| ジャンル | ロールプレイングゲーム |
|---|---|
| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス |
| 開発元 |
任天堂 東京糸井重里事務所 ブラウニーブラウン ハル研究所 |
| 発売元 | 任天堂 |
| プロデューサー |
亀岡慎一 田邊賢輔 寺崎啓祐 |
| ディレクター | 井上信行 |
| デザイナー | 糸井重里 |
| シナリオ | 糸井重里 |
| プログラマー |
平石有孝 相京正樹 |
| 音楽 | 酒井省吾 |
| 美術 | 今川伸浩 |
| シリーズ | MOTHERシリーズ |
| 人数 | 1人 |
| メディア |
256Mbitロムカセット (バッテリーバックアップ&フラッシュメモリ搭載) |
| 発売日 |
ゲームボーイアドバンス Wii U バーチャルコンソール |
| 対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
| 売上本数 |
|
| その他 | 型式:AGB-A3UJ-JPN |
『MOTHER3』(マザースリー)は、任天堂より2006年4月20日に発売されたゲームボーイアドバンス用コンピュータRPG。開発は、任天堂、東京糸井重里事務所、ブラウニーブラウン、ハル研究所が担当。キャッチコピーは「奇妙で、おもしろい。そして、せつない。」[2]。
本作はMOTHERシリーズの第3作目かつシリーズ最終作として発売された。過去2作に続き、糸井重里がゲームデザインとシナリオを担当している。
これまでのシリーズは主人公たちが町から町へと冒険する物語だったが、今作では一つの村を拠点とし、村の住人など多くの登場人物による群像劇が展開される。
開発が非常に難航したタイトルで、対応するプラットフォームや副題が幾度も変更された末、2000年には一度、開発中止となっている(詳細は後述の『MOTHER3 豚王の最期』の項目を参照)。その後2003年に開発の再開が発表され、前作『MOTHER2 ギーグの逆襲』の発売から約12年後となる2006年に完成・リリースされた。
BGMの作曲は、前作までの鈴木慶一と田中宏和に代わり、ハル研究所の酒井省吾が手掛けている。
発売前には、糸井主宰のウェブサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』(以下『ほぼ日』と表記)で情報公開が行われた。テレビコマーシャルでは柴咲コウが出演、内容は柴咲が本作の感想を語るというものだった。
以下にはメーカー非推奨の方法が記述されています。Wikipediaは、この方法を推奨するものではありません。 |
本作が発売されたのは日本国内のみだが、日本国外のファンコミュニティにより非公式の英語化パッチが作成された。詳細はMOTHER3 fan translationを参照。
| 年 | 月日 | 出来事 |
|---|---|---|
| 1994年 | 不明 | スーパーファミコン用ソフトとして制作が開始。 |
| 1997年 | NINTENDO 64用ソフト『MOTHER3 キマイラの森』として発表。その後64DD用ソフトとなり、タイトルも『MOTHER3 奇怪生物の森』に変更。 | |
| 1999年 | 8月27日 -8月29日 |
任天堂主催のイベント「任天堂スペースワールド'99」で、NINTENDO64用ソフト『MOTHER3 豚王の最期』としてプレイ可能な状態で出展。 「2000年5月発売予定」と告知[3]。 |
| 2000年 | 8月22日 | 開発6年目を迎える段階においても完成の目処が立たず、企業判断により開発の中止を発表。 |
| 2003年 | 4月 | 『MOTHER1+2』のテレビCM内で、ゲームボーイアドバンス用ソフトとして『MOTHER3』を開発していることを発表。 |
| 2005年 | 10月下旬 | 任天堂と東京糸井重里事務所、ブラウニーブラウン、ハル研究所が本作の特許を出願。 |
| 11月 | 正式タイトルを『MOTHER3』と発表。 | |
| 2006年 | 1月24日 | 『ほぼ日刊イトイ新聞』内の糸井によるコラム「今日のダーリン」で、発売日が2006年4月20日と発表。27日には任天堂からも公式発表された。 |
| 4月20日 | 本作の発売。 | |
| 2015年 | 12月17日 | Wii U版バーチャルコンソール(日本のみ)として本作の配信が開始[4][5]。 |
| 2024年 | 2月21日 | 『ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online』(日本のみ)にて本作の配信が開始[5][6][7][8][9]。 |
場所も、時代も、全てが謎に包まれた島「ノーウェア島」。この中にある唯一の村・タツマイリ村では人々が穏やかな暮らしを送っていた。
ここに住む少年・リュカと双子の兄・クラウスは、母親のヒナワとともに祖父のアレックのもとへ遊びに行っていた。そこで楽しい時を過ごし、あとは父親のフリントが待つ家に帰るだけであった。
