コンテンツにスキップ

緑茶

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
白い茶碗に注がれた緑茶
緑茶の一例

緑茶(りょくちゃ)は、チャノキ(Camellia sinensis)の葉や芽を原料とする茶のうち、摘採後の早い段階で蒸熱や釜炒りなどの加熱処理を行い、茶葉中の酸化酵素を失活させて製造したもの、およびそれを湯や水で抽出した飲料である[1][2]。茶業では茶葉中の酵素反応による酸化を慣用的に「発酵」と呼ぶため、緑茶は「不発酵茶」に分類される。

緑茶の製造では、一般に摘採、蒸熱または釜炒りによる酵素失活、揉捻・成形、乾燥などの工程が行われる。多くの煎茶や中国緑茶では揉捻や成形を行う一方、碾茶のように揉まずに乾燥する茶もある[3][2]。中国では釜炒りによる製法が広く行われ、日本では蒸熱による製法が主流である。

中国では唐代以来、蒸製の餅茶や散茶などが作られ、明代には釜炒りによる散茶の製法と、茶葉に湯を注ぐ飲用法が広く普及した。日本では少なくとも9世紀初頭に喫茶と茶栽培の記録があり、18世紀には現在の日本の蒸し製煎茶につながる青製煎茶製法が成立した[4][5][6]。

緑茶にはカテキン類、カフェイン、テアニンなどが含まれる。その健康影響について多くの研究が行われているが、通常の飲料としての緑茶と、高濃度の緑茶抽出物を含む錠剤・カプセルなどは区別する必要がある[7]。

定義と分類

[編集]

日本茶業中央会の「緑茶の表示基準」では、緑茶は、茶葉または一部の茎を蒸熱・釜炒りなどによって加熱し、茶葉中の酵素を失活させたのち、飲食可能な状態に加工したものとされる[1]。

国際規格ISO 20715:2023では、茶を紅茶、緑茶、白茶、烏龍茶、黒茶、黄茶の6種類に分類している[8]。そのうち緑茶は、Camellia sinensisの若い葉、芽、苗条を原料とし、酵素の不活性化と、通常は揉捻、成形または粉砕、その後の乾燥によって製造される茶とされる[2]。この規格は、チャノキ以外の植物、果実などから作られる浸出飲料を対象としていない。

緑茶、烏龍茶、紅茶などは、いずれも主としてチャノキを原料とし、摘採後の加工方法によって区別される。緑茶では加熱によって酸化酵素を早期に失活させるのに対し、烏龍茶や紅茶では加熱前に一定程度または十分に酸化を進める。

特徴

[編集]

水色・味・香り

[編集]

緑茶では、加熱によって茶葉中の酸化酵素が失活するため、紅茶の製造で生じるテアフラビンやテアルビジンなどの酸化生成物の形成が抑えられる。抽出液の色である水色(すいしょく)は、茶種、製法、焙煎、抽出条件によって、緑色、黄緑色、緑黄色、淡黄色などを呈する。ほうじ茶のように強く焙煎した茶では褐色となる。

緑茶の主要な呈味成分には、渋味や苦味に関係するカテキン類、苦味を呈するカフェイン、うま味や甘味に関係するテアニンなどの遊離アミノ酸がある[9]。その含有量は、品種、摘採時期、栽培方法、製造方法によって異なる。

玉露、かぶせ茶、碾茶などの被覆茶では、摘採前に茶園への日射を遮る。被覆によってテアニンの分解とカテキンの生成が抑えられ、一般にうま味が強く渋味の少ない品質となる。また、玉露や碾茶には、ジメチルスルフィドを主要成分とする「覆い香」と呼ばれる特徴的な香りが生じる[10]。

緑茶の香気は多数の揮発性化合物から構成される。青葉様の香りにはシス-3-ヘキセナールや青葉アルコールなどが関与し、ほうじ茶の香ばしさにはピラジン類などが関与する[11]。

成分の抽出

[編集]

茶葉から浸出する成分量は、湯温、抽出時間、茶葉量、茶葉の形状などによって変化する。遊離アミノ酸は比較的低温でも浸出する一方、カテキン類やカフェインは高温ほど浸出しやすい。このため、日本の上級煎茶や玉露では、うま味を引き出し、渋味や苦味を抑えるため、比較的低温の湯を用いることが多い[12]。

