ラグズ
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ラグズは、任天堂(開発・インテリジェントシステムズ)のコンピュータゲーム『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』および続編『ファイアーエムブレム 暁の女神』に登場する架空の種族。
本項では『ファイアーエムブレム 蒼炎の軌跡』については『蒼炎』、『ファイアーエムブレム 暁の女神』については『暁』と略記する。
概要
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『ファイアーエムブレム』シリーズの「テリウス大陸」を舞台とした作品(『蒼炎の軌跡』、『暁の女神』)に登場する種族。いわゆるファンタジー作品における「亜人」であり、ほかのシリーズ作における「マムクート」(竜族)に相当する。ゲーム中ではあくまで「ヒト」の一種として扱われ、ラグズに対して現実世界における人間種族のことをベオクという。
大きな特徴として化身という能力を持ち、ヒトの姿から獣や鳥、竜といった動物の姿に変身することが可能である(なお、化身した際の姿は元の動物よりもかなり大きい)。また、ラグズ内でも複数の種族が存在し、何に化身するかは種族ごとに異なっている。なお、あくまでも本来の姿はヒトの姿である(マムクートの場合は、本当は竜なのだが、力を封じてヒトの姿となっている)。化身をしなければ戦えないが、化身をすると体力を消耗するため、戦闘以外での化身は極力避けている。ヒトの姿の際でも、種族ごとに差はあるが総じてベオクよりも身体能力が高く、寿命も非常に長い。また、容姿などにも化身する動物の特徴が現れている。 ゲーム上は、原作では「ヒトの姿だと化身ゲージが増加し、満タンになると化身する」「化身中はゲージが減少し、0になると化身が解ける」、「ヒーローズ」では「ターン開始時に竜や獣以外の味方と隣接していないと化身し、そうでないと化身が解ける」「化身していると攻撃力が増加し、移動タイプに応じた効果が発動する」という仕様になっている。
ベオクと違いラグズの国には貴族制が存在せず、国をまとめる王はそれぞれの国の中でも最も強い戦士が就く。ただし、竜鱗族は黒竜が、鷺の民は白鷺が最も強い力を持って生まれるため、必然的に世襲制となる。
現在のテリウス大陸ではベオク勢力に圧迫されているが、かつてはラグズがベオクを支配する時代もあった。ベオクの国家のほとんどでは異形の姿を持つ、人間(ベオク)に似て非なる存在として認識されており、ベオクの多くはラグズを意識的・無意識的に「半獣」とよぶが、これは「ラグズ」にとって差別的な呼称である。「ベオク」が「ラグズ」を好意的・中立的に見ている場合は、「ラグズ」とよぶ。
ラグズがベオクのことを好意的・中立的に見ている場合は、「ベオク」とよぶ。ベオクを「ニンゲン」とよぶラグズもいるが、これはベオクがラグズを「半獣」とよぶのと同じ意味で、ベオクに対しての軽蔑・敵対心を表す差別的な呼称である(元はラグズがベオクに支配されていたときに、奴隷のラグズが影で主人を罵る際に使った隠語)。
体の組成の問題で、異種族間で子を成すことはない(獣牙族内、鳥翼族内でといった形であれば、種族が違っても子を成すことは可能)。ベオクとの間になら稀に子を成すことはあるが、混血児はラグズとしての特徴は一切有さず、子どもが生まれた途端にラグズの親は「化身」などのラグズとしての能力を失ってしまう。 ラグズは自然の理をベオク以上に重点視しているため、女神の掟を破った証でもあるベオクとラグズの混血児の印付きを親無しとよび、多くのラグズはその存在すら否定し、たとえ見かけても存在しないものとして扱う。そのため、印付きの多くは自分たちを迫害するベオクよりも、存在自体を無視するラグズを憎んでいる。ラグズの中でも鋭い者は一目でベオクと印付きを見分けることができるが、何も感じないラグズも多いらしい。
鷺の民以外は戦いに特化してきた種族のため、ベオクよりも戦いによる負の気に敏感で、一度戦い始めると相手が完全に負けるまで戦い続ける。普段は化身を解くことでそれを抑えているが、戦いが続くと化身を解いても負の気に飲まれて抑えきれなくなる。ラグズのなかでは竜鱗族が最もその影響を受けやすく、それを自覚しまた負の気にのまれた際に自らの力が暴走しかねないことを危惧しているため、滅多なことでは前線に立つことがない。また、鳥翼族はラグズのなかでは最も負の気の影響が少ない。
種族
ラグズは以下の3種族に大きく分類される。さらにそこからもいくつかに細分化されている。
- 獣牙族
- 獣に化身する種族。獅子、虎、猫、狼の民がいる。寿命はベオクの5〜6倍で、ラグズのなかでは一番寿命が短い。
