『鬼武者2』(おにむしゃ2、英:Onimusha 2: Samurai's Destiny)は2002年3月7日にカプコンからPlayStation 2用タイトルとして発売された戦国サバイバルアクションゲーム。

明智左馬介と幻魔の戦いから13年後が舞台。主人公は柳生十兵衛(本作の設定では後の柳生宗厳)となっている。

テーマソングは布袋寅泰の『RUSSIAN ROULETTE』。初回プレス版にはこの曲のPVが映像特典として収録されていた。

国内累計出荷本数は110万本[1]、全世界累計販売本数はシリーズ最高の210万本[2]。

システム

本作では鬼の力は鬼の一族から授けられたのではなく、鬼の一族(=柳生一族)の末裔として初めから鬼の力を持っていたという設定である。新たな力を得る際には龍を模した祠より入手する。十兵衛は「体力」「鬼力」「魂」の3つの値を有しており[3]、体力値がゼロになるか、仕掛けを突破できず罠にはまるとゲームオーバーになる[4]。敵を倒すための攻撃方法として、十兵衛は刀などの武器や蹴りのほか、鬼の力を帯びた武器を装備し、鬼力を消費することで「鬼戦術」という特殊攻撃が行え[5]、鬼の力を帯びた武器で力を溜めると奥義を放つことができる[6]。また補助武器として弓・銃がある[7]ほか、前作同様に必殺攻撃として「一閃」「弾き一閃」を使用できる[8]。敵を倒すことで赤・青・黄・紫の内いずれかの魂が出現し[9]、紫の魂を5つ吸収することで十兵衛は「鬼武者変身」し、一定時間無敵状態となることができる[8]。

育成要素として武器や防具の強化が行える[10]。強化は赤の魂を消費することで行う[9]。

前作ではプレイヤーキャラクターは2人だったが、今回は4人の仲間「小谷のお邑」「風魔小太郎」「雑賀孫一」「安国寺恵瓊」[11]と交代しながら進むことができ、合計5人を操作できる。ただし十兵衛以外では強化は行えず、鬼武者変身もできない[7]。交代するか否かはそのキャラクターの好感度によって変化し、十兵衛が動けなくなった場面で交代する。キャラクターとの会話時の表情や挙動をもとにアイテムを渡してコミュニケーションを取り[12]、好感度を上げられる。それに伴い本作ではアイテムの入手や買い物とそれに伴う資金集めが必要になったが、交流をしてキャラクターとの好感度が高い場合、ボス戦時などに援護に現れ強力な戦力となる。なお本作の安国寺恵瓊は槍の使い手[11]だが、実際の恵瓊は外交僧として活躍した人物であり、本作の恵瓊のモデルは宝蔵院胤舜に近い。

今回もクリア特典として次回予告(『鬼武者3』)が入っていた。また他のクリア特典として黒のスーツにシャッポ姿の松田優作を操るミニゲーム「黒いスーツの男」が登場する。

あらすじ

前作にて幻魔の力で蘇った織田信長だったが、明智左馬介によって幻魔王が討ち取られたことで、信長が新たに幻魔王となり、天下統一すべく進行を開始する[13]。信長は浅井長政を討伐するために、幻魔に小谷城を攻めるよう命じる[14]。

1573年(天正元年)、主人公の柳生十兵衛は故郷に帰ると、村が織田信長によって襲われたこと、および自身に鬼族の血が流れていることを知る[15]。かつての鬼族と幻魔との戦いから、運命と悟った十兵衛は仲間と出会い共に戦うことで信長の打倒を目指す[15]。

開発

本作は『鬼武者』が完成していなかった(スタッフ、現場共に別々だった)時から製作開始された[16]。2001年6月には制作中であることが発表された[17]。

柳生十兵衛のモデルに松田優作を採用するため、遺族に許可を得ようとしたところ妻の松田美由紀に難色を示されたが、息子の松田龍平、松田翔太は『鬼武者』を知っていたため、快く許可が得られた。2001年6月の制作発表時にプロデューサーの稲船敬二は松田優作を起用した理由として、ゲームに対する理解を持ち、かつ前作主人公のモデルの金城武を超える人物が見当たらない点や稲船ら当時30歳代の人間にとってヒーローかつ存在感のある人物を考慮した結果であると語っている[17]。また2001年10月27日に東京の渋谷で開催された「東京国際ファンタスティック映画祭 蘇える最も危険な男 松田優作13回忌」において稲船は、リアルタイムで松田優作を見ていない当時20歳代前後の人に松田優作を見てほしい点やゲーム内での表現の確認を松田美由紀にしてもらっている点を語っている[18]。またクリア特典のミニゲームの基となる映像も同映画祭内で公開され[18]、その映像内の台詞は松田優作が主演したテレビドラマ『探偵物語』風であり、会場からは喝采された[18][19]。