製法

[編集]
製茶機械の中で茶葉を揉む粗揉工程
煎茶の粗揉工程

緑茶の基本的な製造工程は、摘採、必要に応じた前処理、蒸熱または釜炒りによる酵素失活、揉捻・成形、乾燥からなる。具体的な工程とその順序は茶種によって異なる。

摘採と前処理

[編集]

緑茶には通常、チャノキの新芽と若葉が用いられる。高級茶では一芽一葉、一芽二葉など、若い芽葉を中心に摘採することが多い。日本では春の最初の収穫を一番茶と呼び、その後の収穫を二番茶、三番茶などと呼ぶ。

中国緑茶の一部では、摘採後の茶葉を薄く広げ、水分や青臭さを調整する攤放が行われる[13]。日本の一般的な煎茶では、摘採後の酸化を抑えるため、工場への搬入後すみやかに蒸熱する。香気の発揚を目的として、酵素失活前に短時間の萎凋を行う緑茶もある。

酵素失活(殺青)

[編集]

茶葉を加熱して酸化酵素を失活させる工程は、製茶技術では殺青(さっせい)と呼ばれる。主な方法は蒸熱と釜炒りであり、この工程は緑茶の色、香り、味を形成するうえで中心的な役割をもつ。

日本の煎茶、玉露、碾茶などでは蒸気を用いる蒸熱が主流である。中国緑茶では釜や加熱槽を用いる釜炒りが広く行われるが、湖北省の恩施玉露など蒸熱で製造する緑茶もある。日本でも九州地方を中心に釜炒り茶が生産される。蒸し時間、加熱温度、茶葉量などは、色、香り、味、葉形に影響する。

揉捻・成形

[編集]

酵素失活後の茶葉は、多くの場合、揉捻と乾燥を組み合わせて加工される。揉捻には、茶葉の細胞組織を一部破壊して成分を浸出しやすくすること、水分を均一化すること、茶葉を目的の形に整えることなどの役割がある。

日本の煎茶では、粗揉、揉捻、中揉、精揉などを経て針状に整える。蒸し製玉緑茶では精揉を行わないため、葉が丸みを帯びる。釜炒り製玉緑茶では、蒸熱に代えて釜炒りで酵素を失活させ、勾玉状に仕上げる[14]。

碾茶は揉捻を行わず、蒸した葉を広げた状態で乾燥する。乾燥した碾茶を茶臼などで微粉末にしたものが抹茶である[3]。

乾燥と仕上げ

[編集]

揉捻・成形後の茶葉は、保存可能な水分量まで乾燥される。日本では、生葉を産地で蒸し、揉み、乾燥して得た仕上げ前の茶を荒茶と呼ぶ。荒茶は仕上げ工場で篩分け、切断、選別、火入れ、合組みなどを行い、仕上げ茶となる[15]。

中国緑茶は殺青法や乾燥法などによって、炒青緑茶、烘青緑茶、晒青緑茶、蒸青緑茶などに分類される。炒青緑茶は主として釜で炒って乾燥・成形する茶、烘青緑茶は主として熱風や焙炉で乾燥する茶、晒青緑茶は日光で乾燥する茶、蒸青緑茶は蒸気で酵素を失活させる茶である[16]。

主な種類

[編集]

中国

[編集]

中国語では緑茶を「绿茶」(繁体字:綠茶、拼音:lǜchá)という。中国緑茶では釜炒りによる殺青が広く行われ、茶葉は扁平、針状、螺旋状、珠状など多様な形に成形される。代表例として、龍井茶、碧螺春、黄山毛峰、六安瓜片、信陽毛尖などがある[17]。

