小幌駅

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小幌駅
駅全景(2022年4月)
こぼろ
Koboro
◄H46 静狩 (6.9 km)
(6.1 km) 礼文 H44►
所在地 北海道虻田郡豊浦町字礼文華
北緯42度35分22.92秒 東経140度32分14.35秒 / 北緯42.5897000度 東経140.5373194度 / 42.5897000; 140.5373194 (小幌駅)座標: 北緯42度35分22.92秒 東経140度32分14.35秒 / 北緯42.5897000度 東経140.5373194度 / 42.5897000; 140.5373194 (小幌駅)
駅番号 ○H45
所属事業者 北海道旅客鉄道(JR北海道)
所属路線 ■室蘭本線
キロ程 17.5 km(長万部起点)
電報略号 コホ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線
開業年月日 1943年(昭和18年)9月25日[1]
備考 無人駅
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小幌駅(こぼろえき)は北海道虻田郡豊浦町字礼文華(れぶんげ)にある、北海道旅客鉄道(JR北海道)室蘭本線の駅である。電報略号はコホ。事務管理コードは▲140303[2]。駅番号はH45。

二つの鉄道トンネルに挟まれた80メートルの空隙区間に立地し、道路アクセスもないため、いわゆる秘境駅の一つとして知られる[新聞 1]。

概要

「礼文華山トンネル」と「新辺加牛トンネル」という2つの長大トンネルの間に挟まれた崖のわずかな明かり部分に位置しており、四方のうち三方が急傾斜地、一方は海(内浦湾)に接している[新聞 2]。そのため、鉄道と船舶以外の交通手段では接近が難しい[新聞 2]。

1943年(昭和18年)に、列車交換のための信号場として設置された。当時、室蘭本線と函館本線では、石炭をはじめとする太平洋戦争中に急増した軍需輸送の対応に迫られていた。該当線区はトンネルの連続で勾配も厳しく蒸気機関車をトンネル内に止める信号所の設置が難しいため複線化も検討されていたが、当駅の前後は勾配が緩く蒸気機関車をトンネル外で停車できる僅かな空間を確保できることから当地が選ばれた。当駅以外にも戦時形を含む幾つかの信号場が新設されている。1987年(昭和62年)に駅になった[新聞 2]。

牛山隆信の『秘境駅へ行こう!』のランキングにて秘境駅度1位とされている。

道内の主要幹線である室蘭本線に位置するため、通過する特急列車や貨物列車の数は多いが、普通列車でも当駅を通過する便がある。2016年3月26日のダイヤ改正以降は、停車する普通列車は1日あたり下り(礼文・東室蘭方面)2本、上り(静狩・長万部方面)4本の計6本のみである[JR北 1][新聞 1]。なお、2015年時点では1日8本の普通列車が停車していた[新聞 2][新聞 3]。

歴史

駅名の由来

近くの海岸の名称からとされている[3]。

廃止検討

2015年(平成27年)7月、保守のためのコストが問題となり、利用実績も乏しいためJR北海道は廃止の可能性を示唆し[新聞 2]、その後、同年10月を目処に廃止する意向を豊浦町に伝えた。一方、町では当駅を観光資源として存続させるよう求めた[新聞 6][新聞 7]。

その後、豊浦町が駅の管理・運営を検討していることを明らかにし[新聞 8]、2015年10月での廃止は見送った上でJR北海道と協議を続けることになった[5]。JR北海道が示した年間の維持費は約150万円、そのほか、老朽化したプラットフォームの改修には1,000万円程度かかる模様だが、町は2016(平成28)年度の予算に駅存続のために当面必要な費用を盛り込む考えを示した。さらに今後、ふるさと納税の活用なども含め、費用確保の方法を模索するとした[新聞 9]。

2015年12月、JR北海道は町との協議に基づき町から駅存続のための費用・人的支援を受け、当面1年駅を存続させるとともに、今後も状況を見つつ1年ずつ更新を検討していくことを公表した[JR北 2]。

