死の翼アルバトロス
『死の翼アルバトロス』(しのつばさアルバトロス)は、1977年(昭和52年)から1980年(昭和55年)に放送された『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』(以下、『TV第2シリーズ』)第145話のサブタイトル。1980年7月28日に放送され、宮崎駿が「照樹務」名義で脚本・演出を担当した。
『TV第2シリーズ』に不満を感じた宮崎が制作したものだが、イメージが違うとして第155話(最終話)「さらば愛しきルパンよ」同様、日本テレビのスタッフが没にしようとした経緯を持つ。
あらすじ
ルパン三世・次元大介・石川五右ェ門の3人は峰不二子からとある田舎へ呼び出されたが、不二子本人は姿を現さず、3人で夕食のすき焼きをつついていた。そこへ何者かに追われる不二子が乱入し、ルパンのベンツSSKを奪って逃げてゆく。追っ手によってキャンピングトレーラーを爆破されてしまったルパンたちは、不二子がすき焼きの鍋へ残していった謎の部品に気づく。ルパンは部品を調べ、それが原子爆弾の発火プラグであることを特定する。それは恐ろしく小型に作られており、非合法の品であった。それを用いて邪悪な取引を試みる人物がいると考えたルパン一味は、近くのロンバッハ航空博物館をその隠れ蓑と睨んで行動を開始する。一方、不二子に追っ手を差し向けた男は、発火プラグがルパンに預けられたことを見抜いていた。
博物館に銭形警部が現れ、館のオーナーであり不二子に追っ手を差し向けた男・ロンバッハ博士の案内を受ける。巨大な飛行艇・アルバトロスの中に導かれた銭形は、ルパンの変装であることをロンバッハに看破され、正体を現す。ロンバッハから不二子と発火プラグを交換する取引を持ちかけられ、ルパンはそれを承諾する。直後にロンバッハに呼ばれた本物の銭形が駆けつけ、ルパンは辛くも逃げ出す。ロンバッハは不二子に、原爆と発火プラグをアルバトロスに載せて世界中に販売する計画を誇らしげに話し、不二子を第一夫人に迎えるつもりだと放言している。
ルパンと次元は取引の行われる湖上に船を出し、合図とともに発火プラグを返還するが、ロンバッハ側から差し出された不二子は銭形の変装であり、2人はロンバッハの船から飛び出してきた機動隊に検挙される。ルパンはロンバッハが悪党であることを銭形に訴えるが、銭形はロンバッハの話を信じて取り合わない。警察車両に担ぎ込まれたルパンたちは、アルバトロスが処女飛行で地中海横断の予定であるのを銭形から聞いてから、頭髪に仕込んだ爆発物で機動隊員を吹き飛ばし、五右ェ門の協力もあってボートで逃走、アルバトロスを追う。離水したアルバトロスに2人は乗り移れず、博物館から単発プロペラ機を窃取して飛び立つが、追ってきた銭形も加わって3人乗りになる。
ロンバッハの命により単発機は猛烈な迎撃を受け、銭形は民間機だと思い込んでいたアルバトロスの重武装に驚く。単発機が被弾してガソリンを噴く一方、不二子がアルバトロスの銃座を制圧し、単発機へ飛び移ろうとする。ロンバッハは機銃でそれを阻止するが、続いて不二子を懲らしめるために投擲した手榴弾を不二子に投げ返され、アルバトロスは第三エンジンを失う。続いて怒りにまかせて集束手榴弾を投げようとするも、これも不二子の拳銃射撃にあって集束が解け、転がった爆弾によりアルバトロスの左翼の外板が爆破されると、その中の原子爆弾プラントが露わになる。ルパンはさらに、燃料が尽きかけた単発機の両翼でアルバトロスの第二・第四エンジンを刈り取ると、単発機はそのまま両翼を失って胴体だけになり、不二子のいる銃座に突っ込む。ロンバッハは激高しながら退艇を命じ、乗員はパラシュートで脱出してゆく。
アルバトロスは高度を下げて山岳に衝突しそうになり、コックピットに入ったルパンは艇内の重量物を投棄させて上昇を試みる。次元と銭形が金属製の大扉を外すと、中には多数の小型原爆を抱えたロンバッハがおり、そのまま逃げ出して飛び降りる。銭形はそれを阻止しようとするが、失敗して2人で地上に降下してゆく。飛行艇を立て直したルパンは、不二子が金儲けのタネとして髪の中に隠していた小型発火プラグの設計図を奪い、次元に捨てさせる。
声の出演
レギュラーキャラクター以外の登場人物
スタッフ
- 原作 - モンキー・パンチ
- 企画 - 吉川斌
- 音楽 - 大野雄二
- 監修 - 鈴木清順
- プロデューサー - 高橋靖二、高橋美光
- 脚本・絵コンテ・演出 - 照樹務
- 作画監督 - 北原健雄、丹内司
- 美術監督 - 龍池昇
- 美術設定 - 山本二三
- 撮影監督 - 小林健一、長谷川肇
- 録音監督 - 加藤敏
- 選曲 - 鈴木清司
- 制作担当 - 仙石鎮彦
- 原画 - 富沢信雄、丸山晃一、原恵子、堤純子、小林弥生
- 動画 - 青木康直、大里美和子、林雅子、田辺厚子、桜井陽子、島田明子
- 色指定 - 近藤浩子
- 仕上 - 岡嶋国俊、豊永真一
- タイトルデザイン - 高具秀雄
- 背景 - 張本源
- 撮影 - 野村隆、首藤真平、金井弘
- 音響効果 - 糸川幸良(宮田音響)
- 録音技術 - 飯塚秀保
- 編集 - 鶴渕允寿、高橋和子
- 制作進行 - 徳永元嘉
- 録音 - 東北新社
- 現像 - 東京現像所
- 制作協力 - 東京ムービー
- 製作 - 東京ムービー新社
主題歌
ファンによる評価
- 「ルパン三世ベストセレクション」
- 2017年、日本テレビの深夜アニメ枠「AnichU」他で放送するために実施。第1シリーズから当時の最新TVシリーズであった第3シリーズまでの全228話から事前にファン投票を実施し、第2位に選ばれている[1](なお正式に第2位ということが明らかになったのは上記セレクション放送最終回において。詳しいことは出典か番組の詳細情報を書いたリンク先を参照)。
- 「みんなが選んだルパン三世」
- 2021年、アニメ開始50周年記念企画として「金曜ロードショー」でファン投票上位4エピソードを放送するために実施。この時点での最新TVシリーズであった第5シリーズまでの全276話から、第4位を獲得した(TVシリーズとは別にTVスペシャルの投票も実施されているが、そちらについてはTVスペシャルシリーズ第9作『ルパン三世 ワルサーP38』などを参照)。
- 放送の際には第1位を獲得した「さらば愛しきルパンよ」と続けて放送する関係上、エンディングと次回予告がカットされ、レギュラー以外のキャストと各話スタッフは「金曜ロードショー」としてのエンディングで表示された。
脚注
- ↑ “ルパン三世:人気投票1位は「さらば愛しきルパンよ」 宮崎作品がワンツー飾る”. MANTANWEB (2017年12月20日). 2018年1月17日閲覧。
参考文献
- 『ルパン三世 死の翼アルバトロス・さらば愛しきルパン スタジオジブリ絵コンテ全集〈2〉第2期』 徳間書店、2003年、ISBN 978-4198616670