ペギラ
| ペギラ | |
|---|---|
| ウルトラシリーズのキャラクター | |
| 初登場 | 『ウルトラQ』第5話 |
| 作者 | |
ペギラは、特撮テレビドラマ『ウルトラQ』(1966年)をはじめとする「ウルトラシリーズ」に登場する怪獣。別名は冷凍怪獣。英字表記はPEGUILA。
『ウルトラQ』に登場するペギラ
| ペギラ PEGUILA[出典 1] | |
|---|---|
| 別名 | 冷凍怪獣 |
| 身長 | 40 m[出典 2] |
| 体重 | 2万 t[出典 2] |
| 出身地 | |
『ウルトラQ』第5話「ペギラが来た!」(1966年1月30日放送)、第14話「東京氷河期」(同年4月3日放送)に登場。
南極の大氷原に棲息する怪獣[12][13]。「ペギラ」という名は越冬隊員が命名した[10]。大国同士の核実験の放射能の影響でペンギンが突然変異したと言われており[13][注釈 1]、同様の1対の翼(フリッパー)と直立した形態を有する。アザラシに似た顔を持ち、半分閉じたような目と2本の牙、頭から生えた小さな角が特徴。黒煙を噴き出しながら上昇・飛行し、武器として中心部がマイナス130度に達する冷凍光線[出典 4][注釈 2]を放射するが、その際には本来の夏ならマイナス1度程度の南極基地(昭和基地)周辺をマイナス100度にしてしまう超低温と共に反重力現象が周囲に起こり[13]、4トンの雪上車すら舞い上がる[17]。非常脱出の際の飛行速度は、マッハ80以上にもなる。
第5話では、本編の3年前に南極基地の観測所を氷結させ、野村隊員を凍死させている。氷漬けとなった野村隊員の遺体や生きていた犬のサブローが発見されると、サブローが生き延びるために食べていた南極大陸に生育する苔の成分から抽出した物質・ペギミンHが弱点であることが判明し、南極基地を襲撃したところをペギミンHを搭載した気象観測ロケットで迎撃され、苦しみながら黒煙を吹いてどこかへ飛び去る[18]。
第14話では、第5話から1年後の東京に襲来。南極が原子力発電所の爆発事故で温暖化して生存に適さない気温となったため、北極へ向かう途中に東京で休憩したと万城目に推測された[19]。周囲を極低温に氷結させて自衛隊も返り討ちにし、東京を氷漬けにする。最後は、元零戦のパイロットであった浮浪者・沢村照男の操縦するセスナ機の特攻に遭い、搭載爆薬と混合されたペギミンHを浴びせられてどこかへ飛び去る[20]。なお、鳴き声は第5話から変更されている。
- スーツアクター:清野幸弘[2][注釈 3]
- 特殊美術・成田亨と怪獣造形・高山良策のコンビが手がけた初のウルトラ怪獣[出典 5]。井上泰幸による初稿デザインに成田が手を加え[出典 6]、修正稿では成田のこだわりで翼全体が鳥のような羽根に覆われていたが、造型上は妥協して初稿と同様、ラテックスによる1枚羽根の形となった[23]。初稿にも修正稿にも描かれていない頭の角と牙は、着ぐるみの造型時に高山によって取り付けられたものである[出典 7]。身体のイボは高山が造形した時点では存在しておらず、現場でつけられたとされる[5]。1990年に制作された2.5mのイベント展示用ロボット(動刻)では、成田享のデザイン画に近い造形になり、前述の羽(フリッパー)の羽毛のモールドが表現された[要出典]。
- 劇中では確認しづらいが、着ぐるみには産毛が生えている。この毛羽はラテックスに苆を混ぜたものを使用している[26]。体は不織布によって造られた[26]。口の開閉ギミックは、紐による手動で操作する[26]。瞼は、ワイヤーで引き上げることによって眠そうな目にしている[27]。牙は、左側のみ先端に気泡のような窪みが存在している[28]。
- 着ぐるみは本作品での使用後、高山によって『ウルトラマン』に登場するチャンドラーへ改造された[出典 8]。チャンドラーのスーツアクターも同じく清野が務めている[31]。
- ペギラとチャンドラーの相似について公式設定は存在しないため、さまざまな解釈が非公式に記述されている。
- ペギミンHは、第2話のヘリプロン結晶Gや第8話のラゼリー・B・ワンと異なり「怪獣を倒す良い薬」であることから、スポンサー判断による変更はなかった[4]。
