] | ||||||
| 政党 | 無所属(2008年-2011年) 西宮維新の会(2011年-2012年) 西宮希望の女神(2012年-2013年) 最後の希望(2013年-2014年) ラストホープ地域政党(2014年) | ||||||
刑事事項
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野々村 竜太郎(ののむら りゅうたろう、1966年〈昭和41年〉7月29日 - )は、日本の元政治家。2011年に兵庫県議会議員に当選したが、政務活動費をめぐる不祥事により2014年に辞職した。
同年の記者会見で見せた号泣によって広く注目を集め、インターネット上で話題となった[4]。2016年には政務活動費の不正支出などにより、懲役3年・執行猶予4年の判決を受けた[5][6]。
生い立ちと学歴
1966年7月29日、大阪府に生まれ、大阪府立北野高等学校を卒業後、関西大学に進学した。後に関西大学出身者による兵庫県庁の秀麗会の顧問を務めた。大学卒業後、地方公務員として川西市役所に15年間勤務し、政治の道に進むため退職した[3][7][8]。
政治経歴
同じ学校の出身である橋下徹の当選を見たことをきっかけに、2007年11月に公務員を退職し、政治家を志した。野々村は2008年に太子町長選挙に初出馬したが、他の2候補に大差で敗れた[9]。野々村はその後も、西宮市長選に2回、兵庫県議会議員選挙に1回出馬したが、いずれも落選した[10]。
2011年4月、野々村は兵庫県議会の議員選挙に西宮市選挙区から立候補した。同選挙区は定数7であった。野々村は西宮維新の会から出馬し、1万1291票を獲得して当選した[11]。県議会議員としては、無所属の政治家として活動した。同年6月11日には、兵庫県議会議員に就任した[1][注釈 1]。
野々村が県議会議員選挙に当選できた理由について、府立北野高校から関西大学を経て地方公務員という有権者に受けの良い経歴に加えて、大阪維新の会側に無断で名乗って独自に設立した政治団体「西宮維新の会」所属ということが、維新の会との関係を誤信させたことによる、との指摘がある[13][14]。野々村本人は、のちに辞職に際して自身のブログに掲載した記事で、維新の虎の威を借りたことは事実と認めながらも、繰り返し立候補してきた知名度で競り勝ったものであると主張している[15]。なお、その後西宮市議会で当選した本来の維新の会の議員らは、野々村との関係を疑われることを恐れて会派名で苦慮することになった[14]。
政務活動費問題
兵庫県議会では、政党活動などを除く調査研究のために、政務活動費として議員1人あたり月額50万円が議員報酬と別に支給される制度があった。2014年6月30日、『神戸新聞』は野々村が2013年度に政務活動費として564万円を支出していたと報じた。この額は多くの県議の平均である522万円を上回っており、その中には豊岡の温泉への複数回の訪問や、佐用への複数回の出張が含まれていた[16][17]。
これらの日帰りの訪問は計195回で、「要請陳情等活動費」の項目から計301万5160円を支出していたことが、『神戸新聞』の報道により明らかとなった。この費用は、自宅最寄りの武庫川団地前駅からの往復であるとされ、城崎温泉駅を106回、佐用駅を62回、博多駅を16回、そして東京都を11回訪問したとされていた。このうち4月には11日連続で福岡と東京を、6月から7月にかけては12日連続で豊岡と佐用を交互に訪問していた。その後の調査で、これらのすべての出張を実際に行うことは不可能であり、野々村の私的なスケジュールにもそのような移動の記録は確認されていなかったことが判明した[18]。
号泣会見
2014年7月2日、野々村は自身の出張について説明するため記者会見を開いた。野々村は記者からの質問に対して曖昧な回答を繰り返し、「覚えていない」と発言した[19]。疑惑について説明を求められると、野々村は突然泣き出し、意味不明な言葉を発し机を叩くなどの行動を見せた[20][21]ほか、「やっと議員になれたんです!」などと取り乱しながら叫ぶなど、全国的な注目を集めることになった[2][22]。この様子を収めた映像は拡散された。日本の複数のテレビ局で繰り返し放送され、YouTubeでも73万回以上再生された[23][24]。
会見後、梶谷忠男や他の議員らは野々村に辞職を求めた。そして2014年7月11日、疑惑に関する調査や新たな詐欺容疑が進む中で、野々村は議員を辞職した[25][26]。野々村は、3年間に受け取った計1834万円の政務活動費全額を7月17日に返還した[22]。
その後の兵庫県警察による事情聴取では、3年間の政務活動費の収支報告書に記載した計345回の日帰り出張にほとんど行っていないことを本人が認めた。受け取った政務活動費計1684万円についても、大半は政務活動には使わなかったことを認めた。そして切手代として計上していた約250万円も、実際には金券購入にほとんどを充てており、クレジットカードの明細書の店名を改竄して正規の支出を装っていた[27]。