平らに成形された乾燥茶葉
扁平に成形された龍井茶の茶葉

緑茶にジャスミンなどの花の香りを移した茶は、緑茶を原料とする場合が多いが、製品分類上は花茶または着香茶として扱われる。

日本

[編集]
家庭用の急須と湯飲み
急須と日本緑茶

日本茶業中央会の「緑茶の表示基準」は、商品表示に用いる緑茶の名称を17種類掲げている。以下は、その内容を要約したものである[18]。

表示基準に掲げられた名称の概要
名称 概要
煎茶 茶葉を蒸し、揉みながら乾燥して製造する茶。
深蒸し煎茶 煎茶よりも長時間蒸して製造する茶。
玉露 摘採前に約20日間、日光を強く遮った茶葉を蒸し、揉み、乾燥して製造する茶。
かぶせ茶 摘採前に約7日間被覆した茶葉を、煎茶と同様に製造する茶。
蒸し製玉緑茶(グリ茶) 蒸して製造し、精揉工程を行わないため丸みのある形に仕上がる茶。
釜炒り製玉緑茶(釜炒り茶) 蒸す代わりに釜で炒って酵素を失活させ、勾玉状に仕上げる茶。
番茶または川柳 硬くなった葉、古葉、茎、茶期の間に摘採した葉などから製造する茶。
抹茶 被覆栽培した茶葉を蒸し、揉まずに乾燥した碾茶を微粉末にしたもの。
粉茶 仕上げ工程で篩分けされた細かな葉や粉状の茶。
芽茶 煎茶や玉露の仕上げ工程で選別された芽先を多く含む茶。
茎茶または棒茶 仕上げ工程で選別された茎や葉柄を多く含む茶。
粉末茶 煎茶などの茶を粉砕機で粉末にしたもの。
ほうじ茶 煎茶や番茶などを強く焙煎したもの。
玄米茶 煎茶や番茶などに炒った米を加えたもの。
混合茶 異なる茶種を混合したもの。
固形茶 粉茶に水を加え、固形状にしたもの。
インスタントティー 緑茶の水溶性成分を抽出・濃縮・乾燥し、粉末または顆粒状にしたもの。

この17種類は表示に用いる名称の体系であり、荒茶生産統計における茶種区分とは目的が異なるため、両者の項目は一致しない。碾茶は表示基準では抹茶の原料として定義される一方、生産統計では抹茶になる前の荒茶として独立して集計される[3][19]。

歴史

[編集]

中国

[編集]

唐代の『茶経』には、茶葉を蒸し、搗き、型に入れて餅状にし、乾燥する蒸青餅茶の製法が記されている。唐代には釜で炒る製法も一部にみられたが、蒸青法が広く用いられた[4]。

宋代には餅茶とともに散茶も生産され、散茶では主として蒸青法が用いられた。元代には蒸青散茶の生産が拡大し、蒸した葉を揉んで乾燥する製法が発達した[4]。唐・宋・元代の茶は、後世の六大茶類をそのまま遡及して当てはめるのではなく、餅茶、散茶、末茶など、当時の形態と飲用法に即して区別される[20]。

洪武24年(1391年)には団餅茶による貢納が廃され、散茶の生産がさらに拡大した。唐代に萌芽がみられた炒青法も広く用いられるようになり、明代の張源『茶録』や許次紓『茶疏』には、釜で茶葉を炒り、冷却・揉捻したのち乾燥する工程が記された。この時期に、殺青、揉捻、乾燥を基本とする現在の炒青緑茶につながる製法が発達した[4][21]。茶葉に直接湯を注いで抽出する淹茶法も明代に普及し、後の中国および周辺地域の飲用法に影響を与えた[4]。

日本

[編集]

日本における喫茶の確実な記録は、『日本後紀』弘仁6年(815年)の記事にみられる。同書は、嵯峨天皇が近江国の梵釈寺を訪れた際、唐から帰国した僧永忠が茶を煎じて献じたことを記す。また同年、畿内、近江、丹波、播磨などに茶を植え、毎年献上させる命令が出された[5]。

平安初期の喫茶は宮廷や寺院を中心とするもので、その後は記録が少なくなる。鎌倉時代には、宋から帰国した栄西が『喫茶養生記』を著し、茶の効用と製法を記した。禅宗寺院を中心に喫茶の習慣が広まり、中世には粉末にした茶を湯に入れて撹拌する飲用法が発達した。闘茶、会所の茶、禅院の茶礼などを経て、室町時代から安土桃山時代に茶の湯が形成された[5]。

近世には、明代中国の淹茶法の影響を受け、茶葉に湯を注いで飲む煎茶文化が広がった。元文3年(1738年)、山城国宇治田原郷湯屋谷村の永谷宗円が、蒸した茶葉を焙炉上で揉みながら乾燥する青製煎茶製法を完成したと伝えられる。この製法は宇治製法とも呼ばれ、現在の日本の蒸し製煎茶につながった[6]。

安政6年(1859年)の横浜開港後、茶は生糸とともに日本の主要輸出品となった。輸出需要の拡大に伴って静岡県などで茶園が開発され、栽培と製茶の機械化も進んだ。第二次世界大戦後は国内消費の比重が高まり、20世紀後半以降は缶やペットボトル入りの緑茶飲料が普及した。