ノーウェア島にある7本の針を守る者たち。男でも女でもなく、人でも魔物でもない。寿命は1万年。糸井曰く「あの存在自体が溶け込んだキマイラみたいなもの」[11]。マジプシー達が守り続ける7本の針が抜かれた時、世界は大きな変革の時を迎えるという。
7人のマジプシーの名前は本作品の作曲家である酒井省吾が命名した[11]。由来は音楽用語の「教会旋法」から。
豚のような覆面を被り、悪事を働く兵士たち。その正体は、ポーキーによって様々な時代から連れて来られ、洗脳された人々である。後にタツマイリ村の住人の一部も加入する。
森に火を放ったり、動物を改造したり、サルサやネンドじんをぞんざいに扱ったりと非道な面が目立つ。一方で間抜けな面もあり、少佐クラスになってもくだらないことで言い争いをしていたり、逃げようとして前のブタマスクにぶつかったりしている。戦闘ではHPが少なくなると謝ってきたり、ギャグ調の逃げ方(DPをばらまいた隙に逃走したり、「たったいまから ゆうきゅう(有給休暇)に」と言って立ち去ったりなど)をする。階級によって覆面や制服の色が異なり、「ブタマスク」はペールオレンジ、「ブタマスク少佐」は青、「ブタマスク中佐」は緑、「ブタマスク大佐」は白でマントを装着、「ブタマスクサブマリン」は紫である。この他にも作業員らしき水色のブタマスクがおり、バイトで働く職員用のマスクも存在する。全員が太っているように見えるが、スーツはいわゆる肉襦袢のようなものらしい。
バンドグループ「D.C.M.C.」のファンで、D.C.M.C.関連のグッズに弱い。また、なぞなぞ好きでもある。ピンチに陥った時のセリフは「オー! マイポーク!」。
月給は、少佐は900DP、中佐は1400DP、大佐は2000DPで、水中で活動するサブマリンは危険手当込みで時給4DP。「とんかつチップ」や「とんかつヌードル」といった食べ物をよく持っている。
ノーウェア島に生息する動物たちを見て「かっこ悪い」と感じたポーキーがブタマスク達に命じて作らせた合成生物。機械と生物を合成した「メカキマイラ」と、生物同士を合成した「生物キマイラ」の2種類が存在する。以下、イベントに絡むものを記述する。
| No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 売上本数 | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | MOTHER3 | Wii U | 任天堂 東京糸井重里事務所 ブラウニーブラウン ハル研究所 |
任天堂 | ダウンロード (バーチャルコンソール) |
- | - | ||
| 2 | ゲームボーイアドバンス Nintendo Switch Online |
Nintendo Switch | 任天堂 東京糸井重里事務所 ブラウニーブラウン ハル研究所 |
任天堂 | ダウンロード | - | - |
| 評価 | ||||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ||||||||||||
本作は発売初週に20万本売り上げ[23]、2006年上半期のトップセラー20のランクインした[24]。TechnologyTellのジェニー・ラダは「完璧」なゲームボーイアドバンスロールプレイングゲームと評した[25]。日本国外のレビューでは(前述の経緯から日本のみの発売だったにも関わらず[20])ストーリーやグラフィックを賞賛する一方で、1990年代のコンピュータRPGと変わりのないシステムを残念とする意見もあった[18][26][20]。また、音楽も賞賛された[21][22][27]。
『ファミ通』のクロスレビューでは10、8、8、9の35点でプラチナ殿堂入り[19]。レビュアーは序盤から引き込まれ中盤までの一気の進み後半になってもダレない展開や細部までこだわりが感じら暖かみのある独特の文章や物語、ウィットに富んで細やかな演出から生み出される独特の世界、素朴な絵柄やよくあるシステムが気にならなければ楽しめるとした他、BGMを賞賛、戦闘のコンボについてはつかみにくさがあるとした者と作業プレイにならない工夫がいいとした者で分かれた[19]。
Eurogamerのサイモン・パーキンは、コンピューターゲームの専門家の「聖なる牛(疑問や批判を免れたことを指す比喩)」とファンコミュティの持続力をシリーズのレガシーとして「日本で一番愛されるシリーズ」とした[26]。ファンによる翻訳の質に感銘を受け、糸井重里を「ストーリーテラー」と表現、JRPGに与えた糸井とMOTHERシリーズの影響について解説しつつ、[26]「影響のあるシーン」「予期しない影響」を伴う「優れた」脚本が「まっすぐな物語」から「予算の何倍も大きい幅広さと深みを達成したタイトル」と指摘した[26]。脚本は「自然と技術」「封建制と資本主義」「個人と地域社会」のやや「荒っぽい」対置をしていて[18]、最初に名前を設定することを「トリック」とし、ゲーム後半に掛けて意味を成すとした[26]。また本作の12年という長期の開発期間に触れ、下記のように述べている。
