リリーパッド
| リリーパッド Lilypad | |
|---|---|
| トイ・ストーリーシリーズのキャラクター | |
| 初登場 | トイ・ストーリー5(2026年) |
| 声 |
原語版 グレタ・リー 日本語吹替版 広瀬アリス |
| 詳細情報 | |
| 愛称 | リリー |
| 種族 | タブレット端末 |
| 性別 | 女性 |
| 職業 | 子供向けタブレット端末 |
リリーパッド(英: Lilypad)は、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズとピクサー・アニメーション・スタジオによる長編アニメーション映画『トイ・ストーリー5』(2026年)に登場する架空のキャラクター。カエルを模した外見を持つ子供向けの高機能タブレット端末であり、同作の主要な対立人物として登場する[1]。
少女ボニー・アンダーソンが友人関係を築くことに苦労している様子を心配した両親から、彼女への贈り物として与えられた。ボニーが周囲の子供たちと同じようにデジタル機器を使い、友人を作れるようになることを目指して行動するが、その方針は、従来のおもちゃとの遊びを大切にするジェシーたちと対立する[1]。
本作の監督アンドリュー・スタントンは、リリーパッドについて、単純な悪役ではなく、子供の成長に関しておもちゃたちとは異なる価値観を持った存在として説明している[2]。
製作
企画・開発
リリーパッドは、2026年公開の『トイ・ストーリー5』に向けて創作された新キャラクターである。
同作では、従来の『トイ・ストーリーシリーズ』で中心となっていた実体のあるおもちゃに加え、子供たちの日常生活に普及したデジタル機器が重要な役割を担う。
共同監督・脚本を務めたケナ・ハリスによると、監督のアンドリュー・スタントンが執筆した初期の脚本には、デジタル機器の登場、ジェシーが新たなリーダーとなること、多数のバズ・ライトイヤーのおもちゃが登場することなどが盛り込まれていた。リリーパッドは、この初期段階から対立人物として構想されていたという[4]。
製作当初は、デジタル技術をおもちゃたちにとっての脅威として描く、善悪の対立を中心とした物語が検討されていた。しかし、製作陣はデジタル機器が子供たちの生活からなくなるものではないことを踏まえ、その描写を変更していった。
ハリスは、技術そのものを悪とするのではなく、異なる考え方を持った人物たちの対立として表現することを重視したと説明している[5]。
人物像の構築
リリーパッドは、おもちゃたちと対立する立場にあるが、子供であるボニーを助けたいという目的を持つ人物として設計された。
スタントンは、リリーパッドについて、典型的な悪役というよりも、子供の育て方について現代的な考え方を持つ対立人物であると説明している。
また、リリーパッドは自分の考え方に強い自信を持ち、目的を達成するために行動する人物として構想された[2]。
スタントンらは、リリーパッドを子供の将来を心配する過保護な保護者と、日常生活を管理するパーソナルアシスタントを組み合わせたような存在として捉えていたという。
この設定によって、ボニーの幸せを願うという目的はジェシーたちと共通しているものの、そのために何をするべきかという方針の違いが、物語の対立を生み出している[6]。
キャラクターデザイン
リリーパッドは、緑色のカエルを模した外装と、青色の画面を備えたタブレット端末としてデザインされた。
本体上部にはカエルの大きな目があり、画面の周囲には脚を模した装飾が施されている。画面には各種のアプリケーションやゲームなどが表示され、ボニーが指で操作できる構造となっている。
従来の人形やアクションフィギュアとは異なり、リリーパッドはデジタル画面を通じて情報や遊びを提供することが特徴である[7]。
リリーパッドの外見は、カエル型の玩具とタブレット端末の特徴を組み合わせたものである。映画関連の報道では、実在する子供向け教育用タブレット「LeapPad」との類似性も指摘された[2]。
アニメーション表現
リリーパッドのアニメーションでは、キャラクター自身の動きと、タブレットの画面に表示される映像を同期させる必要があった。
ビジュアル・エフェクト・スーパーバイザーのトーマス・ジョーダンによると、ボニーがリリーパッドの画面を操作する場面では、画面に表示する具体的な映像が完成する前に、指の動きをアニメーションとして作成することがあった。
このため、仮の画面表示やスケッチを使って指の動きを記録し、その後に制作する画面上のグラフィックと操作のタイミングを一致させる工程が必要だった。
また、リリーパッドの画面自体には高解像度の映像を表示する一方、目の表現には画素を意識した処理が施された。
ジョーダンは、これについて、リリーパッドが単なるカエルの玩具ではなく、デジタル機器であることを観客に意識させるため、スタントン監督の意向によって採用されたと説明している[8]。
キャスティング
原語版のリリーパッド役には、俳優のグレタ・リーが起用された。
リーが演じるリリーパッドは、子供を支援することを目的としながらも、従来のおもちゃたちとは異なる価値観によって行動するキャラクターである[9]。
日本語吹替版では、俳優の広瀬アリスが起用された。
広瀬は映画の公開に際して、リリーパッドはボニーに友人を作ってほしいという思いから行動しており、単純な悪役ではないと解釈していることを明かした[10]。
また、広瀬は収録当初、機械的な案内音声と、ジェシーに対して本音を話す場面で声に変化を付けることを考えていた。しかし、吹替演出では悪役らしさを強調しすぎないよう求められ、声の表現を調整したという[11]。
リリーパッドは複数の言語や話し方を使い分けるキャラクターでもあり、日本語吹替版の収録では、スペイン語の台詞なども広瀬が担当した。広瀬は、提供された音声を参考に発音を練習したと語っている[11]。