生産と消費

[編集]

世界

[編集]

国際連合食糧農業機関(FAO)の政府間茶グループによると、2020年から2022年までの平均で、世界の緑茶生産量は約230万7千トンであった。このうち中国が約206万1千トン、ベトナムが約9万9千トン、日本が約7万2千トン、インドネシアが約3万5千トンを占めた[22]。

世界の緑茶輸出量は2022年に前年比1.7%増加し、中国がその75%以上を占めた[23]。一方、FAOは緑茶の消費データが不完全であるため、意味のある中期消費予測を作成できなかったとしている[24]。

中国

[編集]

中国は世界最大の緑茶生産国である。FAOの集計では、2020年から2022年までの平均緑茶生産量は約206万1千トン、輸出量は約31万1千トンであった[22]。2022年には世界の緑茶輸出量の75%以上を中国が占めた[23]。中国の国内市場の拡大を背景に、緑茶生産は今後も増加すると予測されている[25]。

日本

[編集]

農林水産省の作物統計によると、令和7年(2025年)の日本の茶栽培面積は3万3,400ヘクタール、荒茶生産量は7万5,100トンであった。栽培面積は静岡県、鹿児島県、三重県、京都府、福岡県の順に多く、上位3県で全国の約7割を占める。令和6年産および令和7年産の荒茶生産量では、鹿児島県が全国1位となった[15]。

産地によって生産の特徴が異なる。静岡県では煎茶、とくに深蒸し煎茶が主体である。鹿児島県では多様な品種が栽培され、碾茶の生産量が全国1位となっている。三重県では玉露とかぶせ茶、京都府では玉露と碾茶、福岡県では玉露の生産が多い。宮崎県では釜炒り茶、佐賀県・長崎県・熊本県では玉緑茶の生産が特徴となっている[15][19]。

全国茶生産団体連合会の調査によると、令和7年の荒茶生産量に占める割合は、煎茶48.1%、碾茶8.6%、玉緑茶とかぶせ茶が各2.0%、玉露1.0%であった[19]。同連合会の調査では、碾茶の生産量は需要の拡大を背景に増加し、令和7年には平成26年の約3.2倍となった[26]。

品種では「やぶきた」が全国の栽培面積の64%を占める。静岡県ではやぶきたの割合が86%に達する一方、鹿児島県では「ゆたかみどり」「さえみどり」などの早生品種も多く、品種構成が比較的多様である。京都府では「さみどり」「おくみどり」の割合が全国平均より高い[27]。

総務省「家計調査」によると、家庭で茶葉から抽出する緑茶(リーフ茶)の消費量は長期的に減少している。一方、簡便化志向などを背景として、缶やペットボトルを中心とする緑茶飲料の消費量は増加してきた。令和7年(2025年)の1世帯当たり年間支出額は、緑茶(リーフ茶など)が3,153円、茶飲料が8,962円であった[28]。

各地の生産・飲用文化

[編集]

中国と日本以外にも、韓国やベトナムのように緑茶を生産して国内で消費する地域と、マグリブのように輸入した緑茶を独自の飲用文化に取り入れた地域がある。

韓国

[編集]

韓国では南部を中心に緑茶が生産され、全羅南道の宝城郡と慶尚南道の河東郡が代表的な産地として知られる。韓国観光公社は宝城郡を国内最大の緑茶生産地として紹介している[29]。

曲線状に連なる韓国の茶畑
韓国・宝城郡の茶畑

河東郡花開面では、智異山の傾斜地と自然環境を利用した伝統的な茶栽培が継承されている。FAOは、この農業システムを地域住民による約1200年の環境適応の所産とし、2017年に世界重要農業遺産システムに認定した[30]。

ベトナム

[編集]

ベトナムでは北部を中心に緑茶の生産と飲用が盛んで、タイグエン省は主要産地として知られる。タイグエン茶は釜炒りによる酵素失活、揉捻、乾燥を基本とし、比較的多量の茶葉を用いて濃く抽出する飲み方もみられる[31]。

マグリブ

[編集]

モロッコをはじめとするマグリブ地域では、中国産の緑茶が広く飲まれている。

ポットとグラスに入ったミントティー
モロッコのミントティー

モロッコのアッツァイでは、珠状に仕上げた平水珠茶(英語版)などにミントと砂糖を加えて供する[32]。

飲用と食品利用

[編集]