メタフィクションを含むセリフ、他愛のない格好をしたカエル、かいぞうカリブーとの戦闘、ヒナワの死が判明するシーンといった「思い出に残る瞬間でいっぱい」とし、ゲームのシンプルさは「未熟でもの知らず」には役立つかもしれないが、かえってそれは「シンプルでエレガント」と評した[18]。
RPGamerのジョーダン・ジャクソンはビジュアルが本作の内容に合っていると評し[21]、酒井による音楽を「過去作と同じくらい魅力的」と評価した[21]。RPGamerとは関係ないが、音楽面においてはMoehnkeも「素晴らしい」と高い評価を示し[22]、リヒャルト・ワーグナーとチャック・ベリーからの影響を指摘した[22]。
またジャクソンは、約30時間ほどのゲームプレイ時間は過去作よりもいくらか短いとし、[21]ユーモラスで楽しく進んでいる中で少し憂鬱な瞬間もあると説明している[21]。レビュアーは死亡時のペナルティがほとんどないことを評価している[21][22]。
NGC Magazineのマーク・グリーンは否定的な意見としてではなく、見た目や操作感が『MOTHER2.5』のように感じられると書いている[20]。ゲームシステムがより高レベルなコンピュータRPGに対して「悲しくなるほど基本的」と評している[20]。
Mike Moehnkeはウェブサイトで過去作からあるグッズの所有制限について批判している[22]。
TechnologyTellのラダは本作は過去作より驚くほど「ダーク」と評した[25]。
Kotakuのリチャード・アイゼンベイスはシステムを賞賛[28]、GameSpotのグレッグ・カサバンは「マリオ&ルイージRPGシリーズ」のシステムと比較した[29]。アイゼンベイスはゲームのメインテーマとして「母の重要性」を挙げ、ゲーム中盤の「狂気的なスラップスティック」と最終的などんでん返しを特に好んだ[28]。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズでは、3作目の『大乱闘スマッシュブラザーズX』より、本作の主人公であるリュカがファイターとして登場している。キャラクターの色変えにより、クラウスのような見た目に変更することも可能。なお、当初は2作目の『大乱闘スマッシュブラザーズDX』に登場予定だったが諸事情により見送られた[34]。
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『MOTHER3 豚王の最期』(マザースリー ぶたおうのさいご)は、『MOTHER3』がNINTENDO 64向けソフトとして開発されていた頃のタイトル。『豚王の最期』という副題は最も後期のもので、初期の頃から「『キマイラの森』→『奇怪生物の森』→『豚王の最期』」と変更されている。2000年8月に開発中止が発表された。キャッチコピーは「マザーを通して、家族の絆を考えてみる。」[3]。
これまでドット絵で制作されていた世界やキャラクターがポリゴンで表現され、全体的なグラフィックのイメージが前作までとは大きく異なっている。物語は12章立て(開発が進む中で7〜9章までに規模を縮小した)[36]。シナリオの大枠は製品版と変わらないものの、その細部は製品版に比べてかなり陰鬱なものであったという[37]。超能力は従来シリーズのような「PSI」ではなく「まほう」または「マホウ」と表記し[3]、戦闘でリズムに合わせて音楽を奏でると有利になるという、製品版の「サウンドバトル」の原型ともいえるシステムも導入されていた[38]。
『MOTHER3』の開発は前作『MOTHER2 ギーグの逆襲』の発売直後から始まり、全12章の物語で章ごとに別の主人公を立てることや、物語内の時間経過により世界の様子や人々の会話内容が変化していくことなど、様々なアイデアが糸井重里から提案された[39][40]。その後、開発ハードがスーパーファミコン、NINTENDO 64、64DDと移っていくが、アイデアを実現するための作業量が膨大になったことで開発は長期化する。
そうした中で、任天堂の新しいハードであるゲームボーイアドバンスとニンテンドー ゲームキューブの発売に向けたプロジェクトが立ち上がる。これにより会社として『MOTHER3』の開発に注力し続けることが困難になった上、プロデューサーを務める岩田聡が海外出張などで開発現場から離れることが増えたため、開発チームとの意思疎通の機会が減ってしまった[41]。事態の打開に向けて全部で12章あった物語を7〜9章にするなど規模を縮小する対策を講じたがそれでも状況は改善せず、このまま開発を続けると他のプロジェクトに甚大な影響が出てしまうとの判断から、開発中止が決定された[36][41]。
なお、開発中止の決定前にはゲームボーイアドバンス向けソフトとして開発し直す案も模索されていたが、この時点では実現しなかった[42]。
ここでは製品版と異なる設定が見られたキャラクターを記述する。
本作の開発で使用した技術の一部は、本作と同じくハル研究所が開発した64DD用ソフト『シムシティー64』のプログラムに流用されている[43]。
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