アンディ・コーウェル

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アンディ・コーウェル
Andy Cowell
生誕 (1969-02-12) 1969年2月12日(57歳)
国籍 イギリスの旗 イギリス
業績
専門分野
雇用者
設計 メルセデスパワーユニットV6Hybridシリーズ ほか多数
成果 F1世界選手権7連覇(2014年 - 2020年) ほか多数
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アンディ・コーウェル(Andy Cowell、1969年2月12日[2] - )は、イングランド出身の自動車技術者、モータースポーツのエンジン開発者で知られる。2026年現在、アストンマーティンF1のグループCSO(最高戦略責任者)を務めている[3]。

英国機械学会(英語版)(IMechE)と王立工学アカデミー(英語版)の会員である[1]。

経歴

父親はレース好きで、ヒルクライムレースなどに参戦し、F1も熱心に視聴するという家庭環境でコーウェルは育った[1]。そのため、コーウェル自身も将来F1で働くことを子供のころから夢見ていた[1]。

コスワース / BMW

P80の発展型のP84/5エンジン(2005年)

大学で機械工学の学位を得た後、1991年にコスワースに入社し、同社内の様々な技術部門で働いた後、エンジンの設計開発部門に加わった[1]。

入社直後から、1993年のマクラーレン・フォード、翌1994年のベネトン・フォードをはじめ、1990年代のコスワースのF1活動でエンジン開発に携わった[2]。1999年には新型のCRエンジンの開発を担当し、同エンジンを搭載したスチュワート・SF-3は同年のヨーロッパGPで優勝を果たした[1][4][2]。

2000年に一時的にBMWモータースポーツに移籍し、2001年のウィリアムズ用のBMW・P80エンジン(英語版)の開発に携わった[1](このエンジンは年4勝を挙げた[4])。

翌2001年にはコスワースにプリンシパル・エンジニアとして復帰し、2004年まで同社のF1用V10エンジンの開発に携わった[1]。

メルセデス

2004年にメルセデス・イルモアにプリンシパル・エンジニアとして移籍し[5]、以降、16年に渡って同社でエンジン開発にあたることになる[1][4]。

当初は2006年からのレギュレーション改正で使用されることになるV8エンジン開発計画のチーフエンジニアを務め、そちらが軌道に乗った後は、2009年から使用されることになるKERS搭載エンジンの開発全般の責任者を務めた[1]。

この間、同社は2005年にメルセデス・ベンツ・ハイパフォーマンス・エンジンズ(HPE)に改称され、コーウェルは2008年7月に同社の技術面の責任者であり、エンジン/パワートレイン開発戦略の責任者でもあるエンジニアリング/プログラムディレクターに就任した[5][1]。

マネージングディレクター

メルセデス・ベンツ・PU106C(2016年)

同社は2011年にメルセデスAMG・ハイパフォーマンス・パワートレインズ(HPP)に改称され、コーウェルは2013年1月に同社の事実上のトップであるマネージングディレクターに就任した[5][1]。2014年からターボエンジンとハイブリッドシステムを組み合わせたパワーユニット(PU)についての新規定が導入されることになり、コーウェルはその開発を監督する役割を担うことになる[1]。

実際にはこの「パワーユニット」の開発はコーウェルの指揮の下で2011年には始まっており[6][7]、充分な開発期間の末に完成した「PU106A」は登場した2014年時点でライバルであるフェラーリとルノーのPUに対して圧倒的と言ってよいほどの大きなアドバンテージを築いた[8][9]。これにより、その開発の中心人物だったコーウェルの名はよく知られるようになる。

2014年に開幕したパワーユニット時代のF1において、同PUを擁したメルセデスチームは選手権を席巻し続け[1]、最終的に、ドライバーズタイトルは7年連続(2020年まで)、コンストラクターズタイトルは8年連続(2021年まで)で獲得し続けた。コーウェルはHPP社を離れることを2020年6月に表明し、その職務はハイウェル・トーマスに引き継がれた[10]。