- 獣牙族は同族との結びつきが非常に密接で、同胞意識が強い。鳴き声で意志の疎通ができるので基本的に言葉を必要としないが、ガリアではベオクやほかの部族と対話するために「テリウス共通語」の習得を義務付けられている。人型の際は、ガリアの獣牙族は猫のような耳と尻尾、ハタリの獣牙族は狼のような耳と尻尾を有し、顔(ハタリは体)などに独特の紋様がある。
- 眼と鼻が良く、わずかな月明かりの下でも活動可能。主食は主に肉。種族全体の傾向としては好戦的で、策よりも力任せの戦法を好む。ラグズの中では一番寿命が短い関係で、ラグズがベオクに支配されていた時代は遠い時代のことになっており、ベオクを侮る者たちも多い。
- 猫と虎と獅子の3種族はガリア王国を形成しており、基本的に共同で生活している。狼の民は砂漠の果てのハタリ王国におり、テリウス大陸では過去の大洪水で滅びた幻の民とされていた(その関係で古代語を公用語としている)。
- 化身時は炎属性を弱点とする。
- 鳥翼族
- 鳥類に化身する種族。鷹、鷺、鴉の3種族が存在する。ヒトの姿でも背中に翼を持ち、飛行能力を持つ。寿命は鷹・鴉がベオクの10倍、鷺が1000年以上。
- 元々は獣牙族のようにひとつの国に共存していたようだが、気質が異なるため現在ではそれぞれの国に分かれて生活している。「セリノスの大虐殺」が起きるまではセリノスの森で鳥翼族の会合が行なわれており、獣牙族や竜鱗族ほどではないが同胞意識はある模様。鷹・鴉の主食は肉で、鷺は新鮮な木の実しか食べることができない。
- 鷹の民は気性がやや荒いが、仲間意識が強く義理堅い傾向がある。一方で鴉の民は利のためなら手段を選ばず、裏切りすらやってのける者が多いことから、ラグズの間でも嫌われている。
- 鷺の民は優雅かつ繊細な気質で、【正】の気が強く、大陸一の美しさを誇る外見を持つ。劇中では白鷺と黒鷺の2種が確認されている。体が非常に弱く戦闘力がない代わりに、不思議な効果をもたらす呪歌(ガルドル)を歌うことができる。また他の部族と違い、古代語を公用語としている。
- 3種族とも、闇夜では視力を失うという欠点を持つ。飛行ユニットであり、他の飛行ユニット同様弓や風魔法を弱点としている。
- 竜鱗族
- 竜に化身する種族。ヒトの姿の際は、ベオクとほとんど容姿が変わらず、耳が尖って若干肌が褐色を帯びているくらいの違いしかない。ラグズのなかでも最も長寿で、2000年以上の寿命を持つ。それゆえか繁殖能力に欠けるようで、滅多に子が生まれず個体数も少ない。また、時間感覚もベオクと大幅にズレている(例として、イナは3年前のことに対して「ちょっと前」という感覚しか持っていない)。
- 赤竜と白竜と黒竜の3種が存在し、そのほとんどが竜鱗族以外の種族と交わらずにゴルドアで共存しており、特に寿命が短くラグズと基本的に対立しているベオクにとっては、書物でしか知りえない半ば伝説の種族でもある。大陸屈指の強さを持ち、普段は理知的だが負の気に飲まれやすく、戦い始めると獣牙族以上に好戦的になり、完全に決着がつかない限り戦い続けるという一面を持つ。
- 化身時は雷魔法で特効を受ける。
なりそこない
作中に登場するラグズには、なりそこないとよばれる者が登場する。これは、化身状態においては武装したベオクを凌駕する戦闘能力を有する点に目をつけたデイン王国が、ラグズを軍用獣に改造したものである。
これは、ラグズに対して精神を崩壊させる劇薬(通称、なりそこないの薬)を投与することで自我や感情を破壊することで生み出させる。これによって、被検体となったラグズは正気を失い、ただ命令に従うのみの生き人形となり、さらに「化身を解く」という感情も起こらなくなるので本来の姿に戻らず(厳密にいうと戻れず)、常時化身した状態をとるようになる。ラグズの肉体に激しい負担をかけ、寿命を大幅に縮めてしまう。これによって、「軍の命令に忠実」かつ「強大な戦闘能力を持つ」獣となるのである。一応「なりそこないの薬」はベオクに投与することも可能で、化身がないため軍事的な利用価値は低いものの、ラグズ同様に精神は破壊されるので、洗脳のような用途で一部用いられた。
「なりそこない」にされてしまった者は、鳥翼族の鷺の民が持つ呪歌(ガルドル)で精神を回復させることで治療可能であるが、判明するまでは手の施しようがなかった。ただし、薬によって心身ともに激しく蝕まれるため、薬に完全に侵されてしまったものには効果がない。
他者全てを愚かと見下しているイズカにより行われた、ラグズをヒトと思わない非人道的な人体実験の産物であり、ティバーンやライをはじめとするラグズの面々、およびエリンシアなどのラグズに友好的なベオクは激しい怒りを露わにしていた。
脚注
関連項目
- マムクート - ファイアーエムブレムのシリーズ中、複数の作品に登場する竜人族。