駅構造

相対式ホーム2面2線を有する複線区間の地上駅。互いのホームは千鳥式に配置されており、長万部方にある構内踏切で連絡している。後述の放棄された配線が中線状に残置されている。豊浦町が管理する無人駅(列車の問い合わせ先は長万部駅)となっており、駅舎や待合室は存在しないが保線用の小屋と、一般乗降客が利用可能なバイオトイレがある。列車接近時には踏切警報機が作動し、注意を促す自動放送がアナウンスされる(停車列車、通過列車とも内容は同一)。

のりば

ホーム路線方向行先
北側 ■室蘭本線 下り 東室蘭・室蘭方面
南側 上り 長万部方面

かつての駅構造

開業当時の構内配線は、長万部方面の幌内トンネルと、東室蘭方面の礼文華山トンネルを結ぶ単線であった[6]。

信号場開設時

既設の幌内トンネルと、礼文華山トンネルの間の僅かな明かり区間に行き違い信号場として設置した。狭隘な明かり区間に交換設備を設置する制限から以下の施工となった。長万部方面は、幌内トンネルの更に長万部寄りに存在する美利加浜トンネル内で分岐し、幌内トンネルに平行する新隧道を掘削した。東室蘭方面は礼文華山トンネル内で分岐する新隧道を掘削し、ここで合流する構造とした。これにより行き違い信号場として開業した[7][8][9]。

記事「室蘭本線列車衝突事故」には1947年当時の信号場の事情についての言及があり、配線図が掲出されているので参照されたい。

複線化工事時

長万部側から新静狩、新鼠ノ鼻、新辺加牛の各トンネルを既設路線の山側に新規掘削し、新辺加牛トンネルは既設の幌内トンネルに併合接続とし、静狩 - 小幌信号場間の複線化が1964年7月5日に完了した。続いて東室蘭方面も施工され、礼文華山トンネルの海側に平行して新礼文華山トンネルを掘削し、静狩 - 小幌信号場 - 礼文間を完全複線化として1967年(昭和42年)9月29日に開通、同年10月1日をもって信号場から仮乗降場となった[6]。

仮乗降場化後

この時点までに駅構内に3本の軌道と東室蘭方面に3つの坑口ができ、うち真ん中に位置する軌道と坑口(礼文華山トンネル内で分岐した先の一方)及び美利加浜・礼文華山両トンネル内の分岐が廃止され、列車行き違い設備としての機能は放棄された。また、使用されなくなった側の礼文華山トンネル入口は2004年(平成16年)頃に閉鎖された。

利用状況

利用者は、ほぼ鉄道ファン[新聞 2]または近くの海岸での釣り人とされるが、保線作業員の利便のために重要な駅ともされている[10]。近年いわゆる秘境駅として注目されて以降、微増傾向にある。

乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。また、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。

年度 乗車人員 出典 備考
年間 1日平均 JR調査
1992年(平成4年) データなし [11]
2015年(平成27年) 「10名以下」 [JR北 3]
2017年(平成29年) データなし [注 1]
2018年(平成30年) 「1名以下」 [JR北 4] [注 2]
2019年(令和元年) 「3名以下」 [JR北 5]
2020年(令和2年) 「3名以下」 [JR北 6] [注 3]
2021年(令和3年) 「10名以下」 [JR北 7]
2022年(令和4年) 「10名以下」 [JR北 8]

駅周辺

駅から海岸に降りることができる[新聞 3]。

旅客扱いを始めた当時は海岸沿いに民家や、町営キャンプ場、海水浴場が設けられていたが[15]、海辺の集落は1970年代半ばまでに消滅した[新聞 3]。また、旧国道37号から当駅へ通じる道があったが[16]、現在は廃道となっている。1962年7月20日の大雨により小幌海岸にて土砂崩れが発生し、4戸の漁家がこわされたとの記録が残る(『長万部町史』、1977年より)。

豊浦町では、駅を観光資源として位置づけており、2015年10月には列車で駅を訪れ周辺を散策するツアーを実施[新聞 11]、また、2016年9月には、国道37号から林道を経由して歩いて駅を訪れるツアーを開催している[新聞 12]。

秘境到達証明書

小幌駅の駅名標を背景にした本人が証明できるように撮影した写真を、豊浦駅周辺にある道の駅とようらや天然豊浦温泉しおさい、すいしゃのスタッフに提示すると、秘境到達証明書が発行される[17]。