緑茶は、茶葉に湯または水を注いで抽出するほか、抹茶や粉末茶のように茶葉そのものを粉末として飲食する。日本では一般に、煎茶は70-90℃程度、玉露は50-60℃程度、番茶やほうじ茶は高温の湯で抽出されるが、適温や抽出時間は茶葉の種類、品質、嗜好によって異なる。

抹茶、茶筅、茶杓、茶碗
抹茶と茶筅・茶杓・茶碗

緑茶や抹茶は、茶漬け、茶飯、茶そば、菓子、氷菓、乳飲料などに用いられる。中国浙江省の龍井蝦仁は、エビと龍井茶の若葉を用いる料理である。抽出後の柔らかい玉露や上級煎茶の葉を食用にすることもある。

健康への影響と安全性

[編集]

緑茶にはカテキン類、カフェイン、テアニンなどが含まれ、その健康影響について多くの研究が行われている。ただし、通常の飲料としての緑茶と、高濃度の成分を含む緑茶抽出物・サプリメントでは、摂取量と安全性が異なる[7]。

アメリカ国立補完統合衛生センターは、緑茶摂取と各種がんの発症リスクとの関係について、研究結果は一貫していないとしている。カテキンとカフェインには体重に対する小さな影響がみられる可能性があり、緑茶製品は総コレステロールおよびLDLコレステロールをわずかに低下させた研究があるが、その多くは飲料ではなく緑茶抽出物を用いた試験である[7]。

国立がん研究センターの研究班が日本人を対象とした疫学研究をまとめた評価では、緑茶摂取による全体的な胃がんリスクの低下は前向きコホート研究から確認されず、男女別・部位別の結果にも一貫した傾向は認められなかった[33]。

成人が飲料として緑茶を摂取することについて、アメリカ国立補完統合衛生センターは特段の安全上の懸念は報告されていないとしているが、緑茶にはカフェインが含まれる。緑茶抽出物を含むサプリメントでは、吐き気、便秘、腹部不快感、血圧上昇などの副作用が報告され、一部の医薬品の作用に影響する可能性もある[7]。

通常量の緑茶飲用は、一般に肝障害や血清肝酵素値の上昇とは関連づけられていない。一方、緑茶抽出物を含む錠剤・カプセルなどでは、まれではあるものの急性肝障害が報告されている。大量の緑茶飲用による少数の症例報告もある[34]。

