カラゴとは、被差別部落で使われた隠語のこと。「唐語」「唐言」などの字があてられる。部落外の者にわからぬよう、部落民同士で意思の疎通を図るために考案された。地域によってはサンショウともいう[1]。

語源は純然たる日本語ばかりであり、江戸時代後期以降につくられたものと推測されている。差別の原因ともなったため、今日ではカラゴの不使用を申し合わせた部落が多い。

以下、高知県宿毛市の貝礎地区のカラゴを紹介する。「ギンシャリ」「バラス」「ゲソク」のように部落外で使われている語も見られる。(>以下は語源)

愛媛県新居郡泉川村(現・新居浜市)の部落では下記の言葉が使われていた[3]。

山口県光市の浅江高州地区では以下のような言葉が使われていた[1]。

なお栃木県塩谷郡に定住した箕直しの山窩の夫婦によると(夫は1909年生まれ、妻は1923年生まれ)、山窩の隠語で部外の者をネスと呼んでいたという[4]。また1915年生まれの埼玉県の山窩女性によると、山窩の隠語で足袋をゲソと呼んでいたという[5]。これは上記の高知県宿毛市のカラゴにおける「ネス(部落外のもの)」「ゲソク(草履。履物。藁や竹の皮で編んだもの)」と一致または類似している。

ネスという隠語はネスゴロウの略であり、部落外の一般民に対する敵意が含まれており、山口県萩市の部落でも使われていた[6]。ただしネスという隠語はテキヤの世界でも「素人」の意味で使われている[7][8][9][10][11][12][13][14]。

カラゴの使用例

脚注

  1. 1 2 上原善広『日本の路地を旅する』文春文庫版140頁
  2. ↑ 鷹野彌三郎『山窩の生活』への宮島貞亮の書評
  3. ↑ 『海南新聞』1912年10月1日
  4. ↑ 筒井功『サンカの真実 三角寛の虚構』113頁
  5. ↑ 筒井功『サンカの真実 三角寛の虚構』112頁
  6. ↑ 部落解放同盟新南陽支部発行『学習会資料』
  7. ↑ 加太こうじ『わたしの日本語』56頁
  8. ↑ 加太こうじ『日本のヤクザ』45頁
  9. ↑ 日本人文科学会『社会的緊張の研究』113頁
  10. ↑ 神崎宣武『わんちゃ利兵衛の旅: テキヤ行商の世界』94頁
  11. ↑ 中村周作『行商研究: 移動就業行動の地理学』281頁
  12. ↑ 南博『近代庶民生活誌: 盛り場、裏町』48頁
  13. ↑ 林英夫『流民』261頁
  14. ↑ 岩井弘融『病理集団の構造: 親分乾分集団研究』96頁

参考文献

外部リンク

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