兵庫県警は、2015年(平成27年)1月19日に詐欺の容疑で野々村を書類送検した。政務活動費での購入が認められていないギフト券を購入したり、スーパーで食料や日用品を購入した際に政務活動費で賄っていたりした件については立件可能と判断したが、一方当初問題となった日帰り出張に関しては「行っていない証明」が難しく、数回分程度が裏付けられたにとどまり、立件金額は約220万円とされた[28][29][22]。
議員辞職後
議員辞職後は、大阪市住之江区の実家マンションで両親と暮らし、不正に受け取った政務活動費を返還した[30]。
神戸地方検察庁ではその後改めて捜索を行い、起訴対象額を約913万円に積み上げた上で、2015年(平成27年)8月18日に詐欺罪で野々村を在宅起訴した[22]。同年11月24日に神戸地方裁判所(佐茂剛裁判長)で第一審の初公判が開かれることになったが、公判当日、野々村本人は出席しなかった。弁護人は、野々村はマスメディアに見張られている状況が続いたことで精神的に負担となっており、当日もドアを開けた瞬間にメディア関係者と鉢合わせしてしまって、家を出られる状況ではないと連絡を受けたと説明した。これを受けて公判は開かれず、すぐに終了した[31]。やり直しの初公判は、2016年(平成28年)1月26日となり、その際には神戸地裁が今後も野々村の自主的な出廷が見込めないと判断したことから、野々村は神戸地裁の発布した勾引状により身柄を1月25日に拘束され、強制出廷させられた[32]。その後、神戸地裁は以降の公判への影響を考慮して勾留が必要と判断し、2か月間の勾留を決定[33]、野々村は身柄を神戸拘置所に勾留された[34]。野々村はこの勾留決定を不服として最高裁判所に特別抗告したものの、2月15日付の決定により棄却された。2月26日に弁護人が保釈を請求し、保証金800万円を納めて保釈された[35]。4月25日に開かれた論告求刑公判では、検察官は懲役3年を求刑して結審した[36]。7月6日の判決公判では、野々村の記憶にないという主張は虚偽の疑いが強いと判断し、また出張の事実はなかったとも判断して私的な流用を強く批判したものの、議員辞職したことや政務活動費の全額を返還していることを挙げて執行猶予が付され、懲役3年、執行猶予4年とする有罪判決が言い渡された[37]。7月20日の控訴期限までに、検察側・弁護側ともに控訴しなかったため、この判決が確定した[38]。
同年、号泣会見はアニメ『銀魂』でパロディ化され、坂田銀時が作品の未完を謝罪し新シリーズを発表する場面として描かれた[39]。
流行語
2014年7月1日に野々村が行った記者会見の様子は全国的に話題となり、同年の新語・流行語大賞には「号泣会見」がノミネートされた[42]。『ガジェット通信』のネット流行語大賞では「ンァッ! ハッハッハッハー! この日本ンフンフンッハアアアアアアアアアアァン! アゥッアゥオゥウアアアアアアアアアアアアアアーゥアン! コノヒホンァゥァゥ……アー! 世の中を……ウッ……ガエダイ!」が銀賞を受賞した[43]。
選挙歴
| 当落 | 選挙 | 執行日 | 年齢 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 惜敗率 (2位惜敗率) | 定数 | 得票順位 /候補者数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 落 | 2008年太子町長選挙 | 2008年 7月27日 | 41 | 無所属 | 485票 | 3.52% | 6.06% | 1 | 3/3 | |
| 落 | 2008年西宮市長選挙 | 2008年11月16日 | 42 | 無所属 | 6184票 | 5.17% | 13.01% | 1 | 6/6 | |
| 落 | 2009年兵庫県議会議員補欠選挙 | 2009年 7月 5日 | 42 | 西宮市 | 無所属 | 3万3359票 | 29.28% | 79.91% | 1 | 3/3 |
| 落 | 2010年西宮市長選挙 | 2010年 5月16日 | 43 | 無所属 | 2万5924票 | 21.44% | 53.11% | 1 | 3/3 | |
| 当 | 2011年兵庫県議会議員選挙 | 2011年 4月10日 | 44 | 西宮市 | 西宮維新の会 | 1万1291票 | 8.12% | 7 | 7/10 |
脚注
注釈
出典
- 1 2 “県議会議員の概要”. 兵庫県議会. 2011年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年12月27日閲覧。
- 1 2 “野々村氏辞職 泣いて叫んで真相遠く 県会、早い幕引き”. 神戸新聞 (2014年7月12日). 2026年1月15日閲覧。
- 1 2 “兵庫県議会 議員紹介/議員詳細”. 2013年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年12月22日閲覧。