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. 1 2 “緑茶の表示基準”. 日本茶業中央会. p. 13 (2026年7月10日). 2026年7月28日閲覧。
  2. 1 2 3 “ISO 20715:2023 Tea — Classification of tea types” (英語). International Organization for Standardization (2023年3月). 2026年7月28日閲覧。
  3. 1 2 3 “緑茶の表示基準”. 日本茶業中央会. pp. 23-24 (2026年7月10日). 2026年7月28日閲覧。
  4. 1 2 3 4 5 “中国传统制茶技艺述略与价值阐释” (中国語). 中国非物质文化遗产网・中国非物质文化遗产数字博物馆 (2023年9月15日). 2026年7月28日閲覧。
  5. 1 2 3 小竹志織「茶の利用についての研究ノート(1)」『紀要』第35号、滋賀県文化財保護協会、2022年3月、85-92頁、2026年7月28日閲覧。
  6. 1 2 『令和3年度「食文化の無形の文化財登録等に向けた調査(手揉み製茶)」委託業務報告書』(レポート)文化庁、2022年3月。2026年7月28日閲覧。
  7. 1 2 3 4 “Green Tea: Usefulness and Safety” (英語). National Center for Complementary and Integrative Health. 2026年7月28日閲覧。
  8. ↑ “ISO 20715:2023 Tea — Classification of tea types” (英語). International Organization for Standardization (2023年3月). 2026年7月28日閲覧。
  9. ↑ 大森 2017, pp. 90–118.
  10. ↑ 原口健司「抹茶の特徴」『におい・かおり環境学会誌』第46巻第2号、2015年、121-128頁、doi:10.2171/jao.46.121。
  11. ↑ 大森 2017, pp. 119–151.
  12. ↑ 大森 2017, pp. 154–174.
  13. ↑ 谷本 1990, pp. 120–121.
  14. ↑ 坂本孝義「玉緑茶の歴史的形成過程」『茶業研究報告』第123巻、2017年、21-26頁、doi:10.5979/cha.2017.123_21。
  15. 1 2 3 “茶をめぐる情勢”. 農林水産省. p. 1 (2026年7月). 2026年7月28日閲覧。
  16. ↑ 谷本 1990, pp. 156–179.
  17. ↑ 松下 2002, pp. 49–179.
  18. ↑ “緑茶の表示基準”. 日本茶業中央会. p. 23 (2026年7月10日). 2026年7月28日閲覧。
  19. 1 2 3 “茶をめぐる情勢”. 農林水産省. p. 2 (2026年7月). 2026年7月28日閲覧。
  20. ↑ 穆祥桐; 卢勇 (2022). “去伪存真:我国茶文化研究三题” (中国語). 东方论坛―青岛大学学报(社会科学版) (6): 50-58 2026年7月28日閲覧。.
  21. ↑ 岩間 2023, 張源『茶録』「造茶」、許次紓『茶疏』「今古製法」「炒茶」.
  22. 1 2 “Annex table 2”. Current global market situation and medium-term outlook (PDF) (Report) (英語). Food and Agriculture Organization of the United Nations. 2024年1月. CCP:TE 24/2. 2026年7月28日閲覧.
  23. 1 2 “para. 9”. Current global market situation and medium-term outlook (PDF) (Report) (英語). Food and Agriculture Organization of the United Nations. 2024年1月. CCP:TE 24/2. 2026年7月28日閲覧.
  24. ↑ “para. 20”. Current global market situation and medium-term outlook (PDF) (Report) (英語). Food and Agriculture Organization of the United Nations. 2024年1月. CCP:TE 24/2. 2026年7月28日閲覧.
  25. ↑ “para. 19”. Current global market situation and medium-term outlook (PDF) (Report) (英語). Food and Agriculture Organization of the United Nations. 2024年1月. CCP:TE 24/2. 2026年7月28日閲覧.
  26. ↑ “茶をめぐる情勢”. 農林水産省. p. 3 (2026年7月). 2026年7月28日閲覧。
  27. ↑ “茶をめぐる情勢”. 農林水産省. p. 10 (2026年7月). 2026年7月28日閲覧。
  28. ↑ “茶をめぐる情勢”. 農林水産省. p. 5 (2026年7月). 2026年7月28日閲覧。
  29. ↑ “Summer Destinations in Boseong, Jeollanam-do” (英語). Korea Tourism Organization (2022年10月24日). 2026年7月28日閲覧。
  30. ↑ “Traditional Hadong Tea Agrosystem in Hwagae-myeon” (英語). Food and Agriculture Organization of the United Nations. 2026年7月28日閲覧。
  31. ↑ 長坂康代「ベトナム北部の茶文化―首都ハノイを中心として」『ヒマラヤ学誌』第15巻、2014年、184-192頁、doi:10.14989/HSM.15.184。
  32. ↑ ティーピッグスほか 2017, p. 48.
  33. ↑ “緑茶と胃がんリスク”. 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究. 国立がん研究センター がん対策研究所. 2026年7月28日閲覧。
  34. ↑ “Green Tea” (英語). LiverTox: Clinical and Research Information on Drug-Induced Liver Injury. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (2020年11月20日). 2026年7月28日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 大森正司『お茶の科学―「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ』講談社〈ブルーバックス〉、2017年5月17日。ISBN 978-4-06-502016-6。 
  • 谷本陽蔵『中国茶の魅力』柴田書店、1990年。 
  • ティーピッグス、ルイーズ・チードル、ニック・キルビー 著、伊藤はるみ 訳『世界の茶文化図鑑』原書房、2017年。ISBN 978-4-562-05403-9。 
  • 松下智 編『緑茶の世界―日本茶と中国茶』雄山閣、2002年。ISBN 4-639-01773-1。 
  • 布目潮渢、中村喬 編『中国の茶書』 289巻、平凡社〈東洋文庫〉、1976年。 
  • 張源、許次紓 著、岩間眞知子 訳『明代二大茶書 張源『茶録』・許次紓『茶疏』全訳注』講談社〈講談社学術文庫〉、2023年。ISBN 978-4-06-533080-7。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]
⌬ Phoenix Mesh CID: 未登録 IPFS未登録 📡 0ピア N=1 CRITICAL PQS A95