ロッツォ
| ロッツォ Lotso | |
|---|---|
| トイ・ストーリーシリーズのキャラクター | |
| 初登場 | トイ・ストーリー3(2010年) |
| 声 |
原語版 ネッド・ビーティ 日本語吹替版 勝部演之 |
| 詳細情報 | |
| 別名 | ロッツォ・ハグベア |
| 愛称 | ロッツォ |
| 種族 | テディベア |
| 性別 | 男性 |
| 肩書き | サニーサイド保育園のおもちゃたちのリーダー |
| 職業 | おもちゃ |
ロッツォ(英: Lotso)は、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズとピクサー・アニメーション・スタジオによる長編アニメーション映画『トイ・ストーリー3』(2010年)に登場する架空のキャラクター。正式な名前はロッツォ・ハグベア(英語: Lots-o'-Huggin' Bear)。イチゴの香りがするピンク色のテディベアであり、同作の主要な敵役を務める[1]。
サニーサイド保育園に暮らすおもちゃたちのリーダーで、当初は新しく寄付されたおもちゃを温かく迎える人物として登場する。しかし、実際には保育園内のおもちゃを支配し、従わない者を厳しく取り締まっている。かつて持ち主だった少女デイジーと離れ離れになった経験から、おもちゃと持ち主の関係に否定的な考えを抱くようになった[2]。
製作
企画・開発
ロッツォの原型は、1995年公開の第1作『トイ・ストーリー』の企画段階にまでさかのぼる。
『トイ・ストーリー3』の監督リー・アンクリッチによると、ピクサーが最初の長編映画を検討していたころ、おもちゃたちが夜になると動き出す巨大な玩具店を舞台にした構想が存在していた。
この構想では、玩具店の売り場が街の地区のように描かれ、値引き品や壊れたおもちゃが集まる区域に、ロッツォというクマのおもちゃが住んでいた。ロッツォは、ほかのおもちゃたちを率いて別の売り場を襲撃する集団のリーダーとして考えられていた。
この企画自体は実現せず、物語は最終的にウッディとバズ・ライトイヤーを主人公とする『トイ・ストーリー』へと発展した。しかし、ロッツォのアイデアは製作スタッフの間で長く記憶されていたという[4]。
その後、『トイ・ストーリー3』の製作が始まり、ウッディたちが保育園に寄付されるという物語が考案されると、保育園の支配者としてロッツォを再登場させることが決まった。
アンクリッチによれば、保育園のおもちゃたちのリーダーを設定する際、当初は親切に見えるものの、実際には厳しい支配者であるという人物像が求められた。この役割に、かつて考案されたロッツォが適していると判断された[5]。
また、アンクリッチと脚本家のマイケル・アーントは、サニーサイド保育園からの脱出を描くため、数多くの刑務所映画や脱獄映画を参考にしたという。これらの作品で描かれる監視や支配、脱出計画などの要素が、ロッツォの率いる保育園の描写に取り入れられた[5]。
キャラクターデザイン
ロッツォは、大きな鼻と丸い体、ピンク色の毛並みを持つテディベアとしてデザインされた。腹部や顔の一部は薄い色の毛で覆われており、抱きしめるとイチゴの香りがするという設定が与えられている[1]。
アンクリッチは、ロッツォを親切で穏やかな年長者のように見せるため、明るいピンク色とイチゴの香りを持つクマとしてデザインしたと説明している。こうした親しみやすい外見と、支配的な行動との対比がキャラクターの特徴となっている[5]。
作中では、木製の杖を持って歩く姿が描かれる。これは過去にデイジーのもとへ帰ろうとした際のけがに由来する。
また、ピクサーはロッツォの毛並みを表現するため、ぬいぐるみ特有の表面や柔らかさの再現に取り組んだ。
アンクリッチによると、『モンスターズ・インク』では毛を持つキャラクターのアニメーションを制作していたものの、布製のぬいぐるみには異なる質感があり、その表現には新たな工夫が必要だったという[4]。
キャスティング
原語版のロッツォ役には、俳優のネッド・ビーティが起用された。
監督のリー・アンクリッチは、ロッツォを複雑な性格を持つ人物として描くため、親しみやすさと威厳の両方を表現できる声優を求めていた。
アンクリッチは『ロサンゼルス・タイムズ』のインタビューで、ロッツォの配役は容易ではなかったものの、ビーティには喜劇や個性的な人物を演じてきた経験があり、キャラクターに必要な重みを与えられると考えたと説明した[6]。
ビーティは収録にあたり、アメリカ南部の話し方を参考にした演技を試みた。特に舞台作品『熱いトタン屋根の猫』のビッグ・ダディを演じた際の経験が、ロッツォの声の方向性を考える手がかりとなったという。
ビーティは製作陣と相談しながら、ニューオーリンズを連想させるアクセントを取り入れるなど、声の演技を調整した[7]。
キャラクター
外見と特徴
ロッツォは、大きなピンク色のテディベアである。腹部と口の周辺は薄いクリーム色で、鼻は濃い紫色をしている。
体にはイチゴの香りが付けられており、抱きしめるとその香りがする。
また、移動する際には木製の杖を使用することがある。