キャラクター
外見と機能
リリーパッドは、緑色のカエルを模したタブレット端末である。
本体の上部には大きな二つの目があり、正面に青色のタッチスクリーンを備えている。
従来のおもちゃと異なり、画面を通じてデジタルゲームや情報を提供し、使用する子供との対話にも対応する。
また、複数の言語や音声表現を使い分けることができるなど、さまざまな機能を持っている[12]。
性格
リリーパッドは、自信に満ちた態度で、合理的かつ積極的に行動する人物として描かれている。
ボニーの成長や社会生活を支援することを重要な役割と考え、ほかの子供たちとの交流を促そうとする。
一方、自分が考える最適な方法に強くこだわるため、ボニーがおもちゃを使って自由に遊ぶことを重視するジェシーたちと意見が対立する。
監督のアンドリュー・スタントンは、リリーパッドを悪意によって行動する人物ではなく、子供のためになると考える方法がほかのおもちゃたちと異なる存在として説明している[6]。
他のキャラクターとの関係
- ボニー・アンダーソン
- リリーパッドの持ち主となる少女。周囲の子供たちと友人関係を築くことに苦労しているボニーを心配した両親から、リリーパッドをプレゼントされる。リリーパッドは、ボニーが友人を作り、成長していくことを助けようとする。
- ジェシー
- ボニーのおもちゃたちのリーダーを務めるカウガール人形。ボニーがおもちゃで遊ぶ時間を失っていくことを心配し、リリーパッドの考え方に反発する。
- ウッディ
- かつてボニーのもとで暮らしていたカウボーイ人形。ジェシーの求めに応じて仲間たちと再会し、リリーパッドの登場によって生じた問題に関わる。
- バズ・ライトイヤー
- ボニーのおもちゃたちの一人。ジェシーを補佐する立場から、リリーパッドによって変化したボニーの生活に向き合う。
登場作品
トイ・ストーリー5
『トイ・ストーリー5』は、2026年に公開されたピクサー製作の長編アニメーション映画で、リリーパッドの初登場作品。
物語の開始時、ボニーは周囲の子供たちと友人関係を築くことに苦労しており、両親は彼女の成長を心配している。
そのため、両親はボニーに子供向けのタブレット端末「リリーパッド」をプレゼントする。
リリーパッドは、ボニーが周囲の子供たちと交流できるようになることを目指し、さまざまなデジタル機能を提供する。
ボニーはリリーパッドの画面に夢中になり、これまで大切にしてきたおもちゃで遊ぶ時間が減少していく。
こうした変化を目の当たりにしたジェシーは、ボニーが自分の想像力を使って遊ぶ機会を失っていくことを懸念する。
しかし、リリーパッドはボニーが成長し、ほかの子供たちと同じようにデジタル機器を使うことが重要だと考えているため、ジェシーたちと意見が対立する。
事態を解決するため、ジェシーはかつてのリーダーであるウッディに協力を求め、バズらとともに行動を開始する。
本作では、子供とおもちゃの関係に加えて、デジタル機器が遊びや友人関係に及ぼす影響が主要な題材となっている[13][14]。
担当声優
原語版
日本語吹替版
関連展開
商品展開
リリーパッドは、『トイ・ストーリー5』の公開に合わせて、フィギュアや玩具などの関連商品が発売された。
玩具メーカーのマテルは、リリーパッドを再現した「Disney and Pixar Toy Story 5 Playscale Interactables Lilypad」を2026年に発売した。
この商品は、カエル型のタブレットを模した高さ約15センチメートルの玩具で、ボタンを押すと映画に関連する音声が再生される。また、同じシリーズの別の玩具を認識し、会話する機能や、背面のダイヤルで目の表情を変化させる機能などが備えられている[16]。
ディズニーパーク
2026年9月25日から、ディズニー・ハリウッド・スタジオのテーマエリア「トイ・ストーリーランド」に設置されているアトラクション「エイリアン・スワーリング・ソーサー」に、リリーパッドを題材とした音楽演出が導入された。
新たな音楽演出「Lilypad's Jams」では、リリーパッドがDJとして登場し、既存の『トイ・ストーリー』関連楽曲の編曲版や、このアトラクションのために書き下ろされた楽曲などが使用されている[17]。
評価・分析
リリーパッドは、『トイ・ストーリー5』において、従来のおもちゃとデジタル機器の関係を象徴する人物として、複数の映画批評で論じられた。
『ガーディアン』のジェシー・ハッセンジャーは、同作が物理的なおもちゃとデジタル機器による遊びの違いを扱っている一方で、単純にテクノロジーを否定する作品にはなっていないと分析した。リリーパッドは、デジタル機器が子供の遊びに与える影響を具体化した人物として取り上げられている[14]。
『ワシントン・ポスト』は、リリーパッドが従来のおもちゃたちと対立する設定について、デジタル技術そのものを悪として描くのではなく、子供と人間関係の重要性を扱う物語につながっていると評価した[18]。
一方、『ザ・リンガー』は、リリーパッドが明確な悪役として描かれていないことについて、テクノロジーを題材とした作品の批評としては踏み込みが弱いと論じた。リリーパッドの善意が強調されることによって、対立人物としての複雑さが十分に生かされていないという見方を示している[19]。
また、技術系メディア『Engadget』は、本作がデジタル機器を一律に否定するのではなく、子供が適切に利用するためには保護者の関与も必要であるという問題を提起していると評価した[20]。
脚注
- 1 2 “リリーパッド|トイ・ストーリー5|ディズニー公式”. ディズニー公式. 2026年10月19日閲覧。
- 1 2 3 Josh Weiss (2026年4月15日). “Why Toy Story 5's Villain Lilypad Isn't Actually Evil” (英語). SYFY WIRE. 2026年10月19日閲覧。