- ↑ Schreiber, Mark (2014年7月19日). “Politician Nonomura weeps and the world laughs”. The Japan Times. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “Bawling Japanese politician who became internet sensation sentenced for graft”. South China Morning Post (2016年7月6日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “Crying Politician Ryūtarō Nonomura is Back”. Anime News Network (2016年2月1日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “"号泣絶叫"元県議・野々村竜太郎が「赤裸々な生配信」をひっそりスタートさせていた!”. Livedoor (2023年3月10日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ 広畑千春 (2010年4月20日). “西宮市長選 副市長と元川西市職員が立候補表明”. 47news. 2014年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年12月25日閲覧。
- ↑ “西宮市長選 副市長と元川西市職員が立候補表明”. 47NEWS (2010年4月20日). 2014年7月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年6月9日閲覧。
- ↑ Yoshino, Taichiro (2014年7月2日). “野々村竜太郎氏、号泣の裏に4回落選の過去 「やっと議員になれた」”. HuffPost. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “「仲間と勘違いされる」号泣会見〝悪夢の残像〟におびえる維新 震源地の兵庫県議会、まだまだある政活費の不適切使途”. 産経新聞 (2015年7月16日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “「ずれ」解消に伴う県議会議員の任期”. 兵庫県議会 (2022年6月13日). 2025年12月27日閲覧。
- ↑ 秋山謙一郎 (2016年4月28日). “号泣議員・野々村容疑者はなぜ選挙で当選できたのか?”. DIAMOND online. 2025年12月24日閲覧。
- 1 2 “「仲間と勘違いされる」号泣会見〝悪夢の残像〟におびえる維新 震源地の兵庫県議会、まだまだある政活費の不適切使途”. 産経新聞 (2015年7月16日). 2025年12月24日閲覧。
- ↑ 野々村竜太郎 (2014年7月12日). “辞職に伴うお詫び等”. 2014年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2025年12月24日閲覧。
- ↑ “目的示さず交通費300万支出 西宮の県議、政務活動費から”. 神戸新聞 (2014年6月30日). 2014年7月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年6月9日閲覧。
- ↑ Yoshino, Taichiro (2014年7月7日). “野々村竜太郎氏、日帰り出張197回 カレンダーで見ると…【号泣県議】”. ハフポスト. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “野々村被告の判決要旨「収支報告書内容は虚偽」「レシート改竄」”. 産経新聞 (2016年7月6日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ Nakata, Yumi (2014年7月28日). “Ryutaro Nonomura: The Japanese Crying Politician”. GaijinPot. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “Ryutaro Nonomura, Japanese politician, weeps during bizarre press conference”. Canadian Broadcasting Corporation (2014年7月3日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ Keneally, Meghan (2014年7月3日). “Crying Japanese Politician Breaks Down in Uncontrollable Hysterics”. ABC News. 2026年6月9日閲覧。