当駅を扱った作品

書籍

放送番組

隣の駅

北海道旅客鉄道(JR北海道)
■室蘭本線(一部列車は当駅通過)
静狩駅 (H46) - 小幌駅 (H45) - *(鳥伏信号場) - 礼文駅 (H44)
*打消線は廃止信号場

脚注

注釈

  1. ↑ 8月18日 - 8月31日と9月15日 - 9月30日の期間で豊浦町が小幌駅構内にモニターカメラを設置し、入込客数を把握する観光客実態調査を実施[12]。8月18日 - 8月31日までの2週間に合計138人が訪れ、最も多い日は22人にのぼったほか、期間中は毎日利用者がいたことが分かった[13]。
  2. ↑ 前年と同様、豊浦町がモニターカメラにて4月19日 - 12月15日の期間のうち198日間調査を実施し、訪問者数1713人(1日平均8.7人、1日最大51人)との結果となった。このデータより年間訪問者数は推計2,477人と算出された[14]。
  3. ↑ 豊浦町がモニターカメラを用い、1月 - 10月の期間に調査を実施。訪問者数4182人の結果となり、6月を除いて250人以上の訪問があった[新聞 10]。ただし、11月 - 12月はモニターカメラの故障により、不明とされている[新聞 10]。この結果に対して、豊浦町は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック下でも「密」にはならず、足を運ぶ利用者が増加したとの見解を示している[新聞 10]。

出典

  1. 1 2 3 4 5 6 7 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、849頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
  2. ↑ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、224頁。doi:10.11501/1873236。2022年12月10日閲覧。
  3. 1 2 3 太田幸夫 (2004-02-29). 北海道の駅 878ものがたり~駅名のルーツ探求~ (1 ed.). 札幌市: 富士コンテム. p. 52. ISBN 4-89391-549-5
  4. ↑ 安藤健二 (2016年1月21日). “【日本一の秘境駅】小幌駅を間違えて通過。特急が臨時停車して鉄道ファンを救う”. ハフポスト日本版 (ハフィントン・ポスト) 2018年11月10日閲覧。
  5. ↑ “JRが8つの無人駅廃止固める”. NHK. (2015年9月1日). オリジナルの2015年9月1日時点におけるアーカイブ。 2015年9月1日閲覧。
  6. 1 2 日本国有鉄道『札幌工事局七十年史』日本国有鉄道札幌工事局、1977年。
  7. ↑ 日本国有鉄道『北海道鉄道百年史』日本国有鉄道北海道総局、1980年。
  8. ↑ 川上幸義『新日本鉄道史』鉄道図書刊行会、1968年。
  9. ↑ 日本国有鉄道『日本陸運十年史』日本国有鉄道、1951年。
  10. ↑ 渡辺一史「小さな駅の物語(6)」『THE JR Hokkaido』1999年9月号(通巻139号)、北海道ジェイ・アール・エージェンシー、1999年、35ページ
  11. ↑ 宮脇俊三、原田勝正 著、二見康生 編『北海道630駅』小学館〈JR・私鉄各駅停車〉、1993年6月20日、82頁。ISBN 4-09-395401-1。
  12. ↑ “神秘に包まれた岩屋観音祭り&日本一の秘境駅を豊浦町長と巡るツアー参加者募集”. 北海道豊浦町. 2017年9月16日閲覧。
  13. ↑ “北海道の秘境駅 カメラつけて調べたら利用者が毎日いた!”. NHKニュース (2017年9月16日). 2017年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年9月16日閲覧。
  14. ↑ “平成30年度JR小幌駅訪問者数について” (PDF). 豊浦町 (2019年2月14日). 2022年6月29日閲覧。
  15. ↑ 『北海道観光便覧』(社団法人北海道観光連盟、1968年)373ページおよび379ページ
  16. ↑ 『2万5千分1地形図(礼文華峠)』(国土地理院、1968年)
  17. ↑ 豊浦町公式ホームページ