- 黒煙を出して飛ぶ描写は監督の野長瀬三摩地の提案によるもの[4][33]。
- 冷凍光線はガスで表現された[4]。
- 東京を破壊するシーンはロケではなく、すべてセットでの撮影となった[30]。
- 『総天然色ウルトラQ』では、放送当時の雑誌『ぼくら』に掲載されたカラー写真が参考にされた[6][5]。
『レッドマン』に登場するペギラ
『レッドマン』(1972年)第12、14、57、80、81、85、89、91 - 93、101、104、106、107話に登場。
着ぐるみはアトラクション用。第80、81、101、104、106、107話には別タイプの着ぐるみが登場するが、こちらはチャンドラーからペギラへ戻されたオリジナルである。長期間アトラクションで酷使されたために劣化が激しく、特徴的な瞼もなくなり、アトラク用と同様のグレー系の濃い色に白い斑点に塗装され、『レッドマン』登場時の姿になった[34]。頭部が挿げ替えられている[35]。
『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』に登場するペギラ
| ペギラ | |
|---|---|
| 別名 | 冷凍怪獣 |
| 身長 | 40 m[36] |
| 体重 | 2万 t[36] |
| 出身地 | 惑星リクエター[37] |
YouTubeの短編作品『ウルトラギャラクシーファイト ニュージェネレーションヒーローズ』episode3(2019年10月13日配信)に登場。身長・体重は初代と同一[38]。
水の惑星リクエターに生息する個体がラゴンをも凍らせようと暴れるが、駆けつけたウルトラマンリブットに阻まれ、ギャラクシウムブラスターで倒される。
- ウルトラシリーズの映像中にてペギラがウルトラ戦士と交戦するのは、本作品が初である。
『ウルトラマンZ』に登場するペギラ
| ペギラ | |
|---|---|
| 別名 | 冷凍怪獣 |
| 身長 | 40 m[出典 9] |
| 体重 | 2万 t[出典 9] |
| 出身地 | アラスカの山岳地帯[39][40] |
『ウルトラマンZ』第5話「ファースト・ジャグリング」(2020年7月18日放送)に登場。
イヌイットの伝承でその存在が言及されており、古い文献では「天より降りたる光の槍」によって3万年前にアラスカの永久凍土の下に封印されたと記されている[39][40]。物体の核振動を口から放射する零下130度の冷凍光線の超低温によって止め、無重力現象を巻き起こす[40][41]。
地球温暖化の影響で眠りから目覚めた後、石器と化した光の槍を破壊しようと日本へ飛来し、保管場所である帝都山大学人類学研究所に進攻する[39][40]。避難場所となっていた大学を守ろうとするウインダムを冷凍光線で氷漬けにすると、駆けつけたセブンガーにも有利に立ち回り、次いで現れたウルトラマンゼットをも空中戦で圧倒する。しかし、ゼットのもとへ出現した石器からゼットランスアローへの変化を見て動揺した後、ゼットにゼットランスファイヤーで撃破される[42]。
『シン・ウルトラマン』に登場するペギラ
映画『シン・ウルトラマン』(2022年5月13日公開)に登場。
巨大不明生物第3号として出現し、「ペギラ」と命名される[45]。冷凍ガスを放出して東京を氷河期にし、都市機能をマヒさせるが、女性生物学者が弱点を発見したことで駆除された[45]。
- 開田裕治が描いた『Q』のLDのカバーイラストの、冷気が体表から流れているイメージを踏襲している[46]。
その他の作品におけるペギラ
- 『ウルトラファイト』第196話「怪獣死体置場」では、円谷プロの着ぐるみ倉庫に吊り下げられていることが確認できる。
- 『ウルトラマンティガ』第49話「ウルトラの星」(1996年8月9日放送)では、ダイゴが『ウルトラQ』制作中の世界にタイムスリップしてきた形で「ペギラが来た!」の撮影風景が再現されている。
- 『ウルトラマンメビウス』第21話「虚空の呼び声」(2006年8月26日放送)では、怪獣墓場を漂う姿が見られる[47]。