一見すると温厚で親しみやすいおもちゃだが、サニーサイド保育園のほかのおもちゃたちに対しては強い権力を持っている[2]。
性格
ロッツォは、初対面の相手に対しては穏やかで親切な人物として振る舞う。
しかし実際には、ほかのおもちゃたちを自分の管理下に置き、異議を唱える者や脱走を試みる者を厳しく処罰する。
自らが保育園のリーダーであることに強くこだわり、おもちゃたちの待遇を管理することで支配体制を維持している。
また、かつて持ち主に手放されたと考えている経験から、子供とおもちゃの関係を否定的に捉えている。
『トイ・ストーリー3』では、ウッディがアンディとの絆を大切にするのに対し、ロッツォは子供たちはいずれおもちゃを捨てるものだという考えを示し、両者の価値観が対立する。
デイジーとの過去
ロッツォは、かつてデイジーという少女に大切にされていたおもちゃだった。
デイジーはロッツォのほか、ビッグ・ベビーやチャックルズとも遊んでいた。
しかし、ある日、デイジーが家族と出かけた際、3体のおもちゃは休憩所に置き去りにされてしまう。
ロッツォは仲間たちを率いて長い道のりを歩き、デイジーの家へ帰ろうとする。
ところが、ようやく家に戻ると、デイジーの部屋には自分と同じ種類の新しいロッツォが置かれていた。
ロッツォは自分が取り替えられたことに強い衝撃を受け、デイジーへの信頼を失う。そして、ビッグ・ベビーとチャックルズを連れて再び家を離れる。
その後、サニーサイド保育園にたどり着いたロッツォは、保育園に暮らすおもちゃたちのリーダーとなる。
この出来事は、チャックルズがウッディに語る回想によって明らかにされる。
サニーサイド保育園の支配
ロッツォは、サニーサイド保育園でおもちゃたちを管理する体制を築いている。
保育園では、幼い子供たちが集まる「イモムシ組」と、比較的年齢の高い子供たちが集まる「チョウチョ組」で、おもちゃたちが遊ばれる環境が異なっている。
ロッツォは、仲間や自分に従うおもちゃをチョウチョ組に配置する一方、新しく寄付されたおもちゃや従わない者をイモムシ組に送り込む。
また、保育園の建物には監視カメラが設けられており、おもちゃのサルが監視を担当するなど、脱走を防ぐ仕組みが整えられている。
ロッツォはこうした仕組みを通じて、保育園のほかのおもちゃたちを支配している。
他のキャラクターとの関係
- ウッディ
- アンディのおもちゃたちのリーダー。持ち主との絆を重視するウッディと、持ち主に捨てられたと考えるロッツォは、おもちゃの役割を巡って対立する。
- バズ・ライトイヤー
- アンディのおもちゃたちの一人。ロッツォはバズの設定を初期化させ、仲間を監視するために利用する。
- ビッグ・ベビー
- ロッツォとともにデイジーに所有されていた大型の赤ちゃん人形。サニーサイド保育園ではロッツォの側近として行動するが、終盤ではデイジーとの思い出を取り戻し、ロッツォに反旗を翻す。
- チャックルズ
- ロッツォとともにデイジーに所有されていたピエロ人形。ロッツォの過去を知る人物であり、ウッディにその経緯を語る。
- ケン
- サニーサイド保育園に暮らす男性のファッション人形。ロッツォの仲間として行動するが、バービーとの交流を経て彼に反発するようになる。
- ストレッチ
- 紫色のタコのおもちゃ。ロッツォに従うおもちゃたちの一人。
- トゥイッチ
- 昆虫をモデルとしたアクションフィギュア。ロッツォの仲間として保育園の監視や警備に参加する。
- チャンク
- 顔の表情を切り替えられる岩の怪物型のおもちゃ。ロッツォの仲間として行動する。
- スパークス
- 光を発する機能を備えたロボットのおもちゃ。ロッツォの仲間として行動する。
登場作品
トイ・ストーリー3
2010年公開のシリーズ第3作で、ロッツォの主要な登場作品。
アンディの大学進学を控え、ウッディやバズたちのおもちゃは手違いによってサニーサイド保育園へ寄付される。
保育園ではロッツォが新しいおもちゃたちを迎え、子供たちが毎日遊んでくれる場所であると説明する。
ウッディはアンディのもとへ帰ることを望むが、ほかのおもちゃたちは保育園で暮らすことを選ぶ。
しかし、バズやジェシーたちは、幼い園児たちによる乱暴な遊びに苦しめられるようになる。
バズがロッツォに待遇の改善を求めると、ロッツォはそれを拒否し、部下たちに命じてバズの設定を初期化する。
初期設定に戻ったバズは自分を本物のスペースレンジャーだと信じ込み、ロッツォの命令に従って仲間たちを監視するようになる。
一方、保育園を脱出したウッディは、チャックルズからロッツォの過去について聞かされる。
ロッツォはかつて、少女デイジーのもとへ帰ろうとした際、自分と同じおもちゃが新たに購入されていることを知り、持ち主への信頼を失っていた。
その後、仲間を助けるために保育園へ戻ったウッディは、バズたちと協力して脱出を試みる。
しかし、ロッツォはウッディたちの脱走に気づき、保育園のごみ箱付近で彼らの前に立ちはだかる。
ウッディはビッグ・ベビーにデイジーとの過去を思い出させ、ロッツォが仲間たちに事実を隠していたことを明らかにする。
ロッツォは反発するビッグ・ベビーを押さえつけようとするが、ビッグ・ベビーによってごみ箱へ投げ落とされる。