JR北海道

  1. ↑ 『3月26日以降の普通列車時刻について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道。2016年9月22日閲覧。
  2. ↑ 『平成28年3月ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)北海道旅客鉄道、2015年12月18日。2015年12月20日閲覧。
  3. ↑ “極端にご利用の少ない駅(3月26日現在)” (PDF). 平成28年度事業運営の最重点事項. 北海道旅客鉄道. p. 6 (2016年3月28日). 2018年2月18日閲覧。
  4. ↑ “駅別乗車人員” (PDF). 全線区のご利用状況(地域交通を持続的に維持するために). 北海道旅客鉄道. 2020年1月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月20日閲覧。
  5. ↑ “駅別乗車人員” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 全線区のご利用状況. 北海道旅客鉄道 (2020年10月30日). 2020年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年11月7日閲覧。
  6. ↑ “駅別乗車人員” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 全線区のご利用状況. 北海道旅客鉄道 (2021年9月30日). 2022年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年1月1日閲覧。
  7. ↑ “駅別乗車人員” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 全線区のご利用状況. 北海道旅客鉄道. 2022年10月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月9日閲覧。
  8. ↑ “駅別乗車人員” (PDF). 地域交通を持続的に維持するために > 全線区のご利用状況. 北海道旅客鉄道 (2023年). 2023年9月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月26日閲覧。

新聞記事

  1. 1 2 原田伸一【道南とっても"鉄"な旅話】(41)小幌駅と生野駅『北海道新聞』夕刊2019年12月24日みなみ風(地域情報版)1面
  2. 1 2 3 4 5 6 “秘境・小幌駅、姿消す?「マニアのため維持すべきか」”. 北海道新聞. (2015年7月18日). オリジナルの2015年7月18日時点におけるアーカイブ。 2015年7月18日閲覧。
  3. 1 2 3 日比野容子 (2015年8月14日). “車で行けない「秘境駅」、廃止惜しみファンでにぎわう”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). オリジナルの2015年8月14日時点におけるアーカイブ。 2016年2月22日閲覧。
  4. ↑ 日比野容子 (2016年1月21日). “「秘境駅」に客置いてけぼり…普通列車、過って駅通過”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). オリジナルの2016年12月13日時点におけるアーカイブ。 2016年12月11日閲覧。
  5. ↑ “小幌駅存続へ交渉9カ月 豊浦町とJRが協定 人的協力の申し出「大きかった」”. 北海道新聞. (2016年3月24日). オリジナルの2016年4月15日時点におけるアーカイブ。 2016年4月6日閲覧。
  6. ↑ ““秘境”小幌駅10月廃止 JR北海道、豊浦町に意向伝える”. 北海道新聞. (2015年7月25日). オリジナルの2015年7月25日時点におけるアーカイブ。 2015年7月25日閲覧。
  7. ↑ “存続?廃止?瀬戸際の「秘境」小幌駅の運命”. 東洋経済オンライン. (2015年9月2日) 2024年11月12日閲覧。
  8. ↑ “JRが廃止意向の小幌駅、豊浦町が管理・運営を検討”. 室蘭民報. (2015年8月22日). オリジナルの2015年8月23日時点におけるアーカイブ。 2015年9月1日閲覧。
  9. ↑ “日本一の秘境駅、町の支援で存続へ JR小幌駅”. 朝日新聞デジタル. (2015年10月1日). オリジナルの2015年10月14日時点におけるアーカイブ。 2015年10月15日閲覧。
  10. 1 2 3 “密とは無縁!? 秘境・小幌駅 昨年1~10月、来訪者延べ4182人 豊浦町、経済効果に期待”. 北海道新聞. (2021年2月14日). オリジナルの2021年2月14日時点におけるアーカイブ。 2021年2月15日閲覧。
  11. ↑ “廃止方針の秘境駅「小幌」ツアーに40人 地元は存続訴える”. 産経ニュース. (2015年10月25日). オリジナルの2015年10月26日時点におけるアーカイブ。 2016年9月22日閲覧。
  12. ↑ どうしんウェブ/電子版(道央) (2016年9月18日). “「秘境」小幌駅へ林道2時間 初のモニターツアー” (日本語). 北海道新聞 (北海道新聞社). オリジナルの2016年9月18日時点におけるアーカイブ。 2016年9月22日閲覧。

関連項目

外部リンク