- 『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』第1話「怪獣無法惑星」(2007年12月1日放送)では、レイのゴモラに倒されて自らの体内から漏れ出た冷凍液で凍結した死体が見られる[48][49][注釈 4]。また、同話でオキが作っていたチャンドラーの骨格標本をクマノはペギラと間違えるが、これはチャンドラーの着ぐるみがペギラから改造されたものであることを基にしている。
- 『ウルトラゾーン』第15話の特撮ドラマ「東京ジュラ紀(後編)」(2012年1月29日放送)では、「アカンバロの瞳」の力によって東京に現れたことが語られているが、画面には登場しない[50]。第12話のアイキャッチでは、スケートをしている姿が描かれている[51]。
- 『ウルトラマンX』第1話「星空の声」(2015年7月14日放送)では、冒頭に登場。シンガポールを冷気で氷漬けにした。身長・体重は初代と同じ[52][53]。
- 『ウルトラマンオーブ』(2016年)のメイン監督を務めた田口清隆とメインライターを務めた中野貴雄による私案「エピソード10構想」では、第6章(エピソード6-0)に登場[54]。流氷の中から出現し、北極海のルパシカ皇国領セーヴェル諸島でウルトラマンオーブに倒されるが、その怪獣カードはジャグラスジャグラーによってマガバッサーの復活に利用された[54]。
- 『ウルトラマンブレーザー』第2話「SKaRDを作った男」(2023年7月15日放送)では、名前のみ登場。バンドウ・ヤスノブの経歴が書かれた地球防衛隊勤務記録書に、その名前が記載されていた。
- 映画『ウルトラマンZOFFY ウルトラの戦士VS大怪獣軍団』(1984年3月17日公開)では、人類が怪獣と戦っていたころの怪獣としてゾフィーに紹介される。映像は『Q』第5話からのみ流用し、ペギミンHで撃退されたことになっている。鳴き声は第14話のものである。
- 映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』(2009年12月12日公開)では、ベリュドラの首を構成する怪獣の1体となっている[55]。
- ウルトラマンフェスティバル2003ライブステージ第2部「伝説の勇者達〜新たなる光〜」では、ゴドラ星人にチャンドラーと共に召喚されてウルトラマンコスモスを苦しめる。
- 『大怪獣バトル』の第2弾には技カードとして登場。スキルは第5話と第14話のサブタイトルを合わせた「氷河期がきた!」で、効果は「ずっと、こうげきが『れいき』こうげきになる」。
- 漫画作品
- 『ウルトラマン超闘士激伝』では、ブラック指令配下でペギラをモチーフにしたメタルモンスが登場する。
- 『ウルトラ忍法帖』では、悪の組織「朧党」の忍獣「屁゜戯羅」として登場。
- 外部作品
再登場が検討されていた作品
- 検討中だった第3クールに登場が予定されていた。「ガラモンの逆襲」のセットで撮影された特写会では、パゴス、カネゴン、ゴーガと共に参加している。
- 『ウルトラマン』企画段階のサンプルストーリー「凍る極光ライン」では科学特捜隊との空中戦の末、サコミズに粉砕されたカニ座M73星雲人の円盤の中から出現するシナリオが予定されていた[57]。
- 『ウルトラセブン』の企画段階では、レッドキング、アントラー、パゴスとともにカプセル怪獣として登場する構想があり、企画書や準備稿で名前が挙がっている[58]。また、同作の未制作脚本「宇宙人15+怪獣35」では、宇宙人連合が蘇生させた怪獣軍団の一員として登場し、ネロンガ、レッドキング、ジェロニモン、エレキングと共に最後まで残りセブンを苦しめるも、黄金怪獣ゴードに倒されるというシナリオが予定されていた。
- サークロラマの映画『ウルトラマン・ウルトラセブン モーレツ大怪獣戦』では、登場しないが台本に名前が記載されている[59]。
- 映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』以前に企画されていた『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』の続編作品では登場が予定されており、酉澤安施による検討用デザインも描かれていた[60]。