なお前作主人公の明智左馬介に関して、稲船は本作での登場を否定しなかった[17]が、結果的には名前のみの登場となった。

グラフィックは前作同様に背景はプリレンダリングが採用された[17]。稲船は黒澤明の映画『七人の侍』をモチーフにして雨の場面を用意し、プリレンダリングされた動かない背景の中、いかにも動いているかのように表現することに注力した[17]。

CGに関しては、前作では合戦場面において人と馬が合成されていたため違和感があったが、本作では馬に乗った武将全てをキャプチャーすることで違和感を払拭した[17]。またCGムービーを担当した金田龍は、松田優作らしさを印象づけるため走る場面をクローズアップさせた[20]。

キャラクターデザインを担当した雨宮慶太は、戦国時代の持つ極彩色をイメージしつつ、今まで自分の作品では用いなかった色彩を使用し、衣装の素材に関しては時代考証をしつつも、着用の仕方で個性を出した[20]。

音楽を担当した岩代太郎は作曲の際、本作舞台の「和」を意識することなく、各キャラクターごとにテーマ曲を作成した後、全体を仕上げていった[20]。

シナリオは前作に続き杉村升が担当し、前作と異なりサブキャラクターを用いたドラマ性に焦点を当てた[20]。なおサブキャラクターの一人は開発途中で採用されなくなったことが2002年2月13日の完成プレス発表会で明かされた[20]。

CMには松田龍平が採用され、監督は豊田利晃が担当、2002年2月15日から放映開始された[20]。

こうして完成した本作は2002年2月13日の完成プレス発表会および同年2月25日から3月10日、東京銀座のソニービルにおける発売記念イベントで来場者によって試遊された[21]。

制作スタッフ

評価

第6回CESA GAME AWARDSの「GAME AWARDS 2001-2002」において優秀賞を受賞した[22]。

関連商品

関連作品

脚注

出典

  1. ↑ 『2023 CESAゲーム白書』コンピュータエンターテインメント協会、2023年7月、191頁。ISBN 978-4-902346-47-3。
  2. ↑ “ミリオンセールスタイトル一覧”. カプコン (2011年6月30日). 2011年9月27日閲覧。
  3. ↑ 取扱説明書 p.7
  4. ↑ 取扱説明書 p.6
  5. ↑ 取扱説明書 p.8
  6. ↑ 取扱説明書 p.9
  7. 1 2 取扱説明書 p.11
  8. 1 2 取扱説明書 p.10
  9. 1 2 取扱説明書 p.12
  10. ↑ 取扱説明書 p.6
  11. 1 2 取扱説明書 p.19
  12. ↑ “第6回 CESA GAME AWARDS GAME AWARDS 2001-2002”. CESA (2002年). 2025年2月28日閲覧。
  13. ↑ 取扱説明書 pp.2-3
  14. ↑ 取扱説明書 p.20
  15. 1 2 鬼武者2 [蘇]の章 - ウェイバックマシン(2002年8月14日アーカイブ分)
  16. ↑ making of 鬼武者3より
  17. 1 2 3 4 5 6 “カプコン、「鬼武者2」を発表、空前絶後のバッサリ感、再び!! 主演は松田優作に決定”. Game Watch. インプレス (2001年6月12日). 2025年2月19日閲覧。
  18. 1 2 3 “カプコン、東京国際ファンタスティック映画祭で「鬼武者2」の「探偵物語」バージョンを公開も製品化は未定”. Game Watch. インプレス (2001年10月29日). 2025年2月19日閲覧。
  19. ↑ “蘇る危険な男―松田優作があの姿で鬼武者に!?”. SOFTBANK GAMES. Softbank Publishing (2001年10月28日). 2025年2月19日閲覧。
  20. 1 2 3 4 5 6 “カプコン、『鬼武者2』完成プレス発表会を開催 テレビCMには故松田優作氏の長男である松田龍平氏を起用”. Game Watch. インプレス (2002年2月13日). 2025年2月19日閲覧。
  21. ↑ “カプコン、PS2「鬼武者2」発売記念イベントを銀座ソニービルで開催”. Game Watch. インプレス (2002年2月13日). 2025年2月19日閲覧。
  22. ↑ “CESA GAME AWARDS 受賞作品”. CESA. 2025年2月28日閲覧。
  23. ↑ 鬼武者2 オーケストラアルバム 岩代太郎セレクションのライナーノーツより

外部リンク

⌬ Phoenix Mesh CID: 未登録 IPFS未登録 📡 0ピア N=1 CRITICAL PQS C58