長官(ちょうかん)とは、一定の国家機関の長の職名又は官名に付して用いられる呼称である。

日本における漢語としての「長官」は、日本の国家機関の高官の名称として用いられるほか、日本以外の国の機関の高官の訳語としても用いられる。少なくとも日本では、地方自治体に属する組織の長を長官と呼ぶことはない。たとえば、警視庁や東京消防庁は多くの国家機関よりも大規模な組織であるが、その長はそれぞれ長官ではなく警視総監、消防総監と呼ばれる。

近代政府における長官は、幕末長州藩民兵隊での役名が起源とされるが、この際は後年と異なり小隊長相当職であった。

「大臣」相当職が存在しない国の中央官庁の長の職席名の訳語として用いられる例が多い(#日本以外の国の長官職)。

日本の長官職

行政

司法

備考

国会及び地方自治体については、「長官」の呼称を用いないのが慣例である(例:衆議院法制局長、参議院法制局長)。「官」の字には「君主の使用人=(転じて)国民の公僕」という意味があり、国民の代表であって僕(しもべ)ではない国会議員とその補佐をする国会組織には用いないこととなっているためである(一般に、国会議員の中には事実上選挙区民の僕のような者もいると評する向きもあるが、憲法学的には国会議員は国民全体の代表者である。)。

国家行政組織での実例

国務大臣をもって充てるもの

国務大臣以外から登用されるもの

司法機関での実例

日本以外の国の長官職

アメリカ合衆国

韓国

大韓民国でも閣僚の官名に長官(장관)という呼称が採られている。長官と呼ばれるのは「企画財政部長官」をはじめとした閣僚に原則として限られ、それ以外の機関の長は単に長と呼ばれる(警察庁長、気象庁長など)。諸外国の閣僚も非君主国は原則として長官(장관)と呼称される(君主国は大臣(대신)と呼ばれることが多い)。

フィリピン、メキシコ

フィリピン、メキシコ、ケニアでは、米国と同じく閣僚の呼称としてsecretaryを採用しており、かつ共和制であるため、長官と訳すことがある。

パレスチナ

パレスチナ自治政府の閣僚は独立国同様にMinisterと称しているが、日本政府は独立を承認していないため「庁長官」の語をあてている。

中国語圏

中国語圏では特定の行政区の首長職を「行政長官」と称する例がある。現在は中華人民共和国の特別行政区である香港・マカオに行政長官(chief executive)が設けられている(→香港特別行政区行政長官、マカオ特別行政区行政長官)。中華民国が台湾を接収する過程にあった1945年9月から1947年5月までの間、台湾省行政長官が置かれた(→台湾省行政長官公署)。

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