- 『ウルトラマンのすべて!』[要文献特定詳細情報]では「東京氷河期」の映像が使われている。
- 『ウルトラマンサーガ』の企画段階では、バット星人に怪獣墓場から連れ出され、ゴメス(S)やグビラと共にウルトラマンゼロやウルトラマンコスモスと戦った結果、ルナモードのフルムーンレクトでおとなしくなるが、最後はバット星人に処刑されるという役回りで登場が予定されていた[61]。
脚注
注釈
- ↑ 劇中ではペギラが誕生した経緯は語られていない。一部書籍や『ウルトラ怪獣DVDコレクション9 ペギラ』(講談社、2011年)ではアザラシの嫌うペギミンHを弱点とするため、アザラシに近い表皮の海棲哺乳類の変異体ではないかと推測されると記述されている[4][10]ほか、後年の『ウルトラ怪獣擬人化計画』での紹介ページでも「南極のペンギンが、放射能の影響で突然変異を遂げたといわれる」と記述されている[14]。
- ↑ 資料によっては、「冷凍無重力光線」と記述している[12][16]。
- ↑ クレジットは清野弘幸[4]。
- ↑ 当初のシナリオでは、氷漬けになるのは同じ冷凍怪獣のマーゴドンの予定だったが、着ぐるみが残っていなかったので変更された。
出典
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- 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 キャラクター大全 上巻 2011, pp. 38–43, 「第5話 ペギラが来た!」
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出典(リンク)
参考文献
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- 『ウルトラマンZ完全超全集』構成・間宮尚彦 執筆・大石真司、2021年7月6日。ISBN 978-4-09-105171-4。※『ウルトラマンZ完全超全集 ストレイジBOX』所収
- 『全怪獣怪人』 上巻、勁文社、1990年3月24日。ISBN 4-7669-0962-3。C0676。
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- 竹書房/ブレインナビ 編『ウルトラマン画報 光の戦士三十五年の歩み』 上巻、2002年10月4日。ISBN 978-4-8124-0888-9。
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- 『総天然色 ウルトラQ』 下巻、2011年12月9日。ISBN 978-4-06-217380-3。
- 『総天然色ウルトラQ公式ガイドブック』角川書店、2012年。ISBN 978-4-04-854715-4。
- 『ウルトラゾーンオフィシャル完全ガイド』監修 円谷プロダクション、扶桑社、2012年8月11日。ISBN 978-4-594-06640-6。
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- 雑誌
- 宇宙船(ホビージャパン)
- 「宇宙船vol.120特別付録 宇宙船 YEARBOOK 2008」『宇宙船』vol.120(2008.春号)、2008年4月1日、ISBN 978-4-8942-5693-4。(ページ数は別冊のもの)
- フィギュア王(ワールドフォトプレス)
- 『フィギュア王』No.291、2022年5月30日、ISBN 978-4-8465-3269-7。
- 『フィギュア王』No.292、2022年6月30日、ISBN 978-4-8465-3271-0。
- 宇宙船(ホビージャパン)
- 劇場パンフレット
- 『シン・ウルトラマン』パンフレット 2022年5月13日発行 編集:東宝ステラ 発行:東宝株式会社事業部
- 映像ソフト解説書
- Blu-ray/DVD『総天然色ウルトラQ Blu-ray BOX I(DVD BOX I)』(バンダイビジュアル BCXS-0324/BCBS-4131)封入 「一の谷研究所研究論文 I」