- 1 2 “日本版声優|トイ・ストーリー5|ディズニー公式”. ディズニー公式. 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “Inside Toy Story 5: The Filmmakers on Tech, Play, and Heart” (英語). Mama's Geeky (2026年6月). 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “'Toy Story 5': A Behind-the-Scenes Look at When Playtime Meets Screen Time” (英語). The Walt Disney Company (2026年6月18日). 2026年10月19日閲覧。
- 1 2 “Andrew Stanton, director of 'Toy Story 5': Children should play at imagining, rather than have a screen explain the world to them” (英語). El País (2026年6月11日). 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “Disney and Pixar's Toy Story 5 New Characters Interview” (英語). Disney+ (2026年9月23日). 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “The big TechRadar Entertainment interview: Toy Story 5 VFX supervisor Thomas Jordan talks new toy designs, Easter eggs, Bonnie and Blaze, and Pixar's experiments with AI” (英語). TechRadar (2026年). 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “Tom Hanks and Disney Legend Tim Allen Talk Disney and Pixar's Toy Story 5” (英語). D23 (2026年6月18日). 2026年10月19日閲覧。
- 1 2 “『トイ・ストーリー5』リリーパッド役・広瀬アリスさんインタビュー!”. キッズイベント (2026年7月). 2026年10月19日閲覧。
- 1 2 “広瀬アリス:子どもの頃「本当にやんちゃ」だった 友達作りのアドバイスも 「トイ・ストーリー5」でリリーパッド役”. MANTANWEB (2026年8月). 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “トイ・ストーリー5 インタビュー: 唐沢寿明×広瀬アリス”. 映画.com (2026年). 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “トイ・ストーリー5|映画/ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式”. ディズニー公式. 2026年10月19日閲覧。
- 1 2 Jesse Hassenger (2026年6月21日). “To the tablet and beyond: does Toy Story 5 go hard enough on technology?” (英語). The Guardian. 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “Toy Story 5” (英語). Pixar Animation Studios. 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “DISNEY AND PIXAR TOY STORY 5 PLAYSCALE INTERACTABLES Lilypad” (英語). Mattel Customer Service. 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “Lilypad Bringing New Music to Alien Swirling Saucers at Disney's Hollywood Studios” (英語). Disney Parks Blog (2026年10月6日). 2026年10月19日閲覧。
- ↑ “'Toy Story' has always been entertaining — this time it's important”. The Washington Post (英語). 2026年6月20日. 2026年10月19日閲覧.
- ↑ “'Toy Story 5' Is All Played Out” (英語). The Ringer (2026年6月19日). 2026年10月19日閲覧。
- ↑ Devindra Hardawar (2026年6月19日). “Toy Story 5 is a surprisingly thoughtful critique of technology” (英語). Engadget. 2026年10月19日閲覧。
外部リンク
- リリーパッド - ディズニー公式