2020年末にHPP社を去った後、コーウェルについて、F1に参戦している他のエンジンサプライヤーに移籍するのではないかとの噂がたびたび出たが[4][11]、その後の数年間、コーウェルはF1関連のどの組織にも所属しなかった。

アストンマーティン

2024年10月よりアストンマーティンF1のグループCEOに就任[3][12]。2024年シーズンに同チームが低迷したことを受けて、2025年1月に組織改革が発表され、コーウェルはチーム代表に就任した[2][13]。

2026年よりチーム代表を外れ、新設されたCSO(最高戦略責任者)に転任した。後任のチーム代表はエイドリアン・ニューウェイが務め[14]、自身はPUサプライヤーのホンダや燃料・オイルサプライヤーのアラムコとバルボリンなどエンジン周り各社のコーディネーターを任された[15]。

栄典

  • 2013年・ジェームズ・クレイトン賞(英国機械学会)[1]

脚注

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 “Andy Cowell” (英語). Mercedes-AMG Formula One Team. 2020年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月22日閲覧。
  2. 1 2 3 4 “Who is Andy Cowell? All you need to know about Aston Martin’s new F1 team boss” (英語). Formula1.com (2025年1月1日). 2025年1月19日閲覧。
  3. 1 2 Alex Kalinauckas (2024年7月3日). “アストンマーティンF1、元メルセデスPU主任を獲得。チームCEOに就任……ホンダ合流に向けて足場固める”. Motorsport.com. 2025年1月19日閲覧。
  4. 1 2 3 4 “Four reasons why engine guru Andy Cowell’s departure from Mercedes is so significant” (英語). Formula One World Championship official website. Formula One World Championship Limited (2020年6月16日). 2022年2月22日閲覧。
  5. 1 2 3 Andy Cowell. “Andy Cowell” (英語). LinkedIn. 2022年2月22日閲覧。
  6. ↑ Jonathan Noble (2011年12月9日). “Mercedes poised to give 2014 Formula 1 engine first dyno test” (英語). Autosport. 2022年2月22日閲覧。
  7. ↑ Motor Fan illustrated モータースポーツのテクノロジー 2014-2015、「ファクトリー訪問」 pp.36–39
  8. ↑ 小倉茂徳 (2014年12月31日). “オグたん式「F1の読み方」 - 2014年を振り返ってみて”. Car Watch. インプレス. 2022年2月22日閲覧。
  9. ↑ 水書健司(翻訳) (2016年2月18日). “メルセデス「パワーユニット開発ルール変更でライバルとの格差は縮小される」”. autosport web. 三栄書房. 2022年2月22日閲覧。
  10. ↑ “レッドブルF1のパワーユニット責任者、正式加入は1年後か。メルセデスとのガーデニング休暇契約で”. autosport web. 三栄 (2021年4月26日). 2022年2月22日閲覧。
  11. ↑ “メルセデスF1の元エンジン責任者コーウェルがレッドブル入りとの報道を、両代表が否定”. autosport web. 三栄 (2021年5月26日). 2022年2月22日閲覧。
  12. ↑ “引く手数多だったアストンマーティンF1加入のコーウェル。レッドブルも交渉したとホーナー代表が明かす”. autosport web. 三栄 (2024年7月18日). 2025年1月19日閲覧。
  13. ↑ “アストンマーティンの新代表にコーウェルが就任。元代表クラックはトラックサイド部門の責任者に”. autosport web. 三栄 (2025年1月11日). 2025年1月19日閲覧。
  14. ↑ ニューウェイが来季アストンマーティンのチーム代表に就任。チームが新体制を発表、噂されたホーナーの名前はなし - オートスポーツ・2025年11月27日
  15. ↑ “ニューウェイ、クラック、コーウェル……アストンマーティンには技術系首脳陣が多数。ホンダはそれぞれとどう連携している?”. motorsport.com (2026年4月17日). 2026年5月11日閲覧。

参考資料

  • 『Motor Fan illustrated モーターファン別冊』シリーズ(NCID AA12467385)
    • 2015-02-06、『Motor Fan illustrated モータースポーツのテクノロジー 2014-2015』、三栄書房 ISBN 4779623774 ASIN B00SAENRDU

外部リンク