- 1 2 3 4 “元兵庫県議・野々村被告 号泣会見から裁判に至る経緯”. 神戸新聞 (2015年11月21日). 2026年1月15日閲覧。
- ↑ Saul, Heather (2014年7月2日). “Video of Japanese politician Ryutaro Nonomura crying hysterically at press conference goes viral”. The Independent. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ Ashcraft, Brian (2014年7月2日). “Japanese Politician Freaks Out, Spawns Internet Memes”. Kotaku. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “Crying Japanese politician resigns as investigation into expenses broadens”. The Guardian (2014年7月11日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “Weeping Hyogo lawmaker hit with fraud charge”. The Japan Times (2014年7月11日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “野々村元県議、出張「ほとんど行ってない」 県警聴取”. 神戸新聞 (2014年9月18日). 2026年1月15日閲覧。
- ↑ “野々村氏を書類送検へ 二百数十万円詐欺容疑 政活費問題”. 神戸新聞 (2014年12月3日). 2026年2月17日閲覧。
- ↑ “野々村氏書類送検 県議会議長「信頼回復に努める」”. 神戸新聞 (2015年1月20日). 2026年2月17日閲覧。
- ↑ “自宅に引き籠もり生活 "号泣県議"こと野々村竜太郎氏は今”. 日刊ゲンダイ. p. 3 (2018年5月2日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “野々村被告「精神的にパニック」 弁護人、公判欠席の経緯説明”. 神戸新聞 (2015年11月24日). 2026年2月17日閲覧。
- ↑ “野々村被告を勾引 初公判に強制出廷”. 神戸新聞 (2016年1月25日). 2026年2月17日閲覧。
- ↑ “号泣元県議野々村被告を勾留 神戸地裁”. 神戸新聞 (2016年1月26日). 2026年2月19日閲覧。
- ↑ “野々村被告を勾留 3月25日まで2カ月間”. 産経WEST. 産経新聞大阪本社 (2016年1月26日). 2026年2月28日閲覧。
- ↑ “野々村元県議の保釈許可 保証金800万円納付”. 神戸新聞 (2016年2月26日). 2026年2月19日閲覧。
- ↑ “野々村被告に懲役3年求刑 神戸地裁”. 神戸新聞 (2016年4月25日). 2026年2月19日閲覧。
- ↑ “野々村被告に有罪判決 懲役3年、執行猶予4年 神戸地裁”. 神戸新聞 (2016年7月6日). 2026年2月19日閲覧。
- ↑ “号泣元県議・野々村被告の有罪確定 政活費詐欺事件、控訴せず”. iza (2016年7月21日). 2026年2月19日閲覧。
- ↑ Nakamura, Toshi (2015年4月9日). “Anime Satirizes Life, Shocks Its Editors”. Kotaku. 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “「世界的に有名人の私が…」号泣議員・野々村竜太郎氏がひっそり始めた5万円"恋愛相談"サービス”. Yahoo!ニュース (2024年2月22日). 2024年2月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。2026年6月9日閲覧。
- ↑ “「世界的に有名人の私が…」号泣議員・野々村竜太郎氏がひっそり始めた5万円"恋愛相談"サービス”. BIGLOBEニュース (2024年2月22日). 2026年6月9日閲覧。
- ↑ “第31回 2014年 授賞語”. 「現代用語の基礎知識」選 T&D保険グループ 新語・流行語大賞. 2026年3月2日閲覧。
- ↑ “『ネット流行語大賞2014』発表! 金賞は「STAP細胞はありまぁす」銀賞には「この日本ンフンフンッハアアアアアアアアアアァン! ……ウッ……ガエダイ!」”. ガジェット通信 (2014年12月1日). 2026年6月10日閲覧。