その後、ロッツォはウッディたちとともにごみ収集車でごみ処理場へ運ばれる。
焼却炉へ続くベルトコンベヤーの上で、ロッツォはウッディたちに助けられ、緊急停止ボタンのある場所へたどり着く。
しかし、ロッツォはボタンを押さずに逃げ出し、ウッディたちを焼却炉に取り残す。
その後、ウッディたちはエイリアンたちによって救出される。
一方、ロッツォはごみ収集車の運転手に発見され、トラックの前面に飾りとして取り付けられる。
担当声優
原語版
日本語吹替版
評価・影響
ロッツォは、『トイ・ストーリー3』の主要な敵役として、親しみやすい外見と残酷な行動との対比が批評家によって論じられている。
『ガーディアン』紙のピーター・ブラッドショーは、映画の批評でロッツォを外見の愛らしさとは裏腹に威圧的な人物として取り上げ、サニーサイド保育園を刑務所になぞらえて論じた[11]。
同紙のフィリップ・フレンチは、ロッツォの過去と現在の残酷な性格に着目し、持ち主に捨てられたと思い込んだことが、彼の人物像を形成していると分析した[12]。
また、映画情報サイトIGNが2010年に実施した「Summer Movie Awards」では、ロッツォと演じたネッド・ビーティが「Favorite Villain」に選出された[13]。
関連商品・その他の展開
ロッツォは、『トイ・ストーリー3』の公開に合わせて、ぬいぐるみやフィギュアなどの商品としても展開された。
イチゴの香りがするという劇中設定は、関連するぬいぐるみ商品の特徴としても採用されている。
また、『トイ・ストーリー3』より前に公開されたピクサーの長編映画『カールじいさんの空飛ぶ家』には、ロッツォをモデルとしたぬいぐるみが背景に登場している。
アンクリッチ監督は、この登場について、ピクサー作品では次の作品に登場するキャラクターを、先行作品の背景に登場させることがあると説明している[14]。
脚注
- 1 2 “ロッツォ|トイ・ストーリー|ディズニー公式”. ディズニー公式. 2026年10月17日閲覧。
- 1 2 “『トイ・ストーリー3』あらすじ&キャラクター|感動のシリーズ最高傑作|ディズニー公式”. ディズニー公式 (2026年6月8日). 2026年10月17日閲覧。
- ↑ “トイ・ストーリー3|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式”. ディズニー公式. 2026年10月17日閲覧。
- 1 2 “Pixar's People, At Play With Ideas In 'Toy Story 3'” (英語). Fresh Air. NPR (2010年). 2026年10月17日閲覧。
- 1 2 3 “The People Behind Pixar's 'Toy Story 3'” (英語). Fresh Air. NPR (2010年). 2026年10月17日閲覧。
- ↑ “'Toy Story 3' director: Ned Beatty as Lots-o is 'the sun everyone orbits around'” (英語). Los Angeles Times (2010年6月23日). 2026年10月17日閲覧。
- ↑ “Exclusive Interview: 'Toy Story 3's' Ned Beatty” (英語). Hollywood.com (2010年11月2日). 2026年10月17日閲覧。
- ↑ “『トイ・ストーリー』の吹き替え声優を、キャラクターの名言とともにご紹介!”. Disney+公式. 2026年10月17日閲覧。
- ↑ “'Toy Story 3' director: Ned Beatty as Lots-o is 'the sun everyone orbits around'” (英語). Los Angeles Times (2010年6月23日). 2026年10月17日閲覧。
- ↑ “トイ・ストーリー3|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式”. ディズニー公式. 2026年10月17日閲覧。
- ↑ Peter Bradshaw (2010年7月15日). “Toy Story 3” (英語). The Guardian. 2026年10月17日閲覧。
- ↑ Philip French (2010年7月17日). “Toy Story 3” (英語). The Guardian. 2026年10月17日閲覧。
- ↑ “Toy Story 3, Piranha 3D, Inception and Machete Take Top Spots for IGN's Third Annual Summer Movie Awards” (英語). PR Newswire (2010年). 2026年10月17日閲覧。
- ↑ “Toy Story 3 – MSN exclusive Lee Unkrich and Darla K. Anderson interview” (英語). Periferica. 2026年10月17日閲覧。